(5) 働くこと・日中活動の支援  障害者が一般企業や通所施設(福祉作業所)で働くことや,その人に応じた活動により日中を過ごすことを支援します。   (関連する障害福祉サービス等)    第5章 1(2) 日中活動系サービス ⇒135ページ   現行計画期間の振返り ● 就労に向けた相談事業として,2か所の就労支援センター及び関係機関と連携強化しながら,就労や生活面の支援を実施し,ニーズの高い就労後の定着支援についても企業向けセミナー等を開催しました。 ● 若者向け相談事業は,平成25年7月から地域若者サポートステーション事業として,ちょうふ若者サポートステーション(サポステ)を市民プラザあくろす内に開設しました。厚生労働省委託事業としてNPO法人育て上げネットが実施しており,市ではサポステにあくろす内施設を無償提供しています。(産業振興課) ● 平成24年度創設の「障害者雇用促進助成制度」は申請がなく,平成26年度から「障害者就労体験事業奨励金制度」へ改正し,平成27年度1件の実績がありました。(産業振興課) ● 「ちょうふだぞう」,「すまいる分室」の移転に向けて,地域説明会や設計協議を重ね,平成29年2月に国領町に移転しました。 ● 障害福祉サービス等事業所開設費や運営費の補助により,通所施設等の充実を図り,事業所の数が増加しました。運営費補助は,対象事業所数の増加に伴い,持続可能な制度とするため平成28年度から補助率の引き下げを実施しました。 ● 平成25~26年度に「希望の家」の大規模改修工事によりバリアフリー化を実現しました。 ● 平成25年9月に,調布市社会福祉協議会により「希望の家深大寺」が開設されました。市では開設・運営費の補助を行っています。 ● 平成27年度から,こころの健康支援センターのデイサービス事業の一部を障害者総合支援法に基づく「自立訓練(生活訓練)」事業に移行しました。グループワークは個別プログラムにより継続利用を目指し,新たに訪問支援も開始して生活スキル向上などの個別課題への支援を実施しています。 ● 調布市福祉作業所等連絡会のネットワーク事業に補助を行い,平成24年11月から刊行の作業所情報誌「わくわーく」,作業所等連絡会のホームページ,市役所での展示販売会により周知と魅力発信に努めています。また,府中市・多摩市の作業所と,合同販売会「ほっとハート」での連携した取組を実施しています。 ● 平成25年4月の「障害者優先調達推進法」の施行に伴い,平成25年度から毎年度,「調布市障害者就労施設等からの物品等の調達方針」を策定し,策定時及び予算編成時に全庁に向けて周知をしています。また,同方針に基づき,ホームページにおいて実績件数及び金額を公表しています。平成27,28年度には,庁内で調達実績のない部署を対象に,調布市福祉作業所等連絡会とともに作業所において受注可能な業務や作業所製品の案内を行いました。市民向けには,作業所製品のPRのため,市役所2階総合案内前のスペースを確保し,作業所製品の展示販売会を定期的に実施しています。   今後の課題 ◆ 一般就労支援・定着支援  企業での一般就労を望む障害者は多く,より多くの障害者が一般就労に移行できるようにするための支援が必要です。そのためには,障害者への支援だけでなく,雇用する側の企業への支援の充実も不可欠です。  また,就職時だけでなく,仕事を続けていくための定着支援の充実も必要です。 ◆ 日中活動場所の整備  「希望の家深大寺」の開所をはじめ,障害者の日中活動場所の整備は進んでいますが,現在も市内に空き状況は少なく,今後の特別支援学校卒業生などへの対応のためにも継続的に整備を検討することが必要です。  特に,民間事業所では受け入れが困難な重度知的障害者等の通所先の整備は,計画的に進めていく必要があります。 ◆ 工賃向上への取組  障害者優先調達推進法の施行以降,作業所経営ネットワークの取組などにより受注機会は拡大していますが,障害者の経済的自立のために,就労継続支援B型事業所などの障害者就労施設等で働く障害者の更なる工賃向上への取組が必要です。   基本的方向性 <働く機会,相談の充実> ○ 「ちょうふだぞう」「こころの健康支援センター就労支援室ライズ」の2か所の障害者就労支援センターを中心に,若者向け支援などとも連携しながら就労支援,定着支援に引き続き取り組みます。 ○ 市や関連機関での障害者雇用の推進や,民間事業者への働きかけを行い,新たな雇用の創出に取り組み,障害者が働く機会の充実を図ります。 <多様な障害特性に応じた日中活動場所の整備> ○ 市が設置する障害者施設では,民間事業所では受入れが困難な重度障害者の対応など支援体制の充実を図ります。 ○ 今後の特別支援学校卒業生等の通所先の安定的な確保や,重度知的障害者,高齢障害者,発達障害者,高次脳機能障害者など一人ひとりの多様な障害特性に応じて支援を受けながら働いたり,過ごしたりできる日中活動場所の整備を進めるため,通所施設の設置支援を行います。  <福祉施設で働く障害者の工賃向上> ○ 「障害者優先調達推進法」に基づき市の障害者福祉施設等への発注機会を確保,拡大するとともに,「作業所等経営ネットワーク支援事業」などにより受注力の強化を支援し,障害者福祉施設等で働く障害者の工賃向上を図ります。   事業計画 <働く機会,相談の充実> 【主要事業】 No 2501 障害者就労支援事業 障害福祉課 事業概要  障害者が一般就労し,安心して働きつづけることができるよう,身近な地域において就労面及び生活面の支援を一体的に提供し障害者の就労の促進を図ります。  ○ 障害者地域生活・就労支援センターちょうふだぞう    (主に知的障害者,身体障害者)  ○ こころの健康支援センター就労支援室ライズ    (主に精神障害者,発達障害者) 今後の方向・目標  多様な障害特性に応じた支援の提供を進めます。また,就労後のバックアップ支援を強化することで,安心して同じ職場に長く定着できるよう対応していきます。 No 2502 若者向け労働相談の実施 産業振興課 事業概要  地域若者サポートステーション事業であるちょうふ若者サポートステーション(以下,サポステ)は厚生労働省の委託事業として,NPO法人育て上げネットが若者の職業的自立支援として実施するものです。調布市はサポステの公益性を鑑みて,あくろす内施設を無償で提供しています。  サポステでは,働く事に悩みを抱える15歳から39歳までの若者の就労や自立に向けて,相談やセミナーを行っています。また,働く事に不安を抱える子どもを持つ保護者からの相談も行っています。 今後の方向・目標  NPO法人育て上げネットと協力して,調布エリアの若者の就労支援に努めます。 No 2503 就労セミナーの実施 産業振興課 事業概要  就労・労働問題に対して関心や,疑問,悩みを持つ市民や事業主に対して,ハローワーク府中,東京都労働相談情報センター八王子事務所,その他関係機関と連携したセミナーを開催することで,労働関連知識の啓発や就労等に関する情報提供を図ります。 今後の方向・目標  労働環境を適切に保ち,労働環境や職業意識の向上につなげるため,引き続き関係機関と連携を図り,各種セミナーを開催します。 No 2504 障害者等雇用事業 障害福祉課 事業概要  市役所等において障害者に対して就業の機会を設け,社会的自立の促進や労働意欲の向上を図ることで,障害者福祉の増進を図ります。 今後の方向・目標  平成30年4月1日に改正障害者雇用促進法が施行され,精神障害者が企業の雇用義務の範囲に含まれます。  そのため,市役所等においても引き続き障害者の就労の場の提供を行います。また,市内の就労支援センターと連携し,福祉的雇用から一般就労にむけてのステップアップを支援します。 No 2505 市内在住の障害者の雇用の促進 産業振興課 事業概要  障害者の雇用の安定及び促進を図るため,市内在住の障害者を雇用する事業者に対して,障害者就労体験事業奨励金を支給します。 今後の方向・目標  市内就労支援施設2団体(ちょうふだぞう,就労支援室ライズ)からの紹介を受け入れた市内事業者に交付し,障害者雇用の促進を図ります。  <多様な障害特性に応じた日中活動場所の整備> 【主要事業】 No 2506 希望の家の運営 障害福祉課 事業概要  一般就労が困難な知的障害者に対し,生産活動等の機会の提供,授産指導,生活支援などの日中活動支援を行います。  ○ 希望の家(富士見町) 定員26人  ○ 希望の家分場(入間町) 定員12人 今後の方向・目標  民間事業所では受け入れが困難な手厚い支援を必要とする重度知的障害者の受け入れの場として,今後も計画的な受入れの実施と支援体制の確保を図ります。特に,福祉的就労を希望する肢体不自由を重複した知的障害者の受け入れ体制を整備します。 【主要事業】 No 2507 知的障害者援護施設そよかぜの運営 障害福祉課 事業概要  一般就労が困難な知的障害者に対し,生産活動等の機会の提供,授産指導,生活支援などの日中活動支援を行います。  ○ 知的障害者援護施設そよかぜ(西町) 定員30人 今後の方向・目標  民間事業所では受け入れが困難な手厚い支援を必要とする重度知的障害者の受入れの場として,今後も計画的な受入れの実施と支援体制の確保を図ります。 【主要事業・拡充】 No 2508 知的障害者援護施設すまいるの運営 障害福祉課 事業概要  就労が可能な知的障害者に福祉的就労の機会を提供するとともに,一般就労に向けた訓練・支援を行います。  ○ 知的障害者援護施設すまいる(西町)    定員32人  ○ 知的障害者援護施設すまいる分室(国領町) 定員 7人 今後の方向・目標 (すまいる) 高齢化により作業が困難になってきている利用者への対応を含め,今後の市立施設としての役割について,事業内容の見直し,検討を行います。 (すまいる分室) 新たに「就労定着支援」事業を実施し,一般就労した利用者の定着支援を充実させるとともに,同建物内の障害者就労支援センター「ちょうふだぞう」との連携体制の充実を図ります。 【主要事業】 No 2509 デイセンターまなびやの運営 障害福祉課 事業概要  重度重複障害者を対象として日常生活や社会適応を養うための訓練を行うことで社会活動への参加を支援します。また,介護者の病気等で一時的に介護が困難な場合の日帰り介護を行います。 今後の方向・目標  現在実施している医療的ケアの継続を含め,利用者の障害状態に応じた必要な支援体制を整えていきます。 【主要事業】 No 2510 こころの健康支援センターの運営(自立訓練事業) 障害福祉課 事業概要  精神障害者及び発達障害者を対象として,ニーズや対象者別のプログラムによるグループワーク,生活スキル向上や健康維持を目的とした訓練プログラム,個別課題に対しての訪問支援等を実施します。 今後の方向・目標  利用者数が増加傾向にあり,引き続き活動プログラムや支援体制の充実を図ります。 【主要事業】 No 2511 重度知的障害者通所施設への運営費補助 障害福祉課 事業概要  特に手厚い支援が必要な重度知的障害者を受け入れる事業所に対して運営費の補助を行い,重度知的障害者の日中活動場所の確保を図ります。  ○ 希望の家深大寺(深大寺北町)  ○ わかば事業所(染地) 今後の方向・目標  今後も補助を継続するとともに,事業者と協議を行いながら利用者の計画的な受け入れを進めます。 No 2512 身体障害者デイサービス事業の運営支援 障害福祉課 事業概要  障害者支援施設「みずき」(府中市朝日町)が行う生活介護事業に対して補助を行うことにより,重度身体障害者(一部医療的ケアが必要な方を含む。)の日中活動の場所の確保と社会参加の促進,家族の身体的・精神的負担の軽減を図ります。 今後の方向・目標  市民が活用できる貴重な重度身体障害者の日中活動の場であるため,運営支援を継続します。 No 2513 府中生活実習所送迎サービス運営費補助 障害福祉課 事業概要  知的障害者通所施設「府中生活実習所」(府中市)に対し,当該施設に通所する調布市民の送迎に係る費用を補助し,日中活動場所の確保を図ります。 今後の方向・目標  継続します。 No 2514 障害者(児)施設防犯対策整備費の補助 障害福祉課 事業概要  障害者(児)施設へ,カメラ付きインターホンの設置や防犯カメラの設置等の防犯対策に係る費用を補助し,安全かつ安心して過ごせる日中活動の場所の確保を図ります。 今後の方向・目標  東京都の補助制度の動向等も注視しながら,安全な日中活動の場所の確保を図ります。 No 2515 アルコール依存症障害者等活動施設等運営費補助 障害福祉課 事業概要  アルコール依存症障害者の社会復帰を目標に,本人やそのご家族へ相談や助言,情報提供などを行っている施設を運営している団体等に対して,活動施設の運営費を補助することでその活動を支援し,利用者の社会復帰・自立の促進を図ります。 今後の方向・目標  継続します。 【主要事業】 No 2516 障害福祉サービス事業所の開設費補助 障害福祉課 事業概要  障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所(通所系サービス)を開設する事業者に対して,開設に係る経費を補助します。 今後の方向・目標  補助を希望する事業者の公募・選考により,重度知的障害者,高齢障害者,発達障害,高次脳機能障害など多様な障害特性に応じた,より利用者のニーズに対して不足しているサービスの拡大を優先して補助を行います。 ⇒関連事業「高齢障害者の日中活動場所の整備」(99ページ。No.2801) 【主要事業】 No 2517 障害福祉サービス事業所の運営費補助 障害福祉課 事業概要  障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所(通所系サービス)を運営する事業者に対して,運営に係る経費(施設賃借料)を補助します。 今後の方向・目標  補助対象事業所の増加に対応しつつ,事業所の安定的運営により支援の質を確保するための制度として継続を図ります。 <福祉施設で働く障害者の工賃向上> 【主要事業】 No 2518 作業所等経営ネットワーク支援 障害福祉課 事業概要  市内の作業所等が共同して製品販路,受注先開拓,製品受注及び製品開発等に取り組むネットワーク構築やその活動に対して,補助を行います。 今後の方向・目標  民間企業と多様な連携を行い,従来の共同事業や自主製品づくりを充実するとともに,作業所の利用者の勤労意欲の向上を図りながら,工賃水準の引き上げを目指すため,補助事業を継続します。 【主要事業】 No 2519 障害者優先調達推進法への取組 障害福祉課 事業概要  調布市における障害者就労施設等からの物品及び役務の調達の推進を図ることで,障害者の就労支援及び自立と社会参加を促進します。 今後の方向・目標  障害者優先調達推進法に基づき,「調布市障害者就労施設等からの物品等の調達方針」を策定し,その実績について公表していきます。また,引き続き市役所内での作業所製品等の展示販売会を実施するなど庁内で周知を図ります。