(3) 安全・安心のまちづくりの推進 基本的方向性 障害のある方の視点も取り入れたまちづくりを推進し,誰もが住みやすいと感じ,安心・安全な地域環境を創設していく中で,市民同士の交流を活性化します。 「調布市バリアフリー基本構想」にもとづき,「どこでも,だれでも,自由に,使いやすく」というユニバーサルデザイン(※)の考え方にもとづいた,誰もが利用しやすい環境整備を進めます。また,重点整備地区は,連続立体交差事業にあわせて重点的かつ一体的なバリアフリーを推進する「調布駅・布田駅・国領駅周辺地区」と,バリアフリー法にもとづく市民提案を受けた「飛田給駅周辺地区」の2地区とします。 「調布市地域防災計画」の災害時要援護者対策に基づき,災害発生時における災害時要援護者の避難誘導や安否の確認等を,地域のさまざまな組織や団体と協力して実施するとともに,避難などの際に,特に人的支援を要する災害時要援護者に対しては,一人ひとりの避難支援方法等に関する「個別支援プラン」を作成します。 災害発生時をはじめ,災害が発生するおそれがある場合には,文字や音声等多様な手段を講じて必要な情報を迅速に伝達します。特に災害時要援護者への情報伝達は,自治会や地区協議会,防災市民組織,関係機関・団体のネットワークを活用するなど,迅速・確実に情報伝達する体制を整備します。 ひとりぐらし高齢者や重度の障害のある方等が家庭内で事故や病気に陥ったときのために,発信機を用いた緊急通報システムの貸与や,地域の協力体制を構築する等,障害のある方が地域社会で安全かつ安心して生活を営むことができるようにします。 (注)ユニバーサルデザイン:年齢,性別,国籍,個人の能力等にかかわらず,できるだけ多くの人が利用できるよう生活環境その他の環境を作りあげることをいいます(調布市福祉のまちづくり条例より)。 (注)調布市地域防災計画:市の地域における地震災害及び風水害の予防,応急対策並びに復旧・復興対策を実施することにより,市民の生命,身体及び財産を保護するため,災害対策基本法に基づき策定した計画です。計画の概要は,第1部が調布の地勢や被害想定,第2部が災害予防計画,第3部が災害が発生した際の応急対策計画,第4部が災害発生後の復旧計画となっています。 事業計画  誰もが交流できるユニバーサルデザインのまちづくり 「どこでも,だれでも,自由に,使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき,市内の空間整備を進めていきます。とりわけ駅前など,多くの市民が集う場において,障害のある方の様々な活動が活性化し,それを通じて市民誰もが一緒に交流できるまちづくりを進めていきます。 福祉のまちづくり条例検討・推進 福祉総務課 事業概要 福祉のまちづくりについての基本理念並びに市,市民及び事業者の責務を明らかにするとともに,施設の整備及びサービスの向上を図るための施策に係る基本的事項を定め,協働してその施策を総合的かつ計画的に推進することにより,豊かで温かいまち調布の実現を目指します。 今後の方向・目標 推進計画に基づき,関係部署と連携して福祉のまちづくりを推進します。また,福祉マップの作成を検討します。 駅前広場の整備 街づくり事業課 事業概要 京王線連続立体交差事業により,これまで鉄道により分断されていた市街地が一体化することから,交通結節機能の強化と広くて歩きやすい歩道の改良など,歩行者の回遊性に配慮した,活気とにぎわい,うるおいとやすらぎのある駅周辺の創出を目的としています。 今後の方向・目標 京王線連続立体交差事業の進捗に合わせ,駅前広場の整備を推進します。 人と環境にやさしい道路の整備 道路管理課 事業概要 高齢化社会を迎えて,バリアフリーの声が高まる中,市民が安全で快適に通行できる道路づくりが求められている。そのことを進めるため,主要幹線道路や駅周辺の歩道のバリアフリー化整備及び車道の低騒音排水性舗装整備を行っています。 今後の方向・目標 今後も高齢者や障害者にやさしい道路づくりとして,歩道の段差解消や誘導ブロックの設置などを行い,バリアフリー化を進めていきます。また,歩道の透水性舗装や低騒音排水性舗装など環境にやさしい道路づくりを行っていきます。 放置自転車対策・駐輪場の整備 交通対策課 事業概要 駅周辺における放置自転車対策を図るため,自転車等放置防止誘導員による指導とともに,放置自転車の撤去を行います。また、恒久的な自転車等駐車場の整備を推進し,安全で快適な交通環境の整備をめざします。 今後の方向・目標 自転車等駐車場整備計画を策定し,計画に基づく連続立体交差事業3駅及びつつじヶ丘駅周辺の自転車等駐車場の整備・有料化を推進します。 調布市公共サイン整備方針の策定 交通対策課 事業概要 ユニバーサルデザインの視点を踏まえ,統一的な考え方に基づく,誰もがわかりやすい公共サインの整備を推進するため,市における基本的な整備方針を定めます。 今後の方向・目標 新たに策定した整備方針に基づき,構造・設置方法・内容等において誰もが安心して使えるサインの整備を進めていきます。 交通バリアフリーの推進 交通対策課 事業概要 交通環境の一体的・重点的なバリアフリー化を図ることにより,すべての人が円滑に移動できるようにすることを目指し,「調布市バリアフリー基本構想」を策定して,交通環境のバリアフリー化に取り組んでいます。 今後の方向・目標 ユニバーサルデザインの考え方に基づき,歩行者が安全・安心に移動できる環境の整備を推進します。 また,生活環境の整備と併せてこころのバリアフリーに関する取組も積極的に推進していきます。 災害時の対応の強化 災害発生時における災害時要援護者への支援を適切かつ円滑に実施するため,個別に「災害時要援護者避難支援プラン」の策定を進めます。また,障害の状況,医療情報及び緊急連絡先等災害時に必要となる個人情報を事前に市に登録しておく災害時要援護者台帳を整備し,民生児童委員及び調布消防署と情報共有を行うことで,災害時に障害のある方が迅速かつ適切な支援が受けられる体制づくりに取り組みます。 災害時要援護者避難支援プランの策定 福祉総務課 事業概要 災害発生時における災害時要援護者への支援を適切かつ円滑に実施するため,本市における災害時要援護者の避難支援対策について,その基本的な考え方や進め方などを明らかにしたプランを策定します。 災害時要援護者の自助・地域(近隣)の共助を基本とし,災害時要援護者への情報伝達体制や避難支援体制の整備を図ることにより,地域の安全・安心体制を強化します。 今後の方向・目標 要援護者への理解と支援の必要性を伝えるとともに,市民が地域災害について災害様相をイメージできるように,また,市と地域の役割など明確にしていきます。避難などの際に,特に人的支援を要する災害時要援護者について,その状況や避難支援方法をまとめた行動計画の検討を進めていきます。 また,要援護者台帳のシステム導入を検討し,適切な管理を図る等事業全体の拡充を図っていきます。 災害時要援護者台帳の整備 障害福祉課 事業概要 障害状況,医療情報及び緊急連絡先等災害時に必要となる個人情報を市に登録してもらい,民生委員及び調布消防署と情報共有を行うことで,災害時に障害児・者が迅速かつ適切な支援が受けられる体制を整備します。 今後の方向・目標 今後,精神障害者保健福祉手帳所持者の方も対象に含めることを検討していきます。 地域防災計画の修正 総合防災安全課 事業概要 地域防災計画は,災害対策基本法で策定が義務付けられており,市や消防・警察等の行政機関やライフライン関係機関が災害時に行うべき業務等を定め,市民の生命,身体及び財産を保護することを目的としています。 上位計画である国や東京都が策定する計画の修正及び見直しが行われた際は,国や都の計画内容,被害想定,近年の災害における教訓等を反映し,修正を行っています。 今後の方向・目標 計画の修正及び見直しについては,国や都の計画の修正内容を踏まえるとともに,パブリックコメントや住民説明会などを実施し,被害を受ける市民の視点からの意見を取り入れることにも配慮して行います。 防災マップ・洪水ハザードマップの配布 総合防災安全課 事業概要 洪水ハザードマップは,平成19年3月に全戸へ,防災マップは,平成22年3月に全世帯・全事業所へ配布しました。 平時は,窓口配布及び訓練・出前講座等の催事にあわせて配布しており,市内の避難場所や災害時の情報収集方法・避難時の心得など,災害対策全般を記載し,市民へ情報提供を行っています。 また,洪水ハザードマップ,防災マップともに,点字版と音声版を視覚障害者向けに作成し,一部の施設で閲覧が可能です。 常時設置場所 ①総合防災安全課窓口 ②市民課窓口 ③神代出張所 ④市内地域福祉センター ⑤市内図書館 視覚障害者向け設置場所 ①総合防災安全課窓口  ②障害福祉課窓口  ③総合福祉センター ④市内地域福祉センター ⑤市民活動支援センター(調布市市民プラザあくろす2階) 今後の方向・目標 さまざまな催事等で継続的に周知を図り,市民の防災行動力の向上を推進していきます。 また,見直し等に合わせて,視覚障害者向けにSPコードの添付についても検討していきます。 防災拠点の整備 総合防災安全課 事業概要 調布基地跡地留保地を活用し,防災公園の整備を行うことで,日頃から防災意識向上のための施設として利用を図るとともに,発災時の防災活動拠点としての利用を行います。 今後の方向・目標 防災機能を有する公園として整備していく予定であり,整備にあたっては,災害時要援護者の方にも利用が可能な施設構造を検討していきます。 防災備蓄品の確保・充実 総合防災安全課 事業概要 調布市地域防災計画に基づき,災害時の避難所となる市内の公立小中学校など,公共施設(29か所)に備蓄倉庫を設置しています。また,災害が発生した際,避難所1か所あたり約800人の市民の方々が避難すると想定しております。これに基づき,各避難所には3日分の食料,組立て式及び携帯用トイレなどをはじめとする生活用品など約50種類を備蓄しています。 食料品を中心に消費期限到達及び経年劣化等による入替えを行っています。 今後の方向・目標 食料品等の消費期限による入替え,避難所(二次避難所)の新規認定に伴う備蓄の拡充及び被害想定の見直し等に伴う備蓄物資・数量の見直しを行います。 備蓄品の選定,更新にあたっては,女性や高齢者,子どものいる家庭,災害時要援護者等に対して配慮すべく,福祉や子ども関係の部署に意見を伺うなど,より多くの意見をもとに検討を進めていきます。 消防力の向上 総合防災安全課 事業概要 消防事務を東京消防庁に委託し,安全な消防活動の維持や関係団体間の連携等により,消防力の向上を図っています。 今後の方向・目標 常備消防は,東京消防庁に委託しており,今後も,消防署及び消防団との連携・調整を行い,訓練などを通して消防力の維持・向上に努めます。また,福祉関係部署と連携して,災害時要援護者等に対する安全対策を推進していきます。 木造住宅の耐震化の促進 住宅課 事業概要 昭和56年5月31日以前に建築された,市内の1戸建ての木造住宅の耐震診断に係る費用の助成をしています。今後の 方向・目標 継続します。 緊急時等への対応の強化 病気や事故,火災等の緊急時に迅速かつ適切な支援を受けられるように,医療情報や緊急連絡先等を記載した書面を保管できる救急医療情報キットの配布や緊急事態発生時の緊急通報システムの設置を図ります。 障害者救急医療情報キット給付事業 障害福祉課 事業概要 市内在住の障害児・者に対し,医療情報や緊急連絡先等を記載した書面を専用の容器に入れて,各家庭の冷蔵庫に保管するための救急医療情報キットを配布し,救急時等において迅速かつ適切な医療等の支援を受けられる環境を整備します。 今後の方向・目標 平成24年度に配布を予定しています。配布に当たっては,調布市作業所等連絡会と協働し,来所による配布のみならず,個別訪問による対応も検討しています。 障害者火災安全・緊急通報システム事業 障害福祉課 事業概要 家庭内で病気や事故等の緊急事態が起きたときや火災が起こってしまったときのために,民間の緊急通報システムの貸与及び火災に対応できる体制を整えることで速やかに不測の事態に備え,障害者の火災や緊急時における安全を確保します。 今後の方向・目標 継続します。 あんしんネット(障害者を地域で支える体制づくりモデル事業)(再掲) 障害福祉課 事業概要 知的障害者を地域で支えていく体制づくりを目的としています。地域への障害理解や相談機関の普及啓発,アウトリーチ支援,地域のネットワーク体制の整備,また,緊急相談窓口を設置し,知的障害者,発達障害者の緊急時に必要に応じてショートステイやヘルパー派遣などを行います。 今後の方向・目標 障害者が地域で安心して生活できるために,さまざまな視点から地域で支えていく仕組みを検討していきます。 見守りネットワークの推進 高齢者支援室高齢福祉担当 事業概要 調布市見守りネットワーク事業(愛称:みまもっと)は,市内のひとりぐらしの高齢者や障害者,生活困窮者など支援が必要な方々が,住み慣れた地域で安全で安心して暮らし続けられるよう,「地域包括支援センター」を核として展開している地域による見守りのネットワークです。地域住民,協力団体等が,日常生活や業務活動の中で,地域の高齢者等の異変や生活上の支障等に気づいたら,各地域の地域包括支援センターに連絡し,センターが対象者の現状把握と即時対応を行い,状況に応じて適切な相談窓口の紹介や福祉サービスの提供へつなげるものです。 今後の方向・目標 地域住民や地域の関係機関・関係団体等の協力を得て,「みまもっと」の充実を図り,地域の見守り体制を強化していきます。 各地域包括支援センターを核とする地域の中のネットワークと,市内全域を統括する協力団体との全市的ネットワークの二つの面から,連携を推進していきます。