(7) 権利擁護・苦情対応 基本的方向性 判断能力が不十分な方や生活に不安がある方が安心して生活を送るための支援としての「成年後見制度」や「地域福祉権利擁護事業」についての市民への普及啓発を強化します。 障害者虐待防止法の施行(平成24年10月1日)に備え,障害のある方への虐待の禁止,虐待の予防・早期発見など虐待防止等に関する市の対応措置等についての整備を講じます。 施設第三者委員についての普及啓発を図るとともに,東京都の福祉サービス第三者評価についても各施設の受審を積極的に支援する等,福祉サービスの質の向上を図ります。 今後新たに展開が予定されている「基幹相談支援センター(地域における相談支援の中核的な役割を担う機関)」を中心に,ワンストップの相談窓口機能や権利擁護・虐待防止等の体制を強化します。 (注)成年後見制度:認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,支援する制度です(法務省HPより)。 (注)地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業):認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うものです(厚生労働省HPより)。  成年後見制度と地域福祉権利擁護事業は,本人の判断能力や居所(在宅か施設か),必要とする管理の内容によって異なります。 (注)ワンストップの相談窓口機能:1つの窓口でさまざまな相談支援が受けられること。 事業計画  権利擁護体制の強化 自分の権利を自分で守ることが難しい方の権利を擁護するために,成年後見制度等のしくみの周知を市民全体に図り,潜在的なニーズの掘り起こしに努めます。また,平成24年度より,成年後見制度利用支援事業が地域生活支援事業(必須事業)となることで,これまで後見報酬を支払うことができずに,成年後見制度を利用できなかった方の利用も増加することが見込まれており,関係機関と調整を図りながら事業の拡充を図ります。 成年後見制度の利用支援 障害福祉課 事業概要 成年後見が必要な状況に至っている知的及び精神の障害者で後見人となるべき親族等がいないなど,申立てができない障害者に代わって市長が家庭裁判所へ後見開始審判の申立てを行います。その際の鑑定料や事務手続きにかかる経費等を本人に代わって支払います。 今後の方向・目標 平成24年4月から,成年後見制度利用支援事業が地域生活支援事業の必須事業に格上げされます。これにより,これまで後見報酬を支払うことができずに,成年後見制度を利用できなかった方の利用も増加することが見込まれています。成年後見制度をより利用しやすくしていくために,関係機関と調整を図りながら事業の拡充を図っていきます。 多摩南部成年後見センターの運営 福祉総務課 事業概要 第三者または親族による成年後見を受けることが困難な,所得や資産がない方に後見事務を提供するため,調布市,日野市,狛江市,多摩市及び稲城市により,一般社団法人多摩南部成年後見センターを設立し,運営しています。 今後の方向・目標 ニーズの高まりや,相談者の多様化により,センターの運営形態の再構築,また,利用者支援の新たな体制づくりを検討していきます。 利用者サポート事業の実施 福祉総務課 事業概要 福祉サービスの利用者等が,地域において福祉サービスを安心して選択し,利用できるように総合的に対応します。 1 福祉サービスの利用に際しての苦情対応  2 判断能力の不十分な人々の権利擁護相談  3 成年後見制度の利用相談  4 その他福祉サービス利用等に関する専門的な相談 5 多摩南部成年後見センターの説明と利用相談 今後の方向・目標 障害者自立支援法の改正に伴い,障害者による制度利用は増加することから,相談機能に加え,事業の充実を図ります。 地域福祉権利擁護事業 社会福祉協議会 事業概要 認知症や障害などのために,判断能力が不十分な方が地域で安心して暮らせるように,福祉サービスの利用援助や日常的金銭管理,書類等の預かりを行っています。 今後の方向・目標 地域権利擁護事業推進のために引き続き関係機関との連携を行い,必要に応じて成年後見制度へのスムーズな移行を進めていきます。 人権に関する相談事業の推進 市民相談課 事業概要 基本的人権及び自由を尊重し確保することを目的として,日常生活における人権侵害問題などに関する相談業務を実施しています。 今後の方向・目標 継続します。 相談事業(市民相談) 市民相談課 事業概要 法律相談をはじめとする13種類の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。 今後の方向・目標 法律相談をはじめとする13種類の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。 虐待防止への対応 新たに設置が予定されている「障害者虐待防止センター(障害福祉課内)」を中心に,従来からの児童虐待,高齢者虐待の防止対策とも連携して,障害のある方への虐待防止の体制を強化します。 障害者虐待防止センターの設置 障害福祉課 事業概要 障害者虐待の未然防止や早期発見,迅速な対応,その後の適切な支援を行うため,障害者虐待防止センターを設置します。 今後の方向・目標 地域における関係機関等の協力体制の整備・充実を図ります。虐待が発生した場合の一時保護のための居室の確保や,医師や弁護士等により医学的・法的な専門的助言を得るなど専門性や支援体制の強化を図ります。あわせて,障害福祉サービス事業所,市民等を対象とした虐待予防研修を実施します。 児童虐待防止センター事業 子育て支援課 事業概要 市民からの緊急的な児童虐待等の相談・通告などに対応する窓口として,子ども家庭支援センターすこやかに,フリーダイアルの「すこやか虐待防止ホットライン」を設置しています。必要に応じて児童相談所等の関係機関との連携や相談者へ適切なサービスの紹介を行い,虐待の防止・早期発見・児童等への支援に努めています。 また,個々の事例の支援方法等を決定するために,要保護児童対策地域協議会ケース会議を開催しています。 今後の方向・目標 引き続き,各種相談窓口等,関係機関と連携しながら事業を実施するうえで,ワーカー及びコーディネーター等がそれぞれの期待される役割を全うすることはもとより,研修等を活用することで,職員一人一人のスキルアップを図り,さまざまなケースに迅速,的確に対応します。 高齢者虐待防止対策の推進 高齢者支援室高齢福祉担当 事業概要 高齢者の尊厳ある生活を保障するため,虐待を未然に防ぐための対策や,虐待が生じている場合には早期発見,早期対応を行います。 見守りネットワーク事業「みまもっと」等を通じ見守り体制を充実するとともに,虐待防止PRや早期発見,対応の啓発などを行います。 今後の方向・目標 高齢者虐待の発生件数が増加していることから,早期発見や防止に向けた啓発等に引き続き取り組みます。 基幹型相談支援センター(再掲) 障害福祉課 事業概要 障害者自立支援法の改正に伴い,新たに市で設置します。地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを設置し,総合的な相談業務を実施します。 今後の方向・目標 身近な地域の相談支援事業者で対応できない個別事例への対応をはじめ,地域の相談支援専門員のスーパービジョンや人材育成,広域的な調整,ネットワーク構築など,実情に応じて実施します。平成24年度設置を予定しています。 苦情対応等サービスの質の向上 サービスへの不満や苦情に対して,市民が気軽に意見を出せる環境を整備するため,広聴や事業者への第三者委員による評価を実施する等,多様な方法により公正・中立な対応を図ります。 広聴事務 市民相談課 事業概要 「メール」や「市長へのはがき」等による要望,苦情等の「市民の声」に対して,適切な対応を図るとともに,「市民の声」を施策や事務事業の改善にいかしています。 今後の方向・目標 法律相談をはじめとする13種類の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。 オンブズマン事業 市民相談課 事業概要 市民からの市政に関する苦情等を公正かつ中立的な立場から簡易迅速に処理し,市政の改善に関する提言等を行うことにより,市民の権利及び利益を擁護するとともに,市政に対する市民の理解と信頼を高め,開かれた市政の一層の推進に資することを目的に実施しています。 今後の方向・目標 法律相談をはじめとする13種類の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。 施設運営第三者評価 障害福祉課 事業概要 市立障害者施設(希望の家,なごみ,そよかぜ,すまいる,まなびや)が提供する福祉サービスに関わる利用者からの苦情等に適切に対応するため,各施設に第三者委員を設置し,利用者の権利擁護を図っています。 今後の方向・目標 利用者により活用しやすい制度となるよう周知の徹底や相談方法の検討等を行っていきます。 障害福祉サービス事業所監査 障害福祉課 事業概要 市内の障害福祉サービス事業所に対して,運営管理,利用者支援,会計経理等が適正に行われているか市が監査を行います。 今後の方向・目標 東京都の所管課及び指導監査部と連携し,実施していきます。