(10)高齢期の支援の充実 基本的方向性 ライフステージの移行時など,利用できるサービス等の仕組みが変わる際に,利用者が円滑に適切なサービスを利用できるように,関係諸機関が連携し,フォローを行います。 高齢化が進展している中で,障害のある方やその家族も同様に高齢化している実態があります。そのような中で,障害のある方が地域で安心して暮らし続けられるように,緊急時のサポート体制を整備するとともに,グループホームやケアホーム等の居住の場の拡充を図ります。 高齢者に関する総合相談支援業務を行っている地域包括支援センターや市内の介護保険サービス事業所等と連携し,高齢の障害のある方への支援スキルの向上を図り,高齢の障害のある方の地域生活を支えます。 障害のある方が高齢となっても,その人に合った日中活動の場が提供できるように,整備を推進します。 (注)地域包括支援センター:高齢者と家族のための総合相談窓口。調布市には,9か所の地域包括支援センターが配置され,地区ごとに担当の地域包括支援センターが決まっています。相談は無料であり,地域包括支援センターはご連絡をいただければ,状況に応じて職員が自宅まで訪問し,相談をお受けすることも可能です。 事業計画  高齢の障害のある方やそのご家族への相談支援の展開 障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行が必要な利用者に対して,障害福祉課と地域包括支援センター,ケアマネジャー,サービス事業所等が連携して,円滑なサービス移行を支援します。また,高齢者と障害のある方(子)からなる世帯等,制度をまたがる複合的な支援が必要となる方々には,総合的な支援を行います。 介護保険制度への移行支援,地域包括支援センターとの連携 障害福祉課 事業概要 65歳到達に伴い,障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行が必要な利用者に対して,円滑なサービス移行ができるよう,サービス事業所と連携し努めていきます。また,高齢障害者や介護保険第2号被保険者となる障害者への支援,また高齢者と障害者の親子世帯等多問題を抱える家族に対して,地域包括支援センター等と連携して総合的な支援を行います。 今後の方向・目標個別の利用者に対してサービス移行に関する説明や案内を充実させていくとともに,地域包括支援センター連絡会への参加等を通じて,地域包括支援センターやケアマネジャーとの連携強化を図ります。また,高齢者と障害者の世帯の支援について,情報提供や相談,介護保険事業所との調整を充実させていきます。 (注)介護保険第2号被保険者:40~64歳で医療保険に加入している方をいいます。なお第1号被保険者とは65歳以上の方をいいます。 地域包括支援センターの運営 高齢者支援室高齢福祉担当 事業概要 高齢者の総合相談窓口として,高齢者や家族に対する相談・支援を行うほか,高齢者虐待の防止・早期発見等の権利擁護,地域の多様な社会資源を活用した包括的・継続的マネジメント,介護予防事業,介護予防給付を効果的かつ効率的に提供するための介護予防ケアマネジメントを行います。地域包括支援センターは現在市内に9か所あり,地域のネットワークづくりや,地域の見守りネットワークの構築の役割も担っています。 今後の方向・目標 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるための「地域包括ケア」の中核を担う機関として,地域包括支援センターの機能を強化します。そのため1か所増設し,計10か所にします。また,地域住民や関係機関との連携を深め,地域のネットワークを構築していきます。 (注)包括的・継続的マネジメント:高齢者の方々が,住み慣れた地域で自立して生活するために必要な援助,支援を行うために民生委員やケアマネジャーなどの関係機関と連絡調整を行うものです。 (注)介護予防ケアマネジメント:高齢者の方々が,地域の中で自立した生活が送れるように本人のできることをいかし,高齢者の方々の介護予防のお手伝いをします。 高齢者福祉相談の実施 高齢者支援室高齢福祉担当 事業概要 高齢者支援室に配置されている高齢者福祉相談員等が,高齢者やその家族等に対して健康や福祉・医療・生活に関すること等の総合的な相談・支援に応じます。 複合的な問題を抱える方に対しては,状況に応じ専門の部署や機関につなぎ,必要とする支援が届くよう手助けをします。 今後の方向・目標 支援が必要な高齢者や高齢者を介護する家族が増加している中,適切なサービスを受けられるよう,引き続き総合相談窓口として,さまざまな相談に応じます。 高齢の障害のある方の日中活動への支援 従来の作業所等での活動が困難になった障害のある方の新たな日中活動のあり方については,モデル的に平成24年度に精神障害の方を対象とした事業所の開設をめざすとともに,今後の課題や方策について,障害者地域自立支援協議会で検討を進めていきます。 高齢障害者の日中活動場所の整備 障害福祉課 事業概要 加齢により従来の作業所での活動が困難になった障害者の日中活動場所の確保のため,民間社会福祉法人による高齢障害者のための新たな障害福祉サービス事業所設置を支援します。 今後の方向・目標 平成24年度に新たに市内1か所の精神障害者を対象とした事業所が開設される予定です。今後も,高齢障害者に特化した日中活動場所の設置を支援していきます。