1 障害のある方と家庭への地域生活の支援 ライフステージ全体にかかる施策 (1)相談支援体制の強化 基本的方向性 障害のある方とその家庭の多様なニーズ,位置するライフステージ,取りまく社会的環境等を踏まえ,一人ひとりの実態・ニーズに即した,相談支援の充実を図ります。また,このような多様なニーズに対応するため,地域の関係機関の連携体制を強化します。 相談窓口の場所や開設時間,相談内容等を,市民全体に分かりやすく周知します。 地域における障害のある方の自立のため,一人ひとりのニーズに応じた情報提供やサービス利用の援助・調整,必要な社会資源の開発等を行うケアマネジメント体制を強化します。 ライフステージの移行時など,利用できるサービス等の仕組みが変わる際に,利用者が円滑に適切なサービスを利用できるように,関係諸機関が連携し,フォローします。 障害のある方が地域で安心して暮らし続けられるように,緊急時のサポート体制(相談窓口の設置,サービスの調整等)やアウトリーチ支援(訪問)を強化します。 当事者相談を充実し,障害のある方の主体的な生活の支援を行います。 高次脳機能障害・発達障害等の新たな障害に関する相談支援体制の充実を図ります。 (注)高次脳機能障害と発達障害に関しては,制度上,障害としての位置づけが不明確であったところ,発達障害については「障がい者度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律(平成22年12月公布)」により,障害者の範囲に含まれることが法律上明示されました。あわせて、高次脳機能障害については専門の法律がないため、大臣告示や通知等で対象であることを明確にしました。 事業計画  総合的な相談支援体制の構築 障害のある方の地域生活を,年齢やライフステージで切れ目がないように(シームレスに)支え,一人ひとりが安心した生活が送れるように,総合的な相談支援体制を構築します。 そのため,市内3か所に設置されている指定相談支援事業所(P.20参照)はもとより,さまざまな関係機関が連携して,障害のある方の多様な生活の各場面に対応した相談支援を展開していきます。  今後設置を予定している「基幹相談支援センター(障害福祉課内)」の役割・機能を踏まえた相談支援のネットワーク構築にも取り組みます。 障害者相談支援推進事業(障害者相談支援の推進) 障害福祉課 事業概要 障害福祉課,と市内3か所の相談支援事業所等がともに連携し,障害者及びその家族からの相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を提供するとともに,障害者に対する権利擁護のために必要な支援を行うことにより,自立と社会参加の促進を図ります。 1 障害者地域活動支援センタードルチェ(身体障害) 2 障害者地域生活・活動支援センターちょうふだぞう(知的障害) 3 地域生活支援センター希望ヶ丘(精神障害) 今後の方向・目標 各関係機関の連携を強め,相談支援専門員の技量の向上を図るとともに,障害当事者を中心とした個別支援会議を開催,自己決定,エンパワメントの視点を重視し,その人らしい自立にむけた支援を行っていきます。また,サービス等利用計画作成対象者の拡大に対応するための体制を整備します。 (注)エンパワーメント:当事者が本来持っている力を引き出し,当事者自身で問題解決ができる方向性のもとで支援をしていくこと。 基幹型相談支援センター 障害福祉課 事業概要 障害者自立支援法の改正に伴い,新たに市で設置します。地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを設置し,総合的な相談業務を実施します。 今後の方向・目標 身近な地域の相談支援事業所で対応できない個別事例への対応をはじめ,地域の相談支援専門員のスーパービジョンや人材育成,広域的な調整,ネットワーク構築など,実情に応じて実施します。平成24年度設置を予定しています。 (注)スーパービジョン:専門職としての対人援助技術の向上を図るための指導。 総合福祉センター相談事業 福祉総務課 事業概要 心身に障害のある方及び高齢者の日常生活,福祉サービス,健康等について,専門の相談員と医師が相談に応じます。相談者に対し,適切な助言,指導等を行うことにより,相談者が抱える問題等の解決を図ります。 今後の方向・目標 心身に障害のある方及び高齢者のための事業として,今後も継続していきます。 アウトリーチ(訪問)支援の展開 障害のある方の地域生活を支援するため,ご本人や介護者の状況に応じて,アウトリーチ(訪問)支援を行います。 あんしんネット(障害者を地域で支える体制づくりモデル事業) 障害福祉課 事業概要 知的障害者を地域で支えていく体制づくりを目的としています。地域への障害理解や相談機関の普及啓発,アウトリーチ支援,地域のネットワーク体制の整備,また,緊急相談窓口を設置し,知的障害者,発達障害者の緊急時に必要に応じてショートステイやヘルパー派遣などを行います。 今後の方向・目標 障害者が地域で安心して生活できるために,さまざまな視点から地域で支えていく仕組みを検討していきます。 身近な地域における相談支援の実施 身近な地域において,当事者相談や民生委員・児童委員による相談を展開します。 民生委員・児童委員事業 福祉総務課 事業概要 民生委員・児童委員として厚生労働大臣から委嘱を受け,地域の人々の生活状況を把握し,必要な人々に必要な援助を行うこと,地域の人々の生活の向上や地域福祉の向上を目指して関係行政機関と協力してさまざまな社会福祉活動を行うことを役割としています。市には調布市民生児童委員協議会が組織化され,上記のような活動をするため,日頃から地区協議会や専門部会を開催し,委員相互の連携や民生委員・児童委員として必要な勉強会など,自己研鑽を行っています。 今後の方向・目標 今後も障害に関する知識,支援の方法等についての研修を充実する等,支援的役割の向上を図ります。 身体障害者・知的障害者相談員(地域における障害者相談業務事業の実施) 障害福祉課 事業概要 市に登録された障害当事者及びその家族が,地域における身近な相談員として更生援護の相談に応じ必要な指導助言を行います。身体障害者相談員8人,知的障害者相談員4人 今後の方向・目標 身体障害者・知的障害者相談員が相談に対しての指導助言を行えるよう,今後も継続して,研修を通して相談員の技量の向上を図るとともに,相談員連絡会を開催し,情報の共有を行っていきます。 障害の特性に応じた専門相談の展開 発達障害,高次脳機能障害や精神障害のある方への専門的な相談支援を展開します。 こころの健康支援センターの運営(相談) 障害福祉課 事業概要 こころの健康支援センターで,一般相談及び社会復帰相談を行い,精神障害者及び発達障害者の自立及び社会参加支援をすることにより,精神保健福祉の向上を図ります。 今後の方向・目標 精神障害者の中心的相談支援機関となりえるよう,職員の資質向上に努めながら,関係機関との連携を図り精神障害者及びその家族の相談支援を行います。 精神保健福祉相談(一般相談) 障害福祉課 事業概要 精神障害者の福祉に関する各般の問題について,障害福祉課,こころの健康支援センター及び希望ヶ丘で障害者及びその家族からの相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を提供するとともに,障害者に対する権利擁護のために必要な援助を行うことにより,障害者の自立と社会参加の促進を図ります。 今後の方向・目標 継続します。専門相談(未治療・治療中断,薬物,アルコール,ひきこもり等)については,東京都の専門機関である保健所と連携し対応していきます。 高次脳機能障害者相談支援事業 障害福祉課 事業概要 高次脳機能障害者(児)及びその家族等に対する相談支援を実施するとともに,医療機関,就労支援センターその他関係機関との連携を図り,高次脳機能障害者(児)への支援を促進します。 今後の方向・目標 「高次脳機能障害」の障害についての理解を促進するため,市民向けの講演会やサポーター養成講座等の啓発活動を継続して実施します。 発達障害者相談支援事業 障害福祉課 事業概要 発達障害者が地域で自立した生活を営むことができるよう,社会生活への適応のために必要な訓練や生活支援,就労支援,家族等に対する相談及び助言その他の支援を実施するため,発達障害者に対する相談支援を提供する拠点を整備します。 今後の方向・目標 相談支援拠点の整備へ向けて,実施主体,設置場所等の検討を進めます。 精神障害者家族等シェルター事業運営費補助 障害福祉課 事業概要 調布精神障害者家族会との協働により,家族等の一時的な避難・休息場所を確保し,相談その他の必要な支援などの応急的な支援活動を行う事業への補助を実施し,精神障害者及び家族等の社会復帰や自立の促進を図ります。 今後の方向・目標 継続します。 地域移行への対応 入所施設や精神科病院から退所・退院する方が地域で生活する際に,安心して生活を移行できるように,事前の相談から事後のフォローまでを継続的に支援します。 障害者地域移行促進事業 障害福祉課 事業概要 地域生活への移行を希望する施設利用者とグループホーム等とのマッチングや移行後のアフターケアを行うための事業を実施します。 今後の方向・目標 本人の意向調査,施設や家族,関係機関との連絡調整,地域生活に必要な社会資源の確保,情報収集,地域生活移行後のアフターケア,その他必要な支援を行います。