第 1 回 調布市子ども条例制定準備委員会 会議録(要旨) 日時 平成16年7月29日(木) 18時30分~20時30分 会場 調布市文化会館たづくり「1001学習室」 1 1 出席者 (1) 委員16人 庄司委員,石川委員,羽柴委員,吉野委員,児島委員,元木委員,金子委員, 西勝委員,浅川委員,内藤委員,村上委員,岸本委員,齋藤委員,池委員, 瀧澤委員,平野委員(順不同) ( 欠席:村田委員,國府田委員,大久保委員(順不同)) (2) 事務局9人 調布市 今村次長,木村課長補佐,大島係長,松岡主査 明治安田生活福祉研究所 寺本,小島,小埜寺,橋詰,鈴木 2 同日配布資料 (1) 調布市子ども条例制定準備委員会委員名簿 (2) 調布市子ども条例制定準備委員会要綱 (3) 調布市における子ども数の推移 (4) 政策室人口推計 (5) 調布市の子ども施策をめぐる動き (6) 次世代育成支援に関する当面の取組方針 (7) 少子化社会対策大綱(平成16 年6 月) (8) 子ども条例制定に係る考え方と方向性 (9) 子ども条例と市町村行動計画の関係 (10) 先進市の子ども条例 要旨 (11) 金沢子ども条例 (12) 世田谷区子ども条例 (13) 前期基本計画の施策体系 (14) 子どもと家庭の支援を行う事業一覧 (15) 調布市子ども家庭支援ネットワーク図 (16) 「子育て支援対策等に関する調査研究」(報告書概要版) (17) 子育て支援に関する調査及び中・高校生の生活意識に関する調査報告書(概要版) 3 会議録 発言者 発 言 要 旨 事務局:<開会宣言>(委員長が選出されるまで会を進行) 市長:<あいさつ> (1) 条例制定の背景 ア 子どもに関わる事件の多発・深刻化など子どもを取り巻く環境の 悪化等に対する早急な対応が求められている。 2 イ 少子化に歯止めをかけられる抜本的な対策が必要。 (2) 条例の基本理念 「子どもが健やかに育つとともに,安心して子どもを産み育てられる 環境」を目指す。 (3) 条例の方向性 ア 子どもの自立と子育て側の支援施策の方向性を示す。 イ すべての子どもたちが健やかに育つ環境をあらゆる面から整備 するための基幹とする。 (4) 次世代育成支援対策推進のために 条例制定により,家庭,地域,企業なども含めた社会を構成するす べてのものが,それぞれの役割と責任を自覚し,積極的に取組むこと のできる協力体制の構築を目指す。 各委員:<自己紹介> 事務局:<自己紹介> 事務局:<要綱により委員長を選出> 「事務局の考えを聞きたい」との声があり、庄司委員を推薦したところ, 満場一致で庄司委員が委員長に選出された。 委員長:<要綱により委員長が副委員長に児島委員を指名> 事務局:<庄司委員長のプロフィール紹介> (1) 青山学院大学文学部教授 (2) 乳幼児臨床教育・保育学・教育学等を担当し,保育・教育・心理の みならず,保健・福祉をも視野に入れた,子ども,子育て支援等を研 究。 (3) 里親として,家庭的養護を必要とする子どもの受け入れもされてい る。 (4) 調布市子ども家庭支援センター「すこやか」の運営委員。 委員長:<あいさつ> (1) 調布市との関わりは,30 年程前に住んでおり,市の小学校で教育相 談に関わるアルバイトをしていた。現在は,子ども家庭支援センター「す こやか」の運営委員。 (2) 乳幼児の発達と臨床を専門としており,子ども虐待の問題,里親制 度,施設での子どもの養育等について主に研究している。 (3) 子どもたちをしっかり育てることが20 年後,30 年後の調布市のあり 方を決めていくという意味でも大事な委員会と思っている。 副委員長:<あいさつ> もともと児童養護施設で勤めており,ほとんど福祉の現場で過ごしてきた。 3 福祉現場の視点から少しでもお役に立てればと思う。 <ここで市長,所用により退席> 委員長: <議題に入る前の確認> (1) 委員会の傍聴について 個人情報に係る取扱が議題に想定されないため,会場の許容範囲に おいて許可する。ただし,傍聴者の発言は許可しない。 (2) 会議録の公開について ア 要旨を公開する。 イ 委員の固有名詞等は表記せず,委員A,委員B,委員C と表記する。 (3) 次回開催までに会議録を送付し,確認頂いた後に情報公開をする。 事務局: <資料説明> 「資料1」名簿 「資料2」委員会要綱 「所掌事項」 (1) 「子どもを取り巻く現状と課題に関すること」 (2) 「調布市子ども条例に盛り込む項目,内容等に関すること」 (3) 「前2号に掲げるもののほか,市長が必要と認める事項に関す ること」 最終的には意見書,あるいは条例のたたき台の形で意見を集約する。 「資料3」調布市における子どもの数の推移。 0歳から9歳人口は,ここ10年間増加している。 マンションの建設ラッシュ,宅地造成などで人口が増え,保育園や学 童クラブが不足する状況もある。 10歳から17歳人口は減少傾向。子どもが大きくなったら市外へ出 ていくという数字が表れている。 「資料4」人口推計 人口の急増を踏まえ,現在,人口の再推計をしている。でき次第発表 したい。 委員長: 「資料3」で年少人口比率が低下しているが,10歳以降が減少してい ることと,年少人口の増加以上に高齢者等の人口が増加していることが原 因である。 B委員: 資料でいう,子どもの年齢は何歳までか。 事務局: 18歳未満。児童福祉法で規定している子どもと同じ。 <引き続き資料説明> 「資料5」子ども施策の動き。(資料抜粋) 平成 6年度 子育てに関する市民意識調査 4 児童に関する意識調査 ひとり親家庭実態調査 平成 7年度 調布市地域福祉計画(子ども家庭編)」策定 平成12年度 「調布市子どもの人権及び権利に関する連絡会議」 平成13年度 プロジェクト・チーム「子ども施策体系確立部会」 子ども条例の必要性についてとりまとめる (平成15年10月 最終報告) 平成14年度 調布市実施計画の策定 「資料6」次世代育成支援に関する当面の取組方針 保育園や働く家庭の支援等に加え,様々な子どもの問題,少子化に歯 止めがかからないことを含めて,今回の取組方針があり,施策の方向性 と施策行動を示している。 「次世代育成支援対策推進法」は国・自治体・企業・地域等,社会全 体で子育てを推進していかなければならないという法律である。 「資料7」少子化社会対策大綱(平成16年6月) 「資料6」の取組方針を細かく固めたものである。 G委員: 「次世代育成支援対策推進法」の概要にある「地方版エンゼルプラン」 について簡単に説明いただきたい。 事務局: 乳幼児を対象とした子育て支援策を盛り込むものである。調布市では, 平成17年にエンゼルプランを策定する計画だったが,次世代育成支援行 動計画(以下,行動計画)の策定が義務付けられたため,平成16年度中 に行動計画を策定し,平成27年まで推進していく予定である。 委員長: エンゼルプランの段階では主に保育関係の事業が多かったが,次世代育 成支援対策推進法が出来て,仕事と子育ての両立だけでなく,男性も含め た働き方の見直しなども含めて総合的な政策をつくる動きになっている。 事務局: エンゼルプランの対象年齢は乳幼児だが,行動計画では対象年齢を18 歳未満としている。 <引き続き資料説明> 「資料8」子ども条例制定に係る考え方と方向性 理念や方向性に関しては条例で謳い,具体的な事業や施策は行動計画 で立てたいと考えている。 「資料9」子ども条例と市町村行動計画の関係 次世代育成支援対策推進法,児童福祉法,児童虐待防止法,その他の 関連法律等,および調布市の現状を踏まえながら,調布市条例を制定し て総合的な指針とし,併行して行動計画を策定したい。 委員長: 「資料9」の関連法には,子どもの権利条約も含まれる。 5 事務局: 条例に関しては当委員会で意見を伺っていくが,行動計画については別 途,子育て推進検討協議会で議論を進めていく。子ども条例,行動計画の2 本立てで進め,それぞれの委員会の内容はお互い,情報提供を行いたい。 J委員: 「資料8」,「資料9」では,特に子育て支援や虐待防止に力点が置かれ ているようだが,それだけでなく,権利意識,自治意識を持った子どもを 育てていくという総合的な観点が必要だと思う。 事務局: 青少年問題や,青少年育成,中・高校生問題も視野に入れていかなけれ ばならないと認識している。 H委員: 調布市として,どういう子どもを育てるかという目標や理念は作るか。例 えば学校には「たくましい子ども」「思いやりの心を持った子ども」という ような目標に基づいて教育がされている。条例に盛り込むのか。 委員長: どのような子どもにという理念は大事だけれども,なかなか難しい。抽 象的になると思う。こんな子になってほしいといっても,うちはそういう 考えと違うということもあると思うし,その辺は議論すべき課題で,議論 の中で落ち着くべき方向に落ち着くのかと思う。 N委員: 「資料8」は子どもの視点ではなく,子どもの外側の視点だ。子どもが いきいきとして生活できる,暮らせる ,味わう,生きていることが実感で きるような,子どもの視点で行動計画が作られることがポイントだと思う。 委員長: 先ほどのどういう子どもに育てるかという意見も含めて子どもの育ち, 子どもの視点がもう少し強調できるといい。 A委員: 少子化対策が凄く前面にでている感じがする。市民として子どもを育て るという観点も条例に入れていくべきではないか。 B委員: 資料を見ていると続発する子どもの事件など,子どもを否定しているよ うな感覚を受ける。自立した社会人を作るという部分をもっとだしてもら いたい。また,「資料9」の「その他関連法」に子ども権利条約が入ってい るのではなく,子どもの権利条約があって児童福祉法や児童虐待防止法が あるわけだから,その辺のところは資料できちんと書いていただきたい。 委員長: 子どもに関わる問題行動も深刻だが,他方で,しっかり育っている子ど ももいる。子育ての肯定的な面も表現できるといいと思う。もう少し明る い子ども条例になれば。 I委員: 条例を読むと子どもたちが「自分たちは愛されているんだ」というのが わかるような理念・方向性にしていただきたい。 委員長: 私たちは子どもを育てていて,大事にしているというのが伝わるように。 F委員: 中・高校生はともかく,年少の子どもたちは条文を理解できないので, 誰かが噛み砕いて,権利や行動指針を話してあげる模範が必要だと思う。 早くから条例を通して子どもたちが自分の権利や身の回りのことについて 6 意識できるような条文を盛り込んでいただきたい。 M委員: 幼児に関しては児童福祉法やエンゼルプラン,子ども家庭支援センター 「すこやか」など,いろいろな施策があるが,子どもに関しては,学校に 殆どお任せだった。健全育成にしても,子どもの施策はやられていない。 子どもの視点と,子どもが主体になるという意味で,いろいろな施策がで きる条例になればと思う。 I委員: 子ども条例は「子どもたちがいい環境ですくすく育つためにはどうした らよいか」という大人の指針がいい。子どもたちが自分の権利をうまく使 っていくために,大人はどうしたらよいかという指針になる条例がよい。 L委員: 子どもたちに,そのままでいいんだよ,そのままで愛されているんだよ という,メッセージをプレゼントするような条文を入れたい。 事務局: <引き続き資料説明> 「資料11」,「資料12」は参考資料(先行事例) 「資料13」,「資料14」 現在の調布市の施策体系が「資料13」,細かい事業が「資料14」 「資料13」は基本構想を掲げている。調布市の基本構想,町の将来 像「みんながつくる・笑顔輝くまち調布」を掲げており,その方向性と して「いきいきと元気なひとづくり」「住み続けられるくらしづくり」「人 が集まる楽しいまちづくり」という施策の方向性を持っている。 「資料15」調布市子ども家庭支援ネットワーク図 子どもが中心にあり関係機関がどういう役割をしているかという図が 本来だが,手元にある資料を利用している為,子育て推進課,子ども家 庭支援センター「すこやか」を中心としたネットワーク図になっている。 「資料16」は国が実施した調査。 「資料17」は調布市が実施した調査である。 三種類の調査票を用いており,就学前の児童を持つ保護者,小学校児 童のいる家庭,中・高校生本人に書いてもらっている。 K委員: 子どもを見守ることが大人にかかってくる,ということが条例の骨子であ るべきだ。次世代育成や,子育てに力点があることは悪いことではない。こ れが無ければ議論の根幹が揺らいでしまう。子どもに良質なものを与えるこ とが我々の務めであって,その為にこうしましょうということを条例に取り 込まなければならない。権利条約もいいが,もっと身近に,泣いている子ど もに手を差し伸べる,というところが抜け落ちるといけない。書かれた精神 が子どもに伝わるものを作ってほしい。 C委員: 子どもの視点に立つことが一番のポイントだと思う。子ども虐待の背景は 親にある。孤立化している親のケア,親がゆとりをもって子どもを自然に愛 7 せるならば子どもが幸せにいられるのではないかと思う。 E委員: 少子化,高齢化の対策のために条例をつくるのではなく,いかに子ども が健やかに育つようにするか,その為にどうするかの骨格を作っていただ きたい。 O委員: 子どもが健やかに育つためには様々な要因がある。子どもたちが幸せに なれるよう様々な意見を色々な角度から条例に盛り込みたい。 副委員長: 保育園が,ややもすると親の就労支援になってはいないか,子どもたち が権利を主張しながら生きていける力を与えてあげられる環境にあるのだ ろうかと思う。子どもたちが生まれて健やかに育つ環境は大人の責任であ り,子どもたちの生きる歓びをどのように与えていくのか,ということが 子ども条例に反映できればと思う。 委員長:<子どもの年齢について> 18歳までの子ども全てを対象にすることが子ども条例の本来の姿では ないかと思う。ただ条例に盛り込むかは別にして,青年期,18歳過ぎか ら25歳位までも出来れば議論したい。自立の問題は大きな問題であり, そもそも自立とは何かも考えなければならない。青年期の自立の問題は青 年期までの育ち方,育て方も含めて考えていかなければならない。 <子どもの視点について> 条例であれば当然,育ちを支える環境づくりが主になると思うが,少し 工夫をして子どもの視点を取り入れられるとよいと思う。 このことに関係して,子どもを育てる理念をどう考えたらいいか,につ いても議論が必要かもしれない。 <条例全体について> この条例は,具体的な施策,行動計画の方向性を示すものであり,理念 だけあって行動計画に結びつかないものは不十分である。また,理念無き 行動計画も不十分である。子どもを育てる親が,大人が,どれくらい子ど もの視点を考えられるかがこの委員会の1 つのポイントだと思う。 事務局: <事務連絡> (1) 第2回は8月24日(火)14時からを予定 (2) 第3回は9月30日(木)18時30分からを予定 (3) 子どもの視点ということで,子どもの意見を聞く場も今後持ちたい と考えている。 (4) 今後の資料の希望があれば事務局まで申し出願う。 (5) 次回からはノーネクタイ,ノー上着,楽な格好で構わない。 <会議終了>