開催月日 令和4年2月18日(金) 開催場所 文化会館たづくり10階1001学習室(原則オンライン開催) 令和3年度   第3回調布市環境保全審議会      議事録(確定稿) 事務局  それでは,定刻となりましたので,ただいまから令和3年度第3回調布市環境保全審議会を始めさせていただきます。本日はお忙しい中,御出席いただきまして,ありがとうございます。  本日の会議につきましては,新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から,オンラインを併用しての会議となり,8人の委員においては,オンラインでの出席となりますので,よろしくお願いいたします。  それでは,高田会長,議事進行をお願いいたします。 高田会長  それでは,改めまして,令和3年度第3回調布市環境保全審議会を開催いたします。本日は,御多忙の中御出席いただきまして,誠にありがとうございます。  本日の会議については,今,事務局からも説明がありましたように,新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じて運営するとのことです。会議時間を通常2時間に設定しているところでございますが,1時間程度としたいと考えております。委員の皆様の御理解,御協力をお願いいたします。  また,会場は機械による換気が行われておりますので,扉は閉じたままで開催いたします。  なお,本日も議事録作成のために速記業者が入っております。正確な議事録を作るために録音しておりますので,発言は私のほうで指名してから行うようにお願いいたします。また,発言の前には必ず名字を名のってから発言するようにお願いいたします。  それでは,議事に入る前に,定足数について事務局から報告をお願いいたします。 事務局  本日の審議会につきまして,大貫委員が欠席される旨の御連絡をいただいております。つきましては,本日の審議会には現時点において,委員13人中,12人の委員が御出席されておりますので,調布市環境保全審議会規則第6条に規定されている定足数に達しております。  以上です。 高田会長  ありがとうございました。定足数に達しているとのことですので,引き続き審議会を進めてまいります。  次に,本日の傍聴については,コロナウイルス感染拡大防止のため,別室にてオンライン画像による聴取としたいと考えております。皆様,それでよろしいでしょうか。      (「異議なし」の声あり) 高田会長  ありがとうございます。それでは,皆様の賛同をいただきましたので,別室でのオンライン画面を開始します。  それでは,本日の資料の確認を事務局からお願いします。 事務局  事前に配付しました資料は,本日の次第のほか,次第にありますとおり,資料1から資料4までとなっております。資料2は,資料1の裏面についてございます。資料4に添付する予定でした別紙資料2―3につきまして,添付失念しておりましたので,会場の方には紙ベースで配付を,オンライン参加の方には画面共有でお示ししたいと考えております。また,会場にお越しの委員には,クリアファイルにて閲覧用の各種計画等を机上配付させていただいております。このクリアファイルの資料は,審議会終了後,回収させていただきますので,よろしくお願いします。資料等,不足している方がいらっしゃいましたら,お申出ください。皆さん,よろしいでしょうか。 高田会長  では,本日の会議の位置づけと流れについて事務局から説明をお願いします。 事務局  それでは,本日の会議の位置づけにつきまして御説明をさせていただきます。資料2を御覧ください。  本日の第3回審議会は,1点目として緑と公園課からみんなの森特別緑地保全地区保全管理計画(案)について,2点目として環境政策課から公共施設における再生可能エネルギー電力の調達について報告をさせていただきます。  以上です。 高田会長  それでは,本日の議題に入りたいと思います。  調布市の環境基本計画や環境保全に関する基本的な事柄を全般的に調査審議することがこの審議会の役割でありますので,委員の皆さん,本日も建設的な御意見をお願いいたします。  まずは,報告事項(1)みんなの森特別緑地保全地区保全管理計画(案)について説明をお願いします。 緑と公園課長  緑と公園課の塚田です。  初めに,第3回の環境保全審議会で報告を予定していた深大寺・佐須地域農業公園については,事業進捗の状況により先送りさせていただきました。現在,圃場等の土木工事を進めており,次年度は圃場の土づくりを行った上で暫定運用を実施する予定ですので,次回以降に御報告させていただきます。  それでは,みんなの森特別緑地保全地区保全管理計画(案)について説明いたします。  本件は,令和3年度第2回の環境保全審議会において,動植物調査の結果について御報告をさせていただいた案件です。その後,市民参加を重ね,保全管理計画(案)として取りまとめましたので,御報告させていただきます。  資料3―1をお願いします。資料1ページに上下2枚の説明資料を載せており,右下に示しているスライド番号に沿って説明させていただきます。  初めに,概要です。スライド2,事業の目的にお示ししたように,みんなの森は都市化が進んだ東京の中で貴重な空間となっていることから,平成25年に調布都市計画特別緑地保全地区に指定いたしました。この緑地の現状を把握し,市民参加の下,保全管理計画を策定するものです。  スライド3並びにスライド4を御覧ください。市では,これまでに5か所の保全管理計画を策定しており,緑ケ丘2丁目に位置するみんなの森特別緑地保全地区が6か所目になります。  スライド5は,みんなの森の保全管理計画策定の流れです。令和2年度から3年度にかけて現地調査を実施し,市民参加を重ね,保全管理計画(案)を取りまとめました。  お手元の資料3―2は,計画案の策定に当たり,これまでに出された主な意見を取りまとめたものです。時間の関係で説明は省略しますが,人の利用と自然環境の保全のバランスのほか,子どもたちへの啓発などの意見をいただき,計画案に反映しています。  資料3―1にお戻りいただき,スライド6から保全管理計画(案)の内容になります。  スライド7を御覧ください。基本方針(案)について御説明いたします。本計画案では,大きく4つの基本方針を立てました。  1つ目は貴重な自然環境の維持管理,2つ目は人の利用と生物保全の両方の観点からの保全管理,3つ目は景観や安全への配慮,4つ目は特別緑地保全地区であることを踏まえた維持管理です。  以上の基本方針を踏まえ,スライド8にお示しするように,緑色で示した樹林保全ゾーン,赤で示したバッファーゾーン,黄色で示した普及啓発ゾーンの3つのゾーンに区分いたしました。  それでは,ゾーンごとに説明いたします。まずは,樹林保全ゾーンです。スライド9並びにスライド10を御覧ください。本ゾーンの管理上の課題として,コナラ等の高齢化やナラ枯れの問題,樹林の保全と人の利用の両立などがあります。そのため,保全管理の目標を,樹林を保全する場所と人が利用する場所を分けた上で,コナラを主な構成種とする樹林で林床の貴重な植物の保全をすることとしています。  スライド11並びにスライド12を御覧ください。保全管理の方針ですが,保全場所に柵を設けて人が入れないようにした上で,コナラやクヌギの実生木を移植し,樹林の若返りを図っていくことや,定期的にササ刈りを行い,キンラン等の貴重種を保全することなどを挙げています。  また,利用の方針として黄色の破線で示すような散策路を整備し,樹木や貴重種を観察できるようにするほか,地域で連携して森を守る活動を行う組織づくりを行うことを挙げています。  次に,バッファーゾーンです。スライド13並びに14を御覧ください。本ゾーンの管理上の課題として,樹林周辺の植栽が自然に生えている種類でないため,雑木林と統一感がないことや,防犯や安全上の観点から懸念があることなどが挙げられます。このため,現在の樹木の在来種への変更や樹林内の視認性を高めることなどの保全管理の目標を定め,具体的な方針を位置づけています。  続きまして,普及啓発ゾーンです。スライド16をお願いします。本ゾーンの管理上の課題として,植生がなく表土があらわになっている場所が多いこと,そのため雨が降ると表土が流出する場所があること,子ども等が利用できる場所が分かりにくいことなどが挙げられます。  そのため,スライド17に示すように,課題に対応した保全管理の目標を定め,課題解決に向けて表土流出対策や柵等を設けたすみ分けなどの具体的な方針を挙げています。  次に,スライド19を御覧ください。みんなの森を管理するに当たって,今後の管理スケジュール(案)としてまとめており,適時適切な管理に努めてまいります。  ここで,令和4年1月31日から2月14日まで実施した計画案に対する意見募集の結果について報告いたします。6人から15件の意見がありました。主な意見としては,特別緑地保全地区の意義を理解してほしいといった意見や普及啓発ゾーンの活用のアイデアのほか,住民主体の運営に向けた市の関わり方に関する意見などがありました。  スライド20に計画策定のポイントを載せていますが,本計画案はまさにそれらの意見の両立を念頭に取りまとめており,その点について委員の皆様からも御意見をいただければと思います。  説明は以上です。 高田会長  どうもありがとうございました。  本件について御意見や御質問等,ございますでしょうか。お願いいたします。 藤丸委員  藤丸です。  みんなの森は近くなので,いろいろと見させていただいたのですが,まず1つは坂になっているということです。見ていると北側のほうが今は荒れていますよね。なぜかというと,道路からすぐ入れる形になっていますので,あの辺は出入口が関係なくて,森の中にどんどん入っていけるという状況になります。  それから,出入口が5か所あるのですけれども,これはちょっと多過ぎるのではないか。出入口があると通り抜けが簡単にできるということですよね。だから,非常に人が入って,通学路とか,出入りが多くなって,要するに土地が荒れてしまうのではないかということがございますので,私として感じたのは,いずれにしてもここは特別緑地ですから,生態系をもっと大事にするために,緑とか生物をきちっと保護するためには,あまり人が入らないほうがいいと思います。  いろいろと意見が出ておりますけれども,これ,特別保全地区ですから,公園とは違いますので,公園化すると土地は荒れますし,森も荒れます。生物が生きにくくなりますので,ある程度,囲ったほうがいいのではないか。入れないようにして,出入口は少なくしたほうがいいのではないかと思っております。  もう一つは,見えない。森になっていて中が薄暗いと言いますけれども,冬になったらほとんど枯れてしまうのです。落葉樹が多いのではないですか。ですから,ほとんどすかすかになりますので,確かに高さは結構高いので,低くするのはいいのでしょうけれども,すかすかの状態ですから,ある程度,森という形を残されたほうがいいのではないかという意見でございます。 高田会長  どうもありがとうございます。事務局から,計画の基本的な考え方と管理計画の関連等についてお答えいただけますでしょうか。 緑と公園課長  御意見ありがとうございます。実際に市民参加で意見交換をする中でも,同じように特緑であることを前面に出して利用を抑制すべきという意見があった一方,ここは特緑に指定する前段は仲よし広場という位置づけの下で活用されてきたという地域の思いもあり,それらを融合するという視点で,市民参加で決めてきている内容でございます。  出入口につきましては,やみくもに増やさないのはそのとおりなので,出入口でないところから入らないように,出入口を分かりやすくするということで取り組んでいきたいと思います。  また,中が見えないといったところについては,主にバッファーゾーンにある生け垣等の植栽の背が高くなって,出入口に出てくるときに突然飛び出すような形になってしまうというような意見があったので,バッファーゾーンにある植栽の高さを抑え,出入口の安全性の向上という視点等で考えているもので,中の樹林等のところについては,適正管理をしながら今のような形で保全をしていきたいと考えております。  以上です。 高田会長  ありがとうございます。関森委員,お願いします。 関森委員  関森です。  先日,私は初めてみんなの森というところを見てまいりました。なかなか行くチャンスがなくて,一体どのような状態なのかなと思いながら行きましたら,この場所は,昔というか何年か前は木が鬱蒼としていた森だったのかなと思いました。今は住宅がすぐそばまできていますので,なかなか難しい管理などもあるのかなと思います。  中に入りますと,上を見ると本当にほっとするような,暑いときなどはここで皆さん癒やされているのかなと思いながら見てまいりました。この中に守らなければならないキンランとかギンランとか,それぞれに説明書きの札が置いてありましたけれども,その札もずっと前に出されたのだと思いますが,片方が外れてしまっており,やはりここで問題が出ているように,この森をどうしようかというところに,みんなの意見が来たのかなと思いました。  先ほど藤丸委員さんがおっしゃられたように,入り口が5つというのは多過ぎるかなと思いました。ここに行きましたときに,通路にしている方も2人ぐらいいらっしゃいました。一番上には石でできたテーブルと椅子があって,そこで暑いときなどは皆さんくつろいでいられるのかなと思ったのですが,今の時期,石の椅子ですと冷たいというのもあるのでしょうけれども,さっと本などを読みに来たのかなと思うのですが,そのまま通り抜けていってしまいました。  ここを残してくれたということに,私はまず市の方に感謝申しあげたいと思います。木をどんどんなくすということは簡単なことなのです。今回のようにみんなの意見を聞きながらこの森を初めて見直して,改めてまた進めていきたいという考え方はとても大事なことだと思います。ですから,一般の方を入れないという意見もありましょうが,やはりここはみんなの森なので,地域の人たちの協力を得ながらやるのが一番いいのかなと思います。やはり大きな木ですので,風が吹くときとか雨が降るときなどは思いがけないゴーッというような音もして,ちょっと怖いような感じも近所の方は感じているのかなと思いますし,また,秋になれば落ち葉が落ちます。ですから,そこのところをお互い,この森を守るのだという地域の強いリーダーの方などを先頭にしてまとめられたらいいのかなと思います。  一番上の普及啓発ゾーンですか,一番高いところですので,どうしても水が流れ出てしまいますよね。大雨などが降るときは,多分すごい勢いで流れているのだと思います。木というのは,やはりそういう流れ出るような状態だと,ますます根が出てきたりしてしまうので,農家などは,わらで編んだような,そういうものがあるのです。それを敷き詰めたらどうかと1つの案として思いました。  それから,皆さんの意見の中で,小さい子の意見なのでしょうか。小学校のビオトープからガマガエルが移動するときに道路でロードキルの被害が見られる,何とかしたいという意見が出されております。やはり小さな動物,昆虫なども自分の行きたいところへ移動したい,みんなの森のところへ行きたいと多分ガマガエルさんも思ったのかなと思います。ですから,優しい心を持って,みんなが憩える安らぎの場所としてこれからもやっていけるようにお力添えをお願いしたいと感じました。  以上です。 高田会長  ありがとうございました。人の利用の面と自然の保全の面と両方で,現在の計画が少し人の利用のほうに傾いているのではないかという御意見と,保全をこうやるべきだという具体的な御提案等も会場のほうでいただきましたが,オンラインの御参加の委員はいかがでしょうか。先に手が挙がっておりました大川委員,お願いいたします。 大川委員  大川でございます。  この中で柵をつくるとありましたけれども,なるべく自然の木を使うようにして,コンクリートとか鉄柵にしないように,景観に配慮したものになればいいと思います。  在来種をヘッジに植えるということですけれども,例えばサンショウとか,アゲハチョウの食草になりますので,そういうものも考えていただければいいかなと思います。  以上です。 高田会長  具体的な御提案ありがとうございます。児島委員も手が挙がっておりましたので,お願いいたします。 児島委員  児島でございます。  私,実はみんなの森の件については3年前ぐらいから携わってきました。確かに技術的にこの森を保全するテクニカルな部分についてはいろいろ議論があると思います。  一方,私が最大の問題点だと考えているのは,特定の人物がここを占拠しているのです。自分が全部ここを保全するのだということで,特定の一人物がここを全部占拠するようなことを日々行っているというところが最大の問題点で,実は,それは世田谷の住民の方なのですけれども,その方がここを自分の庭のように管理するということが発生しています。行くと,その方がほかの住民を排除するような言動を取っているということで,周りの住民が非常に困惑していて,怖いということが現状として起きています。  そういう状況を踏まえて,市としてもこれからいろいろな制度というかルールをつくっていこうということで取り組まれていると考えておりますけれども,一旦,そういう特定の独善的に管理しようとする人を排除していただいて,市の主導でしっかりとこの森の保全計画をちゃんと積み上げていただいて,近隣住民も安心して参加してもらえるようなルールをつくってもらえたらいいと考えております。  以上です。 高田会長  児島委員,ありがとうございました。市のほうで今の状況把握等についてお願いいたします。 緑と公園課長  御意見ありがとうございました。今回,様々な課題もありますが,色々な思いも聞きながら保全管理計画を取りまとめているところです。今まで市としての保全の方針が示せていなかったことで,個人の思いで行き過ぎた行動も一部あったように感じられます。今回,皆さん方のお力をいただきながら,この計画を取りまとめた暁には,この方針に沿って,市が主導したり,地域の方たちと連携したりしながら保全・活用をしていくルールづくりと併せて適切に保全管理していきたいと思っております。  以上です。 高田会長  私から確認になりますが,児島委員から御指摘のあった情報は,市のほうで把握された上で今の案をつくられているという理解でよろしいですか。 児島委員  そうです。全て情報の共有はできていますので,特に新規に何かというわけではないのですけれども,技術的な問題とは別に,人的な問題が発生していますのでというところだけ情報を共有させてもらえればと思います。 高田会長  ありがとうございます。この審議会のメンバーで今の情報を共有できたことも計画を考える上で大事だと思いますので,貴重な情報提供どうもありがとうございました。それから,市もそれを踏まえての今回の案ということで,非常に御苦労されたかと思いますが,ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。齊藤委員。 齊藤委員  齊藤です。  3つのゾーンに分かれていまして,一番上のAの樹林保全ゾーンなのですけれども,何となく樹林を保存するというように説明を聞いていると取れるのですが,できれば多摩地区の里山の雑木林といったものを念頭に置いて保存をしていくというように考えていただけたらいいかなと思います。  それは,ただ植物だけではなくて,先ほどもチョウチョウの食草になるというお話がありましたけれども,里山というのは長年,多摩地区では人が手を入れて,ある一定の高さになれば木を切って,その代わり下草も増える,あるいはそれによって様々な草だとか植物,動物も増えていくというような形を取っていますので,全部をそうする必要はないと思いますけれども,樹林保全ゾーンについてはそういうことを念頭に置いて検討していただけると,よりいい形になるのかなと思います。  以上です。 高田会長  どうもありがとうございました。貴重な保全策の具体的な御提案,ありがとうございました。  ほかになければ次の議題に進みたいと思いますが,よろしいでしょうか。  それでは,次の次第(2)公共施設における再生可能エネルギー電力の調達についての説明をお願いいたします。 環境政策課長  環境政策課長の岡田でございます。私からは,公共施設における再生可能エネルギー電力の調達について御報告いたします。  この点につきましては,本年度第1回の環境保全審議会においてお話をさせていただきましたが,一定の成果が出てまいりましたので,今回御報告をさせていただきます。  それでは,資料4をお願いいたします。昨年3月に調布市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定いたしましたが,この計画では,2030年度までに2013年度比で40%の二酸化炭素排出量削減を目標としております。  調布市のエネルギー源別に見た二酸化炭素排出量の割合は,民間家庭部門では購入電力が約7割を占めており,電気の使用に由来する二酸化炭素の排出量を大きく削減する必要があります。この電気の使用による二酸化炭素の排出量を削減するためには,省エネ,すなわち電気の使用を控えること及び再エネ,すなわち太陽光発電等の電気をつくるときに二酸化炭素を排出しない電気をできるだけ導入すること,この2つを実践する必要があります。ここでは,再エネの導入について御報告いたします。  まず,資料4の1番といたしまして環境配慮契約の導入について記載しております。調布市役所で使う電気は,これまで随意契約で契約が更新されておりました。今回導入しました環境配慮契約では,環境に優しい,すなわちできるだけ二酸化炭素を出さず,かつ安い電気を導入する仕組みを作っております。具体的には,電気を作る際に二酸化炭素をどれだけ排出するかを示す排出係数が低いこと等を入札参加資格とし,その資格を有した小売電気事業者により入札をしていただく仕組みでございます。  その結果,資料4の1(2)に記載の市役所本庁舎を含む8か所14施設につきまして,12月に入札を実施し,3月から1年間の契約を締結することとなりました。また,これまでと同じ電気使用量とした場合に,この14施設で年間416万円程度電気を安く調達することができることとなりました。今後,調布市役所の他の施設におきましても,環境配慮契約を導入してまいりたいと考えております。  次に,2ページをお願いいたします。現在,調布市役所におきましては,34の公共施設におきまして,屋根貸しによる太陽光発電を行っておりますが,太陽光発電で作られた電気は再生可能エネルギーでございますので,ここで作った電気を多摩川自然情報館において,今月後半から使用する契約を締結いたします。  別紙2―3を御覧いただけますでしょうか。一番上にあります調布市役所の施設の屋根で発電しました電気を,真ん中にございます府中・調布まちなかエナジー株式会社から購入し,多摩川自然情報館で使用いたします。この契約により,調布市で作った電気を調布市で使う,いわゆる電気の地産地消となり,多摩川自然情報館で使用する電気は全て再生可能エネルギー,すなわち二酸化炭素を全く排出しない電気を使うということで,調布市役所で最初のRE100を実施することになります。  次に,別紙3―1をお願いいたします。以前,環境保全審議会でもお話しさせていただきましたが,東京都では,みんなでいっしょに自然の電気というキャンペーンを行っております。その内容は,都民の皆様から応募いただき,御家庭の電気について再生可能エネルギー割合の高い電気を安く御契約いただくものです。平成29年度における調布市内の二酸化炭素排出量の割合では,御家庭からのものが約3割でありましたので,御家庭で使用される電気について,再生可能エネルギーを導入いただくことも必要でございます。  以上,再生可能エネルギーの導入について御報告いたしましたが,調布市におきましては令和3年4月にゼロカーボンシティ宣言を行いました。そのため,地球温暖化,気候変動問題について,広く市民,事業者の皆様に情報提供をさせていただき意識醸成を図っていくためには,市として今後どのような取組を進めたらよいか,委員の皆様から御意見をいただけますと助かります。アドバイス等ありましたらよろしくお願いいたします。  以上でございます。 高田会長  どうもありがとうございます。  本件については,第1回環境保全審議会において環境政策課で導入を検討されているとの報告がありましたが,本日はその結果報告となっています。今までの説明を通じて御質問,御意見等お願いいたします。非常に大きな問題になりますので,話し始めれば長くなります。質問は簡潔に,要点をまとめて多くの方が発言できるようにお願いいたします。山下委員,お願いいたします。 山下委員  山下です。よろしくお願いいたします。  1つ目の話の市庁舎での電力調達についての事実関係の確認をさせていただければと思います。最終的に東京電力エナジーパートナーさんが落札されたということなのですけれども,調達できた電気の排出原単位はどのくらいになっているかをまず教えていただけますでしょうか。 環境政策課長  申し訳ございません。その点につきましては,後日,御報告をさせていただきたいと思います。 山下委員  実際に再生可能エネルギーというか,排出削減につながっているかどうかを確認する上で必須の数字なのですけれども,事前にお配りいただいている資料にも掲載されていない上に,この場で回答できないというのはちょっと信じられないのですが。 環境政策課長  排出係数につきましては,今回,東京電力エナジーパートナー株式会社様が落札者となり,結果的に小売電気事業者の変更はありませんでしたが,今回,調布市として新たな仕組みを導入したということで御理解いただければと思います。 山下委員  では,一言だけ申しあげさせていただきますと,恐らく公表されている東京電力エナジーパートナーの電源構成だとすると,日本の平均的な再生可能エネルギーの割合よりも低い,より二酸化炭素を排出する電気を調達してしまっていることになっていると思います。そこをぜひ御確認いただければと思うのですけれども,そうだとすると今回の環境配慮契約方針に基づく調達では,市が目標としているような電力調達ができないということが1回目の取組で実証されてしまったことになりますので,調達指針の策定方法など,ぜひ見直していただいて,来年度以降はきちんと再生可能エネルギー比率の高い,あるいは排出係数が低い電力が調達できるような形にしていただいたほうがよいのではないかと思います。  以上です。 環境政策課長  委員におっしゃっていただきましたように,できるだけ排出係数の低い小売電気事業者と契約を結ばせていただきたいと考えております。例えばどのぐらいの得点を裾切りラインにするか等,今後,委員におっしゃっていただいた点に注意してまいりたいと思います。  以上でございます。 高田会長  ありがとうございます。事務局のほう,次回の会議を待たずに,今,山下委員からの御質問の点について情報をまとめて,山下委員を含めて委員全員に情報を提供いただきたいと思います。お願いいたします。 環境政策課長  了解いたしました。 高田会長  林本委員,手が挙がっていますので,よろしくお願いいたします。 林本委員  林本です。  先ほど山下さんが話をされましたCO2削減がどうかというのがないというのは全く同感です。ここでは金額の削減が出ていますけれども,本来の一番の目的のCO2削減のための再生可能エネルギーですので,そこをなくして,議論はできないと思います。  もう一つは,いろいろな市の設備があって,今回は全体の中の何%分ぐらいになるのか,いろいろな施設名は書かれていますけれども,実際の電力の使用量は見えていませんので,その辺りブレークダウンをして,今のところは再生可能なものが何%で,CO2削減の効果がこれだけあってと,もう少しブレークダウンしたものが見えるようにしていただきたいと思います。  もう一つ,まちなかエナジーですか,100%ということで非常にいい取組で,見ていますと平成25年度から電力をつくって発電はしているようなのですけれども,今回,市が初めてこれを利用するということですか。 高田会長  お願いします。 環境政策課長  さようでございます。これまでは調布まちなか発電株式会社が東京電力にFIT,固定価格買取制度により,電力を売りまして,その得た利益を市民の皆様への環境に関する情報提供等に還元していただいております。今回,トラッキング付非化石証書,すなわち環境価値を府中・調布まちなかエナジーにより市場から購入いただくことで,どこからどのような環境価値を買ったかということが分かりますので,調布市の施設で発電した電力ということで,同社から調布市が電力を購入することになりました。この方式を調布市では初めて行わせていただきます。  以上でございます。 林本委員  平成25年ですから大分前,もう10年近く前になるのですか,それから考えると遅過ぎるのではないかという気はしているのですけれども,100%ということで,今後多分,地球温暖化対策実行計画の中でも自立分散型システムということでうたわれていて,まちなか電力の発電のほうはその中の一部になり得るのではないかと思うのです。ですから,積極的に今後活用すべきものかと思います。今後この計画をどう進めていくかという議論は,また別途お話しさせていただきたいと思います。  以上2点です。 高田会長  ありがとうございます。今,お答えは事務局から一部いただいておりますが,補足はございますでしょうか。お願いします。 環境政策課長  先ほど山下委員からも御指摘いただきましたように,中身をもっと分かるような形でお示しして報告させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 高田会長  そのほかございますでしょうか。お願いします。 藤丸委員  非常に基本的というか,よく分からないのですけれども,同じ電力会社でなぜこんなに安くなるのですか。要するに,今までと変わらない事業者が,入札をやったら価格低くなってしまったと。どういうことなのかちょっと理解ができないのです。 環境政策課長  先ほどお話をさせていただきましたが,この環境配慮契約というのが排出係数の低い,すなわち発電時に二酸化炭素があまり出ない電気を扱う小売電気事業者から電気を購入すると同時に,価格競争の入札も併せて行うという方式でございますので,価格面でも安くなりました。環境に優しいということと,入札で価格が安くなるということが両方行われるイメージでございます。 藤丸委員  うちは,家庭ですけれども,安くなるというので,東京電力から東京ガスに変えたのです。それとはちょっと違うのですね。 環境政策課長  仕組みをもう一度御説明させていただきますが,山下委員からも御指摘いただきましたように,排出係数を入札資格要件の一番大きな得点にしておりまして,発電時に二酸化炭素をあまり出さない電気を扱う小売電気事業者のグループをまず作らせていただきまして,その中で価格競争をしていただくという形でございます。つまり,発電時に一定以上の二酸化炭素を出さない小売電気事業者の中で価格競争をしていただいて,契約をする形でございます。  以上でございます。 高田会長  よろしいでしょうか。奥委員,お願いいたします。 奥委員  他の点ですけれども,やはり事務局にもう少し回答の準備,それ以前に御説明内容のもう少し丁寧な準備をお願いしたいと思ったところです。  別紙1で環境配慮方針を配っていただいていまして,これに基づいてちゃんと御説明いただいたほうが皆さんの理解が進むかなと思いました。2枚目に別表の第5条関係がありますけれども,これが点数でして,裾切りは点数の合計が70点以上であればクリアするということですよね。ですので,見ていただくと排出係数は70点から,0.475以上だと0点になりますが,②と③を合わせて一番高い得点が30点になるので,残りの①の排出係数は0.475以上で0点だと裾切りで切られてしまうからクリアできないけれども,0.450以上,0.475未満であれば,割と高い排出係数ですが,ここであれば裾切りはクリアできてしまうのです。次の入札段階に行けてしまうということで,排出係数をさほど厳しくしていないというところが制度設計の根本的な問題としてあるので,排出係数をもっと重視するのであれば厳しく数字をいじるか,もしくは配点をいじるかしないといけないのかなと私も思ったところです。  今回は結局,応札してきたところが現行の事業者と同じで東京電力エナジーパートナー1者のみだったということのようですので,ほかも入ってきてくれないとそもそも競争性も働かない。試みとしては第一歩で評価されるのですけれども,結果的には少し残念な状況もあったかなと思いました。  なので,1者であったとしても先ほどの別紙1のページをさらにめくっていただくと,第1号様式というのがありますけれども,この様式にある表で,結局,東京電力エナジーパートナーが何点取ったのかというところも含めて情報提供いただけばよかったのかなと思いました。  事務局の回答に対する補足のようなことですけれども,以上になります。 高田会長  奥委員,ありがとうございます。今,補足していただいたので,事務局から特にありますか。お願いいたします。 環境政策課長  ただいま委員に御指摘いただきましたように,配点につきましては来年度に向けて研究してまいりたいと思います。また,その中身につきましては,再度お示しさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 高田会長  今,電力の関係,いろいろな会社がありますので,そこの再生可能エネルギー導入状況であるとか二酸化炭素排出係数,そういうものを個々調べて,調布市のCO2の排出を減らすのはどこが一番いいのかというシナリオを考えて,配点の割合をまた考えていただければよろしいのかなと思います。山下委員,追加でございますか。 山下委員  見直し方法として今,配点の話だけになってしまっているのですけれども,多摩地区でも国立市役所などは再生可能エネルギー100%の調達をしておりますので,そのときの調達のルールとかを参考にしていただく,あるいは東京都とか環境省でもRE100の調達の方法のガイドラインのようなものを公表していたのではないかと思いますので,その辺りも参考にしていただいて,必ずしも配点に縛られない形で調達方法を考えていただいたほうがよいのではないかと思います。 高田会長  建設的な御意見ありがとうございます。この辺りも参考にしていただきたいと思います。事務局からの提供の情報が数字的なものが少ないので,あまりこれ以上議論も進まないかなと思いますので,事務局からは一番初めに山下委員から御質問があった点を中心に,委員にこの審議会後に情報提供をお願いいたします。それを受けて,委員からまたいろいろ御意見をいただくという形にさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。 環境政策課長  はい。 高田会長  ありがとうございます。それでは,次の議題に移りたいと思います。次第2,その他ですが,全体を通して委員の皆様から何か御質問,御意見はございますでしょうか。では,齊藤委員,お願いいたします。 齊藤委員  齊藤です。  実は,深大寺・佐須地区の農地の保全の問題について,御質問といいますか,お聞きしたいことがございます。ちょっと長くなりますけれども,詳細を御説明した後に市から見解をお聞きしたいと思います。  まず,先週2月10日に地元の集まりがありました。そのときに,ある方から,農家でお身内を亡くされた方がおられて,生産緑地の買取りを,JAを通じて市に申し入れたけれども,市は買い取るつもりはないので,自由に売却していただいて結構ですと回答されたとのことです。これは,この計画を立てたときの市の説明と違うということで,地元の農家の方たちからお話がありました。  この方の買取り申請の件については,昨年の夏頃,私に一度話がありまして,市のほうに打診したけれども,正式な申入れでないので,何とも答えられないという回答を去年の夏頃の段階でいただいております。  この農地の保全の計画は十数年前に始まりまして,当初,市が計画した地域は現在の地域よりもずっと広く,何軒もの農家の御自宅や屋敷林までも含み,かつ都市計画法に基づく公園にするという説明がありました。そのため,関係する農家はこぞって反対となり,その時点でこの計画は頓挫しました。しかし,その後,都市計画法の公園という説明は,当時の担当者の間違った説明であったことが判明いたしました。そのようなことがありましたので,その後の環境政策課長になってから,計画範囲を現在のものに縮小し,改めて関係する農家の方に説明会を開催いたしました。しかしながら,最初の問題がありましたので,ほとんど誰も出席することなく,市に対する不信感が募るだけでありました。  そのときの市側の説明は,市内には生産緑地はまだそれなりに残っており,農家で相続が発生すると,ほとんどの場合,まず市に生産緑地の買取り申請をしなければいけません。しかし,財源に限りがあるので,市が買い取ることはほとんどないけれども,この深大寺・佐須地区の農地に関しては,今後この計画が決まれば,市は積極的かつ宅地並みの普通の相場で買うので,市に売ってほしいという説明でありました。  そのような説明があっても当初の不信感が拭い切れず,一時期は該当地域に反対の看板が立つという状況もありました。当時,私はこの環境保全審議会の会長で,私自身も地権者の一人でしたので,地元の農家の方々から,市が言っていることは本当なのか,本当に公園法の網はかからないのか,また,本当に市場の宅地並み価格で買ってくれるのか等々の質問が事あるごとにありました。私も市側に何度もこれらのことを確認しながら,皆さんに時間をかけて徐々に説明をいたしました。市側にも決して慌てて決定するのではなく,全員が納得するのを待つように言っておりました。そのため,皆さん全員が了解して,このことが決まるまでに何年かかかったと記憶しております。  このような,いきさつがあるにもかかわらず,まともな説明もせずに,JAを通じてにべもなく断ったということを聞きましたので,今週,週明け月曜日,朝,役所が開くのを待って,私が担当課長さんに抗議を申し入れました。課長はこのとき,この計画に関し買取り申請があった農地を市が買い取るということはどこにも書いていないので断ったというような返事がありました。  そこで,私はこの計画が決定するまでの紆余曲折のいきさつ,また,市が行った説明について改めて話すとともに,今回の市の取った行為は,関係者,市民をだますことにほかならないとお話をしました。当時の環境政策課長に詳細を聞いてほしいと伝えました。  さらに,計画地域内の農地を買い取らず自由に売却し始め,一般住宅等が建ち始めれば,農薬の問題とか肥料の臭いの問題があって,隣接する農地で農業を継続することが困難になることは目に見えております。  また,農地を持っている農家にとって,この春は生産緑地として継続するか,あるいは継続せず,いつでも市に買取り申請をすることなく自由に売却することができるようにしておくか,どちらかの選択を強いられている時期で,市が買い取るかどうかは生産緑地を継続するかどうかの重要な判断要素でありますということをお話ししました。また,地権者が生産緑地を継続しなければ,いつでも誰にでも自由に直接売却することができ,この計画自体が根底から崩れてしまいますということもお話ししました。  また,この件については,このような問題が発生し,市がどのような対応をしたかについて記録に残す必要があるので,環境保全審議会で質問をするとともに,議会でも取り上げていただこうと思っていると伝えました。  翌日,環境政策課長さんより連絡をいただくとともに,その後,環境部長さんも17日にお越しいただき説明をいただきました。しかし,このことは私一人が聞けばよいということではなく,審議会のこの場で,環境部としての見解並びにどのような対応をしたのか,また,今後どうするかについてお聞きしたいと思います。  なお,以上の内容のほかに次のような話も聞いております。それは,現在,市が買い取った小学校の北側の農地を管理しているNPOの方が,市の職員から,今後,市は佐須街道の北側の農地は買い取るが,南側の農地は買い取らないと市から聞いているという話がありました。もしこれが本当であれば,それこそこの計画自体を根底からないがしろにする問題です。この件についても回答をいただきたいと思います。  以上です。 高田会長  齊藤委員,ありがとうございます。非常に大事な問題だと思いますので,環境部長さんからお答えいただきたいと思います。お願いします。 環境部長  環境部長の岩本でございます。  今,齊藤委員から御指摘をいただきました。それで,今回,私もその事情について詳しく伺ったところであります。  今回,買取り申出を出された土地に関しての事情を伺いますと,一度,市のほうにそういう事象,すなわち買取りの申出が発生するかもしれないという打診をいただいた後に,民間の方同士での土地のやり取り等があるというようなことで,そういう検討もされているというような情報等があったことから,しばらくその様子を見させていただいたということがありました。その間,情報が市にもタイムリーに伝わってきていなかったとか,行き違い等もございまして,ちょうどタイムリーに公有地化をするための予算化をするタイミングを逸してしまったというのが実態でございます。  本地域の当該土地について,今回こういう結果となってしまったことにつきましては,齊藤委員をはじめ,現地の農家の皆様に対して,御心配,御不安を与えましたことをまずもっておわびをしたいと思います。  それで,今後といいますか,市の対応についてなのですが,この計画をつくった時と,その考え方は全く変わっておりません。この地域,そういう形で皆さんの合意をいただいて,そういうエリアの線引きをさせていただいて,計画にまとめ上げたと。しかも何年もかけてまとめ上げたという歴史を私も承知しております。  それと,生産緑地法の本旨からいいますと,市は特別な事情がない限り,そういう申出があったら買い取るものとするというようにされておりますので,この地域の自然環境をはじめ,里山の状況を保全して後世に残すという計画になっておりますから,まず相続等が発生したとき,これ,いつ発生するか分からないというところが非常に悩ましいところではありますが,その場合は,基本計画の趣旨に則ってあっせん等によって農業を継続していただくというようなことを御提案しつつ,それと並行して,そのときの市の財政状況等,様々な課題がございますので,そういうものを総合的に判断することにはなりますが,公有地化についても同時に対応できるような形でしっかり対応して,必要に応じてそれを実行し,保全にちゃんとつなげていくということ。まずは事案が出てきたときに真摯に対応させていただくということを改めてここでお約束をさせていただきたいと思っております。  あと,今,NPOの方から伺ったということで齊藤委員から御指摘がありましたこのエリアの中での南北の買取りの優先順位であるとか,そういうものについては一切ございませんということをここでもう一度明確にさせていただきます。エリアの中は全て同じようにきっちり保全をしていきたいという位置付けで計画をまとめ上げておりますので,区域の中で新たな線引きをしているとか,そういうことの事実はないということをここではっきりと申しあげさせていただきたいと思います。  私からは以上です。 高田会長  ありがとうございます。今回,審議会の場で御意見,それから御回答いただいていますので,議事録にきちんと残りますので,大丈夫かなと思いますが,齊藤委員,よろしいでしょうか。 齊藤委員  今のお話,私も部長さんから事前におおむねお聞きしております。しかしながら,特に農家にとっては農地をどうするかということは非常に重要な,先祖代々続いてきた土地をできれば手放したくないけれども,手放さざるを得ないという状況の中での話ですから,それをあえて,市の計画に乗りますということでみんなが進んできたにもかかわらず,今回のような本当に素っ気ないというか,愛想のない対応をされた。また,北側と南側で買い取る,買い取らないと市の職員の方からそういう話が出たということについては,ぜひ部長さん,今後こういうことのないように厳に気をつけていただいて,また,方針その他についても,今後とも十分尊重していただいて,守っていただければと思っております。  以上です。 高田会長  ありがとうございます。はい。 環境部長  ありがとうございます。当地域が歩んできた歴史の重みと,農家の方々をはじめ,御協力をいただいている方のお気持ちと思いをしっかり受け止めさせていただいて,今後とも,真摯に対応させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 高田会長  ありがとうございます。少なくとも,後半2つ目の御質問の佐須街道の南北で買取りの区別はないという御回答を部長さんからいただき,議事録にも残しますので,これまでお互いにボタンの掛け違いというか,認識の相違があったところが,溝が埋まったかなと思います。  今回はその他の議題で取り上げていますので,ここまでの議論でよろしいかと思いますが,齊藤委員,それでよろしいでしょうか。 齊藤委員  私がいいというよりは,皆さんがどう取るかということなのです。これは私だけの問題ではありませんので,それなりの軒数がありますので,最初のときと同じように,市側の対応が中途半端であったり,誤解を招くようなことがあったりすれば,常に不信感が増すだけで,今後の計画を進めるに当たっていろいろな困難というか,掛け違ったボタンを直すのは非常に大変なことで,時間もかかることですから,十二分に気をつけていただきたいと思っております。私だけではなくて,皆さんにこの旨をお伝えいただければと思っています。  以上です。 高田会長  どうもありがとうございました。  委員の皆さん,よろしいでしょうか。その他のところで手を挙げていただいていますが,林本さん,お願いいたします。 林本委員  林本です。  報告事項(2)の資料4の最後の「御意見をいただきたいポイント」というところで,ゼロカーボンシティ宣言をしたけれども,今後どのように取り組んでいったらよいか御意見というところで,ちょっと話をさせていただきたいと思います。  調布市として,地球温暖化対策実行計画という非常に立派な計画が1年ほど前につくられていまして,それの実行をどうしたらいいのかという御質問ないしはそれに関する意見募集ということだと理解していますけれども,なぜ今さら,非常に遅いのではないかとまずは思うところはあります。  それで,では,具体的に何をどうするかというところなのですけれども,私としてはやはり核となるプロジェクトをまずやるべきだと思います。それは実行計画の中に書かれていた自立分散型のエネルギーシステムの導入をすること。既にそのひな形のような,まちなかエナジーで発電をしている,あれは核になり得るものだと思うのですけれども,必ずしもそれを使わなくてもいいと思うのですが,自立分散型システムを早く導入する。その導入の仕方としたら,市が出資し,事業者が出資し,もう一つ重要なのは市民が出資する,関わる,そこもキーになると思うのですけれども,そういう形で大きなプロジェクトをつくる,それがゼロカーボンシティの旗揚げですね。  それから,2つ目に重要なことが,市民が参加しやすくするための政策を進めるための仕組みをつくらないと,幾ら単発であれしましょう,この補助金があります,これがありますといっても,それがつながらないです。幾ら情報発信しました,広報しました,ウェブに載せましたといっても,それは単発であって効果が出ないと思います。  それを有機的につなげて効果を出すために,私はクラウド上に,例えばゼロカーボンシティプラットフォームのような独立したサイトを設けて,そこで情報交換,まずはCO2の見える化,先ほどもありましたけれども,誰がどこまで削減したのか。市,事業者,究極的には個人のCO2排出,削減。それからいろいろなマッチング,これの活動をしている人のマッチングとか,市が募集するマッチング,そのマッチングの場所。もう一つ,一番重要なのが,そこへ集まったデータを解析することができるプラットフォームをまずつくることです。でも,最初から全てはできないですけれども,それを見据えたシステムの設計を今から始めること。  3つ目として,インセンティブ。削減したらポイントがもらえます,お金がもらえますというのは,やはり人間だから,それがあれば市民も参加しますし,事業者も参加します。私はポイント制ないしは地域通貨のような形にして,いわゆる地産地消で,調布の中でそのポイントが消費され,またゼロカーボンのためにいろいろな事業者が知恵を絞って提供して,それを購入すればまたポイントが増えると。まさに地産地消で地域自立型の地域通貨を使って地域自立ができる。  最後に,啓発活動。これは単に市報でやっていても,先ほどのみんなの森でもどこまでの人が知っているのか分からないですけれども,やはりそれを知らしめるための市が開いた説明会なりセミナー,プラットフォーム上でのeラーニング,脱炭素のコンサルタント的な人を育てて積極的に活動する。  もう一つ,調布駅前でゼロカーボンシティのシンボルをつくらないと駄目だと思います。そこでは世界のCO2,日本のCO2,調布のCO2,調布の事業者のCO2,家庭のトータルのCO2もリアルタイムで見せる。そこではEVの充電設備でも入れて,それが使われていると一目で分かるように,意図的に1年間でもいいから,あそこの広い場所を使って宣伝のために行うとか,そういうキャンペーン的なことをやらないと広がらないと思います。その4つが核になります。  では,それをどうやってやるのか。今の市の行政を見ていると全部縦割りですので,環境部だけでできるとは思えないです。エネルギーがあり,産業があり,市民の生活もあるというところになってきますので,やはり市長がリーダーシップを取って,市長の下に直轄の組織横断のチームをつくって動かすと。それがないと絶対に動かないと思います。  あとは,皆さん御存じだと思うのですけれども,環境省が脱炭素先進取組の自治体,今100か所募集しているはずですけれども,それに応募する。たしか2月21日が締切りだったと思うのですけれども,今回が最後ではないですが,それに応募して,そこからも予算が出るはずですので,それも活用してやると。それが求められていると思います。とにかく今動き出さないと,あの実行計画は単なる絵に描いた餅に終わってしまいます。だから,私は非常に危機感を持っています。  以上です。 高田会長  いろいろな具体的な計画,包括的なものを御提案いただいてありがとうございます。ぜひとも,市のほうでもいろいろ考えているところでございますが,今いただいた御提案を取り入れて進めていっていただければと思います。  ほかにその他の部分で三宅委員から手が挙がっているようですが,何かございますでしょうか。 三宅委員  ちょっと小さな問題でお恥ずかしいのですけれども,公園全般に言えることなのですが,今,いろいろな看板がめちゃくちゃに立っていて,色や形がばらばらで,例えば近所の公園ですと20年前のPTAのパトロールののぼり旗がはためいていて,今回,コロナの騒ぎで密を避けるためにどうこうというのがビニールテープでまいたようになっているのです。  例えば,アメリカのフォレストプリザーブとかですと,注意書きは黄色,そのほかの印は茶色をベースにして,素材も統一して非常に美しいのです。市のホームページを拝見いたしますと,例えば犬のフンをちゃんと始末しようという啓発看板は環境政策課がやっているのです。公園の管理は緑と公園課がやっていらっしゃると思うのですけれども,私の質問は,取り付けた看板を最終的にきちんと取り外し等管理するのは環境政策課の仕事なのですか。それとも緑と公園課の仕事なのですか。どちらなのでしょうか。 高田会長  事務局からよろしいですか。 事務局  今の御質問につきまして,私から御回答させていただきます。  結果的に,その看板につきましては,取り付けた所管課が最後まで責任を持って維持管理をするという形になっています。ですから,公園に関する看板につきましては設置された緑と公園課が最後まで責任を持って管理をするという形になっています。  以上です。 高田会長  よろしかったでしょうか。 三宅委員  では,結局,看板をつくる組織が2か所あるわけなのですね。 事務局  そうですね。おのおのの課の所管の看板をつけているという形になります。 三宅委員  だから統一感がばらばらになってしまうという理解でよろしいのでしょうか。 高田会長  ありがとうございます。同じ環境部の下にあるところですので,横の連携をよくして,実際のできたものも調和の取れるようにしていただくという御意見かと思いますので,よろしくお願いいたします。  ほかにその他の部分でないようですので,これにて今日の議事は終わりにしたいと思いますが,本日は今年度最後の環境保全審議会となりますので,調布市環境部長の岩本様から皆さんに御挨拶させていただきます。お願いします。 環境部長  お疲れさまでございます。1時間の会議の予定が少し延びて,それでまだこの時間をいただいてということで,恐縮しております。よろしくお願いいたします。  今年度も各分野で専門的な知見に基づいた貴重な御意見をたくさん頂戴いたしまして,本当にありがとうございました。本審議会での議論をしっかり我々の環境施策のほうに生かさせていただいております。感謝をしております。  今回は,年度末の御挨拶ということだけではなくて,私個人的なことなのですが,この3月で定年退職という大きな節目を迎えることになります。通常であれば年度末に異動の内示があって,こういう形で御挨拶できるというのはめったにないのですけれども,今回は本当の大きな節目ということで,ちょっとお時間をいただいた次第でございます。  私は,平成29年度に環境部長を拝命してからずっと5年間,当審議会で議論に加わらせていただきました。本当にいろいろ勉強になりましたし,この間,我が部が抱えているマスタープラン的な計画の全てをいろいろ時点修正したり,大改定をして新たにつくったりというような時期が昨年,一昨年と続きましたので,本当に皆様ともいい議論をさせていただけたかなと思っております。  環境の時代が来ていると言われて久しいわけでありますけれども,特に近年,SDGsのことが話題になり,それだけではなくて,今日も出ておりましたが,その中には地球温暖化の問題であるとか,海洋プラスチックであるとか,食品ロスに起因するごみ問題であるとか,やはりSDGsの17のゴールを見据えると,環境分野というのはこれからも果たす役割が大きいのだなと非常に実感しているところでございます。こういった地球規模の課題に対して,我々,基礎的自治体が市民レベルでどのような行動を取るべきか,俗に言われているシンクグローバリー,アクトローカリーという視点で,我々が環境を論じるというのは非常に重要なことかと痛感しているところであります。  本審議会も,そういう意味で大きな役割を引き続き担っていただくことになろうかと思います。私はここで区切りということになって,来年度,こういう形でお目にかかるということはできなくなりますが,引き続き本審議会については会長の下,活発な議論を戦わせていただいて,いい議論が施策に反映できるようにやっていければ幸せかなと思っております。5年間でありましたけれども,本当にお世話になりました。ありがとうございました(拍手)。 高田会長  どうもありがとうございました。 事務局  最後に,事務局から連絡事項といいますか,皆様にお知らせしたいことがあります。  委員の皆様におかれましては,任期は来年度あと1年度間残っておりますので,引き続き次年度もどうぞよろしくお願いいたします。  また,来年度,第1回目の会議の開催日程につきましては,別途決まり次第,メール等で皆様にお知らせをさせていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。  以上です。 高田会長  皆さん,活発な議論をありがとうございました。それから,岩本部長,5年の長きにわたりこの審議会を引っ張っていただきまして誠にありがとうございました。御苦労さまでした。  これをもちまして,令和3年度第3回調布市環境保全審議会を終了いたしますが,今日,2番目の議題にありました温暖化対策の部分,具体的な数値がないので,なかなか議論が進まないところもあり,一方で林本委員,山下委員,奥委員からいろいろ具体的な御提案をいただきました。  ほかの委員の方もいろいろ御提案があると思いますので,まずは山下委員から質問の出ました数値について,オンラインでやられているので,恐らくメールで届くと思いますので,事務局から皆様にメールでその部分の情報を提供していただきまして,それを踏まえて皆様方からいろいろ具体的な御意見をいただいて,それを市のCO2関係の部分の政策に反映させていただければと思います。非常に大きな問題の割に議論の時間が短かったことになりますが,そのような形で事務局のほうにいろいろ御提案いただければ幸いでございます。  では,これにて本日の審議会を終わりにしたいと思います。長い時間,どうもありがとうございました。失礼します。                                  ――了――