令和4年度第1回調布市景観審議会議事録 令和4年11月16日(水曜日) 開会 午前9時30分  閉会 午前11時45分   場所:文化会館たづくり 10階 1002学習室 議 事  1 景観計画の運用状況  2 市民への意識啓発,活動支援~参加と協働による景観まちづくり~  3 (次期)都市計画マスタープランの策定に向けた「景観分野」について   出席委員  1 条例第25条第1号委員(2名)    幸道 玲子委員,鹿野 隆委員      2 条例第25条第2号委員(5名)    後藤 春彦委員(会長),椎原 晶子委員,石川 初委員    杉山 朗子委員,上林 典子委員       3 条例第25条第3号委員(2名)    秋沢 淳雄委員,藤山 三冬委員 ○事務局(東海林補佐)  それでは,皆様,改めまして,お待たせいたしました。少し定刻を過ぎてしまって申し訳ありません。まだ石川委員はいらしていませんが,開会させていただければと思います。  ただいまより令和4年度第1回調布市景観審議会を始めさせていただきます。  私は,本日司会を務めさせていただきます都市計画課課長補佐の東海林と申します。よろしくお願いいたします。  本日は御多忙の中,御出席を賜りまして,誠にありがとうございます。  この調布市景観審議会,昨今のコロナ禍の影響で2年間は書面開催での実施となりました。ようやく皆様のお顔を見ながら対面方式ということで開催することができました。  昨年,委員改選の時期を迎えまして,前委員から3名の方,新しい委員としてお迎えしております。よろしくお願いいたします。  それでは,会に先立ちまして都市整備部長の渡辺から御挨拶申し上げます。 ○渡辺部長  皆様,改めましておはようございます。本年4月に都市整備部長に着任いたしました渡辺でございます。よろしくお願いいたします。  まず,本日,皆様,大変お忙しい中,令和4年度第1回調布市景観審議会に御出席いただきまして,誠にありがとうございます。  先ほど司会からもございましたように,令和2年度,3年度とコロナ禍の影響により,こうして皆様にお集まりいただいての審議会の開催はかないませんでしたが,やっと少し落ち着いた時期ということもあり,お忙しい中とは思いましたが,本日はこうしてお集まりいただいての審議をお願いしたいというところでございます。  委員の皆様には,調布市の景観施策について様々な見地から御審議をいただく大変重要な役割を担っていただくということで,改めてよろしくお願い申し上げます。  さて,平成24年8月,京王線の地下化が実現いたしまして,今年でちょうど10年を迎えたところであります。この間も市として様々な事業に取り組んでまいりましたが,今後につきましては,令和6年度末までには鉄道敷地の整備,そして令和7年度末までには調布の駅前広場の整備完了を予定しているところでございます。  市の街づくりが目に見える形で進展しております中で,利便性とうるおいを併せ持つ魅力ある豊かなまち調布の実現に向け,ソフト,ハード両面から諸施策を進めているところでございます。  また,調布市におきましては平成25年6月に景観行政団体となり,この間,様々な形で景観に関する事業を実施してまいりました。  本日の審議会におきましては,景観計画の運用状況,そして市民検討会での取組の御報告,また,景観計画の上位計画でもございます次期都市計画マスタープラン,まさに今,策定作業に取り組んでいるところでございますが,このうち景観分野に関する御説明,そして皆様に御意見を賜りたいと考えております。  景観という視点を加えまして,さらに多くの方に親しまれるような魅力ある街を目指してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。  最後に,本審議会は景観条例に基づいて,調布市の今後の景観形成について,広く皆様に御審議をいただく審議会でございます。  委員の皆様には,実践的な視点,そして専門的な見地から御意見をいただくことを改めてお願い申し上げまして,本日の審議会の開催に当たりましての私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  ありがとうございました。  それでは,今回,初顔合わせの状況でもございますので,大変恐縮ではございますが,景観審議会の委員の皆様から一言自己紹介をいただければと思います。恐縮ですが,一番近い杉山委員から順に時計回りで,簡単にお名前,所属,一言御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○杉山委員  杉山朗子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  私は,専門は景観色彩というようなことで仕事をしておりまして,調布市さんも初期の頃からずっとお付き合いをさせていただいております。実は,この前もお話をしていたのですけれども,いろいろ市内見学をさせていただいたりしたのですが,都市化が進んでといいますか,随分変わってきているのではないかと。多摩川沿いのほうにも行かせていただいたりしたのですけれども,もうちょっときちんと周辺の様子を見ながら,皆さんと一緒に審議など,手伝わせていただけたらいいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○後藤委員  後藤と申します。この9月から大学の副総長になりましたけれども,専門は都市計画でありまして,建築学科の教員をしております。  景観ということですと,調布市以外には豊島区と新宿区の景観審議会の会長をさせていただいています。それぞれの自治体で非常に個性が出てきていまして,特に調布市は市民参加型の景観の育成に努めていらっしゃる。景観行政団体になる前からお手伝いをしていましたけれども,景観教育というようなこともかつて話題にしていたところがございます。コロナでその辺り少し止まっていますけれども,子どもたちも景観の育成に参加できるような調布市であるといいと思っております。よろしくお願いいたします。 ○椎原委員  皆様,御無沙汰しております方と初めての方といらっしゃると思いますが,椎原晶子と申します。よろしくお願いいたします。  私は,地域の環境デザインのプランナーをしております。晶地域文化研究所という自分の事務所と,NPOたいとう歴史都市研究会という歴史的な建物や環境を街の方と一緒に守る活動を谷中界隈を中心にしております。この春,國學院大學に新しい観光まちづくり学部ができまして,そちらのお手伝いもするようになりました。  地域を見つめ,地域を動かすということで,地域の事情の中に街の方と一緒に入りながら,解決策を学生たちとも街の方ともつくっていくということを続けていきたいと思っております。  調布の景観審議会委員は長く務めさせていただいておりまして,調布の市民の皆様の緑や環境を思う強いお気持ち,実際の活動の場などにもお邪魔しまして,その推進の一部をお手伝いできるのをすごい光栄なことと思っております。これからもまた皆様と一緒に調布市の環境,景観を考えていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 ○上林委員  上林典子と申します。よろしくお願いいたします。  私は弁護士でして,専門としては地方自治体の代理人であったりだとか,各審議会の委員を務めさせていただいている関係で,調布市さんのほうでもお世話になっております。  私は,景観法,景観条例などの法的観点から調布市の景観づくりに尽力させていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ○藤山委員  初めまして。調布まちづくりの会を代表して,去年から参加させていただいております藤山と申します。  調布まちづくりの会での活動としては,調布市さんが都市計画マスタープランを最初につくったときから,いろいろと関わらせていただいております。個人的には長らく再開発事業のコーディネーターを職業としてきておりまして,昨年をもって引退して,今は市民としての活動に専念しているというところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○鹿野委員  市民委員の鹿野でございます。こういう場では初めてだと思います。  私は,実は調布に生まれたわけではなくて,以前は多摩のニュータウンの中で過ごしてきて,少し中高年になって足が悪くなって,近場でフラットな土地のところがいいなと調布に来たのですが,たまたま地下化の前からこの近く,小島町に住んでおります。12年ですかね。大分変わりましたですよね。その中で,この市民委員の募集がありましたので,ぜひ参加したいと思いまして。  実は,現役時代は通信事業関連の会社におりまして,ちょうど立ち上げをし,新宿のドコモのビルを造ったときに計画をし,立案し,やってきたということもありまして,当時も思ったのが,日本を代表して,日本をリードしていきたいというような思いで,シンボリックタワーを造りたいというのが脳裏にあってやってきたのですが,やはり今でもそういうタワーになっているという思いがあるのです。  調布も住んでみて,いわゆるバランスの取れた東京の近郊のとてもいい街だと実感しているのですけれども,一方で,どうもちょっとぱっとしない部分もあるというのが今の思いです。しばらくして50年,60年たつと,孫の時代になったときに,この調布が発展していかないと困るなと。もっと周りから調布はすばらしい街だ,ぜひ住みたい,人口が減っても調布ならいいところではないかと思ってもらえるような街になってほしいということも思いでありまして,たまたまこの委員の募集のときに応募して任命していただいたという経緯なのです。  そんなことを思っていまして,ふだんは小島町にいますから,ぐるぐると南は多摩川のほうまで,北は深大寺を超えて三鷹のほうまで行ってしまうのです。東は仙川のほうによく食事に行ったり,歩いていったりするのですけれども,まだまだ調布の駅前も出来上がったばかりで,すばらしくなったと思う反面,ほかの街,例えば府中とか三鷹とか吉祥寺とかと比べてみると,もう一段,何か魅力に欠けるのではないか。欠けるというか,悪いという意味ではないのですけれども,もうちょっとどきどき,わくわくするような街になっていないという気もします。  そういう意味でも,我々のような市民の意見も含めて吸収していただけるという調布市さん,すばらしい考えなので,ぜひそのような市民の思いを酌んでいただいて,50年,60年たっても,人口が減っても,調布にぜひ住みたいというような街に仕上げていただけたらと思いますので,よろしくお願いいたします。どうも失礼しました。 ○幸道委員  市民委員の幸道玲子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  私は,ちょうど10年前,深大寺の街づくり協定というのが調布市初でできましたとき,事務局長をしておりました。調布は約20年住んでおります。私も,この調布というのは都心田舎というのでしょうか,まだ緑も多くて,それでいて新宿にも非常に近くて利便性がいい街として,非常に希少価値があると思っております。  ただ,今,駅前が北と南がスルーしている非常に貴重な空間ですけれども,これから調布の顔として,この駅前をどのようにしていくのかというところがもう一つ私にとっては見えてこない,中途半端な状態かなと思っておりますので,市民の立場から意見を言わせていただければと思っております。  私,後藤先生が豊島区の会長をやっていらっしゃると。豊島区の東側の公園でしょうか,あそこの整備,私,古い公園を知っているのです。それがあんなにすばらしくなったということで…… ○後藤委員  南池袋公園ですかね。 ○幸道委員  ちょっと怪しかったところですが,あそこがすごくきれいになったとき,豊島区ってすごいなと私は思ったのです。どうしてああいうことができるのかなというところで行政の英断を感じたので,そこに後藤先生が関わっていらっしゃったということを伺って,私は非常に心強く思いましたので,ぜひ調布の駅前についても,調布らしさを入れ込んだ駅前にしていっていただくことをお願いしたいかなと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○秋沢委員  皆さん,おはようございます。委員の名簿にありますとおり,調布の商工会からということで参加させていただきます秋沢と申します。よろしくお願いいたします。  私,仕事は地元の布田で米の専門店を商いながら商工会の活動もさせていただいています。調布の街づくりの商業という視点から景観ということも非常に大切なことだと思っておりますので,そういう視点で商業のにぎわいとともに,すばらしい景観になれるようにということで,またいろいろと御意見を述べさせていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  ありがとうございました。本日,欠席になってございますが,菅原大輔委員の御紹介を私から簡単にさせていただければと思います。  菅原委員は,東京都建築士事務所協会の御推薦ということで,調布市富士見町にございますSUGAWARADAISUKE建築事務所の代表とリビングカフェのFUJIMI LOUNGEを主宰されているほか,東京電機大学の准教授,山梨県や港区,渋谷区で景観アドバイザーも務めていらっしゃいます。  また,石川委員,今のところ御出席という御連絡をいただいております。お越しいただいた場合に,どこかのタイミングで御挨拶をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  また,この2年の間に我々都市整備部職員も替わっておりますので,改めてになりますが,事務局職員の御紹介をさせていただきます。  まず,都市整備部長の渡辺でございます。  続きまして,都市整備部外環・交通担当部長の代田でございます。  都市整備部次長兼都市計画課長の花岡でございます。  都市整備部副参事兼都市計画担当課長の坂本でございます。  都市計画課開発景観係長の中村でございます。  同じく開発景観係の小島でございます。  今,受付をしておりますが,同じく開発景観係の鈴木も担当でございます。  また,本日,欠席ではございますが,加藤と林という職員も担当となりますので,よろしくお願いいたします。  また,この景観審議会の運営に当たりまして,民間コンサルタントの御協力をいただいております。株式会社アーバンデザインコンサルタントの伊禮様でございます。アーバンデザインコンサルタントさんは,これまで審議会を含めて市民検討会等も御支援をいただいております。今日の議事にも後ほどございますが,様々な取組の中で御質問等々あれば回答させていただく場合もありますので,御理解いただければと思います。よろしくお願いいたします。  最後に,私,改めてになりますが,都市計画課課長補佐の東海林と申します。よろしくお願いいたします。  ここで,申し訳ございませんが,都市整備部長の渡辺,担当部長の代田,次長の花岡につきましては,他の公務がございます関係で退席とさせていただきます。よろしくお願いいたします。  石川委員,今いらしたばかりで恐縮ですが,委員の方に,御挨拶いただいております。もし可能でしたら,ここで御挨拶いただければと思います。 ○石川委員  遅くなりまして申し訳ございません。慶應義塾大学の石川と申します。よろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  ありがとうございました。それでは,引き続きまして,調布市景観条例第27条第1項及び第2項の規定によりまして,審議会委員の皆様の互選により会長を選出していただきたいと存じます。また,会長が選出された後には,同条第4項の規定によりまして,会長から職務代理者を指名していただきます。  それでは,会長職の選出でございますが,調布市景観条例第27条第2項に基づき,どなたか選出していただければと思いますが,委員の皆様,いかがでしょうか。杉山委員,お願いいたします。 ○杉山委員  これまでもずっとこちらの審議会で,まとめ役として皆さんをリードしてくださってきた後藤委員にお願いできればと。推薦させていただきます。 ○事務局(東海林補佐)  ありがとうございます。ただいま後藤委員を会長にとお声がございました。後藤委員にお願いさせていただいてよろしいでしょうか。皆様,いかがでしょうか。      (「異議なし」の声あり)  後藤委員もよろしいでしょうか。 ○後藤委員  謹んでお受けいたします。よろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  ありがとうございます。  それでは,改めまして後藤会長に調布市景観条例第27条第4項に基づきまして,会長の職務代理者を指名していただきたいと思います。会長,よろしくお願いいたします。 ○後藤会長  調布市景観条例第27条第4項に基づき,会長職代理者の指名をさせていただきます。  椎原委員にお願いしたいと思っております。皆様におかれましても,職務代理者を椎原委員にお願いするということでよろしいでしょうか。      (「異議なし」の声あり) ○後藤会長  ありがとうございます。 ○事務局(東海林補佐)  それでは,椎原委員,よろしくお願いいたします。 ○椎原委員  どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  なお,石川委員,杉山委員,上林委員を調布市景観条例第31条に定めます専門部会の委員に御指名させていただきたいと思います。そちらも併せてよろしくお願いいたします。  それでは,進行してまいりたいと思いますが,初めに資料の確認をさせていただきます。  本日,机上に配付いたしました資料でございますが,委員名簿,席次表,その後ろにパワーポイントの資料がございます。続いて,議事3のマスタープランの資料となりますけれども,こちらも机上に配付させていただいております。不足等ございますでしょうか。大丈夫そうでしょうか。よろしいですか。――ありがとうございます。  それでは,ここからは後藤会長に進行をお願いしたいと思います。会長,よろしくお願いいたします。 ○後藤会長  それでは,令和4年度第1回調布市景観審議会を開催したいと思います。  まず,定足数について事務局より御報告をお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  本日の審議会は,菅原委員から事前に御欠席の旨,御連絡をいただいております。つきましては,欠席1名,出席9名でありますことから,調布市景観条例第29条に規定されております定足数に達しておりますことを御報告いたします。  以上でございます。 ○後藤会長  定足数に達しているということですので,審議会を進めてまいりたいと思います。  審議会に先立ちまして,本日の審議会について,調布市景観条例施行規則第37条に基づき,非公開とするべきかどうかをお諮りいたします。  本日の内容は,別紙次第のとおりでございますが,非公開とする理由が特段ないと思われますので,公開するということで御異議ございませんでしょうか。      (「異議なし」の声あり)  そのように進めさせていただきます。ありがとうございます。  本日の傍聴者の定員ですが,本会場の広さを考慮して10人と定めさせていただきたいと思います。  それでは,本日の当審議会について公開とし,傍聴希望者の入場を承認したいと思います。傍聴希望者の有無につきまして,事務局より御報告をお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  現時点で傍聴希望者はおりません。 ○後藤会長  ありがとうございます。それでは,傍聴希望者がいらっしゃらないということですので,このまま審議会を継続いたします。  なお,審議途中で新たに傍聴希望者がある場合は,随時傍聴を認めるということにいたしますので,御承知おきいただければと思います。  それでは,本日は11時50分終了をめどに進めてまいりたいと思いますので,進行についての御協力をよろしくお願いいたします。  それでは,議事1「景観まちづくりの取組について」,事務局より御説明をお願いいたします。 ○中村係長  それでは,議事1について御説明いたします。A4判の資料を御覧ください。スクリーンに映している資料が机上に配付されておりますので,スクリーン,もしくは机上の資料を御覧いただければと思います。 (パワーポイント)  本日は,冒頭にありましたとおり,3つの議題がございまして,まず1件目が景観計画の運用状況について,2件目が市民への意識啓発,活動支援として市民検討会の活動実績について,3件目が次期都市計画マスタープランの策定に向けた景観分野についてというところで御説明いたします。 (パワーポイント)  初めに,景観計画に基づく運用状況について御報告いたします。 (パワーポイント)  この届出につきましては,調布市景観計画にのっとりまして,深大寺通り周辺景観形成重点地区においては,新築,増築ですとか開発行為,全ての行為について届出を求めております。  また,国分寺崖線景観形成重点地区につきましては,高さが10m以上,または延べ面積が500㎡以上の建築物の新築,また開発行為500㎡以上について届出が必要となっております。  そのほか景観形成推進地区として,水,道,駅,農の地区がございまして,それ以外は一般地域と位置づけております。  こちらは令和2年度の届出状況なのですけれども,主に建築物の建築としては,新築マンションですとか修繕,模様替えとして築10年以上たったものの模様替えについて届出が出ております。 (パワーポイント)  こちらは令和3年度になりますけれども,令和2年度と同様に新築マンションの建設ですとか大規模修繕の届出が多くなっております。  こちらから読み取れることとしましては,コロナ禍におきましても調布市内では開発ですとか建築工事が多く行われております。 (パワーポイント)  続きまして,令和4年度上半期になりますが,こちらについても前年度と同様の傾向が見られます。 (パワーポイント)  こちらの表は,平成28年度から令和3年度までの件数をまとめております。  この中で赤く囲っておりますが,国分寺崖線景観形成重点地区が82件と最も多い数字となっております。  理由としましては,国分寺崖線景観形成重点地区については,ほかの地区よりも届出要件が厳しいため,各項目で数が多くなっております。それによって建築ですとか開発において,きめ細かく確認が行われております。 (パワーポイント)  こちらの表につきましては,届出対象行為と規模を示しております。  まず,一番上段の深大寺通り周辺地区につきましては,建築物の建築ですとか工作物,開発行為についても500㎡以上と制限がかなり厳しくなっております。  続いて,2段目の国分寺崖線地区につきましては,高さが10m以上,または延べ面積が500㎡以上の建築,また開発区域の面積が500㎡以上の開発行為が届出対象となっております。  そのほか一般地域,景観形成推進地区については,高さが20m,または面積が3,000㎡以上の建築,開発区域については3,000㎡以上の開発行為が対象となっております。 (パワーポイント)  こちらの表については,届出の状況を種別として分けておりまして,まず新築についてが8件,修繕等が6件,その他として,例えば店舗の変更によって入り口周りの一部,壁の塗り替えですとか,看板が変わることによって届出を求めているのですけれども,こちらが3件ございます。  また,駅別の内訳でして,調布駅が最も多く12件となっております。調布駅周辺は商業施設が多いので,やはりパルコですとか,テナントの入替えによって模様替えを行っております。 (パワーポイント)  調布駅周辺の状況として,こちらは先ほどの届出要件で御説明しましたとおり,高さが20m以上,または延べ面積が3,000㎡以上ですとかが対象になってくるのですけれども,例としましては写真を3点載せております。  まず,一番左側のトリエA館でございますが,こちらは調布駅周辺開発計画の名称で,トリエA館,B館,C館がございまして,そのうちのA館でございます。飲食店ですとか店舗が入ってございます。  真ん中の写真は市街地再開発のビルでございまして,同様に飲食店,店舗,集合住宅になっております。  右側の調布アミックスビルについては,もともとパチンコ屋がございまして,こちらの跡地に現況はパチンコ店と飲食店が入ってございます。  こういった大規模な建物に関しましては,それぞれ景観アドバイザーの先生方に御助言いただきまして,設計段階から指導,調整を行っております。 (パワーポイント)  こちらは調布駅周辺の大規模マンションの例でして,令和3年から4年にかけまして竣工がかなり多くなってきまして,100戸程度の集合住宅が4,5件竣工を迎えております。 (パワーポイント)  こちらの図につきましては,まず右側が景観の届出の建物の位置をプロットしたものになります。赤線が駅の景観形成推進地区の範囲,青線が調布駅周辺地区の地区計画の範囲となっております。  また,左側の図については,景観の届出ではなく大規模な建築行為,または開発行為というところで,開発事業の届出の案件になります。  左側の図の中で,青枠の右上,紫の点々ですとか,赤枠外であり青枠内の建物が幾つかあるのですけれども,こちらは開発の届出が行われている案件。  一方で,右側についてはこの位置にプロットがないのですけれども,こちらで示したかったことは,景観の届出対象ではないものの,高さが10mを超えるような集合住宅ですとか,開発事業の届出が必要な案件が幾つかございまして,調布駅周辺は遊歩道地域がいい関係で中高層の建物が建つのですけれども,景観の届出対象には満たないものもございますので,こういった指導が行き届いていないことがございます。  以上で景観計画の運用状況についての説明は終わります。 ○後藤会長  ありがとうございます。ただいまの御説明に対して御質問,御意見ございますでしょうか。どうぞ。 ○幸道委員  2ページの景観法に基づく届出状況というところで,先ほどトリエA館等,3つのビルのことについて説明がありましたが,景観アドバイザーが入って設計をしたというようなことですけれども,景観アドバイザーというのは,どこの方が依頼した景観アドバイザーなのでしょうか。市とは関係ないということでしょうか。 ○中村係長  御質問ありがとうございます。こういった大規模の案件が来る際には,景観アドバイザーの方に御指導をお願いしているのですけれども,今日,御出席いただいております杉山先生ですとか,専門分野の方にお願いしておりまして,色彩に関するアドバイス等をいただいております。 ○幸道委員  先生方が全部,この辺のビルの景観についてはいろいろ検討なさった上で,御指導してくださったというように捉えてよろしいのでしょうか。 ○杉山委員  景観アドバイザーのできることというのは,こちらの調布市さんの景観計画の中に入っている基準がございまして,それに関する部分だけ提言できるということなのです。それで,変ですけれども,絶対嫌だと言われて通じないこともございます。  ただ,京王さんのところなどは,調布市さんの特徴としては,東京都と関係しますけれども,崖線地区にあまり真っ白なものは建てないとか,そういったこともあって,緑を大切にした場合に真っ白とか真っ黒はふさわしくないというような概要についてのアドバイスをして,個々のデザインについてはそんなには。やはり向こうの方のお考えを中心にして,飛び抜けてすごい色を使ったりとか,そういったのはやめてくださいというようなアドバイス。だから,デザインアドバイスを全部やっているとかということではございません。 ○幸道委員  先生がこういう案件を聞いたときに,調布市の基準が甘いとか,抜けていると思うようなところはなかったのでしょうか。 ○杉山委員  範囲がございますので,絶対ということは景観法の中でも言える権限は実はないのです。ただ,ほかの市町村というか自治体では,例えば並木についてもっと細かく指示を出しているとか,庭木についてもっと指示を出しているとか,全ての住宅までかけているとか,協力していただけるようにという文言になっているとか,そんなのはあります。でも,調布市さんは東京都準拠というような形になっていると思います。都が割ときちんと決めているので,それと同様の感じでというようなことです。  あと,ロータリーについては,どういう設計になるかというのは,全く関与はしていません。建物に関して少し,それも表層デザインですね。外側のところについては申し上げさせていただいたかなという感じです。 ○後藤会長  どうもありがとうございます。ほかにございますでしょうか。  今の御説明の最後のスライド12ページ,A4の資料でいうと6ページのところは,景観の届出対象には満たないけれども,開発の届出対象になっているものが,赤線の外でそうした動きが起きているという現状の御説明だったのですが,将来的には調布駅の景観形成推進地区を拡大するということを考えて,今後,検討材料とするということなのでしょうか。 ○坂本副参事  今後,来年度以降ですけれども,調布市の基本計画に位置づけて景観計画の改定作業をしたいと考えておりますが,その中で,こういった現象が起きていますので,範囲なのか規模なのか,その辺は皆さんに検討していただいてということになると思うのですけれども,検討はしていきたいと考えております。 ○後藤会長  ありがとうございます。そのときに,例えば青線を区画している道路に面した反対側で,この図でいうと黄色く塗られた建物なども結構見えますよね。その辺りの範囲の取り方ですよね。この道に接している敷地まで含むという取り方にするのか,この大街区の中だけにするのかといったようなところも併せて検討の議論のポイントになるのかなと思って,この図を眺めていました。また,ぜひこれを基に検討を進めていただければと思います。  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。――それでは,議事1の質疑を終了したいと思います。  続いて,議事2「市民への意識啓発,活動支援~参加と協働による景観まちづくりについて~」ということで,事務局より御説明をお願いいたします。 ○小島主事  続きまして,市民への意識啓発,活動支援,参加と協働による景観まちづくりに伴い,調布市景観まちづくり市民検討会の活動について報告いたします。 (パワーポイント)  令和元年度から,駅の景観をテーマに様々な視点からの調査,検討を行ってまいりました。  令和元年度は,駅周辺の景観とはどういうものなのか,どういった視点で考えればよいのかなどを学んだ上,先進事例の見学として,西武新宿線狭山市駅とJR中央線武蔵小金井駅の視察を行いました。 (パワーポイント)  令和2年,3年は,コロナ禍において集まっての意見交換やディスカッションなどが実施できず,インターネットと景観だよりを活用しての活動となりました。  令和2年度は,調布市内9駅において,駅に向かっての景観と駅からの目的地までの景観についての調査,検討を行っていただきました。 (パワーポイント)  令和3年度は,市内9駅の「『駅まわりの魅力』を発見しよう!」をテーマに調査をいただきました。その一部を御紹介いたします。 (パワーポイント)  検討会の皆様には,市内9駅を3回に分けて3駅ずつ調査をいただきました。本日は市内9駅の魅力探しの一部,仙川駅,柴崎駅,調布駅,飛田給駅,京王多摩川駅の5駅について報告いたします。  仙川駅は,桐朋学園,白百合女子大学,都立神代高校など多くの学生が駅を利用するとともに,かつて各駅停車のみの停車駅だったのが,2001年には快速,2015年には区間急行の停車駅となり,年々,駅の利便性が高まっています。  また,駅前には高級スーパー,カフェ,雑貨店などおしゃれな店が並び,洗練された雰囲気となっています。  駅の魅力のキーワードとしては,駅前の大きな桜,若い人が多い街,狭い商店街,学校が多い街,歩行者中心の道,活気がある,個性ある低層の店舗群などが挙げられています。 (パワーポイント)  柴崎駅は,各駅停車しか止まらない昭和時代からの駅舎,数段階段を上がればすぐにホームに出られる構造となっています。  駅を出てすぐ目の前には八百屋やお寿司屋といったお店が並び,踏切の音を聞きながら電車が通り過ぎるのを待つ風景が魅力の1つとして挙げられています。  そんな商店街の中にもチェーン店ではない新しい個店が出店してきており,ほのかな変化を感じられる駅でもあります。  キーワードも懐かしさ,踏切・線路,駅との近さ,不便さなどが挙げられています。 (パワーポイント)  調布駅は,調布市の玄関口として通勤,通学,買物客などを含め,京王線の中で新宿駅の次に乗降客が多い駅となっております。  ほかの駅と大きく違い,地上部に駅舎と言える建造物がない中,京王線の地下化に伴い駅周辺の整備が進み,新たな調布市の玄関としての魅力となっています。  駅周辺は多くの大規模商業施設やチェーン店が立ち並び,にぎわいを創出するとともに,全国に例のない鉄道上部が広い広場となり,イベントの開催時はイベントの種類ごとに多くの人が訪れる場所ともなっています。  その広い空間を感じることから,開けた空,夕日の見える風景などが新たな魅力として挙げられています。 (パワーポイント)  飛田給駅は,調布飛行場跡地に整備された武蔵野の森公園の味の素スタジアム,武蔵野の森総合スポーツプラザなど,東京国体,ラグビーワールドカップ,2020東京オリンピックの会場として利用されたほか,イベント時には1日6から7万人が利用する駅です。  大規模イベント時には,グッドデザイン賞を受賞している駅舎自体がラッピングによる化粧を施し雰囲気を盛り上げるとともに,駅周辺もバリアフリー化が進み,移動しやすい点などが魅力として挙げられています。  イベント時の喧騒とは別に,駅の南側には畑が残っていたり,南口広場の先にはまだ広大な土地が更地として残っており,今後も土地利用の転換の可能性のあるエリアです。  キーワードもイベント,駅舎デザイン,四季と広い空といった新しい空間をイメージしたフレーズが挙げられています。 (パワーポイント)  京王多摩川駅は,昭和初期は京王線の終着駅として京王閣という遊戯場でしたが,現在では京王オーバルという競輪場とテニスコートが残るだけとなり,京王多摩センターや橋本に延びる京王相模原線の駅として,調布市内唯一の高架駅となっています。  京王閣や多摩川河川敷でイベントが行われるときは多くの来訪者が訪れますが,ふだんののどかで穏やかな雰囲気から,多摩川,静と動,鉄橋と電車など,イベントより周辺の環境や施設を魅力として挙げられています。  現在,駅の西側に京王閣,京王百花園,京王フローラルガーデンアンジェとして,その地で時を刻んできた土地を新たに京王電鉄と市が連携して,周辺地域の用途地域の変更を含め,駅前複合拠点地区の整備などの検討が行われており,近年中に大きな変化が見込まれています。 (パワーポイント)  令和4年度の活動として,先月28日に景観審議会同様に2年ぶりに景観まちづくり市民検討会を開催いたしました。  参加者は5名と少なかったですが,本日御出席いただいています藤山委員をはじめ,石川委員と慶應義塾大学大学院石川研究室の学生にも御参加いただき,それぞれの御提出いただいた課題についての思いの丈をお話しいただきました。 (パワーポイント)  短時間ではありましたが,駅の魅力を図る上で多くのヒントとなる御意見,感想をいただきました。  特にコロナ禍において,人の活動が感じられる風景,人が主役となる景観に魅力といった景観に人を感じる御意見だとか,駅の地下化に伴う空,夕日についての言葉が印象に残っています。 (パワーポイント)  こちらは石川先生の講評ですが,人が集まる,人がにぎわう,人が休む,人が待つ,人がいない,人に優しいなど,人の様々な活動が駅前の景観をつくり出していることが魅力に感じている点は,今後の景観を考える上で大切なことと感じています。 (パワーポイント)  今後,景観計画の改定を行っていきたいと考えていますが,前計画策定時に宿題として残されている市内9駅の特徴を生かした景観基準などの作成に際して,とても参考になるデータが取れたと思っています。 (パワーポイント)  今後の景観まちづくり市民検討会の活動につきましては,来年1月13日に「『中心拠点のまちなみ』について考えよう!」をテーマに,石川研究室の学生さんたちに,調布市の中心拠点の街並みについて,調布市に定住していない学生さんの視点で感じたことについて発表してもらう予定です。  また,2月以降に学生の皆さんの発表を聞いた上で,市民検討会メンバーからの意見などを聞く会を開催する予定です。  私からの説明は以上です。 ○後藤会長  御説明どうもありがとうございました。この後,意見交換に移りたいと思いますが,まず石川先生から今の御説明に対して補足はありますか。 ○石川委員  まとめていただいてありがとうございます。補足というか,大変盛り上がりました。とても楽しかったです。  検討会のメンバーの市民の皆さんに,集まって駅について話し合ってくださいというと,必ず悪口大会になるというのが最近の特徴で,悪口,駄目なところは全国同じなのですけれども,いいところを探してというと駅それぞれのものが出てくると思ったので,駅に行って,これがこの駅の魅力だと,ぱっと思ったところを写真に撮って報告してくださいというお願いをしたのです。それで出てきて,それを皆さんに報告していただいたのですけれども,すごく盛り上がりましたし,雰囲気もよかったですし,発見が多かったです。  仙川駅は駅を出ると人が集まって休んでいる様子がいいとか,柴崎は踏切で人が待っている様子がいいとか,ああ,人がつくっているんだなみたいな。それから,調布,布田,国領という地下化した駅について,皆さん,夕日がきれいだとおっしゃっていたのがとても印象的で,地下化がつくり出した,新しい調布の駅の魅力かもしれないと思わされました。それを聞いていたある委員の方が,都心に通勤しているので,調布で夕日を見たことがないと。ああ,調布ってこんなに夕日がきれいだったんだと皆さんの写真を見て改めて思いましたとかとおっしゃっていて,こういう自分の街の再発見というのはとても大事だと思わされました。  あと,調布駅について,上から見たときに図的にあまりよろしくないみたいな話が出て,写真が出てきたのも面白かったですね。駅前広場は,やはりそこに身を置いている人が感じると同時に,上から見下ろすものでもあるなと。図としての景観みたいなものも新しい視点として提示されたように思います。  魅力を語ってくださいと縛ったために,それに関して,先生はいいところだけ見ろとおっしゃったけれども,私はこう思いますみたいな意見も出たりとかしたのですが,やはりこういうやり方で皆さんから個別具体的な話が聞けたのはとてもよかったと思いました。ありがとうございます。 ○後藤会長  どうもありがとうございます。それでは,意見交換に移りたいと思います。何か御質問,御意見ある方,いかがでしょうか。杉山委員,どうぞ。 ○杉山委員  大変盛り上がったということで,参加できなくて残念だったと思いました。実は色も同じで,現場でいい色とか,魅力的とか,そこらしい色を探すというワークショップをやったりすることがあるのですけれども,石川委員がおっしゃったように,いいところをみんなで見つけ出していくのはいいなと思いました。  それで,行けなかった身としては,すごくずうずうしいお願いなのですけれども,まとめるときに,この辺のところまで駅の周りを歩いたみたいな,ちょっとした地図というか,そうすると後から行って,ああ,ここを見たんだとか,周辺に百花園とかがあるのでしたっけ。そういう施設みたいな有名なのがあるんだなとか。  実は,私も車でだっと視察とか連れていっていただいたりするのだけれども,一つ一つの駅のこっち側に団地があってとか,ここに大きなマンションがあってとか,仙川だけは大分歩けるのです。やはり歩きやすいというか。駅前のベンチもすごく印象に残っているし,それから,向こう側の新しいビル街というか,建物などもデザイン建物がありますけれども,ちょっとしたのをつけておいてくださると,その後,ああ,ここから見たのかとか,1人でも行けるので,市の方,大変かと思いますが,ちょっとそんなこともまとめのほうではお願いできたらいいと思いました。意見というよりは,ちょっとお願いでございます。 ○後藤会長  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○幸道委員  ちなみに,駅前広場の写真は私の写真なのですけれども,パルコの中華料理屋さん,7階にレストランがあるのですが,あそこの窓際から撮らせていただいて,その写真です。そうすると全部が見えて,何枚も撮ったのですけれども,この空間の広がりを表すにはどこがいいかなといったときに,自分で上がって,ここがいいと思えて,こういう写真が撮れました。 ○石川委員  これ,なかなか新鮮でしたね。広場の写真は地上からの写真がほとんどだったので,確かにこの広場は上から見るものでもあるよなと。 ○幸道委員  ちなみに,今,ポイントできるといいのですけれども,右下のところ,実は撮ったときに,人と自転車が衝突して救急隊が来ているときだった。ですから,トリエのところの空間は見えない通路があるのです。男の子と女の子を前と後ろに背負っていた電気自転車のお母さんと歩行者が衝突して,出血して,担架が来ていてというところに私はちょうど遭遇して。右下のほうになるのですけれども,小さくなっているので。そういうことがあったので,やはりここをつくるときに,そういうことも必要だなと。やはり安全はすごく大事ですから,そこのところを感じた一瞬でもありました。 ○杉山委員  ちょっと付け加えだけれども,反対側に古いほうの中華屋さんがあるではないですか。あそこからだと夕日がすごくきれいなのです。それで,山が見える。実は私,あんなに山並みが見えると思っていなかったのです。そうか,調布って,もう山並みが近いのだと。 ○幸道委員  ここの中の富士山側のところがありますので,先生,ぜひ見てください。 ○杉山委員  そうですよね。それで実は地形などと申し上げたのだけれども,調布の魅力はいろいろなところから,視点場を変えると…… ○石川委員  昔,線路からが一番夕日が見えたのです。今,それがなくなったので,ちょうど夕日が見える場所がすごく増えてきて,夕日が再発見されているのですよね。 ○鹿野委員  なかなか上から見るところは少ないですね。確かに,このたづくりのところが一番。ここすごい,レストランもありますし。 ○石川委員  ここからダイヤモンド富士が見えますからね。 ○鹿野委員  なかなか調布は低いというか,丘があまりないので。多摩丘陵に住んでいたときは,随分よく見えたのです。景色いいなと。人はそういう景色を見ると,わあっとなるではないですか。調布に来てからは真っ平らで,ビルがわさっとなってしまっているので,なかなか眺めという意味からすると,あまりいいというか,ないですね。深大寺のほうにちょっと丘があるのですけれども,そこも林がありますから,なかなかのぞけない。このビルが一番あれだなと。先ほど先生がおっしゃられていた渝園のところなどもそうですし,でも,ワンポイントなのですよね。本当にちょっとしかない。パルコも確かに1軒,2軒あるのですけれども,本当に少ないですね。 ○石川委員  季節によっても変わりますからね。調布夕日ガイドとかつくってもいいですよね。 ○鹿野委員  よく飛んでくる飛行機の上から見たら,きれいだろうと思うのです。 ○石川委員  先ほどちょっと言い忘れましたけれども,飛行機と言えば,飛田給の駅の魅力で,調布飛行場に近いので,上空を飛行機が動いていく様子とおっしゃっていた人がいて,それも面白い発見だと思いました。 ○鹿野委員  特徴ありますよね。プロペラ機が飛んでいるところは少ないですから,ここに住んでいると,しょっちゅう結構びゅーんと飛んでくるので。 ○杉山委員  語り出すといっぱい出てきますよね。 ○石川委員  位置はみんな分かっているので,地図にプロットするのがいいと思います。 ○後藤会長  どうぞ。 ○藤山委員  藤山です。この会に参加させていただいたのですけれども,非常に面白くお話を聞かせていただいたのです。すごく印象に感じたこととしては,調布駅の地下化の工事が終わってからは10年ですけれども,都市マスを最初につくっていた頃からすると20年ぐらいで,調布の街が物すごく変わったのだなというのを改めて感じて,駅というのが何につけても調布市の骨格をつくっている,個性をつくっているというのを改めて認識したのですが,前はもう少しおだんごのような地味な駅が連なっていたという感じがあったのです。  調布駅のところも駅舎的なものも何もなかったわけですから,そんなに目立つ駅ではなかったところが,この20年で,今回改めて見ると仙川は大きく変わっていますし,調布駅もこのように大きく変わって,飛田給とかも全然変わっていると。昔の懐かしい感じの駅が柴崎だけになってきている感じとか,この20年,物すごく変化があったのだというのを改めて感じて,今回,ちょうど都市マスを改定されるということですが,こういう大きな変化というのは,それぞれの駅に個性が出てきているということでもあるので,石川先生がおっしゃるみたいに,いいところをもっと伸ばしていくような誘導みたいなことがなされると,さらにいいのかなというようなことを感じました。 ○後藤会長  ありがとうございます。大変いいディスカッションができているなと思って伺っていました。駅を手がかりに景観形成を進めていくというのは1つの調布の特徴なのです。他の自治体ではやっていないようなことですので,ぜひこれをうまい形で進めていけばいいし,駅自体というよりも,人の流れですとか,夕日ですとか,いろいろな展開がしそうな予感がしますので,これをてこにうまく進めていくといいと思います。  アメリカでは,駅は街の真ん中になくて,端っこにあるのです。私,あるとき大失敗をしたことがあるのです。ダラスという街に初めて行ったときに,空港からダラス駅に行ってくれと。そうしたらとにかく街の中が見られるのだろうと思ったら,とんでもない端っこで,電車も1日に数便しか来ない,タクシー乗り場もない,そんなところでタクシーを下ろされてしまって,とんでもないことになった。やはりアメリカだったらば,中心の広場に行ってくれとか,市役所に行ってくれと言わないといけないのだと思ったのですけれども,日本人の感覚で,駅に行けば何でもあるのではないかと思ったら大失敗した記憶があるのです。  やはり調布をはじめ,東京の郊外の街は駅を中心につくられてきた。特に調布は街道と並行に線路が走っているという2つの歴史的な流れと近代的な流れ,人の流れみたいなものがうまく近接しているところが1つ魅力だと思うのです。ですから,地形の話もあったし,歴史の話もあるし,駅が個性的になってきたというこれからの変化の方向性のようなお話もあって,駅を手がかりに進めていくというのも,とてもいい方法だと思って伺いました。どうもありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。秋沢委員,どうぞ。 ○秋沢委員  石川先生の補足説明の中ですごい感じたことだったのですが,先ほど藤山委員も言われていたとおり,地元の商店会長さんとか,柴崎が取り残されているという印象がありまして,ほかの駅が大きく,国領もそうですし,布田もそうですし,調布はもちろんのことながら,西調布も駅舎が新しくなったり,仙川はもちろんのこと,つつじヶ丘も変わってきているということ。地元に住んでいる商店会ですと,いまだに線路に分断されているというイメージが強くて,何とかならないのかという意見は,地元で,特に商店会にあるので,人の流れが止まると。  一方,先生が説明されたとおり,踏切を待っている人であったりとか,昭和の懐かしさであったりとか,変わらないことの新しさといったらいいのか,そんなことを先生のお話を聞いて感じました。  私の立場は,やはり商店のにぎわいだったりとか,商店会のにぎわいを考えていったときに,住んでいない人たちがこの街を見たときの視点というものもきちっと地元の人たちに伝えて,新しい魅力を発見してもらうとか,そのことによって,また自分たちでにぎわいをつくっていくということも,今日,9ある駅の中で柴崎だけ変わっていないということが逆に貴重なのかなと思うようになりました。ありがとうございました。 ○後藤会長  どうもありがとうございます。再発見していただいたということだと思います。よろしいでしょうか。どうぞ。 ○鹿野委員  ここに駅中心の変化のところがずっと書かれているのですけれども,当然,活気には変化が必要だし,すばらしく変わっていくというところで人の流れも出てくるのでしょうが,一方の残すべき,例えば自分も生まれは北海道なのですけれども,そういう田舎に行くとほっとするような,変わっていないというのですか,変わるべきではない。好きなのは幸道さんがいらっしゃる深大寺のところの落ち着き,残すべきものはきちっと残していくというようなバランスというのですか,調布には両方あるぞと。活気の中の調布であり,住んで,残して,落ち着くような心の安らぎが生まれるような部分,混在してしまうと,どうもごちゃごちゃになってしまう。無理やりやると大変な話になるので,ある程度そのようなものが分かれながら,調布がうまく景観のところでバランスよく発展するといいなと思うのです。  私は,どちらかというとシティー派ではないですけれども,都会は好きなのですが,一方で都会ばかりにいると何か悶々とするときもあるのですよね。深大寺だとか桜堤,多摩川のところに行くと,やはりほっとする心の安らぎが生まれる。ぜひこれを景観の中の今後の活動の2つのポイントとして忘れたくないと思います。お願いいたします。 ○後藤会長  どうもありがとうございました。  それでは,議事2を以上とさせていただきまして,議事3「次期都市計画マスタープランの策定に向けた『景観分野』について」,事務局より御説明をお願いいたします。 ○町田係長  都市計画担当係長の町田と申します。よろしくお願いします。 (パワーポイント)  では,本日は,現在,令和5年度の策定を目指して検討を進めております次期都市計画マスタープランの検討状況について,現状報告というところで御説明させていただければと思っています。特に調布の街の景観という視点から貴重な御意見等,賜れれば幸いでございます。 (パワーポイント)  まず,恐縮ではありますけれども,都市計画マスタープランそのものについて簡単に御説明できればと思います。  都市計画マスタープランというのは,都市計画法の第18条の2に定めております市町村の都市計画の基本的な方針でありまして,都市の将来のあるべき姿や都市づくりの方向性を定めていくようなものでございます。  調布市では,平成10年度に初めてこうしたマスタープランを策定いたしまして,平成26年度に一度改定をしております。  本計画では,策定の当時,市民委員の皆様の間でもかなり議論を積み重ねてつくり上げたものでして,その際に御覧の5つの理念を決めております。その上で,将来都市像として,住み続けたい緑に包まれるまち調布という都市像を掲げてこれまで運用してまいりました。 (パワーポイント)  都市計画マスタープランの中では,大きくまちづくりの目標に当たるような部分,それから,各分野として横断的に整理をした分野別のまちづくりの基本方針,そして地域別に,地域ごとに焦点を当てて整備していく方針を示す地域別の整備方針をまとめています。  このまちづくりの基本方針というものの中に,調布市では景観分野を設けていまして,平成26年の改定の際に新しく編成に加えて,こうした景観分野の考え方を示すものとして運用しています。 (パワーポイント)  こちらは今の都市計画マスタープランの中で,都市の骨格であったり,シンボルになるような地形等を拠点や軸として模図的に示した都市構造図でございます。  今,駅を中心に業務・商業といった赤やオレンジの拠点を示していたり,深大寺や多摩川のような水と緑の拠点を示しています。  そのほかに各駅をつなぐ拠点間の交流を生むような線を交流軸として黄色い線で示していまして,そのほか水と緑の拠点をつないでいくような緑のラインを水と緑の軸として示しています。 (パワーポイント)  先ほど申しましたまちづくりの基本的な方針の中で,今,景観分野では御覧の3つの方針を掲げています。  まず1つが,武蔵野の限りある水と緑の環境を積極的に守り育て,調布らしさを発揮します。2つ目が,都市景観に配慮し,うるおいのあるまちづくりを進めます。方針③として,地域における景観意識の醸成を図ります。  こうした方針の下に,各取組と施策を具体的に計画書において定めています。 (パワーポイント)  こちらは今申し上げた分野別の方針を図面上に示した景観関連方針図というものが下図になっておりまして,それぞれに引き出しで,現在,ルール化してきたような,景観計画の中で取組を進めてきた,これまでの取組の成果を落とした資料になっています。こうして見ると,現行の都市計画マスタープランの中で示した拠点であったり,軸というようなエリアの中で,粛々とルールをつくりながら取組が進んできたことが分かります。 (パワーポイント)  こうした運用を進めてきた現行の都市計画マスタープランですけれども,令和4年度をもって目標年次を迎えることになります。この間,運用を20年近く行っていますので,当然,社会状況はかなり変わってきています。そうしたものの代表的なものとしては,やはり今後,人口減少トレンドに入っていくだろうというところ。調布市は,幸いにして今はまだ人口は微増傾向なのですけれども,中期的には人口が減っていくと。  そのほかも地震に加えて,近年では風水害の浸水被害も経験してきたというような自然災害への対応も求められますし,コロナのような感染症対策というこれまで想定していなかったような課題も出てきています。  また,調布市としてはカーボンニュートラルシティーを目指すということを市は宣言しておりまして,そうした脱炭素のような取組も街づくりの中で考えていく必要があると。  また,かねてよりございますけれども,街づくり分野の中でもデジタル技術の導入はかなり進んできていますので,そうしたものを考えていく必要があると。こうした変化を踏まえながら,新たな次期都市計画マスタープランを考えているところでございます。 (パワーポイント)  その検討状況を本日お手元に資料を配付させていただいております。本日,資料を次期都市計画マスタープランの策定の背景・目的と位置づけというものと,A3横の次期都市計画マスタープラン策定の視点(案),次期都市計画マスタープランにおける将来都市構造(案),最後に分野別の街づくり方針案の4点を御用意しております。  先ほど申し上げましたが,都市計画マスタープラン策定から社会状況等はかなり変化してきておりますけれども,平成10年,26年の改定の中で,市民参加を重ねてつくってきた大事な理念や目標,計画でございますので,基本的な考え方としては大事な理念や将来都市像は継承して大事にしつつ,新たに付け加えていくものはないかとか,変化に対応するために変えていく必要がある場所はないかといった視点で検討を進めています。 (パワーポイント)  2つ目の策定の視点の資料を見ていただけますでしょうか。表示はしていないのですが,お手元を見ていただければと思います。今回の計画策定に当たりまして,まず基本的な考え方として大切にしている10個の視点を整備しています。  こちらは現行の計画を改定する際に大事にすべき視点として,改定の視点というものを設けておりまして,当時の改定の際に大事にしていた視点を緑色の着色をした左側の列に記載しています。  今回,策定に向けまして,真ん中の列にそれらを今後どのように考えていくかということを書いた上で,右側の列で次期都市計画マスタープランにおいて重要視している策定の視点の案を整理しています。  まず,策定の視点1としましては,人口構造の変化への対応の視点の強化が必要だという整理をしています。先ほども申し上げましたが,人口減少が中期的には見込まれる状況の中で,必要な都市基盤を整備することも重要ですけれども,既存のストックを活用していく,うまく使っていくということも大切にしたいと考えています。  策定の視点2は,安全・安心の視点の強化。こちらはこれまでも取り組んできている災害対応は当然ですけれども,令和元年に経験したような風水害,浸水,水災害等への対応という新たな災害を想定した対応も必要だろうという整理になっています。  今回,災害ハザードエリアが新たに水害を踏まえたものに変わってきたことを念頭に,立地適正化計画をツールとして使いながら,実効性の高い計画づくりをしていきたいと考えています。  策定の視点3は,環境に配慮したまちづくりの視点の強化です。これまでの取組に加えまして,カーボンニュートラルシティーを目指す中で,脱炭素に資する取組,農地や自然地の防災面での機能に着目したグリーンインフラの活用といったような取組の視点を加えています。  策定の視点4では,地域活性化に資する新たな視点の提示をしています。本日もたくさん話題に出ましたけれども,駅前広場など公共空間の活用,地域の産業,観光資源を生かした交流の活性化に資するような方針を整理したいと考えています。  策定の視点5では,京王線連続立体交差事業,市街地再開発や駅前広場の整備などによって新たに生まれた貴重な都市空間を生かしながら,拠点となる市街地の成熟であったり,さらなる質の向上を図っていきたいという整理をしています。  策定の視点6では,各地域における住民発意のまちづくりの推進を掲げています。こちらは現在,市内で13地区,地区ごとの細やかな都市計画を決定していまして,地区計画というものなのですけれども,これらは現行計画の街づくり条例の理念の下,地元の皆様と一緒になって考えながらつくってきたものでございます。現在も6地区においてこうした検討は進んでおりまして,これからも市民の皆様と住民発意のまちづくりを進めていきたいという整理をしています。  策定の視点7では,関連計画と整合を図っていくと。この間の変化を踏まえた計画にしましょうという視点になっています。  策定の視点8では,国でしたり,あるいは国際的なレベルの中で新たな課題が出てきている。そうしたものと市が掲げる基本構想,今回,こちらも改定に向けて進んでおりますけれども,そうした街の将来像を実現する計画としていこうという視点になっています。  策定の視点9では,中心市街地の都市基盤整備で生まれてきた都市空間の活用もそうですが,周辺の市街地におけるふさわしい土地利用を検討していくということと,駅周辺の拠点に必要な機能を集積しながら,その質をさらに高めていきましょうという視点になっています。  最後に,策定の視点10では,冒頭の視点1と関連しまして,都市の成熟期にふさわしい使うという視点を加えた計画づくりをしていこうというものになっています。  次に,次期都市計画マスタープランにおける将来都市構造(案)についてを御覧ください。図面が2つ,表に来ている資料になっています。左側に現行計画で示している図面,右側に次期計画での検討案を整理しています。  今回の計画策定に当たりましては,これまでの拠点の軸の考え方などを生かしながら,拠点としての機能を多く見直しています。  先ほども各駅で個性が変わってきたなどというお話もありましたけれども,これまでは業務・商業という名前を使いながらオレンジや赤の拠点を整理してきた経過があるのですが,今回の改定においては,調布駅については行政であったり医療や文化,商業・業務を含めた調布の中心として,本当に必要な機能が多々集まっている場所である中心拠点という考え方を改めて示しておりまして,それ以外の各駅については,地域に密着したような街づくりの中心であるというところで,地域の拠点という整理をしています。  各駅以外についても,例えば市街地の中で身近な生活圏の中心の中にある核として,必要な利便施設があるような生活拠点を位置づけています。  また,特色ある地域資源として,産業であったり文化といったものを有する地域というものを新たに加えています。  これらは,今後はそれぞれの拠点ごとに考え方を示していきたいと思っていまして,それが次のページ以降の形成方針というものになっています。本日は,お時間に限りがありますので,一つ一つの説明は割愛させていただこうと思いますけれども,そうした地域の拠点,各駅はそれぞれに個性があって,街づくりの方針を示していこうというような考えでございます。  続きまして,次期都市計画マスタープランにおける基本的な方針の検討という資料を御覧いただけますでしょうか。先頭は交通分野になっているのですけれども,後ろから数えて2つ目のところに景観分野の方針がございます。オレンジ色で整理しているページです。本日は景観分野のみ説明させていただこうと思っています。御参考までに7分野つけておりますので,御興味がある方は見ていただければと思います。  まちづくりの基本的な方針の検討につきましては,関連計画や現行計画でも行っていくような継続的に対応していく課題や,東京都や国といった広域的なものですとか,新たに政策的な課題,新たに出てきた街づくりのトレンドも踏まえながら課題整理を行っています。  そうした課題整理の内容が資料上側のボックスの中にそれぞれ整理されています。策定において留意すべきポイントとして今回整理をしていまして,そうしたものを踏まえながら,下段の左側に示している現行計画における基本的な方針を見直しながら,右側のほうで示している新たな基本的な方針を整理しています。  こちらの中で変わっていった,あるいは付け加わった大きなポイントとしましては,まず方針①の中で,武蔵野の限りある水と緑の環境を積極的に守り育て,調布らしさを発揮するという考え方におきまして,(3)という形で,魅力ある景観形成と豊かな地域資源のネットワーク形成により,交流人口,回遊性などを高めていこうというような整理を加えています。  また,方針②都市景観に配慮し,うるおいのあるまちづくりにおきましては,(4)として,緑の保全・創出による街並み形成を加えています。  方針③では,住民や事業者の皆様とよりよい関係をつくりながら取組を進めていこう,そうしたための仕組みづくりなどの視点を付け加えています。  2ページ目以降は,こうした方針を踏まえながら,具体的な取組を整理していきます。こちらも左側に現行計画における施策を整理していまして,今回,計画検討に当たりまして,市民参加という形でアンケートやワークショップを行ってきた内容から,キーワードを真ん中のラインに加えた上で,右側の施策(案)として検討案を載せているという形になっています。  新たな内容として主なものは,今後,農地を計画的に保全していこうと。そうしたことによって田園風景を守っていこうという視点や,市民活動支援等によって地域における景観意識の醸成を続けていこうということ。それから,届出制度によって建築物の意匠等を誘導すること。公共空間などにおける緑の保全や創出などを付け加えているものです。  まず,検討状況の御報告については,簡素ではあるのですけれども,以上とさせていただきまして,こうした検討の中で,少しスライドに戻りながら,今回の検討の中で景観分野の整理をしたものを説明させていただければと思っています。 (パワーポイント)  今回,次期都市計画マスタープランの検討に先駆けまして,5月頃に調布市民の皆様,無作為抽出で16歳以上の方々3,000名にアンケート調査を行いました。その際,1,037名の方に御回答いただきまして,回収率は約34.6%となっています。 (パワーポイント)  こうしたアンケート実施の中では,景観に関する設問を幾つか加えておりまして,代表的なものとしては,武蔵野の面影を残す自然環境を生かした景観について,歴史的,文化的資源を活用した景観について,良好な街並み景観について,駅周辺の都市景観について。  また,個別の設問としましては,景観について重要だと思う取組について10項目設けましたのと,そのほかに景観について,今後,駅ですとか周辺の良好な街並み景観づくりを進めるに当たって,特に重要だと思うようなことについてお聞きしました。 (パワーポイント)  こちらはそうした設問を整理した上で,市が取り組んでいる街づくりの満足度や重要度について伺った結果になっております。  景観の設問につきましては,赤い点線で囲っている部分の23や24,右側のラインにあるような深大寺や国分寺崖線に見られる自然環境,歴史的資源を生かした景観について高い評価を得ています。満足度が右側に行くほど高く,取組の重要度自体も上に行くほど高いという中で,右上に行くほど重要度が高いという表になっているのですけれども,23,24の辺りが重要だと。  また,25,26にあるような駅周辺や主要幹線道路の整備についてという設問についても,もっとよりよいものを望んでいくような回答が得られています。 (パワーポイント)  景観について重要だと思う取組は何かという設問につきましては,まず1番は24.9%で,積極的な緑化により,うるおいを感じられる街並みを形成するという回答が多くございました。  2番は,ほぼ同数なのですけれども,ゆとりを感じられる連続的な歩道空間を創出するといった部分について,市民の皆様の関心が高いということが分かりました。 (パワーポイント)  続きまして,駅及び駅周辺の街並みについても設問を設けていまして,こちらについては33.9%で,駅の形状,地下駅,橋上駅など,こうした駅周辺の整備状況を考慮した景観まちづくりというものが一番高く出ています。  また,2番は31.3%で,市内各駅の特徴を踏まえた駅ごとの景観形成を意識した景観まちづくりが挙げられました。 (パワーポイント)  最後になりますけれども,今回,アンケートで自由記述を設けておりまして,市民の皆様に調布市の街の自慢できるものや,将来残していきたいものは何かというような投げかけをさせていただきまして,かなりたくさんの御意見を長文でいただきました。そうしたものをテキストマイニングの手法を使って整理していまして,その中で出てきたものをAIを使って視覚化したものがこちらになっています。  まず,御覧のとおりなのですけれども,深大寺,多摩川,桜並木といったものも大きく出ているのですが,こうしたものを押さえながら,一番印象度として出てきたものが,中心の野川というキーワードでありました。 (パワーポイント)  また,逆に改善していきたいところという設問についても同様に,野川のキーワードが一番出てきたという結果になりました。このほかにも続けて街路樹であったり,景観という言葉が多く挙げられていました。  こうしたものも踏まえながら,次期都市計画マスタープランの検討を進めていきたいと思っていますので,忌憚のない御意見をいただければと思います。  御報告は以上です。ありがとうございました。 ○後藤会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に対して御意見,御質問ございますでしょうか。どうぞ。 ○幸道委員  最後の20ページのところで,自慢できるもののところに野川が出ていて,改善したいところでも野川が1番になっているのですが,自慢できるものは野川というのは,ある程度,理解できるのですが,改善したいところというところで野川が1番なのは,どういった理由だとお考えでしょうか。 ○坂本副参事  確定的なことはちょっと言えないのですけれども,私,都市計画に来る前,公園の担当の緑と公園課というところにいたのですが,野川沿いは親水公園みたいにしてくれないかみたいな話はよくあって,今,何か所か下りられるところはあるのですけれども,あそこは市街地の河川なので,雨が降ると急激にわっと水位が上がるので,親水型の公園みたいなのを整備するというのはなかなか難しいところがあって,ただ,サイクリングロードといいますか,遊歩道にもなっていますので,市民の方の要望は恐らく高いのだろうとは考えています。 ○幸道委員  親水型の公園ということですか? ○坂本副参事  親水型なのか,公園までは整備しなくても,もっと気軽に川に下りていって,ちょっと水遊びができるようにならないですかというような要望です。何か所かはあるのですけれども,もっと増やせないかとか,一応サイクリングロードになっているというところもあるのだと思うのですが,そういう要望があるのは市としては認識しています。 ○町田係長  本日欠席している加藤と話していたのは,私も今,八雲台に住んでいまして,野川のほうをよく歩くのですけれども,ここ数年,感染症の関係もあって人の外出傾向が変わってきている中で,そうした市内の身近な家の周りで歩いていくような遊歩道等に人が増えてきたのではないかと。そうしたところを歩くことで初めて,いいところも悪いところも気づくことがあったと。そういう意味で認識が強まっていると。野川について,認識そのものが強く出ているのではないかというようなことは加藤も申しておりました。 ○後藤会長  ありがとうございます。夕日を見る機会がなかった人がリモートワークなどで,昼間,調布で暮らすようになって,お散歩するときに川沿いというのはアップダウンがあまりないので,川を骨格にしてお散歩ルートを決める方も結構いらっしゃるのではないかと思います。  これ,テキストマイニングで頻出度の高い文字が大きく可視化されているわけですが,もう一つ,共起ネットワーク分析というのをやられると,言葉と言葉の関係が見えてくるので,野川の周辺にまつわる動詞がどういう動詞になっているのかの関係を見ると,もう少し細かい精緻な分析ができるのではないかと。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○上林委員  マスタープラン策定の視点のところなのですけれども,改定の視点5のところで,4の削除部分もそうなのですが,新たな章立てに関する内容のため削除として書いてあるのですけれども,新たな章立てというのはどこに反映されているのでしょうか。策定の視点というところからは,景観は外されたということなのですよね。 ○後藤会長  改定の視点4と5のところがそのような表記で書かれていますよね。ですから,土地利用は新たな章立てに関する内容のため削除,景観も新たな章立てに関する内容のため削除と。 ○町田係長  ありがとうございます。前回の改定の際に,こちらの中に景観の方針・施策を新たに示すということを加えた意図としましては,平成10年策定当初の都市計画マスタープランでは,景観分野そのものの方針整理は,特化したものとしてはしていなかった状況があるのです。  26年の改定の際には,その直前に調布が景観行政団体になったこともありまして,景観分野を改めて分野で整理しようと。章としてつくってしまおうというようなことを前面に押し出した改定になりましたので,その際の改定の視点として加えています。  今回,この視点を削除した理由としましては,引き続き継承していくと。景観分野の整理はそのまま行っていくものなので,新たに変えていくというような意図ではないと考えていまして,そういう意味で,今回の新たな策定のところは視点を入れていないというような意味になっております。  もう一つ,策定の視点4の土地利用の方針につきましては,先月,都市計画審議会に報告した資料になっていまして,この後にいろいろ審議会の先生方の意見も踏まえまして,土地利用の方針を示すというのは都市マスの一番大事な部分なので,きっちり残すということで今考えています。資料が多少古いもので失礼いたしました。 ○上林委員  ありがとうございました。 ○後藤会長  要するに,景観の扱いは低くなってしまったということですか。 ○事務局(東海林補佐)  今の御質問,補足なのですけれども,策定の視点に書かせていただいていたものは,前回の改定時,現行のプランの視点から主に変更した部分の視点を書かせていただいています。ただ,今,会長からございましたが,景観というのは都市計画マスタープランの核となる7つの分野というところで,引き続き分野に沿った形で基本的な目標を掲げていきたいと考えていますので,決して景観分野が当時より優先度が落ちたということではなくて,先ほど町田からございましたが,継続するべきところは視点というところでは載せていないという意味合いになりますので,そこは次期マスタープランにおいても変わらず,景観分野についてはしっかり取り組んでいくという方向で考えています。 ○後藤会長  ありがとうございます。あえて改定する必要性がないということですね。ちなみに,ずれるのかもしれないけれども,土地利用はやはり重要で,23区は決定権限が与えられていないのだけれども,調布市ほか23区周辺の自治体は与えられているという逆にすごいプライオリティーだと思うのです。隣の世田谷区は権限がないのだもの。だから,ここはやはり外してはいけないと思います。  ほかに。杉山委員。 ○杉山委員  私も景観の文字が消えているのは,ちょっといかがなものかと思った次第です。実は,よく読んでいくと交通系というか,各説明のところでも景観について触れているのです。それから,河川とか環境に配慮したまちづくりのときには,やはり景観に触れたりしているわけです。そうすると,どこかに景観も踏まえながらとか,環境に配慮したというところとか,地域活性化にも景観が良好であるという名勝づくりだとか,観光地の整備は景観なくしてはあり得ないので,何かちょっと単語を入れて,大きな項目としては今回は必要ではないが,そういった工夫もあったほうがよろしいのかなと。  全部細かく読んでいくと,いろいろ書いてくださっているのです。駅前空間みたいなことに関しても景観というのは非常にあれですし,それこそどこの項目でも景観が逆に全部関わってくると。そのような視点が欲しいかなと思いました。  さらに加えさせていただくと,交通系のところで道路附帯物なども,もうちょっと語っておいてほしいのです。電線の地中化とかをすると,みんなすばらしい景観になるなんて,そんなことあり得ません。やはり変な電柱が立ったりとか,地上機器がどんどん置かれたりとかするので。それから,橋梁とか土木系なども,遠慮がちに都道だと何も言わないとか,そのようなことも調布市さん,もうちょっと積極的に頑張っていただければと思ったりしているのです。  例えば,深大寺の横に歩道橋があるのを御存じですか。 ○幸道委員  深大寺小学校のところですか。 ○杉山委員  そうそう。あそこの色は歴史的なあそこら辺にふさわしくないと。だけれども,市のものではないから言わないといつもおっしゃっているのです。だけれども,やはり何度断られても行くというのが景観のことなので,深大寺のほうの皆さんでも,またお声を上げていただいたりとかするのも…… ○幸道委員  ちょうど今,色を塗り替えている最中。 ○杉山委員  よくなる? ○幸道委員  いや,分からないです。全部囲ってしまっているのです。 ○杉山委員  どうなるか分からない? ○幸道委員  全然分からない。 ○杉山委員  これも問題ですよね。というようなことが,やはりあるのです。だから,権限がそれぞれ違うから,でも調布市はこう考えていますというのはお伝えしていかなくてはいけないというのが。 ○幸道委員  1つよろしいでしょうか。実は,深大寺西参道の道標を都道の歩道のところに造ったのです。私,深大寺の88世に言われて,参拝部の人間だったものですから,皆様から200万円の寄附を集めて,西参道に建てるときに,あそこがちょうど都道と市道の境だったのです。結局,建てるところは都道の歩道の植込みの中になるのです。まず,担当者に面会するのが大変でした。いろいろな手を使っていったときに,やはりこちらのエネルギーなのです。これが必要なのですと。東参道があるのに西参道の道標はないので,ぜひつけたいし,東京都にとっても深大寺はすごく大事な観光地なのですということをかなりアピールして,見に来てもらって,東参道があるのですから,西参道も必要ですねということで,つけさせていただいたということがあるのです。  つまり,担当者のエネルギーだと私は思います。歩道の色に関しても。やはりここは一環ですから,何とか即した色にしてくださいと言えるのだと思うのです。道標をつくる時,都道と市道の交わる場所の図面を見せてくださいと行った時,市の道路課は,いや,東京都は上位ですから,私たちにはそこの図面がないのですと言ったのです。だから,私は都に行ってもらってきて,はい,これを持っていきなさいといって道路課にコピーをあげましたけれども,そのようなところで,都に対して遠慮が多過ぎますよね。言うべきところは言っていっていいと思いますよ。深大寺なんていうのは,特に東京都の観光地でもありますので,そこら辺,市の方には頑張ってほしいですねと思いました。 ○杉山委員  御意見ありがとうございます(笑声)。  ちょっと加えて,野川がこうやって出てくるというのは,実際に野川の近くのニュータウン計画みたいなのがあったりして,アドバイザーで見学に行ったことがあるのですけれども,もうちょっと親水というか,親しめるような整備とか,そういうのが進んでいると,周りで住宅を考えたりする人たちも,遠慮がちでもないですが,考えてくれるのです。だから,先にそういうことをどんどん進めていかれて,これ,文章を読んでいると,実は野川はほとんど語られていないのです。 ○石川委員  野川も同じことが起きるのではないですか。一級河川だから国の管理ですよね。 ○杉山委員  そうそう。だから,そのようなことで,この調布市の多摩川沿岸はちょっと段丘があって,すごく魅力的なのです。地形と川のよさと緑みたいなことを,サイクリングロードもありますし,もうちょっと語りを入れておいてほしいという希望です。ざっと見たところでいろいろ希望を申し上げましたけれども,ぜひ御検討いただければと思います。よろしくお願いします。 ○後藤会長  ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。 ○椎原委員  各委員の皆様にもいろいろ御指摘いただいていますが,確かに前のときには改定の視点に景観が入っていたのですけれども,策定の視点から景観の言葉が抜けているというのは,もちろん本体の中において,基本的な方針の検討の中に景観分野というのがしっかり入っているのですけれども,A3の一番上の紙,策定の視点4は,前の改定の視点のときは景観,地域活性化の方針・施策を新たに示すだったので,今回はもう入っているから,景観はよいという御説明はあったのですけれども,地域活性化のほうは少し言及することがあるので,1つ視点として立っていると。  景観のほうも新たな視点とか,今,駅前周辺とか,総合的にいいところを評価するとか,取り組み始めていることもありますので,入れておかれたほうが,景観施策に対して,こうした課題にこれから取り組もうとしているのだということがはっきり見えるような気がします。  後藤先生をはじめ,委員の皆様,景観は全てのものに暮らしの生活圏という言葉をずっと大事にされてきていますので,本当に交通とか生活とか全てのものに関わるので,全てのものに紛れてしまうとも言えるのです。紛れてしまうからこそ,景観という言葉で,ほかの交通とか産業とか分野がはっきりしているものをつなぐ要素として,都市マスの中にもその視点を大事にする,生活圏を大事にするというような前々から取り組んでいる方針と,これから新たに取り組もうとしていることと加えておかれるとよいかなと思っています。  あと,景観の分野に関して,A3の紙のオレンジのところ,強調していただいたところに,景観分野の次期都市マスにおける基本的な方針に,魅力ある景観形成と豊かな地域資源のネットワークの形成等ですとか,緑の保全・創出によるうるおいのある街並み形成を進めますというようにあります。これを実現する方法が,公共施設においては,今,調布駅前でできるだけ緑を残そうとか,街路樹の保全を図ろうとか,そこは市民の皆さんと市の相談の中で,できること,できないことは常に協議されると思うのですけれども,調布の緑の魅力,私などは台東区からこちらに参るのですが,やはり調布に関することは,本当に住宅地の一軒一軒のおうちの緑が大変豊かだなというのがあります。  景観のところで見ると,深大寺周辺ですとか野川とか,特別なところの景観は何度も書かれているのですけれども,意外に先ほどのいいところ探しではないですが,一戸建てのおうちがあって,庭には木が少なくとも何本かあって草花があるというのが,調布の方には当たり前過ぎて,それが特別すてきなことだとか,守らなければいけないという感覚が,もしかしたら当然になっていらっしゃるのかもしれない。  都心だと地価が上がっていて,御相続が生じると,すてきなおうちも50坪に3軒建つみたいなのがどんどん進んでいて,そうしたことが調布にもやがてやってこないとも限らないと思うのです。そう思いますと,一軒一軒のおうちの緑を守るには,一軒一軒のおうちがそのままの規模で引き継がれていくような仕組みが必要かなと思います。それに通じるようなことを何か書いておけるといいと思います。  あと,景観計画の中で景観重要建造物とか景観重要樹木という枠組みがあって,それは調布市さんの景観計画の具体的なアイテムとしてはまだ指定されていないのですけれども,景観重要建造物になりますと,相続税の3割減免ですとか,何かあったときの相談支援。景観重要樹木についても,直接いきなり何か補助があるとかではないのですけれども,やはり何かあったときに,公的に市民の個人のものであっても保全に対する応援ができる仕組みがつくりやすくなると思うのです。なので,都市マスなどにおいても個別の住宅地の緑を守れるような仕組みづくり,次の一手,何か先見の必要なものは入れ込んでおいたほうがよろしいのではないかと思いました。  以上です。 ○後藤会長  ありがとうございます。たくさん御指摘いただいたのですけれども,都市マスはスケジュール的には今どのぐらいまで来ているのですか。 ○町田係長  まだ検討の途中というところで,年明けに一度,中間報告のような形で少し概要というのですか,骨子のような部分を出していきたいと思っているところで,来年の8月頃の策定を目指しています。 ○後藤会長  分かりました。では,今,まだ確定したものをお示しいただいているわけではないということなので,ぜひいただいた御意見をくみ上げてほしいと思います。  もう一つ,私,本日の冒頭の御挨拶というか自己紹介のところで触れた景観学習という言葉が,オレンジ色の景観分野の基本的な方針の検討のところで,かつて「景観学習の推進により」という言葉があったのが,次期都市マスでは消えてしまっているのだけれども,これも復活させることができるかどうかというのをぜひ考えてみてください。  今,皆さんのお手元にある景観計画の地域別に当たるところが小学校区別で書いているのです。これがやはり調布市の特徴の1つで,小学校の総合学習の教材にこうした市役所の計画図書が使えるというのはすごくいいのではないかということで,小学校区単位で身近な景観に対して学ぶ機会を持てるような工夫をこれをつくった平成26年の頃の議論としてはしていましたので,その辺りもうまく酌み取っていただくといいと思います。  ほかにいかがでしょうか。石川委員。 ○石川委員  将来都市構造図,基本的に考えを継承しているとうたわれているので,そういうことなのかもしれないのですけれども,ダイヤグラムが雑だと思うのです。調布市はすごい複雑な形をしているので,四角で囲ったりとか,北町のほうを拠点といって,点的要素ですといって,面的に書いてあったりとか,やすらぎゾーンの拠点が多摩川の反対側に書いてあったりとか,もうちょっと解像度を上げてもいいのではないかと思うのです。出来合いのパワポ標準を使うのではなく,もう少し丁寧に書いてもいいのではないかと思うのです。  あと,野川が斜めに横切っていて,多摩川が下を押さえているみたいな自然の構造が調布市の特徴だと思いますので,布田崖線のところも何か検討してもらってもいいのではないかと思いました。今,ちょっと抜けていますけれども,あれも緑の連続しているエレメントなので,都市軸に。ちょうどここがちょっと手薄なので。 ○坂本副参事  これ,今まだ検討している最中なのですけれども,現行の都市計画マスタープランの軸は,布田崖線と多摩川を併せた形で水と緑の軸という形で表現していて,それが分かりにくいかもしれないので,今,取りあえず右側で案はつくっているのですけれども,これもいろいろなところで御意見をいただいていますので,場合によったら布田崖線と多摩川を分けて,水の軸と緑の軸に分けることも今検討しているというような状況でございます。 ○石川委員  それはいいと思います。であれば,線の書き方をちょっと工夫していただいて,こっち側にはこういう太い緑の軸がありますみたいな書き方がいいと思います。 ○坂本副参事  ありがとうございます。 ○幸道委員  すみません,布田崖線というのは国分寺崖線ということですか。 ○石川委員  国分寺崖線は野川のところで,郷土博物館とか下のほうにちょっと崖線があるのです。それがあまり可視化されていないのだけれども,行くとずっと緑がつながっていて,なかなかいい。 ○坂本副参事  布田崖線というのは,調布の布田からずっと青梅のほうまでつながっている崖線で,調布市内は割と開発されてしまったのですけれども,何か所か残っています。 ○幸道委員  羽毛下通りとかあの辺ですか。 ○坂本副参事  羽毛下の上のところです。あそこは調布は布田崖線と言っているのですけれども,府中とか立川に行くと立川崖線と言ったり,青梅のほうで青梅崖線と言ったり,いろいろ呼び方があるのですが,連続した崖線です。 ○後藤会長  今の石川先生の御指摘は,内容についての御指摘と,もう一つ表現についての御指摘だと思うのです。これは日本の多くの都市計画マスタープランがこういう丸と矢印で示してきてしまっているのですが,やはり市民から見たら何のこっちゃという図ですよね。少し工夫をしているところだと,さっき俯瞰的な見方が重要だという駅前広場のお話がありましたが,鳥の目ぐらいの目線から見た調布市の図をベースに描く。そうすると,市民に対しても訴求力のあるマスタープランになってくると思うのです。だから,逆に大学でプロを養成するところの教育が足りないのかもしれないけれども,そういう工夫をしないとメディアにならないですよね。市民と市役所の方の日々のお仕事を橋渡しするような役目の図案にならないといけないので,これは大きな挑戦かもしれないけれども,ぜひ試みていただくといいと思います。  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。――それでは,議事3は以上とさせていただきます。  以上で本日の審議会の議事は全て終了ということでございますが,特にそのほかで御発言がないようでしたらば,事務局にマイクをお返ししたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(東海林補佐)  長時間にわたりまして貴重な御意見交換ありがとうございました。事務局からは1点,次回の日程についての御連絡です。  次回の景観審議会につきましては,年明け,来年2月22日水曜日午前中に開催したいと考えております。時間や場所の詳細は決まり次第,改めて御連絡させていただきますが,御予定をお願いできればと存じます。  もう一点,最後ですが,本日,机上にお配りさせていただきました景観計画などの資料については,お持ち帰りにならないようにお願いできればと思います。  事務局からは以上でございます。 ○後藤会長  本日の議事進行に御協力いただきまして,ありがとうございました。  本日の議事録について,署名委員を輪番制で指名させていただいておりますけれども,今回の署名委員は杉山委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  それでは,これをもちまして令和4年度第1回調布市景観審議会を終了いたします。どうもありがとうございました。                             ――了―― - 1 -