令和4年度第2回調布市景観審議会議事録 令和5年2月22日(水曜日) 開会 午前9時45分  閉会 午前11時45分   場所:文化会館たづくり 10階 1002学習室 議 事  1 (次期)都市計画マスタープランの策定に向けた「景観分野」について  2 景観計画の運用状況  3 市民への意識啓発,活動支援~参加と協働による景観まちづくり~   出席委員  1 条例第25条第1号委員(1名)    鹿野 隆委員      2 条例第25条第2号委員(4名)    椎原 晶子委員,石川 初委員,杉山 朗子委員,上林 典子委員       3 条例第25条第3号委員(3名)    秋沢 淳雄委員,菅原 大輔委員,藤山 三冬委員, ○事務局(東海林補佐)  おはようございます。皆さんおろそいになりましたので,ただいまから令和4年度第2回調布市景観審議会を始めさせていただきます。本日の司会を務めさせていただきます都市計画課長補佐の東海林と申します。よろしくお願いいたします。  前回に続きまして対面での開催となりました。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,会に先立ちまして都市整備部長の渡辺から御挨拶申し上げます。 ○渡辺部長  皆様,おはようございます。都市整備部長の渡辺でございます。本日は令和4年度第2回調布市景観審議会に大変お忙しい中,御出席を賜りまして誠にありがとうございます。  昨年11月に,コロナ禍の影響もあり約2年ぶりに本審議会を開催させていただいたところでございます。ここ最近,コロナの状況も少し落ち着いてきたところではありますが,このコロナ禍の影響によりまして景観に関する事業におきましても景観計画の改定等を含めましてスケジュールの変更を若干余儀なくされているところでございます。皆様には今後,また少し御無理をお願いするような場面もあるかと思いますが,何とぞよろしくお願いいたします。  さて,前回の審議会におきましては,次期都市計画マスタープランの素案に関しまして御説明をさせていただき,皆様に御意見を賜ったところでございます。この間,私ども,庁内での検討はもとより都市計画審議会や都市計画マスタープラン策定検討委員会,また,環境保全審議会,そして公共交通活性化協議会など,様々な団体,審議会等々で御議論をいただきまして,本日は机上に置かせていただいておりますこちらの素案から少しステップアップをした内容でございます【中間取りまとめ】というのを御用意させていただきました。  本日の審議会におきましては,この中間取りまとめについて改めて内容の御説明を申し上げまして,皆様から御意見を伺えればと思っているところでございます。  最後に,本審議会におきましては,景観条例に基づきまして,調布市の今後の景観形成について広く御審議をいただく審議会でございます。委員の皆様の実践的な視点,そして専門的な見地から忌憚のない御意見をいただくことをお願いいたしまして,開催に当たりましての挨拶とさせていただきます。本日もよろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  会のほうを進めさせていただきたいと思います。  次第に入る前に,部長のほうから今,2年ぶりの開催ということがございました。前回11月には委員の皆さんに自己紹介もいただいたところなのですが,前回出席がかないませんでした菅原委員,今回初顔合わせということで,恐縮ですが,簡単に自己紹介をいただければと思います。よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。 ○菅原委員  菅原といいます。よろしくお願いいたします。調布市の富士見町でFUJIMI LOUNGEという地域ラウンジカフェと設計事務所をやっています。同時に,地域・建築デザイン研究室というのを東京電機大学で主催して,教育と研究をしております。改めてよろしくお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。  また,1点御報告がありまして,本日,後藤会長なのですが,おけがをされたということで,急遽,御欠席の御連絡をいただいております。今日の審議会につきましては,恐縮ですが,椎原副会長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  また,市民委員の幸道委員からも御欠席の御連絡をいただいております。併せてよろしくお願いいたします。  また,本日も,前回と引き続きまして事務局の職員,また,運営支援をお願いしております株式会社アーバンデザインコンサルタントの伊禮さんにも御出席をいただいております。御承知おきいただければと思います。  それでは,これより次第に沿って進行してまいりたいと思います。初めに,資料の確認をお願いいたします。本日,机上に配付いたしました資料でございますが,本日の次第,委員名簿,座席表でございます。続いて,議事の資料といたしましては,今スクリーンにも出ておりますが,右上に資料1と記していますパワーポイント,また,調布市都市計画マスタープラン【中間とりまとめ】は冊子になっているものです。こちらが資料となっております。そのほか,机上資料といたしまして調布市景観計画を配架しております。  以上の資料ですが,お手元におそろいでしょうか。よろしいでしょうか。――ありがとうございます。それでは,ここから椎原副会長に進行をお願いしたいと思います。椎原副会長,よろしくお願いいたします。 ○椎原副会長  よろしくお願いいたします。それでは,改めまして,令和4年度第2回調布市景観審議会を開催いたします。  まず,定足数につきまして事務局から報告をお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  本日の審議会でございますが,先ほど触れさせていただきましたが,後藤会長,幸道委員から御欠席の御連絡をいただいております。つきましては,欠席2名,出席8名でありますことから,調布市景観条例第29条に規定されております定足数に達しております。  以上でございます。 ○椎原副会長  ありがとうございます。定足数に達しているとのことですので,引き続き審議会を進めてまいります。  審議会に先立ちまして,本日の審議会について調布市景観条例施行規則第37条に基づき非公開とするべきかどうかをお諮りいたします。本日の内容は別紙次第のとおりです。非公開とする理由がないと思われます。公開とすることに御異議ございませんでしょうか。    (「異議なし」の声あり)  ありがとうございました。  また,本日の傍聴者の定員ですが,開催会場の広さ等を考慮して6人と定めさせていただいております。  それでは,本日の当審議会について公開とし,傍聴希望者の入場を承認したいと思います。本日の希望者の有無につきまして,事務局から報告をお願いいたします。 ○事務局(東海林補佐)  傍聴希望者はおりません。よろしくお願いいたします。 ○椎原副会長  ありがとうございます。傍聴希望者がいらっしゃらないということなので,このまま審議会を継続します。  また,審議途中で新たに傍聴希望者がある場合は,随時傍聴を認めますので,委員の皆様は御承知おきください。  それでは,審議会を再開いたします。本日は,会場の都合で11時45分終了をめどに進めてまいりたいと思いますので,議事の進行等につきましてはよろしくお願いいたします。  では,議事1,(次期)都市計画マスタープランの策定に向けた「景観分野」について,事務局から説明をお願いいたします。 ○坂本副参事  都市計画課の坂本です。よろしくお願いいたします。 ○町田係長  同じく,都市計画課の町田といいます。よろしくお願いいたします。  では,私から,今回,中間取りまとめということで都市計画マスタープランの検討状況を報告いたします。  本日は主に,現行の計画から変わっているような部分,そして景観分野に関連する施策等を中心にお話をさせていただきます。また,前回の報告の中でまだ取りまとめの済んでいなかった立地適正化計画の部分について今回御説明できればと考えています。  まず,本編に入る前に,本日はA4横で,これまでの検討経過,スケジュール(案)をお配りさせていただいております。今年度検討に当たりまして市民参加を通じて検討を重ねてきたというところで,こちらについても簡単に御説明をいたします。  まず,昨年5月に市民3,000名の方を無作為抽出によって選ばせていただきまして,そちらについてアンケート調査を行いました。また,6月から8月にかけましてワークショップ形式での検討を計10回開催いたしました。10月には,今後の未来を担う市立の小・中学生の皆様へアンケートを実施しております。また,専門家の皆様を集めまして,それぞれの見地から御意見をいただく場として,都市計画審議会会長をはじめとしました有識者7名で構成をした専門家会議,都市計画マスタープラン策定検討委員会を設置いたしまして今まで委員会を6度開催してまいりました。その他,庁内の関係各課で構成した課長会や,本日の場のような関係会議,審議会等での御報告を重ねてまいりました。  これまでの検討経過につきまして,市役所内での確認,それから,都市計画審議会をはじめとしまして協議会で報告させていただいた上で,本年1月27日金曜日と28日土曜日にそれぞれ報告会形式とオープンハウス形式で,市民の皆様に向けて今回の中間取りまとめの報告を行ったところでございます。  本日報告するものにつきまして完成版というわけではないのですけれども,現時点での取りまとめが済んできたというところで方向性の修正の必要がないか,取組の不足がないかといったような観点で御意見等をいただければと考えています。  それでは,本編冊子を御覧いただければと思います。景観施策のところについてはスライドも併せて使いながら御説明いたします。  まず表紙をおめくりいただきまして,1ページを御覧ください。  中間とりまとめ,本冊につきまして,今回は9つの章で構成しています。御覧のとおり,冒頭から,背景,位置づけ,期間,視点,全体構成,まちづくりの構想,まちづくりの基本方針,地域別の整備方針と続きまして,最後に9章に立地適正化計画の説明を加えています。  3ページ,4ページを御覧ください。まず3ページです。今回,都市計画マスタープランの策定に向けまして,現行プランでも掲げています8つの改定の視点というものを3ページ中央のオレンジの枠の中にあるような,これまでの変化といったものを踏まえながら,改めて11個,視点を整理しました。それを4ページに色を分けて記載しています。  今回,これまでのものに安全・安心,それから環境といった視点の見直しを行ったほか,新たな視点としまして都市のマネジメントという項目を追加いたしました。これにつきましては,これまで整備をしてきた社会資本,既存ストックの有効活用,それから適切な維持管理,運営というものが,これから実現する市民参加,情報発信などと合わせて求められているというところで,改めて視点に加えたものでございます。  8ページを御覧ください。こちらが,今後取りまとめ,策定を目指します都市計画マスタープランの全体構成となっています。今回の策定に当たりまして,都市空間の使途をさらに高めていくという観点から,多様な都市機能を拠点に集積するということ,それから,防災に関する考え方を示す立地適正化計画を最後に取りまとめて含めていくことで実効性を高めていく構成としています。こちらの内容は後ほど御説明いたします。  9ページ,10ページを御覧ください。こちらはまちづくりの構想になっています。まちづくりの理念につきましては,これまでつくってきたものが恒久的なものであるという判断から,現行計画から受け継いでおります。その上で,今後新たに20年間のまちづくりの方向性,大事なものを示すという形で10ページにまちづくりの方向性というものを整理しています。  こちらは大きく4つ,「だれもが安全・安心・快適に暮らせるまち」「豊かな自然環境と調和したうるおいのあるまち」「多くの人が訪れるにぎわい・活力あふれるまち」,そして,これらを包含するものとして,ゆとりある都市空間の形成を掲げています。  次に,11ページ,12ページを御覧ください。こちらは将来都市構造図です。現行計画の違いとしまして,まず拠点周辺,各駅周辺を,行政,文化,医療等の多様な機能が集積する,市民生活の中心となる中心拠点と,それ以外の各駅周辺の特性を生かしたまちづくりの核となる地域拠点として改めて位置づけをしております。  また,駅周辺以外におきましても人々の活動や地域の交流の中心となる場所を生活拠点として今回位置づけて,黄色の丸で示しています。こちらは多摩川住宅地区周辺,神代団地周辺,国領町8丁目周辺,北部地区一部周辺の4か所を今回新たに示しています。  また,調布市の特色ある地域資源を有する場所として,緑の基本計画に位置づけがあるのですが,農の里を3か所,将来都市構造のほうに記載することといたしました。これによって良好な地域環境の維持保全活用,そうすることによって武蔵野の面影を感じさせる農景観の形成をすることを,京王線各駅を中心とする拠点の形成と同様に都市計画マスタープランでも明確にすることとしています。  次に,軸につきまして,前回,現行計画におきましては「水と緑の軸」として,1つの東西南北の軸を示していたものを,今回「水の軸」「崖線の軸」「緑の連結軸」の3種類に分けて整理をいたしました。  「水の軸」につきましては青い線で示していまして,水の骨格を担う河川を生かしながら,人々の活発な交流を促すものとしています。  黄緑色の軸につきましては,調布を代表する緑である「崖線の軸」として示しています。東側から仙川崖線,国分寺崖線,布田崖線の3つを示しています。  また,図上に青と緑の中間色のような色で南北に示している軸が「緑の連結軸」です。こちらは,人の流れを伴いながら緑の円で示している水と緑の拠点の間を,連続した緑で結んでいく軸としています。都市計画道路の整備に併せた街路樹の植栽による緑化を推進することなどによって,ネットワークとしての連続した緑の軸を形成するものとしています。  15ページ,16ページを御覧ください。こちらは土地利用方針になります。今回,市の特性を生かしながら,にぎわいあるまちづくりと暮らしやすい住環境づくりの調和を図るなど,将来都市像を実現するための土地利用の基本的な方針を示しています。  次のページ以降で各地区に分類した土地利用の方針を示しているのですが,15ページ冒頭に,現状での課題,将来の土地利用の誘導を考慮しながら全体として掲げるものを新たに整理しています。  大きく6つ,拠点や軸の形成方針の実現に資する土地利用を誘導,災害に強い安全・安心なまちづくりに資する土地利用を誘導,住宅地における地域コミュニティや居場所づくりに資する土地利用を誘導,そして,産業振興・観光交流に資する土地利用を誘導・保全,公園や緑地などの整備・保全,緑農住が調和した土地利用を誘導,6つ目,公共機能の再編に伴う各拠点や地域にふさわしい土地利用を誘導,これら6つを整理しています。  こうしたことによって,それぞれの事業推進に向けて,都市計画の観点からも後押しをしていこうというものでございます。  41ページを御覧ください。都市計画マスタープランでは,7分野,7つの政策分野におきまして,まちづくりの基本方針というものを示しています。本日はそのうち景観分野について御説明いたします。  こちらについては,本編のほかにスライドを投影しながら御説明させていただければと思いますので,併せて御覧ください。それでは,41ページとスライドの両方を御覧ください。 (パワーポイント)  まず最初に方針を掲げています。基本的には,これまでの考え方を受け継ぎながら,現行計画の策定以降,法改正などによって制度変更があったり,上位計画との整合や社会状況の変化などを踏まえて修正,追加などを行っております。  方針①では,方針そのものは継承しながら,魅力ある景観形成と地域資源のネットワーク化によって回遊を生み出そうという考え方をつけ加えています。  方針②では,今回,都市計画の専門家会議の中で福祉の御専門の方にも入っていただく中で,子どもから大人までといった視点を取り入れた,施策レベルで駅周辺における街並み形成や緑の創出・保全に関する表現を追記しております。  方針③につきましては,市民や事業者,そして市の連携について重きを置いたものとして改めて記載の整理をしております。  本編で42ページ,景観の方針図を御覧ください。  こちらは投影しているものと同じものです。こちらは調布市全域の図面に,分野ごとに関連する事項を図示したものとなっています。左下の判例に記載しておりますけれども,既に景観計画等によって位置づけがあるものを着色することによって示しております。  また,この後,施策の代表的なものについてはボックスの形で示させていただいています。  幾つか説明しますと,方針図中央上段のボックスにおきまして景観施策の①-3として深大寺や国分寺崖線付近での開発や計画の適切な誘導を掲げています。また,茶色の円で示しています農の里におきましては,武蔵野の面影を残す自然や田園風景を生かした景観形成を進めていく,保全していくことを示しています。  また,図面中央に南北の軸として示しております緑の連結軸についてですが,こちらは,都市の骨格を形成する軸の1つとして先ほど将来都市構造図において御紹介しました。交通分野では,こちらは地域の特性に応じた都市計画道路を整備していくこと,環境分野では都市を構成する要素の1つである水と緑の拠点をつなぐ街路樹や,民地における緑などの連続した緑というそれぞれの位置づけを示しております。  こうした中で,景観分野におきましても道の景観や深大寺・国分寺崖線からの眺望景観といった観点から景観における配慮も必要であろうということで新たに図示をしております。  本編43ページページ以降につきましては,方針とそれぞれに連なる各施策を示しています。  新たなものとしましては,施策②を御覧ください。こちらは,歴史的・文化的資源を生かした景観形成において,調布市全体に目を配りながら東西南北それぞれの地域における取組を新たに示しています。  施策の③を御覧ください。こちらは,良好な街並み景観の形成という施策におきまして,これまで鉄道敷地や駅前広場の整備によって生み出されてきました貴重な公共空間における緑の創出や,成熟した都市空間の形成に向けての施策を示しています。また,施策③-7のような,今後景観計画の改定を控えまして主要なテーマの1つになってくるであろう駅の景観形成の方針を定めた誘導などについて記載をしております。  施策④をお願いいたします。こちらは方針でも御説明しましたけれども,市民の皆様,事業者の皆様と市が連携した取組を進めていくということを目指す中での仕組みづくりや,景観まちづくりの担い手の育成などを施策として掲げています。  今回は景観分野について御説明をしておりますけれども,ほかの6つの政策分野につきましても同様の資料の構成となっています。  ここからは本編の48ページ以降を御覧いただければと思います。48ページ以降は調布市を東西南北の4地域に分けて,それぞれの場所で,どういった政策を行うかという課題と施策について整理をした整備方針となっています。こちらについては,先ほど御説明をした関連分野のものをそれぞれの地域に落としておりまして,それぞれ7分野で施策を連ねておりますので,後ほどお時間があるときに御覧いただければと思います。  続けて,少し飛びますが,85ページを御覧ください。こちらは,冒頭にも少し触れました立地適正化計画のパートとなっています。立地適正化計画は都市再生特別措置法という法令に基づいて策定をするもので,調布市としては都市マスと一体的に整理をする予定としています。85ページでは,一般的な立地適正化計画の内容を記載しています。  立地適正化計画は少し全国的な取組ではあるのですけれども,人口減少,これは社会の中でもまちづくりを持続可能にしていこうということで都市機能や居住機能というものをより適切な区域に,緩やかに誘導していこうという計画でございます。これによって拠点への都市機能の集積や,都市計画マスタープランの誘導の実効性を高めていくことができます。  定める事項としては85ページの下段のとおりで,赤字の都市機能誘導区域というもの,そして青字の居住誘導区域というものがございます。青字の居住誘導区域として,人口密度を維持しながら,生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるように居住を誘導していこうという区域。それから,赤字の都市機能誘導区域は,居住誘導区域の中で,特に都市機能を誰もがアクセスしやすいような拠点に集めていくことでサービスの効率的な提供を図る区域としています。  また,都市機能誘導区域の中において,どういった施設を誘導していくのかという誘導施設というものを定めることができます。  91ページを御覧ください。こちらは調布市において,居住誘導区域をどのように設定するかという方針になっています。調布市では,多摩川の河川敷の市街化調整区域の部分と,法令区域外とすることが原則とされている土砂災害特別警戒区域,いわゆる災害レッドゾーンに当たる部分を除いた市街化区域の全ての区域を居住誘導区域として設定をしています。  その中で,考え方として少し整理を加えていまして,土砂災害警戒区域,そして浸水想定区域,いわゆる災害イエローゾーンと言われるエリアにつきましては,居住誘導区域としては含めつつ災害リスクを正確に周知していこうということと,災害発生時には円滑な避難をしていただくための体制整備を進めていくものとしています。  次に,95ページを御覧ください。こちらは都市機能誘導区域です。都市機能誘導区域につきましては,冒頭御説明した都市計画マスタープランの将来都市構造における各拠点のうち,様々な施設を誘導する土地利用類型,土地利用方針で示したものですね。これらが重なる区域について設定をしています。  ただし,国領町8丁目周辺地区という,冒頭に黄色の丸として御説明したものの1つについては,既に大規模な商業施設や大型の病院等の都市機能が集積しつつある場所として,今回,都市機能誘導区域に加えています。  続けて,99ページ,100ページを御覧ください。99ページにつきましては,先ほど95ページでお示しした都市機能誘導区域の中に誘導していく誘導施設の考え方を示しています。  まず大きく商業,医療,文化などの多様な都市機能の中で,拠点への立地というものを誘導する拠点立地施設というものを抽出しまして誘導施設に設定をしています。また,その中で既存施設,既にある施設の機能維持を図る目的とした維持型というものと,新規に誘導を図っていく誘導型というものの2種類を整理しています。  こちらを,100ページのA3の,折り込みになっている表のほうで整理を加えています。表左側の列に並ぶものは誘導施設の種類。左右に並ぶものがそれぞれの,駅を中心とした各拠点となっています。それぞれに対応するものとして,◇が誘導型で,○が維持型となっています。  例えば,100ページの一番左の列の中心拠点,調布駅を例にして御説明しますと,一番上の行ですね。こちら調布駅中心拠点には既に市役所が立地していますので,今後,市役所機能,行政機能を維持していくという観点から○の維持型として整理を加えています。  一方で,中央付近に,床面積2,000平米以上の大規模商業施設・複合商業施設という欄がございまして,こちらについては,今後誘導を図っていこうというところで新規に誘導する,◇の新規誘導がつけられています。  101ページを御覧いただけますでしょうか。ここからは,立地適正化計画の中で防災指針という,主に水災害を中心として,対応の方針を示すパートとなっています。  防災指針というのは,立地適正化計画の中で近年頻発・激甚化してきた台風や大雨などの水災害に対応するために居住や都市機能の誘導と併せながら,防災に関する機能の確保を図るための指針として整理しているものです。  107ページに,この指針における調布市の水災害に対して課題改善に向けた取組方針を6つ,整理しています。  方針が大きく6つに分かれておりまして,1つは水災害被害の軽減・建築物の浸水対策。次に,水災害リスクの周知による被害の軽減。3つ目に,河川整備等による浸水被害の軽減。4つ目に,避難体制の整備による被害の回避。方針5として,地域防災力の向上による被害の軽減。最後に方針6として,防災知識の周知による避難行動の促進。これらの6つです。  109ページ,110ページには,これらの取組方針を踏まえた具体的な取組の一覧を整理しています。  主なものとして幾つか御説明しますと,方針の2で示しているものに対して,水災害リスクの周知による緩やかな立地誘導,こちらについては,2-1の2-5のように,災害リスクの周知,災害の明確な周知に関する取組というものを整理していまして,それぞれどういった部署が行っていくかというのを右側に記載しています。  方針3に関連しましては,例えば3-7のような内水氾濫に対応するための定置式ポンプ・ポンプゲート・連絡管の設置といったような取組を掲げているのと,また,国や東京都への要望,要請として,3-10のような多摩川の河道掘削・河川整備の推進などを掲げています。  次に,方針4としては,避難体制の整備について改めて必要な取組を掲げています。  最後に114ページを御覧ください。114ページには,目標指標というものを整理しておりまして,都市計画マスタープランの内容を受けて,策定をしていく立地適正化計画における目標指標というのを5つ設定しています。  1つ目が,風水害などへの災害対策の市民満足度です。こちらを令和24年までに8割以上に増加をさせていくとしています。  また2つ目に,公共が保全する緑の面積。こちらについては令和22年度までに163haへ増加させるという整理をしています。  3つ目に,居住誘導区域内の人口密度。こちらについては人口減少が予測される中で減少していくと思われますが,令和24年に1ha当たり113人程度としています。  一方,拠点内の人口密度につきましては,令和24年になっても1ha当たり152人に維持していくという目標を整理しています。  また,公共交通を利用しやすいと感じている市民の割合,こちらを令和12年に80%以上を目指すものとしています。  こちら,それぞれの目標時期が異なるのは,関連分野の計画とそれぞれに掲げる目標の整合,合わせる意味で,それぞれの計画におけるものを採用しているという状況です。  また,これらを達成することによって得られる総合的な効果指標としまして,今後も住み続けたいと思う市民の割合を90%以上としていくことを掲げております。  少し長くなりましたけれども,以上で御説明とさせていただきます。ありがとうございました。 ○椎原副会長  以上で説明は終わりました。この議事について御質問や御意見のある委員は挙手をお願いいたします。では,杉山委員,お願いします。 ○杉山委員  杉山でございます。このマスタープラン【中間とりまとめ】,詳しく教えていただいてありがとうございます。  少し感想でございますけれども,9ページにまちづくりの構想ということで,まちづくりの理念,将来都市像というものを現行計画から継承しますというように書いてくださっていますのが大変安心いたしました。  というのも,景観計画の表紙にも実は書かれておりますけれども,まちづくりの理念の①“ほっとするまち”をつくる,これは,景観を考えどういう方向性がいいのかといったときに,ほっとするというのがデザイナーの方にも建築家の方にも意外と通じるといいますか,こういう方向性なので,御協力いただきたいというときに,こういったワードがあるなしは実は役立つということがございます。効果的ということですね。  それなので,大変よかったなと安心して。ただ,ここ1か所だけな感じがするので,マスタープランでももう少し意識していっていただけるとうれしいなと思っております。  もう一つ,続けてよろしいですか。恐れ入ります。実は,以前,この景観委員会でも石川委員に断面図をつくっていただいて,深大寺のほうが高くて,崖線があって,駅があって,それで多摩川に,低くなっていくみたいな,やはり調布市の地形というのはそのように横型に,だんだん下がっていって,そこのところに農地が広がったりとか,交通網があったりとかという構造があるというのをすごく説明していただいて,歩いてみると分かるなという。そういった,深大寺から,駅から,多摩川へという縦のライン,縦軸を一応書いてくださっていますけれども,11ページの図にもターコイズブルーといいますか,そちら。でも,交流という感じになっているので,地形の構造みたいな感じというのが,やはりまちづくり,それから,まちを楽しむときに,すごく効果的であると。  東京自体が実は本当に地形が,ほかの自治体などを考えていると港から,港湾から始まって,工業地帯があって,商業地帯があって,住宅があって,住宅街も山にというような,東京はほかの地域よりも興味深い地形が多うございます。  それなどということもあるので,その辺の縦軸的な……これは上から見た図ばかりなので,少し物足りないというとあれですけれども,景観のほうの委員会ではそんなことも大変いい地域ですねというように,いろいろ資料をつくって教えていただいたりしたものですから,それがちょっと記憶に残っております。  そのような,武蔵野台地,崖線,多摩川みたいな,崖線も2つあるわけですよね。そのようなことも触れておいていただけたらうれしいなというのが,少しお願いの項目でございます。  以上でございます。 ○椎原副会長  ありがとうございます。事務局のほうから何か御説明を追加いただければお願いいたします。 ○坂本副参事  ありがとうございます。平面図が多いので,ちょっとどんな工夫ができるかですけれども,少し検討するようにいたします。ありがとうございます。 ○椎原副会長  ありがとうございます。これまでの景観審議会でも,断面図の絵を何度か工夫してつくっていただいていたかと思いますので,そうしたものを都市マスのほうにも反映いただけると,ほかの分野の方にも分かりやすくなるかと存じますので,よろしく御検討くださいませ。  ほかの委員,どうぞ御意見をお願いいたします。では,鹿野委員,お願いします。 ○鹿野委員  市民委員の鹿野です。大変ボリュームがあるものを,きちっと,分かりやすくまとめられているのですけれども,11ページの図にあるとおり,杉山委員から今出たとおり縦のラインが,結んではあるのですが,これは深大寺北のほうから調布駅を通って南側というのと,もう一つ,野川公園のところから西調布を通っていく大沢通りというのが整備されています。  こちらのラインを使っているのですけれども,このラインが何を意味するのかというのが……。一般の方たちが見たときに,都市計画マスタープランの景観のイメージとは何なのだろうと。その意味するところが分かりにくい。先ほど杉山さんから,北のほうから深大寺のほうに少し農地があったり,深大寺の景観があったり,南側には川が,だんだんと下がっていくというお話があったのですけれども,これは地形的,地理的なものの話であって,計画としては一体何を意図した縦ラインなのかというのがあまり明確ではないですね。  ちらっと御説明の中に,私も前回少し伺ったのですが,都道の話があるのですけれども,都道計画なのか,景観計画というかマスタープランの基本計画なのか何なのだろうというのが分かりにくいなと。あまり説明されていないような気がするのです。  1つが,私の個人的な意見なのですが,確かに縦のラインは人的な交流という意味で大事だなと。どうしてかというと,中央高速も含めて道路は横に流れている。甲州街道も横に流れている。電車もみんな横に流れていると。縦を結ぶのがほとんどないのですよね。  これからの高齢化社会を考えたときに,やはり,だんだん人が少なくなっていくと公共交通機関と言いながらバスの交通しか縦はないのです。それがどんどん廃れていくと不便になっていく。交流が少なくなっていく可能性もあるということを考えると,少子化とともに,高齢化を含めて北部に住まわれている方だとか野川公園近辺に住まわれている方々が大変不便をされる思いもあるのかなと。  そういった意味だと,人的な移動というか,動向を支えるものの柱として少し強く言われたほうがいいような気がしたのです。横は物理的に十分ありますから,縦のほうの意味をもうちょっと強調されて言われるようにされたらどうかなと。それで,皆さんの御意見を踏まえて来年設定すると。そうすると,その中の1つとして都道計画があるというのもあり得るのかなと。  ただ,都道を造っただけだとうまくいかないのではないかという気がするので,交通というか人的な交流を支えるものというような位置づけを言われるべきなのかなと個人的には思いました。  以上です。 ○椎原副会長  ありがとうございます。事務局から補足ございましたらお願いいたします。 ○坂本副参事  ありがとうございます。この軸を中でも説明としては,簡単ではありますけれども,冊子の14ページに緑の連結軸という形で何を意味するのかというのを書いていて,おっしゃるとおり,まず真ん中の調布駅を通っているものは説明のとおりで,ただ,これは北側のほうというのですか,深大寺のほうについては都市計画道路の関係の,地域に合った道路にしよう,整備しようということで計画の見直しなども今掲げているところです。  それと調布駅について,景観計画の改定にともない,駅の景観形成について来年度以降少し検討していこうというところもありの,地区計画が調布駅もかかっていたりするので,道の景観形成でいくのがいいのか,駅の景観形成で言うのがいいのか,あるいは地区計画なのか,今後検討していきますが,シンボルロードにしていきたいななどと思っています。  それから,西側のほうの軸については,計画道路の関係であまり進んでいないところもありますが,多摩川から始まって若宮八幡の辺りですかね。布田崖線が残っていたり。北側に行くとスポーツ施設とか飛行場とかで緑もありますので,それらをつないで人の交流というのですか,散策ができるようなルートも検討していますが,今日御意見を伺って,交通について南北は本当にバスしかないので,その視点も少し加えたほうがいいのかなと気がつきましたので,少し検討させていただければなと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○椎原副会長  貴重な御意見ありがとうございました。道路の整備に当たっては,交通,緑に関して大きな変化も予想されますので,景観審議会でも注視していきたいと思います。よろしくお願いいたします。  ほかにも御意見ございますでしょうか。ぜひお願いします。鹿野委員,どうぞ。お願いします。 ○鹿野委員  私ばかりで申し訳ない。最後のほうに御説明された防災関連なのですけれども,防災の拠点を整備していきましょう,地域防災とかを合わせながらやっていきましょうというような形になっているのですが,ちょっと気になったのが,これも人口減少のトレンドを考えてみると,人口も流動して,駅周辺関連のところに少し集まってくるような格好になってくる。それから離れていくと逆に少し減っていくような感じになっていくだろうと。  そういったときに,公共インフラといったものがちょっと懸念されるようなところもあるのではないかと。そういった意味では,公共インフラ関連の維持といったものに力を入れなければいけない。防災も当然そうなのですが,耐震対策を含めて,集まるところにはきちっとしたもの,防火対策も含めてやらなければいけない。いわゆる,言葉でいくと防災維持というのですか,そういったものを人口減少に合わせながら,いわゆる公共インフラの維持を図っていく必要があるといったことは,この20年間では,やはり考えるべきことなのかなと思っております。  インフラというのは生活の要素ですから,一番大事な要素なので,その辺を言葉でもちょっと入れておいたほうが。具体的なと言われるとちょっと困ってしまうのですけれども,入れておいたほうがいいのかなという感じはいたしました。  以上です。すみません。 ○椎原副会長  事務局からお願いします。 ○坂本副参事  冊子の32ページを御覧いただきたいのですけれども,さっき,水災害については防災指針のところで説明させていただいたのですが,今日は時間の関係で割愛してしまったのです。32ページからが防災分野になっておりまして,以前は,地震に少し偏って書いてあったところもあったので,今回の都市計画マスタープランをつくるのに当たっては,方針①は地震についての記載。方針②については,最近増えてきている風水害についての記載で,3つ目が市民との協働による防災づくり,助け合いといったところについて記載をしています。これらの施策を一旦,取りまとめをました。  今後,公共施設の整備等に当たっては,例えば浸水に対しては,配慮した計画というか,設計段階から,そういうことを意識した取組を行うというようなことを施策の中で記載させていただいている形で取りまとめをしております。  以上になります。 ○事務局(東海林補佐)  1点だけ追加でいいですか。今,鹿野委員からいただいた御意見の中で,副参事が今申し上げたのは公共施設なのですけれども,下水道とか,道路とか,そういうインフラのお話もあったのかなと思っています。  その点については,35ページなのですけれども,施策を並べさせていただいているページがあって,その①-4という施策があります。  ここで,まさに鹿野委員から今いただいたような,ここには下水道施設などと書いてありますが,いわゆるインフラの予防保全という考え方。壊れたら直すということではなく,維持管理に向けて予防しながらやっていくというところ。インフラマネジメント計画などもありますし,まさに,最初に御説明したマネジメントの視点というのは,そういうところも含めて視点として掲げているところなので,委員から今いただいた視点は,このマスタープランにもしっかり反映させていきたいなと考えております。よろしくお願いします。  以上です。 ○鹿野委員  細かいところまで読み切れていなくて申し訳ない。 ○椎原副会長  大事な点を御指摘いただき,ありがとうございました。ほかの委員からも御意見お願いします。お願いします。 ○藤山委員  藤山です。立地適正化計画について御説明いただいたのですが,すみません,初見だったこともあって,十分理解ができていないところもあるのですけれども,立地適正化計画自体を調布市のような非常に小さな区域で,全てが都市計画区域のようなところで今回つくる意義というところを,まず御説明いただきたいなと。  それと,ほぼ居住誘導区域だと。区域外は河川敷のところだけですか。区域外での建設についての届出制度というのはあるのですけれども,居住誘導区域内での届出制度は書いていないのですが,調布市の開発の中で問題なのは,やはりミニ開発。農地や少し大きな宅地が無秩序に開発されて,袋小路のような小さな開発が今でもどんどん増えているというようなことで,道が物すごく複雑で,防災上もいかがなものかというようなところを常日頃感じるのです。  この立地適正化計画の中で,そういう無秩序な開発というようなことについて誘導するようなことはできないのか,ちょっと御質問させていただきます。 ○椎原副会長  では,事務局からお願いいたします。 ○町田係長  ありがとうございます。おっしゃるように,今回,都市計画マスタープランと併せて立地適正化計画をつくるというのは,大きくは意義が2つほどあると思っています。  1つは,やはり,今回拠点を位置づけていくと。少し整理する中で,それぞれの拠点に必要な機能を誘導していくというのを,都市計画マスタープランでは方向性を示すにとどまるのですけれども,ある程度制度化された中で必要な機能を集積,積み重ねていこうというところが,1つ,拠点の厚みを持たせるという意味で大事だと思っています。  もう一つ,居住誘導区域を設定するような中で,やはり調布市は,今回ほぼ全域を設定しているものの台風19号で浸水があったエリアが存在していたり,あるいは土砂災害の特別警戒区域のような住宅を建築することに危険性が伴うような場所がありますので,そうしたところについては市としても危険性をある程度周知しながら,緩やかではあるのですけれども,一定の誘導を図っていこうということが挙げられます。  おっしゃった,開発等における居住誘導区域の中での無秩序な乱開発等に対応するものという点では,今回,立地適正化計画の防災の観点では109ページの表の中では,取組方針の1,そして取組内容の1-4のような,調布市の街づくり条例にのっとって必要な開発手続がありますので,そうした中で指導したり誘導していこうというものが1つあります。  これは防災の観点からの整理になっていまして,同じような,開発における誘導については都市計画マスタープランの本編のほうで住環境分野,住宅地の取組ですけれども,39ページに施策の①として,例えば,住宅,住環境を整備し,快適な居住空間をつくろうということを掲げているのです。  こうした中で,①-1では地区計画のようなルール設定によって解決していこうというもの,下がっていただき①-5のような,こちらも一定の規模を超えてくるような場合に,地区計画のルールなどが定まっていない場所であっても集合住宅とか業務建築物については調和した街並みを保つための規制・誘導を行っていきましょうというような方針を掲げています。立地適正化計画とすみ分けながらではあるのですけれども,それぞれ対応した方針整理ができればと思っています。 ○椎原副会長  ありがとうございます。 ○事務局(東海林補佐)  副会長,すみません。今御説明したとおりなのですけれども,立適の制度自体が国の制度であるというところで,お分かりかと思いますが,全国的な制度になっていて,基本的には地方都市の過疎化が進んでいるようなエリアで,例えば集落がぽつぽつとある中で,そこに商業ですとか医療という都市機能を散在させることが生活として難しいと。今,この立地適正化計画の中にある都市機能誘導区域というのが,いわゆる,スーパーだとか,病院だとか,そういうものを集約するエリア。その周りに居住誘導区域をつくって人を集めて住んでもらおうというところが立地適正化計画の一般的な制度になっています。  今,都内で立地適正化計画をつくっているところ,23区にはまずありません。多摩部についても八王子市さんですとか,少し山間部,いわゆる市街化調整区域があるようなエリアでつくってきている。我々が今検討している中で,今,近隣の狛江市は既に策定をしている。三鷹市も今後検討していくというような状況の中です。  そんな前提の中で,調布市としての立地適正化計画の意義というところについては,町田から今申し上げたように,都市機能誘導区域を設定することで,マスタープラン側で掲げた,例えば調布駅周辺ですとか,そのほか駅周辺にどういうものを誘導していくかというところ,後ほどちょっと見ていただければと思いますが,誘導施設が100ページに載っています。  先ほど届出と申し上げましたが,その誘導区域の中から外に,例えば病院を誘導しようと思っていて――誘導の中にも維持させたいという維持型という誘導施設もあるのですが,病院が出ていってしまう場合とか,その区域内で休止する場合は届出制度で我々のほうに情報が集まってまいります。  その中で,緩やかな誘導と先ほど申し上げましたが,お願いベースではありますが,そこの拠点を維持していくための事前のコントロールが,この計画をつくることで少しできていくかなというところが,市街化されている調布市において立地適正化計画をつくる意義かなというように考えております。  以上です。 ○椎原副会長  御説明ありがとうございました。藤山委員,御質問の御回答としてよろしいでしょうか。 ○藤山委員  はい,ありがとうございます。 ○椎原副会長  ありがとうございます。ほかの委員の皆様は御質問いかがでしょうか。石川先生お願いします。 ○石川委員  御説明ありがとうございました。11ページ,先ほどの鹿野委員の御質問ともちょっと関わるのですが,前回の審議会とかでも図が訳が分からないという話が出たのではないかと思って。会長からも少しコメントがあったように記憶していますが,何か御検討いただけたのでしょうかというのが1つです。もう少しどうにかなる可能性があるのでしょうかということなのですけれども,何というか,何か読み取ることがかなり困難な図だと思います。  それから,この図を見ていて思ったのですけれども,都市マスは,隣接する自治体との関係とか,働きかけるとか,共にこういうことをやっていきますみたいなことは言わないものなのでしょうか。  例えば,矢印が外を向いているということは,野川は調布市で終わらないということを示しているのだと思うのです。外とどうしますというお話って,唯一,109ページの防災で,都の仕事としてダムの話があって,そのぐらいですよね。あとは隣がどうなっているかが分からないのですけれども,三鷹市とか,特に野川公園の辺りは無視できないと思うのですが,その辺,何か言及されるのは難しいのでしょうか。あるいは,そういうことはもうできないものなのですか。 ○椎原副会長  事務局,お願いします。 ○坂本副参事  2点だと思うのです。まず1点目は図ですよね。この間も御意見をいただいて,線の太さとか,色とか,まだ見にくいところもあるかなとは思っているのですけれども,ただ,都市構造図についてはこういう…… ○石川委員  改良された結果? ○坂本副参事  です。それもあって,これは地域別のほうでも表現することになります。  例えば,50ページが東部地区の分割した絵なのですけれども,これは同様の絵になっています。こちらの50ページのほうについては,もう少し道路とかが入った地形図にして,目標物とかといったものが分かるような形で,これについては素案作成に向けて修正をかけていますので,もう少し見やすいものになるように頑張ろうかなと思っているところです。  2点目なのですけれども,今回,この都市計画マスタープランをつくるのに当たって,立地適正化計画も併せてつくるということもやっていますので,近隣市と共同で会議などもやっています。それで,先ほど申し上げたように市域を越えた場合にどうなっているの,どうつながっているのですかといった御意見もあったのですが,今日の資料には御用意していなかったのですけれども,近隣も同じような,11ページのような絵はつくっています。それをくっつけてみたりもしてみたのですね。  ただ,それぞれの市で考えていることと,これからやりたいことが様々あるので,ぴたりと一致するのは難しいかなというのが,合わせてみたところの感想みたくなってしまう。そんな感じです。  今回のところで言えば,この拠点で言うと,さっきの11ページの駅以外の黄色い拠点で4つつけている中で,下から2つ目のところは国領8丁目です。ここは,調布側で言うとイトーヨーカドーですとか慈恵大学があったりします。狛江側で言うと慈恵大学病院があったりということで,ここは両市で1つの地区計画を定めているというようなところでもあるので,そういった連携が取れるところについては,やっていきたいというようなことで進めてございます。  以上になります。 ○石川委員  ありがとうございます。実際の方策や制度設計において,近隣の都市とどうしますということをうかつに言えないのかもしれないのですけれども,コンセプトや目標として,例えば多摩川や野川や国分寺崖線って調布市の中だけの話ではないので,流域全体の何とかを目指してとか,東京都西部を大きく横断していく何とかの中でみたいな,そういう調布市の位置づけみたいなことをうたってもいいのではないかと思いました。大きい話の中でね。  あと,奈良文化財研究所が出している文化的景観の冊子とかによく,文化的景観全覧図という,でかい鳥瞰図があったりするのです。ああいうのは参考になるのではないかと思います。調布市全体がどのようになっていて,その中で軸がどう位置づけられているかというのを市民の方がぱっと見て,分かるような図になっていてもいいのかなと思います。  以上です。 ○椎原副会長  石川委員,ありがとうございました。確かに,都市計画の整理をするときに,こういう11ページの図はよく昔から使われているのですけれども,市民の皆様には昔からよく分からない図と捉えられているとも言えます。でも,これ自体がなくていいことでは当然なくて,必要なのですけれども,今,石川委員がおっしゃったように,市民の皆さんというのは緑がある,野川がある,国分寺崖線がある,大きな深大寺の緑があるというビジュアルに,鳥瞰図なり航空写真なりのイメージがないと都市というものをリアルに捉えられないと思います。  あと,杉山委員も御指摘いただいた断面図というビジュアルに,これがこれからの都市マスですから,調布市全員の将来目標像はこういうイメージだということが分かるような図に少しお力を入れていただいて,1枚,2枚,大きくあると,いい目標,マスタープランになるかなと存じます。中身は大変詳しく検討いただいていると思います。よろしくお願いいたします。  都市計画マスタープランについて,御意見ございませんでしょうか。では,杉山委員,お願いします。 ○杉山委員  杉山でございます。いろいろ詳しく分かるようになってありがとうございます。  1つは,マスタープランというのは私も実はよく分からなくて,大変恐縮なのでございますけれども,1つは,映画の施設だとか,飛行場だとか,調布は東京の中でも割と珍しい施設があるまちということがあって,南部地域の細かい部分には書かれていたりします。それから,飛行場は三鷹と府中にまたがるということなのですかね。それもあるのかなというのと,東京都さんの施設なので,市は触れないのかなというようなことも思ったりしたのです。  でも,伊豆七島に行くというのは,すごくわくわくするといいますか,いろいろ災害があったときに時々話題になったりして,改めて気になったりすることがあるのですね。少し歴史的な施設と言うとあれですけれども,この地域として期待されていたりところがあると思うので,観光施設にも関係するのかなと思うのですが,もう少し上のクラスのレベルを。もちろん細かいところでは語られているのですが,少し語っていただいてもいいのかなと。特色みたいな。  マスタープランとか景観というのは,そのまちの独自性とか,特色とか,やはりアピールしていくのが方向性ではないかなと思っております。そのようなことで,語っていただけたらいいなというのが1点です。  あと,ちょっとお願いしたいのですけれども,表現の問題なのです。武蔵野とか,野川とか,全部自然,保全という言い方のみなのですね。保全ではなくて,もっと作っていこうよと。緑が今まであったので,それが実は,さっきのミニ開発もそうですけれども,全部更地にしてしまって,もう緑もなくなって,そこに細々した家が建つよとか,ビルが建つよとかというようなこともあったり,そういったので,自然の活性化とか,もっと取り組むみたいな表現,方向性みたいなことを都市マスのほうでも述べていただきたいなと。  というのも,実は,駅周辺が,降りると実は残念なことに緑が少ないように感じるのです。せっかく緑豊かなとか武蔵野大地と語っているのだけれども,実際に一般人がアクセスしやすい京王線の各駅なども緑が少なくて,うーん,武蔵野って,疑問も。降りたときに武蔵野を感じないのですよね。  そのようなことを思ったりすると,都市マスでも自然,保全と語られていて,もっとつくり上げていくとか,活性化していくとか,そういった方向性を感じなかったなというのがあります。これが2点目です。  もう一つ,最後にごめんなさい。さっきの立地適正化の基本方針等々に絡んでもいるのですけれども,誘導施設が語られていますが,特にパブリック的な施設のことについて語っていて,こういったところももう少し景観誘導というか,景観の取組を。まちの活性化というのはいいのだけれども,まちづくりというか,景観デザインとか,そういうほうに一緒に協力してくださいねみたいな,そういうことを言えないのかなと。  誘導施設について,97ページでしたっけ。公共のところだと思いますので,基本的な考え方などというところでは必要とか,サービスなのか,利便性というようなところもありますけれども,やはりお手本になっていただくような建築デザインということを語れないのかどうかと。都市再生特別措置法での規定ということなので,そういう余計なことは言えないよということであれば,ちょっと下のほうのレベルで語っていただければと思います。でも,もし,そんなところに可能性があるのでしたらお願いしたいなと。  以上,3点でございます。すみません,長くなりましたが,よろしくお願いいたします。 ○椎原副会長  では,事務局に御回答をお願いいたします。 ○坂本副参事  映画については,市としても映画のまち調布という形で,都市計画の面でも映画産業を支援していきたいというようには考えていますので,全体としては15ページのところで,市全体の土地利用のところなのですけれども,ここで,市を特徴づける歴史資産や映画・映像関連産業の地域資源を生かした産業振興や観光交流に資する土地利用を保全・誘導ということで,ここで1つ大きくというか,前提として書かせていただいているというような形になります。すみません。 ○杉山委員  失礼いたしました。後ろのほうのだけかなと。 ○坂本副参事  そんな感じになります。飛行場については,市の中でも検討はしているのですけれども,今のところ,このぐらいかなと考えています。  それと緑についても,次のところに丸で表現させてもらっているのですけれども,公園や緑地などの整備保全を図るとともに,緑農住が調和した土地利用を誘導していくということで一旦書かせていただいているのと,それから,環境分野の27ページになるのですが,まさに,市で緑を創出するという形になると,やはり公園緑地を整備していくというか,確保していくことが中心になるので,施策の1として公園・緑地の保全,整備という形で方針として上げさせていただいている形になります。施策としては1から9までを整理している形になります。  3つ目の立地適正化計画の中に,まちのデザインといったものが記載できないかということなのですけれども,国の制度として記載すべきものとうたうものが定められているので,そこではできないので,書くとすれば地域活性化のところですとか,あるいは,このマスタープランを受けて,その後それに沿って市のほうでつくっていく地区計画といった中になってくるのかなと今考えているところです。 ○町田係長  立地適正化計画については,立地と,どういう機能がという面に,機能と立地に特化したものではあります。ただ,制度の運用の中で,そういう施設を建てたい場合や移転したい場合についての届出において,市は必要に応じて助言,勧告をしていくという仕組みになっていますので,そういう助言,勧告の場において,一定の市の持っている景観ガイドラインによる誘導といったものをお伝えしていく,制度を併せて活用していくような取組ができるのではないかなと想定しています。 ○椎原副会長  ありがとうございます。立地適正化計画と連動した都市マスということで,実効性の高いものを目指されていると思います。今回の都市マスでは,前回皆様からの御指摘もあって景観分野を1つ,柱としてしっかり立てていただいたということが,この景観審議会としても最大の進歩というか,景観審議会での御指摘をしっかりと都市マスに反映できる場ができたというように考えており,関係の皆様には感謝しております。  今の立地適正化計画に盛り込むべき事項なども,もし可能であれば,都市マスの景観分野のところの助言,勧告などの部分の対象について,ちょっと書き込みをしていただければ連動したものになっていくかと存じますので,御検討をお願いいたします。  では,活発な御意見をありがとうございました。ほか。では,菅原委員,御意見をお願いいたします。 ○菅原委員  前回出ていないので,今回の御説明と紙面だけでの理解なので,ちょっと質問めいたお話になってしまいますが,お教えください。  先ほどの11ページのマスタープランで,駅の上が黄色く,交流軸と書かれていると思います。これは何を表しているのかなというのが質問で,駅自体,調布から国領駅までは緑道が続いて,交流の軸としてしっかり具体的にイメージできるのですけれども,それ以外のところはわりかし駅が転々で出てくるので,旧甲州街道を通じた交流というイメージなのか,その辺がちょっと分からなかったのが1つ。  あともう一個は,43ページ,宿場町の面影を残しましょうという話が書いてあるのですが,宿場町の面影を僕自体があまりよく分かっていなくて,どのようなものを宿場町のイメージとされているのかを,ちょっと伺えればと思いました。 ○椎原副会長  では,事務局の御回答をお願いします。 ○坂本副参事  まず1点目の11ページのことなのですけれども,14ページをお開きいただきたいのです。ここに,交流軸の説明を簡単に記載させていただいているのですけれども,おっしゃるとおり,調布から国領については鉄道敷地のところで,これから緑道なども整備したり,あるいは旧甲州街道と鉄道敷地の間で回遊性を高めていったりということで,交流軸としては他のところに比べて太く表現させてもらっています。  それ以外の東と西の部分については,若干細くはなっているのですけれども,各駅をつなぐ形で交流の軸として人の行き来を活性化させて,拠点同士をつなぐというようなことを考えておりますので,鉄道だけというよりは,側道といいますか,道路も含めた形の交流軸ということで表現させていただいています。 ○加藤主査  それから,景観の中で出てきている宿場町。これですね。施策の②として,宿場町の面影を残した街道や地域の歴史的資源を生かした街並み景観の成熟化を図りますと。  ここの部分,歴史的・文化的資源を生かした景観形成といったところで,この1,2,3,4は調布市内の東西南北を示しております。宿場町の面影を残したというのは,正直,先生のおっしゃるとおり,旧甲州街道をイメージしたことではあるのですけれども,では,実態として宿場町の雰囲気が残っているかというと正直難しいところではあります。  現在のところ,旧甲州街道が国領から飛田給のまでつながっていますが,布田駅から調布駅周辺の間は,実は旧甲州街道沿いの歩道,2メーターセットバックをお願いしているのですが,どちらかというと地元からの要請の中で,皆さんでやっていきましょうといった呼びかけの中では,実際は地区計画の中で下がってほしいとか条例で下がれといったルールになっていません。  そういった意味では,今後,旧甲州街道,駅周辺の整備に伴って,やはり景観的な配慮を含めた整理が必要なのかなと。地区計画として格上げしていくといったところで出てくるのか,ここの部分はまだ決まったことではないのですけれども,景観市民検討会の中でも旧甲州街道の活用というのか,交流軸としての整理といったところは個々で上げられています。そういった部分で未来志向のイメージなのですけれども,マスタープランといったところで載せさせていただいたのが,こちらの宿場町という記載です。  以上です。 ○椎原副会長  活発な御議論ありがとうございました。今日は11時45分まででございまして,大変時間を押してしまいまして申し訳ございません。では,議事2の景観計画の見直しについて,事務局の皆様のほうから説明をお願いいたします。 ○加藤主査  この後,議事2と議事3があるのですが,その前に,先ほど,最初に配付しておりますマスタープランの策定スケジュールの中で,本日は中間取りまとめに対して皆様から御意見をいただきました。最終的には案をまとめたものを来年年明けに策定する予定です。今日は初めて中間取りまとめを御覧いただいた委員さんが多々いらっしゃると思いますので,御質問とか御意見があるようであれば,また個別で事務局に御連絡いただければと思います。  また,最後に御案内するところだったのですけれども,景観審も,委員さんの任期が今期で切れますので,そこの部分の切替えといったところを踏まえると,次回が6月以降になります。その際には,こちらのマスタープランがある程度出来上がっている。スケジュール的にほぼ完成品といったものを御覧いただくといったところで,御意見を反映できるのが今回が最後になりますので,もし,ちょっと漏れてしまったといったことがあれば私のほうに御連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。  それでは,お手元のパワーポイントの資料を御覧いただけますでしょうか。 (パワーポイント)  景観計画の見直しについてですが,時間が少し押していますので,少し割愛して説明させていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。  パワーポイントの右下の部分のページで言う16ページ,当初,基本計画上では,今年度に景観計画の改定を予定しておりましたが,先ほど御報告いたしました,次期都市計画マスタープランの策定に合わせて景観計画の改定を行うこととし,令和7年度の改定を目途に,引き続き,駅の景観形成推進地区の見直しについて調査検討を行ってまいります。  現状の課題としましては,景観計画策定から7年が経過し,運用における課題点の整理が必要と見ております。  また都市計画マスタープランの改定予定にともなう各駅拠点の位置づけの変更等への対応です。  京王線の地下化,駅前広場,都市計画道路の整備など,駅周辺の整備の進展や,駅やその周辺の利用者の状況の変化に合わせて景観形成の考え方を改めて整理する必要があると思っております。  駅とその周辺の整備の進捗状況が異なるとともに,各駅の利用者の状況が変化に合わせた対応の必要性が求められています。  また,夜間景観,デジタルサイネージ,看板等の設置や,新たなにぎわい創出のツールとなっている,既に調布駅ではイベントの際に活用されておりますが,プロジェクションマッピングの活用などに伴う景観コントロールが必要なのかなといったところが課題として上げられております。  続きまして,駅の景観計画の見直しのポイントとして,主な検討の視点としましては,駅の景観形成推進地区については,各駅の特性に合わせた,9駅それぞれの特性に合わせた景観まちづくりの方向性の見直しが必要と考えております。  また,駅の景観形成推進地区においても,推進地域だけではなく重点地区化といったところの視点の必要性についても検討していきたいと思っております。  各駅の特性に合わせた景観まちづくりの方向性の見直しにつきましては,この間,市民検討会の活動の中で,令和元年度から駅の景観について調査検討してまいりました。その中で,令和2年度に駅に向かっての景観を見ましょうといったところでの写真を撮っていただいたり,駅から目的地に向かってというような写真を撮っていただいた,その上で検討,ディスカッションをした調査を行っていただきました。  令和3年度には,たくさん撮っていただいた写真の中から,9駅それぞれについて,お1人様1枚,駅の魅力について語っていただくといったものを御提出いただきました。こちらは景観だよりのほうで一昨年の活動の中では御報告させていただきました。パワーポイントの資料21ページにございますが,市内9駅の魅力について,それぞれ撮っていただいた写真を文字にして表に書いたところの中では,こちらのように9駅それぞれについて――仙川駅ですと駅前の桜ですとか,ベンチですとか,駅舎について,また商店街やお店,その周辺の大学ですとか高校に通う学生,商店街のにぎわいといったものが魅力だといったところで上げられております。  こういったものがそれぞれ9駅分いただいておりますので,市内9駅それぞれの特性を見いだしながら,景観形成基準といったものを考えていきたいと考えております。  パワーポイントの19ページのほうで,景観形成重点地区の活用としまして,現状では市内9駅全てが駅の景観形成推進地区と景観計画上では定めておりまして,一律の景観形成方針や景観形成基準,届出対象行為等で運用しております。  ただ,現状の中では,都市マスタープランの中で出ております中心拠点といった調布駅がクローズアップされてお,そういった点を踏まえると,9駅同じような景観形成基準ではなくて,区分は少し分ける必要はあるかもしれませんが,景観形成基準,方針といったものも駅ごとで整理するとともに,特に調布駅につきましては,今後について重点地区化といった部分を皆様で御議論いただきたいと考えております。  特に調布駅につきましては,ラグビーワールドカップの際に東京都と一体になりまして大規模なイベントをやっております。プロジェクションマッピングを活用しながら,トリエのB館の壁面に画像を映してラグビーの試合を観戦するといったような形で,既にプロジェクションマッピングを駅前で使っておりますので,そういった意味では,重点地区化をした場合でも規制を厳しくするというよりも,今後発展が見込まれる調布駅周辺につきましては重点地区化のチェックはしていくけれども,そういった新しい事業ですとかイベントに対応した方針とかルールづくりといったものが必要なのかなと考えております。  すみません,かなり割愛をしてしまっていますが,以上で景観計画の見直しに向けた駅の景観形成推進地区の検討事項についての御説明を終わります。 ○椎原副会長  御説明ありがとうございました。私の進行の不手際で議題2,3のお時間が少なくなってしまって申し訳ございません。特に議題2では,調布駅の重点地区化というところが1つ大きなポイントとなっておりますので,まず,そこについての御意見がありましたらお願いいたします。 ○加藤主査  すみません。こちらの部分については改定のポイントになってきますので,細かい調査内容を来年度御報告させていただいた上で,再来年度,実際にそういったものを進めていくかといったのを景観審のほうで御検討いただければなと思っております。 ○椎原副会長  ありがとうございます。重点地区化のお話と併せまして,ほかの駅のお話ももちろんございますので,御意見いただけましたらお願いいたします。――そうしましたら,私のほうから。前の会のときにでも,景観重点地域を広げるときに,今までは地区計画の範囲でということがございましたが,急に道を挟んで反対側,コントロールが効かないということは問題なのではないかというお話がありましたので,例えば,地区計画の範囲の区切っている道の反対側まで,道の両側まで景観指導,誘導が効くような,道の両側まで広めのバッファゾーンをつくれるような景観の重点地域といったものを考えていただくと,地区計画があり,地区計画で決まっていくことの外側にさらに景観に配慮したバッファゾーンがあるという役割を,この景観計画が果たせるとよいのかなと思っております。  私から駅については以上なのですが,ほかの委員の皆様からも御意見がありましたら,ぜひお願いいたします。杉山委員,お願いいたします。 ○杉山委員  杉山でございます。先ほども少し申し上げましたけれども,駅はアクセスの簡便さみたいなこと,都市との交流を中心ということで,こういった検討をなさっていくのは必要な方向だろうなと感じております。  そこで,先ほどちょっと申し上げましたけれども,割と緑が少ないなということを感じたりしていて,いろいろな地中化が始まると,例えば環状2号線なんていう道路にしましても街路樹を植えられなかったですよね。小さいのしか植えられなかったというのが実際に起こっています。  最初のパースだとすごく豊かな街路樹の絵を見ていたので,少し残念だったですけれども,そのようにいろいろな技術,それから開発の方向などで変わってくるとは思うのですけれども,武蔵野台地などというようなテーマが都市マスでも上げられていて,少しそのようなことを。  それから,緑というのはそれぞれ意識していただきたいなというのが,ここの内容と言っていいのかどうか分からないですけれども,触れるべきかどうかということになると,ちょっと分からないですが,期待しております。  そして,シンボルみたいなことが,仙川のベンチと桜などは残していただいてすごく……あれは残したのですよね(「はい」の声あり)。残してよかったなと思っていまして。昔からあって私もすてきだなと思っておりました。そのようなものは各駅で何かできないかなというようなことを,皆さんへの期待ということで述べさせていただきます。そんなところでしょうか。  それと,調布駅の見下ろすという感じがありましたけれども,見晴らすみたいな感じで,いろいろな高い建物ができたりすると見渡すなんていうことで,私も1回,上のほうに参りましたら富士山は見えるし,周りが多摩川丘陵といいますか,あっ,こんなふうに見えるのだってすごく……。  調布というのは都市だと思っていましたから。そうしたら,やはり緑に囲まれているのだなとすごく思いましたから,視点を変えていろいろな多層,高層階から見るとすてきなところもあるしとか,今後も,こんないい視点場がありますよと。多摩川を見るにもここがいいよとか,そんなことを進めていただくと,景観計画の中でも語っていっていただくといいなという期待というか,お願いというか,そんな意見でございます。  以上です。 ○椎原副会長  ありがとうございます。事務局からお願いします。 ○加藤主査  ありがとうございます。昨年の11月に,ようやく第1回目の景観審ができまして,本日は第2回目ですけれども,久しぶりに調布にお越しいただく方は,以前ですと駅前のところでコロナワクチンを注射するようなスペースができていたり,今は工事用の柵ができているといった変化の中で動いていますが,一昨年の景観審の中でも駅前広場整備計画について資料等,情報は流させていただきました。  現状では令和7年度末に駅前広場整備の完成を目指している中で,今の駅前広場は多分,木が一番少ない状態ですよね。今年度中に進んでいるのが,電線地中化に向けた,要は,地中にそういった配管を埋めるという作業を今年度にかけて進めているというように聞いています。とはいいながら,まだ駅前に電信柱が残っていて電線が残っていますので,今後もそういった作業が出てくるのかなと。  令和6年度に向けては,駅の南側のロータリー整備が始まり,7年度の完成に向けて,最終的には駅前の広場等に樹木が植えられる形になると思っております。何本かは移設しているといったところがございますので,そういった御理解でお願いいたしたいと思います。  あと,駅を見下ろすお話,この後,市民検討会の活動の中で報告がありますが,そちらのほうに進めさせていただければと思います。 ○椎原副会長  ありがとうございます。1点だけ。この資料の,ページで言うと8,スライドナンバー16になりますが,こちらのプリントの現状課題の最後に「景観重要建造物,景観重要樹木の指定方針・基準等の明確化」ということを新たに盛り込んでいただいて赤字になっております。先ほどスライドには抜けていたようでした。先ほどの樹木の問題や,これから出てくる建物の保全の要望などにも景観側でも応えられるように準備をしていくということで入れていただいたと存じます。ありがとうございます。  それでは,時間が押して申し訳ないのですが…… ○杉山委員  ちょっといいですか。 ○椎原副会長  杉山委員,お願いします。 ○杉山委員  忘れていたことがあって。長くなってしまって,すみません。検討③のプロジェクションマッピングがございますよね。今,渋谷とか,銀座とか,プロジェクションマッピングがどんどん進んでいて,思った以上に進んでいるという状況があるのです。  こういう技術があって,このように使うといいよねとか,上のほうにあまり持っていかないほうがいいかもしれないとか,先行事例を研究していただいて,今後現況との整理となっていますけれども,それから,全面を使っての,こういう時期ならお祭りだとか,何かイベントだとか,そういったときに限ってやろうねとか,うまく使う方法というのをいろいろな広告,デザインの方などにも相談しながらになるのかもしれないですけれども,研究など進めていっていただきたいなと。これもお願い事項でございます。 ○椎原副会長  御指摘ありがとうございました。これからの課題として,ぜひ御配慮をお願いいたします。それでは,議事3について御紹介をお願いいたします。 ○加藤主査  続きまして,「市民への意識啓発,活動支援~参加と協働による景観まちづくり~」に伴う,調布市景観まちづくり市民検討会での活動について報告いたします。お手元の資料,パワーポイントの右下のページ,27ページを御覧ください。  昨年10月末に,数年ぶりに皆さんと顔合わせをしながら,第1回の景観まちづくり市民検討会を行わせていただきました。その際,令和3年度に活動していただいた,市内の9駅の魅力について取りまとめた御意見ですとかについてディスカッションをさせていただいたところ,市民検討会が発見した意図の確認を行った上で先月,1月13日に石川先生の慶應義塾大学大学院,石川研究室の学生に市外の方・来街者の視点で中心拠点の街並みについての調査発表を行っていただきました。  その際に,市民検討会で駅の魅力を調査していただいた中で,多くの傾向がある点について石川先生に読み解いていただきましてた。3つのテーマになってくるのですが,「人がつくる景観」「空と夕陽の景観」「広場を見下ろす景観」,こちらのテーマになった市民検討会の資料が多々ございました。この3つのテーマにおいて,さらに学生たちにも調査をしていただきました。  こちらが,学生たちの報告があった,「空と夕陽の景観」的視点において発表された一部です。京王線の地下化まで,高架線やそれを支える柱などで見えづらかった鉄道敷地上部の空間について,架線や支柱がなくなり,改めて空や夕陽が認識できるようになりました。  また,この現象は,地下化になった中心市街地,駅周辺だけではなくて,駅前広場を含む周辺整備が行われた飛田給駅,西調布駅北側,調布,布田,国領,つつじヶ丘駅南側,現在都市計画道路の整備を行っておりますが,また,仙川駅周辺においても電柱の地中化などの整備によって駅前広場やロータリー,周辺道路の上部に障害物がない空間が既に広がっていることについて,改めて気づかされた次第です。  また,広場を見下ろす景観としまして,広がった調布駅前広場と,ロータリーの周りを囲む建物から見下ろす風景があることが新たに発見されました。上部から見下ろすとバス停やベンチが円形で構成されていること,点字ブロックによって広場スペースが区切られていたり,バスの屋根やロータリーの上屋が景観の要素になり得ることを気づかされました。  また,今までは調布駅周辺のビルは窓があっても,窓の内側に貼り紙をしてお店の看板として,屋内広告物として利用していた事務所やお店がほとんどでしたが,駅前広場を見下ろすといった,眺望を意識させることで今後,景色,景観としての新たな活用があることが分かりました。  今後,夜間景観やデジタルマッピング等を駆使した壁面イベント等が行われるようになると,今までは見えないようにしていましたが,駅前広場を見るための窓際席を設置するなどの新たな利用が進んでいくと考えられます。  最後に,人がつくる景観として,左側の写真は仙川駅,クイーンズ伊勢丹の前にある小さな公園,スーパーとバス通りに挟まれた公園ですが,小さなお子さんと親御さんがつくり出す空間としてまとまりのある風景をつくっています。  右側の写真は,柴崎駅すぐ東側の踏切です。昨今は開かずの踏切として話題になっている地域ではありますが,コロナ禍において人々が外に出ない,密にならないような生活が続いた中,ふだんの生活の中で踏切を待っている人々がつくる日常的で親密な風景として捉えられた写真となっています。ただ,踏切で待たされている方は,見ている方とは違ってイライラしているとは思われますが。  現行の景観計画の景観形成基準では,建物や樹木,鉄道など,物を対象とした街並み景観として捉えていますが,人々が入った景観としての視点について今後は必要ではないかといったことが分かりました。  お手元の資料の36ページ。こういった学生たちの調査をしていただいた中で,中心拠点の街並みとして,生かしていくべき風景がまだあるのではないか,また,新たに求めたい,必要な風景があるのではないかといったところで,次回,3月17日の市民検討会に向けた調査を参加者にお願いしました。  既に12人からの資料提出を頂いておりまして,そういった中では,これは一部ですけれども,生かすべき風景,現在既にもうできている風景とした中ではトリエのB館,C館の間の夜間照明に照らされた樹木ですとか,広場口上屋の周りにあります花いっぱい運動活動の中でのお花,駅前に残されている大きい樹木ですとか,調布銀座のアーケードといったものが上げられております。  また,新たに必要な風景としましては,昔あった噴水だとか,樹木だとか,お祭りができる広場など,調布駅の象徴となる何かが欲しい,昔あった物ですと,からくり時計ですとか,駅前に噴水があったりといったところが特徴だったと思われますが,現在のところではそういった特徴,モニュメントが何らかの形で出来ないかなといったところが取りまとまってきた宿題の提出物だと思っております。こちらにつきましては3月17日の市民検討会で検討会のメンバーとディスカッションをしながら整理をしていきたいと思います。  石川先生,何か補足があればお願いできますでしょうか。 ○椎原副会長  では,石川先生,お願いします。 ○石川委員  補足と言うほどでもないのですけれども,景観市民検討会は,特に駅の回になってからは,調布駅が題材になると大体,調布駅前広場の糾弾大会になってしまうのですよね。  それだと残りの8駅の立場はなくなるというか,いかに駅の景観を検討していただくかというので毎回ちょっと苦労するような感じなのですけれども,前々回の検討会がすごい良かったのですよね。皆さん,いろいろな駅の私がいいと思うところというのを持ち寄ってくださって,その中に「夕陽」と「広場を見下ろす」と「人がつくる景観」というのがあって,それが新しい調布の景観として,駅や鉄道が最近変わったことによって発見された面白い景観なのではないかというように思いまして,それを切り口にもう一度フィールドワークをした結果なのです。  特に「広場を見下ろす」が面白かったですよね。今までこれで広場を見たことがなかったので,学生たちが,バスの屋根をもっと景観に配慮したデザインでいいのではないかとかいろいろ面白いことを言ったりとか,もう一つ前のスライドかな,見下ろすスポットが書いてある図。見下ろすつもりで造っていないから意外と少ないのですよね。だけれども,建物が高くなって,周りにガーっと広場ができたので,これは新しい調布の景観だなと。学生たちは大胆にいろいろなところに行ってしまって,とてもここでお話しできないようなところからも実は見下ろしているみたいなことがありました。  次回の検討会では,残したいものと,望ましい,つくりたいものみたいなことを持ち寄っていただく予定なのです。それは調布駅周辺の景観になりますけれども,なかなか生産的な御意見をいただけるのではないかと思って期待しているところです。 ○椎原副会長  石川委員,ありがとうございました。これからも市民検討委員会があると思いますので,まだ検討が続くと思いますが,御意見,あるいは補足等ございましたらお願いいたします。どなたか。お1人でも,お2人でも,もうお時間少ないですが,ぜひコメントをお願いいたします。――では次回,市民検討委員会が令和5年3月17日にあるそうですが,これは希望する委員がいらしたら見学などは可能なのでしょうか。 ○加藤主査  もう既に何人かは御参加いただいていますので,もしお時間が許せば御参加いただければと思います。 ○椎原副会長  市民が発見する景観というのは,これからの景観づくりにも大きな原動力になると思いますので,ぜひ,委員の皆様にも見守っていただき,積極的な御意見や御参加をいただければと思っております。石川委員,どうぞ。 ○石川委員  駅の次の課題として何をやろうかなというのもあるのですよね。委員の皆様,ぜひ御意見,アイデアをお寄せください。市民で検討して,それで発見的に何か面白いものを提案できるような題材があればいいなと思っております。 ○椎原副会長  貴重な検討会の御報告,また,今後の展望をありがとうございました。それでは,定刻を少し過ぎてしまいましたが,本日の審議としては,これをもって終了といたしたいと思います。都市マスプランなどは今回が御意見を言う最後の機会ということでしたので,この資料を読み込んで,追加の指摘事項がある方,また,景観計画や市民検討委員会についても追加の御意見がある方は事務局のほうにお申出いただければと思います。  それでは,本日の議事等を含めまして委員の皆様,ほかに何かございませんでしょうか。――ないようでしたら,事務局から何か連絡事項がありますでしょうか。 ○事務局(東海林補佐)  長時間にわたる御審議,ありがとうございました。先ほど少しありましたが,今回の景観審議会,今回をもちまして現任期期間中での開催は最後となります。先ほど説明させていただきましたが,来年度以降,景観計画の改定に向けた作業,また,こちらの進捗状況を御報告して,当審議会で御検討いただきたいと考えております。  事務局といたしましても,学識の先生方,各団体推薦の先生方には,また引き続き審議会委員をお願いしたいと思っております。こちらは改めて御依頼させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  市民委員につきましても,前回と同様,また公募による選考手続を行ってまいりたいと考えております。今後,市報ですとかホームページで御案内をしていきたいと思います。こちらは御承知おきいただければと思います。  なお,次回の景観審議会,先ほど加藤のほうから少しありましたが,令和5年6月に開催をお願いしたいと考えております。時間や場所などの詳細が決まり次第,改めて御連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  最後に,本日机上に配付しておりました景観計画につきましては,お持ち帰りにならないように,そのまま机上に置いてお帰りいただければと思います。  事務局からは以上でございます。 ○椎原副会長  では,委員の皆様におかれましては,議事の進行等につきまして御協力いただき,改めてお礼を申し上げます。今日は後藤会長のおけがということで急遽担当させていただきましたが,進行の不手際,おわび申し上げます。御協力ありがとうございました。  本審議会の議事録について,署名委員を輪番制で指名しておりますが,今回の署名委員につきましては藤山委員にお願いさせていただきます。よろしくお願いいたします。  これをもちまして,令和4年度第2回調布市景観審議会を終了いたします。どうもありがとうございました。                             ――了―― - 1 - - 19 -