令和4年度 第2回調布市廃棄物減量及び再利用促進審議会 施設見学会開催報告 1 開催日時:令和4年7月6日(水)午後12時から17時まで 2 開催場所: (1) 町田市バイオエネルギーセンター (2) むさし野紙業株式会社北多摩営業所 3 委員出欠:出席10人,欠席5人 ・出席委員:江尻会長,長岡委員,津金委員,杉崎委員,髙橋(勝)委員,三輪委員,増田委員,佐々木委員,阿部委員,田波委員 ・欠席委員:山下副会長,森川委員,山本委員,千草委員,髙橋(優)委員 4 事務局:岩本環境部副参事,三ツ木ごみ対策課課長,雨宮,中島,有賀 【施設見学会】 1 町田市バイオエネルギーセンター (施設概要)  町田市が従来のごみ焼却処理施設を更新するにあたり、生ごみのバイオガス化施設とごみ焼却施設を一体的に整備した首都圏初の施設。 ・ 所在地:町田市下小山田町3160番地 ・ 稼働開始:令和4(2022)年1月 ・ 施設規模:熱回収施設(焼却施設 ストーカ式焼却炉 258t/日      バイオガス化施設 乾式高温メタン発酵 50t/日      不燃・粗大ごみ処理施設 機械選別・手選別 47t/5h (見学概要) (1)町田市職員による説明等 ①町田市循環型施設管理課 林課長 冒頭挨拶  バイオエネルギーセンターが今年1月稼働して以来、6月末までに1,600名くらいの見学者を迎えている。小学校の社会見学も復活しはじめている。本日は調布市の皆様においでいただき光栄に思っている。  本施設の建設にあたっては、先行施設整備事例のふじみ衛生組合や武蔵野市と同様、PFI法に基づき市が資金調達を行い民間が施設を整備してきた。  一般廃棄物処理施設でバイオガス化施設を整備したのは関東では町田市が初となっている。見学コースもクイズコーナーなど体験型の見学ができるようになっている。  どうぞよろしくお願いいたします。 ②町田市循環型施設管理課資源化推進係伊藤氏・大橋氏の施設概要説明 ・市では「ごみになるものを作らない、燃やさない、埋め立てない」を基本理念としている。今年1月に「ゼロカーボンシティまちだ」を宣言している。 ・宣言では、町田市バイオエネルギーセンターにおける廃棄物バイオマス発電や、市有施設等での太陽光発電等による再生可能エネルギーの利用拡大とその地産地消等の取組を進めながら、市域の温室効果ガス排出削減を図ることとしている。次世代の暮らしを持続可能なものにするため、2030年までに約33%温室効果ガスを削減し、2050年には実施ゼロを目指している。 ・焼却施設としての処理能力は、昨年11月まで稼働していた焼却施設が450トン/日(150トン×3炉)だったのが、新施設は258トン/日(129トン/日×2炉)と小さくなっている。 ・焼却量を減らす決め手は3Rである。自分にとってはごみでも、他の人にとっては価値のあるものの場合もある、ということを訴えている。 ・また、処理が必要なごみの中で、スプレー缶やリチウムイオン電池による施設や車両の火災が多くなってきている。不燃ごみ処理施設では今年2月にピットで、6月にはコンベアラインで火災が発生し、現在ラインは停止している。 ・今年7月より、リチウムイオン電池など小型充電池を有害ごみに区分を変更した。 ③バイオエネルギーセンター紹介のDVD視聴(約15分) (2)施設見学 (3)質疑応答 Q 焼却エネルギー回収にエコノマイザー(熱交換器)は2つあるということだが、ふじみ衛生組合ではダイオキシン対策のために排ガスに水をかけて冷やしているが、ここでは熱利用で温度を下げていると考えて良いか。 A 旧工場では場所が取れなかったが、新工場ではバグフィルターの手前までに十分な距離を取れたので、加熱器とエコノマイザーで排ガスを(ダイオキシンの発生しない)200度以下にできている。 Q バイオガス施設には発酵菌を入れるが、発酵菌の寿命はどの位で、どの程度追加しているか。 A 施設の竣工、稼働時に発酵槽に種菌を投入したが、あとは増えていくので、持続的に発酵菌が活動できるよう管理できている。 Q 家庭ごみを選別処理して発酵機に入れる部分に興味を持ったが、発酵機はごみ用の特別仕様のものなのか、それとも発酵機としては汎用のものなのか。同様の施設は日本にどの位あるか。 A 混合収集のごみをバイオガス化しているのは、京都や九州ほか5施設で稼働していると聞いている。メーカーはタクマ、川崎重工などである。選別器は(バイオガス施設を建設した)タクマのものではなく、他のメーカーのものだと思う。 (質疑応答終了後,町田市関係者には席を外していただく) (4)審議会第9期終了にあたり江尻会長挨拶  皆様お疲れさまでした。見学会を行うと、それがどこであっても理解度が高まったり、調布で何ができるかという考えが深まったり、ということがあると思います。市町村によって特徴があるので、町田市で学んだことがそのまま調布市に適用できるものではないが、その一部でも参考にさせていただきつつ、今後の調布市のごみの減量について考えていけたら良いなと思います。  この後、むさし野紙業さんの見学では、是非「これは駄目な紙」というのを見ていただきたいと思います。分別して良い紙というのは分かりやすいが、「駄目な紙」は分かりにくいというのがあるので、佐々木委員にご説明いただき、理解度を高めていただくと、家に帰ってすぐに応用できることもあると思います。  本日で今期の審議会が終わりということになります。コロナ禍でZOOM開催などが多く対面で審議会を開くことがなかなかできず、大変残念に思うが、またどこかでお会いした際に挨拶が交わせる、そんな仲でありたいなと思うので、引き続きよろしくお願いします。皆様本日はお疲れさまでした。 2 むさし野紙業株式会社北多摩営業所 (施設概要)  市が回収した古紙や民間回収の古紙を受け入れ、選別後ベール(俵状)にして製紙会社に卸す施設。  所在地:調布市上石原2-2-4 【施設見学】 (1)佐々木委員による施設説明および質疑応答 ・スーパーや事業所、各家庭から回収業者から運ばれた古紙類は、入口の台貫(トラックスケール)に載せられ計量される。 ・搬入された古紙は、種類ごとに場所を変えて降ろしてもらい、伝票発行。市の回収の場合は、古紙の種類ごとに台貫で計量してもらうので、新聞、段ボール、雑誌などが何㎏ずつ搬入されたかが分かる。 ・古紙の種類はとても多いが、北多摩営業所では、段ボール、新聞、雑誌、シュレッダー、牛乳パック、古布、機密書類の取り扱いを行っている。むさしの紙業は8つの営業所があるが、場所によって搬入される古紙の種類に特徴がある。 ・荷下ろしされた古紙は、縛った紐や禁忌品などリサイクルできないものを作業員の手選別により仕分けしている。 ・普段、1日60~70トンの古紙の搬入があるが、年末年始はヤードが一般廃棄物になるくらい搬入量が多くなる。 ・選別残さは毎週300㎏程度、年間で15トンもの重量となる。不燃物などはもちろん再生できないが、アルバムに貼られた写真なども再生対象外となる。 ・紙おむつを(古紙は無料だから)出される例もある。仮に紙おむつが混ざると、製紙メーカーから返品となってしまう。 ・昨今問題になっているのは昇華転写紙という、バッグや靴の詰め物用やアイロンプリントに使われる紙で、古紙を溶かし再生して熱を加え乾かすときに模様が浮き出てしまう。 ・点字用の紙では、凹凸を出すのに熱を加えるものと、圧力を加えるものの2種類がある。圧力を加えて凹凸を出すものはリサイクルできるが、熱を加えて凹凸を出すものはリサイクルできない。しかし、2種類は製紙メーカーでも区別がつかないので、すべて搬入しないよう言われている。 ・古紙に関しては、紛らわしいものは入れない、というのが原則である。配布した「雑がみとは」「受け入れできない紙の種類」の資料も参照して欲しい。非常に細かいが、どうやったら排出者に分かってもらうかが課題。 ・事業者によっては難処理古紙のみを集めてリサイクルする技術を導入しているところもあるが、ある程度量が集まらないと採算が合わない。 ・多摩市では、段ボール・雑誌・新聞の日に分別が悪いものが出されていると警告シールを貼り収集していない。また、国分寺市の古紙は分別が良く、選別せずに直送できる。品質の良いものは高い価格で卸すことができる。 ・(質問)調布市の場合、多少分別品質が悪くても持って行っていると、市民もそれに甘えてしまうのではないか。 →問屋が受入をしない、という訳にはいかないので分別収集段階も含めて考えなければならない。なお、古紙を収集運搬する段階で新聞と雑誌が混ざってしまう場合もある。 ・古紙収集日はひっきりなしに古紙が搬入されるので、丁寧に選別するスペースを取るのが難しい。粗選別し、あとで選別し直して再ベールすることもある。 ・製紙メーカーに出せない禁忌品や残さは固めてRPFとしているが費用がかかる。 ・機密保持を要する古紙を受け入れるため、古紙再商品化適格事業所の認定を受け、古紙リサイクルアドバイザーの資格を持つ従業員が取り扱っている。 (資料)むさしの紙業で作成した「リサイクルできない紙」の説明資料