令和3年度 第3回調布市文化財保護審議会会議録 【日時】令和3年11月24日(水)午後2時から 【場所】調布市文化会館たづくり1102学習室 【事務局】 令和3年度第3回調布市文化財保護審議会を開催します。 はじめに,調布市文化財保護条例第45条の規定に基づき,会議の成立を確認し ます。委員定数7名、本日の出席委員6名で過半数を超えており、会議は成立し ています。 1館長挨拶 早野館長挨拶 2 郷土博物館異動について 【事務局】 次に,10月に人事異動がありましたので説明いたします。 (事務局から職員異動について説明) 3事務局報告 (1) 調布市西つつじヶ丘「佐橋家住宅」の現地調査について 【事務局】 西つつじケ丘にある「佐橋家住宅」について,11月8日に文化庁調査官と東京 都担当者と現地調査を行いました。調査の結果,国登録文化財に値すると判断さ れました。今後は2月に意見具申書を提出し,来年度7月の答申を目指す予定で す。 (2) 染地遺跡出土品展示見学会の開催について (資料2) 【事務局】 多摩川住宅建替え工事に伴う発掘調査の調査成果を紹介する展示見学会を,調 査を実施した東京都埋蔵文化財センターが行います。期間は12月1日から3日 の3日間で,多摩川住宅居住者を対象に行います。土器や木製品,小銅鐸といっ た出土遺物のほか,パネルを展示する予定です。 (3) 深大寺「元三大師像」の東京国立博物館出開帳について(資料3) 【事務局】 令和3年10月21日から11月21日東京国立博物館平成館で元三大師が展 示されました。また,それに合わせて,11月13日から11月21日延長し,11月23日まで,鬼大師が特別公開されました。 (4) 下布田遺跡・原山遺跡出土遺物の江戸東京博物館特別展「縄文2021」へ の出品について (資料4) 【事務局】 下布田遺跡から出土した「石鏃」と原山遺跡出土の「土偶」を,江戸東京博物 館の特別展「縄文2021」へ出品しました。また,東京都江戸東京たてもの園 所蔵の国重要文化財「土製耳飾」(下布田遺跡出土)も展示されています。 (5) オンライン講演会「国史跡下布田遺跡の低地部から得られた新発見」につい て (資料5) 【事務局】 下布田遺跡についてオンライン講演会を行い,北は,宮城から南は,四国松江 から参加いただきました。昨年度実施した学術調査の自然科学分析の報告で,豊 富な堅果類やベリー類が検出されたことや三内丸山遺跡と並ぶ栗林の存在,全国 的にも縄文晩期では,稀少なヒエの発見等について,下布田の縄文人の植物利用 の可能性を明らかにする講演を行っていただきました。 【稲葉会長】江戸東京博物館は,行かれましたか。終わりましたが立派なもので した。オンライン講演会はどのように周知し,参加者はどのように知りえました か。 【事務局】市報掲載とTwitterです。アンケートを実施したところ,先生方から の情報や考古学サイト掲載による参加でした。 【八木橋委員】せっかくオンライン講演会としたのに,募集人数が40名では規 模が小さい。また,対面講演会と同時にオンライン講演会を実施する方法が良い と思います。また,講演会を後日,YouTubeにのせるのも良いです。 【稲葉会長】ありがとうございます。下布田遺跡は,拡張した発掘調査他はでき ないのですか。 【事務局】東京都から史跡を保存する観点から,これ以上の調査はしてはいけな いと注意をうけました。しかし,調査結果では再調査ができるかもしれません。 調査では,丸型のヒエが検出されたので,栽培していた可能性があると考えら れ,縄文時代の空白期間を埋めることができるかもしれないと言われました。 【稲葉会長】ありがとうございました。よろしいでしょうか。 それでは次に審議案件に入ります。 4 審議案件 (1) 市天然記念物「絵堂カゴノキ」の今後の管理について (資料6) 【事務局】 市指定天然記念物の「絵堂のカゴノキ」について,所有者から,維 持管理が厳しく指定を解除してほしいとの相談 がありました。現在,奥様が一人 で維持管理を行っている状況で,台風や強風の際は,枝木が折れ,中央高速道や 周辺道路に落下するなどの問題が生じています。また,土地を売って市外へ移転 したいが,木があることで土地の評価額が下がってしまい困っているとのことで す。先日,書面開催しました第2回審議会でいただいた先生方の回答を,資料6 にまとめました。①調布市が土地を買い上げ保存・管理していく方法。②他の場 所へ移植する方法。③天然記念物の指定を解除する方法。の3点です。今回まと めたものをうけ,先生方の御意見をお聞かせください。 【石川副会長】カゴノキのある富澤家は深大寺用水を作った地元の名家で,地域 に貢献した方なので残せた方が良いが,土地を購入すると5億を超える。また, 木に空洞化があり移植すると根腐りし,枯れることが予想される。また,周辺の 道路は狭く,移植するにも作業者が進入できず,物理的に移植は難しい。幹を輪 切りしてモニュメントとして残す方法もあるが,乾燥に時間がかかり,費用が200万以上はかかります。市の予算としてそれが可能かどうか。 【稲葉会長】何回か見ていますが,敷地を売りたいためですか。 【石川副会長】そうです。枝が中央高速に落下するなど大変だということです。 【佐藤委員】以前,行った時に見学者がいらして,家でくつろげないとも話して いらしてました。誰が切っているのですか。 【石川副会長】植木屋さんが切りましたが,切り方が悪く中が空洞化していま す。ひこばえはありません。ひこばえは,木が元気に残りたいという時にでてき ます。 【稲葉会長】基本は保存取りますが,解除の方向あります。 【石川副会長】それしかないですか。 【八木橋委員】文化財保護審議会としては,まず保存を前提とすることは明確で すが,②と③になる場合,調査を行い,記録に残さなければいけません。市民か らの問合せ等があったときに,指定解除した根拠など明確に回答できるようにす るべきです。個人の持ち物に対して,都市問題として,これから問題が出てくる ので,担当部署との記録を取っておくべきと思います。 【事務局】財政課には確認しところ,お金の問題ではなく,審議会として方針を 示して欲しいとのことでした。また,教育部としての意見は,現時点で費用の算 出は難しいです。 【八木橋委員】保存審議会として守るかまもらないかになりますね。寺子屋があ ったなどの記録があれば,市は保存するべきものです。 【稲葉会長】寄付はないですか。 【事務局】寄付はないです。買い取ってほしいとのことです。 【早野館長】優先順位をつけるしたら,1,買上げ保存,2,他の場所に移植,3,天然記念物解除でよろしいでしょうか。 【石川副会長ほか委員の方々】そうです。 【稲葉会長】年度内に解決するべきなので,次回でまた審議会いたします。 【事務局】では,庁内でまとめ,次回審議会までに継続いたします。審議案件は 以上となります。では,深大寺に移動して頂き,文化財視察です。 5 その他 (1) 次回開催日について 次回開催日は12月22日(水)で決定します。 6 文化財視察 深大寺所蔵「徳川将軍寄進状」 徳川家康から徳川家茂まで11代分の寄進状と元三大師「鬼大師」を視察。