令和4年度 第4回調布市文化財保護審議会会議録 (抄) 【日時】令和4年8月24日(水)午後2時から午後4時 【場所】調布市郷土博物館会議室 【出席】7人 稲葉会長,石川副会長,木下委員,生駒委員,八木橋委員,佐藤委員,岩澤委員 【欠席】なし 【議事】 (事務局)令和4年度第4回調布市文化財保護審議会を開催します。 はじめに,調布市文化財保護条例第45条の規定に基づき,会議の成立を確認します。委員定数7名のうち,本日の出席委員7名で過半数を超えており,会議は成立しています。 1 郷土博物館長挨拶 (早野館長挨拶)皆様暑い中お集まりいただきありがとうございます。ここ最近,新型コロナウイルス感染症にかかる方が他の部署でも増えてきているようです。また,木下先生,石川先生におかれましては,明日10時からの史跡下布田遺跡整備検討委員会では,どうぞよろしくお願いいたします。 2 事務局報告 (会長)それでは事務局報告をお願いします。御意見,御質問は報告の後に一括して伺います。 (1) 郷土博物館小中学校向け夏季普及事業の実施報告 (事務局)7月31日(日)10時から12時に「勾玉を作ってみよう」と14時から16時に「縄文コースター・土器の拓本しおりを作ってみよう」の2つのメニューを行いました。それぞれ定員30名で応募者は勾玉が148人,コースターが51人と大変人気でした。小中学生向けとしましたが,すべて小学生の参加でした。 (2) 市指定有形文化財「深大寺山門」茅葺屋根修理事業について (事務局)今年度の文化財保存修理事業として深大寺山門の茅葺屋根の葺き替えを行っています。18日・19日で足場を組立て,現在屋根の解体作業を行っています。22日には,深大寺御住職,稲葉会長,長瀨係長,実際に作業を行う業者で修理の協議を行いました。適切な修理がなされるよう,作業の進捗に合わせて打ち合わせを行っていく予定です。次回の文化財保護審議会会議後に修理作業を見学していただく予定です。 (3) 国史跡下布田遺跡史跡整備事業について (事務局)明日,8月25日(木)に第1回保存活用整備検討委員会を行います。木下委員,石川委員にも御出席いただく予定となっております。令和9年度の史跡公園開園にむけて,史跡公園とガイダンスの設計方針・内容等について検討を行っていきます。 (4) 染地遺跡出土小銅鐸の新宿歴史博物館特別展への出品について (事務局)今年度の市指定文化財候補にもなっている染地遺跡第128地点から出土した小銅鐸について新宿歴史博物館の特別展「新宿の弥生時代」へ出品依頼がありました。現在東京都の帰属となっているため,都から新宿区へ貸出許可をしています。会期は9月17日(土)から12月4日(日)ですが,前半の展示となるため貸出期間は8月29日から10月25日となります。展示後11月ごろに調布市へ移管される予定です。 (5) 深大寺,狛江市教育委員会共済事業について (事務局)深大寺から依頼があり,深大寺・狛江市・調布市共催で深大寺白鳳仏の来歴を探る講演会及び座談会を実施予定です。令和5年2月7日(火)に調布市文化会館たづくりくすのきホールでノンフィクションライター貴田正子氏による講演会「深大寺の白鳳仏―武蔵野にもたらされた奇跡の国宝-」が,令和5年2月18日(土)に狛江市西河原公民館多目的ホールで群馬大学名誉教授森田悌先生による講演会「高麗郡と狛江郷」を,最後令和5年3月12日(日)深大寺本堂にて深大寺御住職,貴田氏,森田先生による座談会が行われる予定です。 (事務局)以上,事務報告です。 (稲葉会長)ありがとうございました。何か意見ありますか。 (佐藤委員)夏休みの普及事業については,博物館主催でどのような企画だったのですか。勾玉の意味の説明などもあったのですか。 (事務局)企画は事業管理係で,説明など講師として文化財係も協力しています。担当の方で勾玉の意味や土器についての説明を行っています。 (木下委員)砥石にあたるものは紙やすりですか。砥石を使うなどもう一段階実際に近い形で工夫してはどうでしょうか。 (事務局)今回は紙やすりで行いました。子ども向けということで,簡単にできる形で行っています。 (稲葉会長)材料の石は何を使っていますか。 (事務局)蝋石という削りやすい石です。 (木下委員)勾玉の穴も大変だけれど開けてみるのはどうですか。お手本を示すだけでも良いと思います。 (事務局)人気の講座なので,来年度以降やり方を検討したいと思います。 (木下委員)拓本の方は2つで2時間ですか。 (事務局)拓本とコースターで2時間です。拓本は水をつけすぎてしまいなかなか乾かず,1点で終わる子もいれば2~3点作る子もいます。 (木下委員)濡らすのは何を使っていますか。 (事務局)綿を使っています。 (稲葉会長)紙はどのようにしてわたしているのですか。 (事務局)ある程度の大きさにあらかじめ切ったものを配っています。 (木下委員)郷土博物館で行う事業なので,さまざまな情報提供ができるように考えてください。 (事務局)限られた時間ではあるが,ただ作るだけではなく,調査で出土した勾玉を見てもらい,勾玉の説明や土器についての説明を行っています。 (稲葉会長)深大寺山門の屋根の修理について,屋根の修理での補助金は初めてとのことで,補助金を出す際は,所有者まかせではなく,市でもある程度監督・指導すべきだと思います。 補助金の額が一般の行政に比べると調布市は少ないと思います。世田谷区や杉並区などでは国の基準に合わせて上限50%となっています。建造物の基準は考え直していただきたいです。 (事務局)世田谷区や杉並区は上限はありますか。 (稲葉会長)上限はないそうです。国のように一律にせずとも,補助基準を作ることを提案します。 (事務局)市の方の補助金についても数年前に上限100万円から建造物について上限300万円に変更しました。さらに上限金額を上げるとなると庁内での調整が必要となります。 (木下委員)今回補助金を出すにあたって,修理報告書を提出することになっていますか。 (事務局)交付申請及び計画変更と修理が終わった後に報告書を提出することになっています。 (木下委員)補助がなくても,文化財であれば報告書の提出を義務付けることで価値を損なう変更がされることはなくなると思います。 (事務局)指定文化財に関しては,現状変更の際に届け出ることになっています。H18年の修理時の状況は明らかではないが,今後に関しては,届出をもらい,市で監督し,審議会でもお諮りしていきます。 (木下委員)そのあたりのことは市として明文化されていますか。 (事務局)現状変更について,文化財保護条例で明文化されています。 (八木橋委員)石巻の方の会社は多いのですか。茅は現地(石巻)で調達しているのですか。 (稲葉会長)多いです。北上からいい茅を持ってきて修理しています。茅葺は技術伝承が行われておらず,後継者が少ないという問題があります。 (岩澤委員)深大寺の講演会の講師の選定などはどのように決めたのですか。 (事務局)共催という形ですが,講師の選定など企画は深大寺で行っており,博物館では,会場の準備という形で協力しています。 (稲葉会長)ありがとうございました。他になければ審議案件に移ります。 3 審議案件 (1) 深大寺所蔵「黄檗版大般若経」の文化財指定について (事務局)調布市文化財指定理由説明書(案)を作成しましたので,内容の確認をお願いします。前回の審議会でご指摘いただいた「附収納箱十二箱」を追加しております。また,指定の種別は「有形文化財(歴史資料)」としております。ほかに「製作者」の項目を抜いております。7の法量ですが,巻第一は十六善神図が入っているため,巻第二を例としてあげております。8の説明と10の指定理由は生駒先生から原稿をいただいたものとなっております。11の指定基準は典籍を抜きまして歴史資料の指定基準となっております。 (稲葉会長)生駒先生に理由書案について説明をお願いします。 (生駒委員)収納箱の数も重要であるので,並びに,及びとしてはどうでしょうか。 (事務局)員数に「及び収納箱一二箱」とします。享保のものもあるので,制作年代を「江戸時代中期~明治時代」とします。 (八木橋委員)文化財指定後の保存について,特に今後も転読会で使用していく際の破損についてどうするのか考えていくべきだと思います。 (事務局)深大寺に確認しながら,検討を進めていきます。 (2) 文化財説明板の設置について (稲葉会長)「絹本着色釈迦三尊十六善神図」の文化財説明板の文案について,御確認をお願いします。 (稲葉会長)12行~13行目の「の」が続くところは「の」をとってください。 (生駒委員)13行目の「寄進」は「奉納」としてください。 (稲葉会長)最後の「資料」は別の表現に変えましょう。 (木下委員)文化財とするのが良いと思います。 (佐藤委員)3行目は「狩野派の」をいれて「狩野派の画家」としてください。 (事務局)分かりました。次回までに修正をし,また確認をお願いします。(稲葉会長)以上で審議が終了です。 4 その他 (1) 次回開催日について 次回開催日は令和4年9月28日(水)決定 以上