令和4年度 第6回調布市文化財保護審議会会議録 (抄) 【日時】令和4年11月10日(木)午後3時~5時 【場所】調布市郷土博物館会議室 【出席】7人 稲葉会長,石川副会長,木下委員,八木橋委員,佐藤委員,岩澤委員,生駒委員 【議事】 (事務局)「令和4年度第6回調布市文化財保護審議会」を開催します。まず「調布市文化財保護条例」第45条の規定に基づき,会議の成立を確認します。委員定数7人のうち出席委員7人,全員出席していますので,この会議は成立します。 1 郷土博物館長挨拶 (早野館長)御審議よろしくお願いします。 2 事務局報告 (稲葉会長)それでは事務局報告をお願いします。御意見,御質問は報告の後に一括して伺います。 (1) 市指定有形文化財「深大寺山門」茅葺屋根修理事業について (事務局)深大寺山門の茅葺屋根の葺き替えについてですが,10月18日に作業が終了しました。今回の作業に当たり,本来の形に近いものになるように茅葺きの厚さ等の修正をしています。 (2) 市内発掘調査について  染地遺跡第128-2地点については,東京都埋蔵文化財センターが令和元年から2年度にかけて実施した発掘調査の追加調査を行なっています。3か所ある調査区画のうち南東側の区画では古墳時代以降の竪穴住居跡が見つかっていますが,その延長が確認されています。また南西側の区画では,令和2年度の調査で検出された弥生時代後期の大型住居跡の続きとなる部分が見つかっています。それ以外にも弥生時代後期の遺構と思われるものも見つかっています。調査は今月いっぱいを目途に進めています。  次に若葉町遺跡第225・226地点は個人住宅建設に伴う発掘調査ですが,同敷地内の宅地造成で新設道路を入れる際に行った第209地点の調査と同様に,縄文時代中期と古墳時代以降の住居跡が見つかっています。こちらについては9月27日から10月26日にかけ調査を行い,既に完了しています。  最後に下布田遺跡第209地点,史跡の確認調査になります。過去の調査で合口土器棺墓や配石埋甕墓,縄文晩期の遺構が見つかっている区域を対象に,その広がり等を確認する調査を行っております。 (3) 国史跡下布田遺跡史跡整備事業について  明日,検討委員会が開催され,史跡公園基本設計素案の審議とガイダンス施設の展示方法等,内容について年度末の基本設計図の作成に向けた御審議をいただきます。 (4) 都指定文化財「木造慈恵大師坐像」修理事業について  令和2年3月16日に都の指定を受けた深大寺の木造慈恵大師坐像ですが,今年度から3か年計画で修理事業を行う予定です。既に奈良の美術院に送られ作業が進められています。12月1日に作業の進捗状況を現地にて稲葉会長,木下委員とともに確認する予定です。 (5) 北多摩縄文スタンプラリーの開催について  東村山市が中心になって北多摩縄文連合(調布市,国分寺市,東村山市,国立市,西東京市の5市)として協定を結び,スタンプラリーを開催しています。5か年計画で,今年度は「縄文ノート」を作成し,10月29日から1月31日まで各市を巡ってスタンプを集めるといったものです。調布市では,深大寺水車館と郷土博物館にスタンプ台を設置しています。 (6) 市天然記念物「シロハナヤブツバキ」点検・消毒作業について  10月26日に点検・消毒作業を行ってます。支柱の設置から5年経っており地際に腐朽が見られます。後日,剪定も行います。また来年度は土壌の改良作業を予定しています。  事務局報告は以上です。 (稲葉会長)ありがとうございました。以上,御報告いただきましたが,御意見等ございましたらどうぞ。 (石川副会長)シロハナヤブツバキについて,最新の薬剤を使っているが,チャドクガが一番の難敵です。使用する薬剤は雨に流されにくく残効性はありますが,毒性が強いわけではありません。 (稲葉会長)深大寺山門について,昔の図面に基づき茅葺屋根を葺き替えたが,事業費に対して補助金が少なく補助基準を見直す必要がある。他自治体では5~7割出してるところもある。また山門の柱だが東日本大震災の際に捩れたままで,耐震性や保存の点から対策が必要となっている。 (八木橋委員)文化財の保存利活用について,地域計画を策定していくことの検討も進めてはどうか。今後,もし個人で文化財修繕費の多くを負担することになった場合,維持がとても困難になってくる。市が指定している以上,どう考えていくのかを御検討いただきたい。 (事務局)都内ではこれまでなかったが,ここで八王子市が地域計画の策定を検討している。また補助金については,周りの状況を確認しながら進めていきたい。 (稲葉会長)元三大師堂の修理については,三年後には像の修理が終わり戻ってくるので,それまでに検討しておかなければならない。  それでは,つぎに審議案件に移ります。 3 審議案件 (1) 深大寺所蔵「黄檗版大般若経」の文化財指定について (事務局)指定理由説明書について前回ご指摘いただいた所は,赤字で修正しておりますので御確認ください。 (生駒委員)指定理由の「一八日付」のところは「十八日付」にした方が良い。前近代では,例えば年月日で「二八日」は「16日」のことです。 (八木橋委員)日付の表記の統一という点では「一八日」でしょうがないと思う。 (事務局)他に修正がないようでしたら,指定理由説明書については,承認されたということで,よろしいでしょうか。 (稲葉会長)いいと思います。 (2) 文化財説明板の文案について (稲葉会長)文化財説明板の文案について説明をお願いします。 (事務局)前回ご指摘いただいた所を修正しております。 (稲葉会長)「左に普賢菩薩と右に文殊菩薩」とあるのを「左下に普賢菩薩と右下に文殊菩薩」とした方が分かりやすい。「堯欽によって奉納されたものです」とあるのを「堯欽によって施入されました」にしてください。 (八木橋委員)先程と同様「本図は毎年十月に」とあるのは「本図は毎年一〇月に」となるのでは。 (事務局)数字の表記は統一するようにします。 (稲葉会長)他に修正はありますか。ないようでしたら,一度深大寺にも文案を確認してもらってください。 (事務局)分かりました。深大寺にも訂正した内容で確認をします。 (稲葉会長)審議案件は以上になります。 4 その他 (1) 深大寺境内「高浜虚子像」について (稲葉会長)由来等を説明。またさらに,下石原八幡神社(獅子舞及び本殿に付)についても,説明する。 (2) 次回開催日について (事務局)次回第7回の開催日は,令和4年12月23日(金)午後3時からです。 5 展示解説 (事務局)これから現在博物館で開催してます収蔵品展「調布ゆかりの美術~市川銕琅・関野凖一郎~」の展示解説をいたしますので,第一展示室まで御移動ください。 以上