調布市せんがわ劇場運営プラン 〜劇場のあるまちづくりの推進に向けて〜 平成25年5月 調布市 目 次 第1章 プラン策定にあたって    1 プラン策定の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1    2 目標期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第2章 施設概要    1 設置目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2    2 建物概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第3章 5年間のあゆみ    1 設置時の基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3    2 開館から3年(平成20年度から22年度) ・・・・・・・3    3 平成23・24年度の運営 ・・・・・・・・・・・・・・・6 第4章 せんがわ劇場,これからの10年    1 現状と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9    2 せんがわ劇場がめざす将来の姿・・・・・・・・・・・・・13    3 せんがわ劇場の使命・・・・・・・・・・・・・・・・・・13    4 劇場経営において重視する要素 ・・・・・・・・・・・・14    5 せんがわ劇場を支える市民・地域の力 ・・・・・・・・・15 第5章 せんがわ劇場運営プラン〜4つの使命の実現に向けて〜    1 劇場事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17    2 劇場経営 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21    3 市民・地域との協働及び連携 ・・・・・・・・・・・・・22 第6章 プランの推進に向けて    1 進行管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23    2 関係機関との連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23    3 今後の管理運営形態の考え方 ・・・・・・・・・・・・・23 資料編    1 プランの策定経過及び策定体制 ・・・・・・・・・・・・26    2 調布市せんがわ劇場運営委員会要綱 ・・・・・・・・・・27    3 調布市せんがわ劇場運営委員会委員一覧 ・・・・・・・・29    4 調布市せんがわ劇場条例 ・・・・・・・・・・・・・・・30    5 劇場,音楽堂等の活性化に関する法律 ・・・・・・・・・34   第1章 プラン策定にあたって                         1 プラン策定の目的    調布市せんがわ劇場(以下,せんがわ劇場)は,桐朋学園・白百合女子大学・武者小路実篤記念館など文教施設が多く,商店街通りに楽器の名前を冠するなど芸術文化に親しむ土壌がある仙川に平成20年4月に開館しました。その運営は,平成19年3月に策定した「調布市音楽・芝居小屋のあるまちづくりに関する管理運営計画書」に基づき行い,5年が経過しました。  この間,国においては,平成24年6月に,実演芸術の振興を図り,もって心豊かな国民生活と活力ある地域社会の実現等に寄与することを目的とした「劇場,音楽堂等の活性化に関する法律」が施行されました。このことに伴い,劇場・音楽堂等の設置者である市区町村は,施設における事業の実施を通じて,設置目的に定める社会的役割を果たすことがこれまで以上に求められています。  また,東京都においては,平成23年12月に策定された「2020年の東京」の中で,東京が持つ潜在力を活かし,芸術文化創造のさらなる促進や東京の魅力向上を図るため,新たな芸術文化の推進体制を構築することが明記されています。このことを受け,世界的な文化都市・東京の実現をめざした「アーツカウンシル東京」が設置され,芸術文化の自主性と創造性を尊重しつつ,専門的かつ長期的な視点に立ち,新たな芸術文化を創造するしくみが動き出しました。  そして,調布市でも,平成25年度から新たな調布市基本構想及び基本計画がスタートしました。こうしたことを契機とし,これまでの5年間のあゆみを振り返るとともに,今後10年間の中長期的な展開を見据えながら,改めてせんがわ劇場の運営に関する プランを策定します。  2 目標期間        平成25年度から     平成34年度まで       10年間     第2章 施設概要                            1 設置目的    平成19年3月に策定した「調布市音楽・芝居小屋のあるまちづくりに関する管理運 営計画書」において,せんがわ劇場は,単に施設を貸し出しするだけの多目的な施設と するのではなく,事業への市民の参加を促すことにより,地域に根差した地域密着型の 施設となることをめざし,設置目的を次のとおり定めました。                  2 建物概要     地域とのつながりを劇場設置目的の一つとし,施設自体がまちの顔となり,地域の  街並みや景観と一体となるよう,コミュニティ施設と保育園等が併設されています。 名称 調布市せんがわ劇場 所在地 調布市仙川町1丁目21番地5 規模 鉄筋コンクリート3階建 延べ床面積:1,255平方メートル  仙川保育園・仙川ふれあいの家・防災備蓄倉庫併設 ホール:188平方メートル リハーサル室:42平方メートル 休館日 毎月第3月曜日及び年末年始(12/29〜1/3) ※その他不定期でメンテナンス等に必要な点検休館 開館時間 午前9時〜午後10時 ホールの特徴 ・演者の表情や息遣いが身近に感じられ,観る者と演ずる者が一体となった感覚を味わえる空間(アットホームな空間) ・残響時間が約1.0秒で細かな音が聞き取りやすい(演劇向け) ・客席の変形が可能(ひな壇式121席←→平置き式162席) ・スタインウェイ&サンズ社 グランドピアノC-227を設置     第3章 5年間のあゆみ  1 設置時の基本方針      “舞台芸術を楽しむ市民”の育成・支援拠点           方針1   多彩な市民参画企画の提供と市民主体性の確保       方針2   貸出事業や鑑賞型事業だけではなく,           舞台芸術者育成に集中させた事業展開         方針3   利用者視点を重視した貸ホール事業         2 開館から3年(平成20年度から22年度)          設置目的及び設置時の基本方針を実現するため,開館から3年間は,劇場事業運営の専門的知識を有する人材として芸術監督を配置し,「舞台芸術活動の育成及び支援に関する事業」「舞台芸術に触れる機会の提供に関する事業」「その他芸術文化の振興に関する事業」を劇場指定事業として企画制作し展開するとともに,施設貸出事業を行いました。   舞台芸術活動の育成及び支援に関する事業 ● 舞台芸術に関心の高い市民ボランティア集団  「せんがわ劇場アンサンブル」を結成し,演劇  事業を中心に協働で実施 ● 演劇の専門家と若手芸術家と市民による  せんがわ劇場アンサンブル公演の実施 ● 演劇コンクールを実施するとともに,  受賞劇団に公演の場を提供         舞台芸術に触れる機会の提供に関する事業      ● サンデー・マティネ・コンサートや コンテンポラリーダンスワークショップなど 親しみやすく質の高い事業の実施 ● 子どもを対象とした演劇・表現・伝統 芸能(落語)ワークショップの実施 ● 芸術監督が認定した質の高い招待公演 の実施      その他芸術文化の振興に関する事業 ● JAZZ ARTせんがわ,人形演劇祭など  個性的で質の高い事業の実施 ● 桐朋学園芸術短期大学,仙川商店街協同組合  など地域の様々な機関との連携事業の実施         開館から3年を迎えた平成22年度に,「調布市せんがわ劇場運営検討委員会」を設置し,これまでの運営の振り返りを行いました。 ● 検討委員会の開催  6回 ● 「平成23・24年度の事業実施体制に向けた提言」の報告(平成23年2月)    項目 年度 実施事業 観客数 参加者数 平成20年度 6種10演目31事業 12,081人 404人 平成21年度 7種17演目43事業 12,563人 938人 平成22年度 7種19演目50事業 12,214人 974人      実施事業と参加者数            施設貸出利用者数・観客数    項目 年度 ホール リハーサル室 観客数 利用者数 計 利用者数 平成20年度 16,303人 5,785人 22,088人 4,158人 平成21年度 19,733人 2,143人 21,876人 1,996人 平成22年度 9,668人 7,917人 17,585人 3,632人                                       3 平成23・24年度の運営  調布市せんがわ劇場運営検討委員会での検討結果を踏まえ,地域の劇場として「調布市音楽・芝居小屋のあるまちづくりに関する管理運営計画書」の基本理念を将来にわたって継続するため,事業実施,運営体制を見直し,新たにスタートをしました。  専門的知識を有する人材については,芸術監督に代わり,新たに「演劇・市民参加・フェスティバル」「音楽」「劇場経営」の分野別にコーディネーターを配置し,その支援を受けながら運営を行っています。  また,市民,地域団体(自治会,商店街,学術機関等),専門家と市で構成する「調布市せんがわ劇場運営委員会」を設置し,地域が一体となり“音楽・芝居小屋のあるまちづくり”を推進するとともに,今後の方向性を協議しました。              舞台芸術活動の育成及び支援に関する事業 ● 従来に加え,舞台芸術に親しむ機会の少ない方や演劇以外の分野に関心を持つ方の劇場活動への参加を促すため,「せんがわ劇場アンサンブル」の枠組みの見直しと「せんがわ劇場市民アンサンブル」への名称変更の実施 ● 新規に舞台芸術初心者も参加しやすい市民参加演劇公演の実施 ● 演劇コンクール,せんがわ劇場アンサンブル公演に加え,せんがわピアノオーディションを実施し,舞台芸術活動者を育成・支援する事業を拡充     舞台芸術に触れる機会の提供に関する事業 ● サンデー・マティネ・コンサート,サンデー・マティネ・コンサートPlus+,ピアノを育てるプロジェクト,せんがわシアター121といった親しみやすく質の高い事業の実施 ● 子どもを対象とした演劇ワークショップ,表現ワークショップ,伝統芸能(落語)ワークショップ,ファミリー音楽プログラムの実施      その他芸術文化の振興に関する事業 ● JAZZ ARTせんがわ,人形演劇祭など他の公共施設にない個性的で質の高い事業の実施 ● 桐朋学園芸術短期大学,仙川商店街協同組合,白百合女子大学など地域の様々な機関との連携事業の実施 実施事業と参加者数    項目 年度 実施事業 観客数 参加者数 平成23年度 7種17演目43事業 10,122人 797人 平成24年度 7種21演目44事業(精査中) ― ―            施設利用者数・観客数    項目 年度 ホール リハーサル室 観客数 利用者数 計 利用者数 平成23年度 13,547人 9,876人 23,423人 4,121人      運営委員会で,指定事業,劇場経営の方向性や,平成25年度からの10年間の中長期計画と25年度以降の管理運営形態について協議・検討を行いました。    ● 運営委員会の開催  11回(平成23・24年度) ● 「せんがわ劇場のあるまちづくり推進に関する提言」の報告(平成25年3月)       第4章 せんがわ劇場,これからの10年                     1 現状と課題    調布市に比較的近い下北沢は,演劇や音楽・芸能などを志す若い世代にとっての象徴として全国的に認知され,民間の劇場を中心に,地域として若い舞台芸術活動者を育てる力があります。近隣の三鷹・武蔵野や府中では民間の劇場は少ないものの,公共施設を主体に,質の高い芸術文化の鑑賞機会が提供されています。  また,調布市は,都心あるいは近郊へのアクセスが良く,市民は数多くのホールや劇場で様々な舞台芸術を鑑賞することや講座等に参加することが容易な環境といえます。さらに,調布市には,せんがわ劇場以外に調布市文化会館たづくりや調布市グリーンホールがあることから,3館がそれぞれの特徴を発揮し連携する中で,調布市の芸術文化をより推進していけるように改めて検討することが必要です。            京王線                      ★せんがわ劇場      地域密着型施設として開館したせんがわ劇場は,開館からこれまで,桐朋学園,仙川商店街協同組合,白百合女子大学などと連携し,市民向けの事業を展開してきました。  仙川商店街有線放送,イベントの顔出し看板・チラシラックの設置など広報を中心に,街なかパフォーマンス等の会場提供など広く地域の協力を得て事業を実施しています。  市民参加演劇では,仙川商店街や武者小路実篤記念館などと連携し,地域ゆかりのテーマを素材に公演をしました。  今後は,せんがわ劇場と各機関が連携を強めるとともに,文化資源の繋がりを点や線から面に拡げていくことが求められています。                            開館5年を経てせんがわ劇場を知っている市民は多くなりました。しかし,まだ来館したことがない方が大半です。せんがわ劇場の存在を認識していても来館する機会がない,利用する施設という実感がないなど,市民にとって,まだ身近な施設にはなっていません。その一方で,繰り返しせんがわ劇場を訪れる方やせんがわ劇場の活動に関わる人も増えてきています。  今後は,公共の劇場として,さらに多くの方々にせんがわ劇場の魅力を伝えていく取組が求められています。         【現状を示す主なデータ】 〔調布市せんがわ劇場市民意識・ニーズ調査 平成24年3月〕回答数235人/総数1,000人 問1 あなたはせんがわ劇場を知っていますか。 問2 問1で知っていると答えた方にお聞きします。    せんがわ劇場の広報活動について,知っているものを全て選んで○をつけてください。 問3  問1で知っていると答えた方にお聞きします。    せんがわ劇場へ行ったことがありますか。          せんがわ劇場では,これまでファミリー音楽プログラムなど子どもを対象とする事業や,舞台芸術活動者を育成するための公演やコンクールへの出演機会を提供する事業を実施してきました。今後は,演劇分野を中心に,学校へ出向いて子どもたちに舞台芸術を届けるアウトリーチなども求められています。    【子ども対象事業】(平成24年度) ・ファミリー音楽プログラム,表現ワークショップ,落語ワークショップ,小学校学芸会指導, アンサンブル公演(親と子のクリスマスメルヘン)特に「ちびっこデイ」及び付随企画としてサンタ企画・イラストコンクール,  人形演劇祭での子ども鑑賞可能事業,顔出し看板お菓子プレゼントなど 【舞台芸術活動者育成事業】(平成24年度) ・アンサンブル公演,演劇コンクール受賞団体公演,ピアノオーディション     劇場事業として,市民に活動の場を提供する施設貸出事業も大きな役割を果たします。 今後は,市民の舞台芸術活動の活性化につながる施設貸出事業が求められています。 【現状を示す主なデータ】 ・ホール利用率:90.9%(うち施設貸出利用率47.2%)(平成23年度) ・リハーサル室利用率:87.7%(うち施設貸出利用率56.7%)(同上) ・ホール利用者数:23,423人(利用者及び観客数)(同上)          せんがわ劇場では,これまで積極的に様々な自主企画制作事業を行ってきました。今後は,10年間の長期展望のもとでせんがわ劇場のあるまちづくりを推進していくために,劇場事業実施を支える経営力(事業の評価検証,人材育成,資金調達,広報,施設管理,リスクマネジメント等)を向上させていくことが求められます。        2 せんがわ劇場がめざす将来の姿    開館から5年を経て第2ステップに入るせんがわ劇場は,現状と課題を踏まえ,めざす将来の姿を次のとおり定め,市民や地域にとって芸術文化が身近となるまちづくりのため,せんがわ劇場が地域文化の中継地となり,文化の力で地域の人々を繋ぎ,地域のブランド力の向上へ寄与し,劇場がまちの誇りとなっていくことをめざします。    3 せんがわ劇場の使命    せんがわ劇場は,「市民・地域の文化が育まれ,まちの誇りとなる劇場」という将来の    姿の実現に向けて,次の4つの使命のもと事業を展開していきます。   使命1 市民・地域と共に地域の芸術文化ネットワークを創造します  地域密着型施設として開館したせんがわ劇場は,開館からこれまで,様々な地域の機関と連携し,事業を展開してきました。今後,めざす将来の姿を実現していくうえで,劇場と地域のネットワークを強化していく活動が求められます。そこで,事業以外にも様々な劇場の活動を通じ,文教施設・商店街など仙川地域を軸とした市内の社会・文化資源を結びつける芸術文化のネットワークを創造することを使命の一つとします。   使命2 舞台芸術を楽しむ市民の裾野を広げるプログラムを提供します  せんがわ劇場があることを知っていても来場する機会がない,自分が利用する施設という実感がない等,せんがわ劇場は多くの市民にとってまだ身近にはなっていないという状況があります。  その一方で,繰り返しせんがわ劇場を訪れる人も増えてきています。今後は更に,舞台芸術を楽しむ市民の裾野を広げる魅力的なプログラムを提供することを使命の一つとします。   使命3 舞台芸術を通じ,次世代を担う子どもたちや                    舞台芸術活動者を豊かに育てます  10年間の長期展望のもとせんがわ劇場のあるまちづくりを推進し,まちの誇りとなる   劇場をめざすには,10年後を担う人材をせんがわ劇場が育てていくことが求められます。   そこで,めざす将来の姿の実現に向け,次世代を担う地域の子どもたちが小さい頃から劇   場に親しむ取組や,舞台芸術活動者を豊かに育てることを使命の一つとします。         【学校等への      アウトリーチ】                         使命4 市民の舞台芸術活動を活性化する,            利用者の視点を大切にした施設貸出事業を行います  めざす将来の姿の実現において,市民に活動の場を提供する施設貸出事業は大きな役割を果たします。施設貸出事業は市民に活動の場を提供するだけでなく,施設利用者による公演によって,舞台芸術に親しむ機会を市民に提供することができます。そこで,公平さは保ちつつ,施設を管理する側の発想でなく,利用者の視点を大切にした施設貸出事業を行うことを使命の一つとします。  4 劇場経営において重視する要素    めざす将来の姿の実現に向け,劇場事業を支える安定した劇場経営が不可欠です。今後は,劇場経営において,次の6つの要素を重視していきます。        (1)評価・検証    (2)専門人材    (3)資金調達    (4)情報の発信・収集    (5)建物・設備の管理    (6)リスクマネジメント   5 せんがわ劇場を支える市民・地域の力    せんがわ劇場がめざす将来の姿を達成するためには,一緒に劇場を育てる市民や地域の力が不可欠です。市民・地域と連携・協働し,その活力を劇場事業や劇場経営に活かしていきます。  劇場の利用者,劇場で行われる事業のお客様をはじめ,広報協力や協賛などで劇場を支援する人や地域の機関,そしてより積極的に劇場に関わり活動するボランティアなど,様   々な形で劇場は支えられています。  市民は劇場に関わることで,より元気で豊かな人生を獲得していきます。そのことによって地域が活性化し,市民・地域に劇場がしっかりと支えられていく,という好循環を生み出していきます。 調布市せんがわ劇場がめざす将来の姿    第5章 せんがわ劇場運営プラン〜4つの使命の実現に向けて〜    1 劇場事業       めざす将来の姿や4つの使命を受け,劇場事業の方向性を次のとおり定めます。              ア 地域の文化力が向上していく質の高い事業の実施         全ての事業において,今後めざす将来の姿である「市民・地域の文化が育まれ,まちの誇りとなる劇場」の達成に向け,市民の文化への関心や地域の文化力が向上していく質の高い事業を実施します。  市民や地域をよく知り,小劇場の特性を活かした質の高い事業を実現するため,自主制作により事業を展開していきます。         イ めざす将来の姿の達成に向けた事業評価の実施        全ての事業について,入場者数や収支などの定量的指標だけではなく,めざす将来の姿や使命と照らした定性的指標や長期的な視点も踏まえた適切な評価基準を設定し,事業評価を行います。評価結果を受けて,事業内容を不断に見直していきます。           せんがわ劇場の活動にこれまで以上に市民や地域の参加を促し,連携し,劇場内だけではなく地域を舞台に事業を展開していきます。  せんがわ劇場が仲立ちとなることによって地域の結びつきを強めるとともに,地域の舞台芸術活動を積極的に支援していきます。   取組概要 事業例 方向性 ア 仙川地域の商店街や学術機関と連携し,せんがわ劇場を拠点にそれぞれの特徴を活かす事業の実施 おらほせんがわ夏まつり連携事業 桐朋学園芸術短期大学連携事業 白百合女子大学連携事業ほか 推進 イ せんがわ劇場の事業に地域の参加を促し,地域のにぎわいと結びつきを強化する事業の実施 フェスティバル事業 ほか 推進 ウ せんがわ劇場の持つ舞台芸術に関する情報やノウハウの提供 (仮)情報バンク事業 推進                    より多くの人が舞台芸術を楽しむことができるように親しみやすく,質の高い事業を実施します。また,裾野を広げるには山の頂を高くすること,つまり,親しみやすさだけでなく舞台芸術に造詣の深い人をも惹きつけるプログラムを実施していきます。   取組概要 事業例 方向性 ア 市民の日常生活が舞台芸術によって豊かになり,継続的に劇場に足を運びたくなる事業の実施 サンデー・マティネ・コンサート ほか 推進 イ 事業の魅力を多くの人に届けるため,ワークショップをはじめとした参加型事業やアウトリーチなどの普及啓発事業の実施 市民参加演劇公演 ワークショップ アウトリーチ事業 ほか 推進 ウ 舞台芸術に造詣が深い人をも惹きつける事業の実施 せんがわシアター121 ほか 推進                   子どもたちの人生に豊かな力をもたらし,子どもたちが生涯を通じて舞台芸術に親しみ,舞台芸術とふれあい,体験する機会を積極的に提供していきます。  また,舞台芸術活動者を様々なプログラムで育成支援していきます。この劇場から巣立った舞台芸術活動者は地域の誇りとなり,地域に戻って劇場の事業を支える人材となることも期待できます。 取組概要 事業例 方向性 ア 子どもも大人も家族で楽しめる事業の実施 ファミリー音楽プログラム ほか 推進 イ 子ども,あるいは教員や保育士など子どもに接する大人を対象としたワークショップ等の実施 ワークショップ ほか 拡充 ウ 学校や保育園など子どもが過ごす施設に出向いて届けるアウトリーチ事業の実施 アウトリーチ事業 拡充 エ 舞台芸術活動者としてステップアップを目指す人を対象に,コンクールやオーディション及び発表の機会となる事業の実施 演劇コンクール せんがわピアノオーディションほか 推進 オ 舞台芸術活動者を育成するため,専門家と共に舞台公演を創る事業の実施 若手芸術家育成公演 ほか 推進                 より質の高い舞台芸術活動が行えるように施設利用者をサポートしていきます。また,劇場の自主企画事業と施設貸出事業の好循環により舞台芸術活動の活性化につなげていきます。 取組概要 事業例 方向性 ア 劇場の特徴を活かし,満足度の高い催しの実現に向け施設利用者をサポート 施設貸出事業 推進 イ 施設貸出事業のしくみ検討  市民と舞台芸術活動者(劇団等)への活動の場の提供のしくみの検討 施設貸出事業の改善 推進   <参考 平成24年度第4回運営委員会資料より>    2 劇場経営       めざす将来の姿の実現に向けて劇場事業を円滑に実施するために,劇場経営の方向性を次のとおり定めます。       めざす将来の姿や使命が達成されているかどうか劇場全体の評価・検証をしていきます。     評価・検証にあたっては,市民意識ニーズ調査やモニタリング等を実施します。また,第三者的な視点や,短期的な視点のみならず長期的な視点も踏まえた評価を行うことを検討し,市民サービスの向上や次年度以降の運営に反映するよう努めていきます。    地域の活性化と結びつけながら事業をプロデュースし企画制作する能力,舞台設備等をガイドする技術力,組織・事業を運営する能力など専門的能力を有する人材が必要となります。  とりわけ,劇場が自主企画制作による事業展開を図るには,せんがわ劇場の特徴である市民の参加と協働,地域連携についてのノウハウも持つ人材が要となります。  これまでも,事業制作の専門嘱託員の雇用をするほか,コーディネーターとして事業や経営に関する専門家による支援を受けてきましたが,今後も継続的に専門的な人材を配置・育成していきます。        現在の収入の柱である施設使用料・参加者負担金(チケット料,参加費)に加えて,事業の経費バランスを確認し,助成金や寄附金・協賛金など多様な自己資金の確保に努めていきます。    地域の情報収集を活かした情報発信を行い,多くの人々がせんがわ劇場を知り,劇場の事業に関心を持っていただけるよう働きかけます。その結果,来館者や事業参加者,せんがわ劇場の活動を理解し支援する人々を増やしていきます。       利用者サービスを第一に,安全かつ快適な施設として限られた資金を有効に活用し維持できるよう,日常的な管理はもちろん,長期修繕計画を策定し計画的なメンテナンスを実施していきます。  日頃からリスクマネジメントに最大の注意を払い,危機発生を未然に防ぐことに努めます。また,ヒヤリハット事例集,想定対応マニュアルを整備し,全スタッフで共有するとともに,自然災害を始め多様な事態に適切に対応できるよう訓練を定期的に実施していきます。        3 市民・地域との協働及び連携    目指す将来の姿の実現に向けて,せんがわ劇場を支える市民・地域との協働及び連携の方向性を次のとおり定めます。         市民・地域の眼で劇場事業及び劇場経営を検証するしくみを取り入れていきます。    劇場事業の裏方や広報,受付,あるいは劇場の環境整備などの幅広い活動により,劇場運営において協働するボランティア,せんがわ劇場市民サポーターは大切なパートナーです。今後も市民サポーターの充実を図っていきます。 事業の目的や内容により,市民主体の実行委員会により事業を実施していきます。   第6章 プランの推進に向けて  1 進行管理    プランの推進に向けて,事業実績や劇場経営の状況を評価・検証をし,必要な見直しや課題解決の方向性を定め,次年度以降の取組につなげていきます。不断の見直しを行いながらプランの進行管理を行っていきます。  なお,上位計画である調布市基本計画が平成30年度までの6年間を前期基本計画とし,残り4年間を後期基本計画と位置付けていることから,平成31年度以降の本プランは,10年後のあるべき姿や使命は維持しつつ,後期基本計画の策定に合わせ見直します。 平成 (西暦) 25 (2013) 26 (2014) 27 (2015) 28 (2016) 29 (2017) 30 (2018) 31〜34 (2019〜2022) 劇場事業 中長期の具体的な事業全体の目標を定め進行管理 (評価・検証結果を踏まえながら事業を見直し) 後期基本計画の策定スケジュールと連動させながら進行管理 劇場経営 中長期の具体的な経営全体の目標を定め進行管理 (評価・検証結果・事業との連動性を踏まえながら見直し)     2 関係機関との連携     文化会館たづくりやグリーンホールなどの公立文化施設において,各施設が果たしている機能と役割分担,そして連携を進めていきます。  また,市役所内の関係部局との連携も必要に応じ進めていきます。     3 今後の管理運営形態の考え方     めざす将来の姿の実現に向けて,プランの推進に重要な劇場経営を第5章の2であげた6つの方向性で行うとともに,下記の視点を重視し,今後の管理運営形態を決定していきます。 (1)「舞台芸術を通じ,新たな地域文化発信基地」「仙川地域の賑わいと活性化への寄与」という設置目的を継承すること    (2)経営面,特に管理運営面で安定的な運営を行えること    (3)単年度雇用ではない専門的な人材を配置し,育成できること    (4)事業の実情を踏まえ柔軟な運営を行えること    (5)市内文化施設を活かした有機的な事業展開ができること    (6)調布市内の学術機関との連携,市民,地域との協働を継続できること   資料編    1 プランの策定経過及び策定体制・・・・・・・・・・・・・26    2 調布市せんがわ劇場運営委員会要綱 ・・・・・・・・・・27    3 調布市せんがわ劇場運営委員会委員一覧 ・・・・・・・・29    4 調布市せんがわ劇場条例 ・・・・・・・・・・・・・・・30    5 劇場,音楽堂等の活性化に関する法律 ・・・・・・・・・34 1 プランの策定経過及び策定体制  本プランの策定に当たっては,市民・劇場周辺の自治会・商店街協同組合・学術機関等で構成する「調布市せんがわ劇場運営委員会」を設置し,平成23年度及び平成24年度に検討を重ねました。平成25年3月に「調布市せんがわ劇場運営委員会報告〜劇場のあるまちづくり推進に関する提言〜」として検討結果に関する報告を受け,また,平成25年3月15日(金)から4月5日(金)にかけて実施したパブリック・コメントの結果を踏まえ,平成25年5月に本プランを策定する運びとなりました。 年月日 運営委員会 協議内容等 平成23年 6月30日 平成23年度 第1回運営委員会 ○運営委員会の役割の確認,役員選出 ○劇場の運営体制の現状について報告 平成23年 7月28日 平成23年度 第2回運営委員会 ○22年度劇場市民意識・ニーズ調査(H23.3実施)報告 ○劇場経営の中長期の方向性の協議 ○将来の管理運営形態の選択肢について(提示) 平成23年 9月29日 平成23年度 第3回運営委員会 ○24年度劇場事業計画案の協議 ○劇場経営の中長期の方向性について協議 平成23年 11月18日 平成23年度 第4回運営委員会 ○将来の管理運営形態の協議 平成24年 1月26日 平成23年度 第5回運営委員会 ○24年度劇場事業計画案の修正報告・協議 ○せんがわ劇場運営委員会中間報告(案)の協議 平成24年 5月14日 平成24年度 第1回運営委員会 ○せんがわ劇場の中長期の方向性について協議 平成24年 7月24日 平成24年度 第2回運営委員会 ○23年度劇場経営及び指定事業の評価・検証 ○10年後のせんがわ劇場(目指すべき姿)について協議 平成24年 9月18日 平成24年度 第3回運営委員会 ○せんがわ劇場が目指すべき姿について協議 ○25年度劇場経営及び指定事業の全体計画について協議 平成24年 11月9日 平成24年度 第4回運営委員会 ○せんがわ劇場運営委員会中間報告(案)について協議 ○管理運営計画の改定に向けた協議 ○25年度劇場経営及び指定事業の方向性について協議 平成25年 1月29日 平成24年度 第5回運営委員会 ○管理運営計画の改定に向けた協議 平成25年 3月18日 平成24年度 第6回運営委員会 ○管理運営計画(素案)について報告 ○将来の管理運営形態の方向性について協議 ○運営委員会報告について協議 2 調布市せんがわ劇場運営委員会要綱 平成23年6月29日 調布市要綱第96号 第1 設置   調布市せんがわ劇場(以下「劇場」という。)に係る事業及び管理運営全般について,市民等と市の協働により音楽と芝居小屋のあるまちづくりを推進し,劇場の円滑な運営を行うため,調布市せんがわ劇場運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。 第2 所掌事項   委員会は,次の各号に掲げる事項を調査検討し,その結果を市長に報告する。 (1) 劇場に係る事業の検証及び評価に関すること。 (2) 劇場に係る管理運営体制の検証に関すること。 (3) 前2号に掲げるもののほか,市長が必要と認める事項 第3 構成   委員会は,市長が依頼し,又は任命する次の各号に掲げる者(以下「委員」という。)11人以内をもって構成する。 (1) 劇場周辺にある市内の自治会の推薦する者 1人 (2) 仙川商店街協同組合の推薦する者 1人 (3) 劇場周辺にある市内学術機関に勤務する学識経験者 3人以内 (4) 公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団の推薦する者 1人 (5) 舞台芸術の専門家 1人 (6) 市民 2人以内 (7) 調布市立仙川保育園長    (8) 生活文化スポーツ部次長  2 市長は,前項第6号に掲げる委員については,公募を行い,その応募した者の中から選考することができる。 第4 任期   委員の任期は,2年とし,補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。ただし,再任を妨げない。 第5 委員長及び副委員長  委員会に委員長及び副委員長を置く。 2 委員長は,委員が互選する。 3 委員長は,委員会を代表し,会務を総理する。 4 副委員長は,委員長が指名する。 5 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるとき,又は欠けるときは,その職務を代理する。 第6 会議   委員会は,委員長が招集する。 第7 意見の聴取  委員長は,委員会の運営上必要があると認めたときは,委員以外の者を委員会に出席させ,その意見を聴き,又は委員以外の者に資料の提出を求めることができる。 第8 庶務   委員会の庶務は,生活文化スポーツ部文化振興課において処理する。 第9 雑則   この要綱に定めるもののほか必要な事項は,別に定める。    附 則  この要綱は,平成23年6月30日から施行する。 3 調布市せんがわ劇場運営委員会委員一覧 氏名 団体分類 役職 片桐 雅教(カタギリ  マサノリ) 市民(仙川商店街協同組合) 委員長 鮫島(サメジマ) 貞雄(サダオ) 市民(地域の自治会) 有川(アリカワ) 博(ヒロシ) 市民(舞台芸術の専門家) 平成23年9月まで 山根(ヤマネ) 久幸(ヒサヨシ) 市民(舞台芸術の専門家) 平成23年11月から 増(マス)坂(ザカ) 由(ユ)夏(カ) 市民(公募) 笠原(カサハラ) 真志(マサシ) 市民(公募) 西原(ニシハラ) 稔(ミノル) 学識経験者(桐朋学園大学) 羽藤(ハトウ) 律(タダス) 学識経験者(桐朋学園芸術短期大学) 平成24年3月まで 越光(コシミツ) 照文(テルフミ) 学識経験者(桐朋学園芸術短期大学) 平成24年4月から 川井(カワイ) 扶(フ)佐(サ)子(コ) 学識経験者(白百合女子大学) 藤堂(トウドウ) 文(フミ)子(コ) 公益財団法人 調布市文化・コミュニティ振興財団 平成24年3月まで 常(ツネ)廣(ヒロ) 大助(ダイスケ) 公益財団法人 調布市文化・コミュニティ振興財団 平成24年4月から 市橋(イチハシ) 良子(ナガコ) 調布市立仙川保育園長 田口(タグチ) 学(マナブ) 生活文化スポーツ部次長 副委員長 4 調布市せんがわ劇場条例 平成19年9月21日 条例第32号 (設置) 第1条 市民の舞台芸術の創造及び発信の拠点とするとともに身近に芸術文化に触れる機会を提供することにより,芸術文化の振興を図るため,調布市せんがわ劇場(以下「劇場」という。)を調布市仙川町1丁目21番地5に設置する。 (事業) 第2条 劇場は,前条の目的を達成するために,次の各号に掲げる事業を行う。 (1) 舞台芸術活動の育成及び支援に関する事業 (2) 舞台芸術に触れる機会の提供に関する事業 (3) 前2号に掲げるもののほか,芸術文化の振興に関する事業 (4) 施設の使用に関する事業 (5) 前各号に掲げるもののほか,市長が必要と認める事業 (休館日) 第3条 劇場の休館日は,次の各号に掲げるところによる。ただし,市長が特に必要があると認めたときは,これを変更し,又は臨時に休館日を定めることができる。 (1) 毎月第3月曜日。ただし,その日が国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日(以下「休日」という。)に当たるときは,その日後においてその日に最も近い休日でない日とする。 (2) 1月1日から同月3日まで (3) 12月29日から同月31日まで (使用時間) 第4条 劇場の使用時間は,午前9時から午後10時までとする。ただし,市長が必要があると認めたときは,これを変更することができる。 (指定事業の利用の資格) 第5条 第2条各号に掲げる事業(同条第4号に掲げる事業を除く。)で市長が指定するもの(以下「指定事業」という。)を利用しようとするときの利用の資格については,当該指定事業ごとに市長が別に定めるところによる。 (使用等の手続) 第6条 劇場を使用しようとするものは,規則で定めるところにより市長の承認を受けなければならない。承認を受けた事項を変更するときも,また同様とする。 2 前項の規定にかかわらず,指定事業を利用しようとするものは,当該指定事業ごとに市長が別に定めるところにより市長の承認を受けなければならない。 3 市長は,劇場の管理上必要があると認めたときは,前2項の承認に際し,条件を付することができる。 (使用等の制限) 第7条 市長は,劇場を使用(指定事業を利用することにより劇場を使用する場合を含む。以下同じ。)しようとするものが次の各号のいずれかに該当すると認めたときは,その使用を承認しない。 (1) 公益を害し,風俗を乱すおそれがあるとき。 (2) 施設又は附帯設備を損傷するおそれがあるとき。 (3) 管理上支障があるとき。 (4) 前3号に掲げるもののほか,市長が使用を不適当と認めるとき。 2 劇場は,独占的に連続して1月を超えて使用することはできない。この場合において,当該使用する期間内に第3条に規定する休館日がある場合は,当該期間は連続しているものとみなす。 (使用料等) 第8条 劇場の使用料(以下「使用料」という。)は,別表に定めるところによる。 2 前項に規定するもののほか,指定事業を利用することに伴い必要となる材料費等の実費(以下「材料費等」という。)については,市長が別に定める。 3 使用料は,使用の承認を受けたときに納付しなければならない。ただし,市長が特別の理由があると認めたときは,この限りでない。 4 材料費等の領収の時期及び方法については,市長が別に定める。 (使用料の免除) 第9条 市長は,特別の理由があると認めたときは,使用料を免除することができる。 (使用料の不還付) 第10条 既納の使用料は,還付しない。ただし,市長が特別の理由があると認めたときは,その全部又は一部を還付することができる。 (使用権の譲渡等の禁止) 第11条 劇場の使用の承認を受けたもの(以下「使用者」という。)は,使用の権利を譲渡し,転貸し,又は担保に供してはならない。 (設備の変更禁止) 第12条 使用者は,劇場に特別の施設をし,又は変更を加えてはならない。ただし,あらかじめ市長の承認を受けたときは,この限りでない。 (使用の取消し等) 第13条 市長は,使用者が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは,使用の承認を取り消し,又は使用を制限し,若しくは停止することができる。 (1) 使用の目的に違反したとき。 (2) この条例又はこの条例に基づく規則等に違反したとき。 (3) 災害その他の事故により劇場の使用ができなくなったとき。 (4) 前3号に掲げるもののほか,市長が特に必要があると認めるとき。 (原状回復の義務) 第14条 使用者は,劇場の使用を終了したときは,設備を原状に回復しなければならない。前条の規定により使用を停止され,又は使用の承認を取り消されたときも,また同様とする。 (損害賠償の義務) 第15条 使用者は,使用に際し,施設又は附帯設備に損害を生ぜしめた場合は,市長が相当と認める損害額を賠償しなければならない。ただし,市長がやむを得ない理由があると認めたときは,その額を減額し,又は免除することができる。 (委任) 第16条 この条例の施行について必要な事項は,規則で定める。 附 則  この条例は,規則で定める日から施行する。 (平成19年2月規則第4号で,同20年4月1日から施行) 別表(第8条関係) 使用料表 区分 市内在住者 市内在住者以外の者 名称等 午前 午後 夜間 全日 午前 午後 夜間 全日 午前9時〜 午後1時〜 午後6時〜 午前9時〜 午前9時〜 午後1時〜 午後6時〜 午前9時〜 12時 5時 10時 午後10時 12時 5時 10時 午後10時 ホール(楽屋を含む。以下同じ。)   円 円 円 円 円 円 円 円 平日 6,500 12,000 14,500 30,000 8,000 14,000 17,500 36,000 日曜日等 7,500 13,500 16,500 34,000 9,000 16,000 19,500 40,500 リハーサル室 800 1,500 1,900 3,800 1,000 1,800 2,200 4,500 附帯設備 規則で定める額 備考 1 この表において「市内在住者」とは,次の各号のいずれかに該当するものをいう。 (1) 市内に住所(団体にあっては主たる事務所の所在地)を有するもの (2) 市内に事業所を有し,又は勤務する者 (3) 市内の学校(専修学校及び各種学校を含む。)に在学する者 (4) 前3号に掲げるもののほか,市長が適当と認めるもの 2 この表において「市内在住者以外の者」とは,前項各号に掲げるもの以外のものをいう。 3 この表において「日曜日等」とは,日曜日,土曜日及び休日をいう。 4 ホールを夜間又は全日の区分で使用するものが当該使用する区分に連続して更に使用すること(以下「延長使用」という。)を承認された場合におけるホール又はホール及びリハーサル室の当該延長使用(附帯設備の使用を含む。)に係る使用料の額は,延長使用の時間30分につき,それぞれの夜間の区分の使用料の額の100分の20に相当する額とする。 5 劇場、音楽堂等の活性化に関する法律 平成24年6月27日 法律第49号  前文  第一章 総則(第一条―第九条)  第二章 基本的施策(第十条―第十六条)  附則   我が国においては、劇場、音楽堂等をはじめとする文化的基盤については、それぞれの時代の変化により変遷を遂げながらも、国民のたゆまぬ努力により、地域の特性に応じて整備が進められてきた。  劇場、音楽堂等は、文化芸術を継承し、創造し、及び発信する場であり、人々が集い、人々に感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、人々が共に生きる絆を形成するための地域の文化拠点である。また、劇場、音楽堂等は、個人の年齢若しくは性別又は個人を取り巻く社会的状況等にかかわりなく、全ての国民が、潤いと誇りを感じることのできる心豊かな生活を実現するための場として機能しなくてはならない。その意味で、劇場、音楽堂等は、常に活力ある社会を構築するための大きな役割を担っている。  さらに現代社会においては、劇場、音楽堂等は、人々の共感と参加を得ることにより「新しい広場」として、地域コミュニティの創造と再生を通じて、地域の発展を支える機能も期待されている。また、劇場、音楽堂等は、国際化が進む中では、国際文化交流の円滑化を図り、国際社会の発展に寄与する「世界への窓」にもなることが望まれる。  このように、劇場、音楽堂等は、国民の生活においていわば公共財ともいうべき存在である。  これに加え、劇場、音楽堂等で創られ、伝えられてきた実演芸術は、無形の文化遺産でもあり、これを守り、育てていくとともに、このような実演芸術を創り続けていくことは、今を生きる世代の責務とも言える。  我が国の劇場、音楽堂等については、これまで主に、施設の整備が先行して進められてきたが、今後は、そこにおいて行われる実演芸術に関する活動や、劇場、音楽堂等の事業を行うために必要な人材の養成等を強化していく必要がある。また、実演芸術に関する活動を行う団体の活動拠点が大都市圏に集中しており、地方においては、多彩な実演芸術に触れる機会が相対的に少ない状況が固定化している現状も改善していかなければならない。  こうした劇場、音楽堂等を巡る課題を克服するためには、とりわけ、個人を含め社会全体が文化芸術の担い手であることについて国民に認識されるように、劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者、実演芸術に関する活動を行う団体及び芸術家、国及び地方公共団体、教育機関等が相互に連携協力して取り組む必要がある。  また、文化芸術の特質を踏まえ、国及び地方公共団体が劇場、音楽堂等に関する施策を講ずるに当たっては、短期的な経済効率性を一律に求めるのではなく、長期的かつ継続的に行うよう配慮する必要がある。  ここに、このような視点に立ち、文化芸術振興基本法の基本理念にのっとり、劇場、音楽堂等の役割を明らかにし、将来にわたって、劇場、音楽堂等がその役割を果たすための施策を総合的に推進し、心豊かな国民生活及び活力ある地域社会の実現並びに国際社会の調和ある発展を期するため、この法律を制定する。    第一章 総則 (目的) 第一条  この法律は、文化芸術振興基本法 (平成十三年法律第百四十八号)の基本理念にのっとり、劇場、音楽堂等の活性化を図ることにより、我が国の実演芸術の水準の向上等を通じて実演芸術の振興を図るため、劇場、音楽堂等の事業、関係者並びに国及び地方公共団体の役割、基本的施策等を定め、もって心豊かな国民生活及び活力ある地域社会の実現並びに国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条  この法律において「劇場、音楽堂等」とは、文化芸術に関する活動を行うための施設及びその施設の運営に係る人的体制により構成されるもののうち、その有する創意と知見をもって実演芸術の公演を企画し、又は行うこと等により、これを一般公衆に鑑賞させることを目的とするもの(他の施設と一体的に設置されている場合を含み、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第一項 に規定する風俗営業又は同条第五項 に規定する性風俗関連特殊営業を行うものを除く。)をいう。 2  この法律において「実演芸術」とは、実演により表現される音楽、舞踊、演劇、伝統芸能、演芸その他の芸術及び芸能をいう。 (劇場、音楽堂等の事業) 第三条  劇場、音楽堂等の事業は、おおむね次に掲げるものとする。 一  実演芸術の公演を企画し、又は行うこと。 二  実演芸術の公演又は発表を行う者の利用に供すること。 三  実演芸術に関する普及啓発を行うこと。 四  他の劇場、音楽堂等その他の関係機関等と連携した取組を行うこと。 五  実演芸術に係る国際的な交流を行うこと。 六  実演芸術に関する調査研究、資料の収集及び情報の提供を行うこと。 七  前各号に掲げる事業の実施に必要な人材の養成を行うこと。 八  前各号に掲げるもののほか、地域社会の絆の維持及び強化を図るとともに、共生社会の実現に資するための事業を行うこと。 (劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者の役割) 第四条  劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者は、劇場、音楽堂等の事業(前条に規定する劇場、音楽堂等の事業をいう。以下同じ。)を、それぞれその実情を踏まえつつ、自主的かつ主体的に行うことを通じて、実演芸術の水準の向上等に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。 (実演芸術団体等の役割) 第五条  実演芸術に関する活動を行う団体及び芸術家(以下「実演芸術団体等」という。)は、それぞれその実情を踏まえつつ、自主的かつ主体的に、実演芸術に関する活動の充実を図るとともに、劇場、音楽堂等の事業に協力し、実演芸術の水準の向上等に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。 (国の役割) 第六条  国は、この法律の目的を達成するため、劇場、音楽堂等に係る環境の整備その他の必要な施策を総合的に策定し、及び実施する役割を果たすよう努めるものとする。 (地方公共団体の役割) 第七条  地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び当該地方公共団体の区域内の劇場、音楽堂等を積極的に活用しつつ実施する役割を果たすよう努めるものとする。 (劇場、音楽堂等の関係者等の相互の連携及び協力等) 第八条  劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者、実演芸術団体等その他の関係者(次項及び第十六条第二項において「劇場、音楽堂等の関係者」という。)並びに国及び地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。 2  国及び地方公共団体は、この法律に基づく施策を策定し、及び実施するに当たっては、劇場、音楽堂等の関係者の自主性を尊重するものとする。 (国及び地方公共団体の措置) 第九条  国及び地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、必要な助言、情報の提供、財政上、金融上及び税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。    第二章 基本的施策 (国際的に高い水準の実演芸術の振興等) 第十条  国は、国際的に高い水準の実演芸術の振興並びに我が国にとって歴史上又は芸術上価値が高い実演芸術の継承及び発展を図るため、次に掲げる施策その他必要な施策を講ずるものとする。 一  独立行政法人を通じて劇場、音楽堂等の事業を行うこと。 二  地方公共団体が講ずる劇場、音楽堂等に関する施策、劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する民間事業者(次項及び第十二条第二項において「民間事業者」という。)が行う劇場、音楽堂等の事業及び実演芸術団体等が劇場、音楽堂等において行う実演芸術に関する活動への支援を行うこと。 2  前項に定めるもののほか、国は、地方公共団体及び民間事業者に対し、その求めに応じて、我が国の実演芸術の水準の向上に資する事業を行うために必要な知識又は技術等の提供に努めるものとする。 (国際的な交流の促進) 第十一条  国は、外国の多彩な実演芸術の鑑賞の機会が国民に提供されるようにするとともに、我が国の実演芸術の海外への発信を促進するため、我が国の劇場、音楽堂等が行う国際的な交流への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (地域における実演芸術の振興) 第十二条  地方公共団体は、地域の特性に応じて当該地域における実演芸術の振興を図るため、劇場、音楽堂等の事業の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。 2  国は、国民がその居住する地域にかかわらず等しく、実演芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるよう、前項の規定に基づき地方公共団体が講ずる施策、民間事業者が行う劇場、音楽堂等の事業及び実演芸術団体等が劇場、音楽堂等において行う実演芸術に関する活動への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (人材の養成及び確保等) 第十三条  国及び地方公共団体は、制作者、技術者、経営者、実演家その他の劇場、音楽堂等の事業を行うために必要な専門的能力を有する者を養成し、及び確保するとともに、劇場、音楽堂等の職員の資質の向上を図るため、劇場、音楽堂等と大学等との連携及び協力の促進、研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。 (国民の関心と理解の増進) 第十四条  国及び地方公共団体は、劇場、音楽堂等において行われる実演芸術に対する国民の関心と理解を深めるため、教育活動及び啓発活動の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。 2  国及び地方公共団体は、この法律に基づく施策を実施するに当たっては、国民の理解を得るよう努めるものとする。 (学校教育との連携) 第十五条  国及び地方公共団体は、学校教育において、実演芸術を鑑賞し、又はこれに参加することができるよう、これらの機会の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (劇場、音楽堂等の事業の活性化に関する指針) 第十六条  文部科学大臣は、劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者が行う劇場、音楽堂等の事業の活性化のための取組に関する指針を定めることができる。 2  文部科学大臣は、前項の指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、劇場、音楽堂等の関係者の意見を聴くものとする。 3  文部科学大臣は、第一項の指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。    附 則 (施行期日) 1  この法律は、公布の日から施行する。 (検討) 2  政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、劇場、音楽堂等の事業及びその活性化による実演芸術の振興の在り方について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 調布市せんがわ劇場運営プラン 〜劇場のあるまちづくりの推進に向けて〜 発行日:平成25年5月 発 行:調布市 編 集:生活文化スポーツ部文化振興課(せんがわ劇場) 〒182-0002 調布市仙川町1丁目21番地5 Tel 03-3300-0611 印 刷:庁内印刷 15 2