令和3年度 第3回 調布市再犯防止推進計画策定委員会 日時:令和4年3月29日(火)18:30〜20:10    場所:調布市総合福祉センター2階201〜203会議室 【出席者】  1 出席委員:川村委員,掛川委員,宮内委員,山本委員,小川委員,高橋委員,藤井委員,高笠委員,小坂委員,宮地委員,福澤委員,鈴木委員,風間委員,宇津木委員,米倉委員,石川委員,木村委員,山田委員  2 事務局:福祉総務課  3 傍聴者:0名 【資 料】  ・議事次第 ・計画骨子(案) ・第1回議事録 ・第2回議事録  1 開会 事務局から注意事項の説明,配付資料の確認を行った。 2 議事 (1) 計画骨子(案)の確認 委員:計画骨子(案)について事務局より説明をお願いいたします。 事務局:(パワーポイント資料の説明) 委員:ご質問・ご意見等ございますか。 委員:本日の資料をメールでいただいたのが昨日の夕方ごろでしたので読み込む時間がありませんでした。 この場でお話しするほどでもないことですが気付いた点が幾つかありますので,それについては追って事務局にメモをお送りしますし必要であればほかの委員の方々と共有していただいて構いません。 大きな点として3つあります。まず1点目,第2章の統計については市の範囲と調布警察署の管轄区域が一致していないためデータが見にくいところがありますが,この点を少し解消するための提案を後ほどさせていただきたいと思っています。 2点目,先ほどの事務局からの説明で協力雇用主について検討していただけるということで,うれしく感じております。入札資格や総合評価方式における優遇等を検討している市もありますので調布市でもご検討いただければ有り難いです。 3点目,P17@の「高齢者や障害者への支援」の最終項目に触法障害者に対する支援が新たに記載されています。医療観察制度についても書かれていますが,この制度の対象者には心神喪失で責任能力がない方もいるため書きぶりが難しい面があります。また、ここのタイトルは「高齢者や障害者への支援」ですので障害者だけ記載するのはバランスが悪いと思われ,後ほどご提案させていただこうと思っています。 委員:ご指摘ありがとうございました。協力雇用主に関しては他市の取り組みも参考に関係各課と調整していただきたいということです。 医療観察法に関する記述については触法障害者のみが強調されている印象を与えかねないため高齢者の中にも該当する方がいることを何らかの形で言及していただきたいというお話だったかと思います。 事務局からコメントがあればお願いいたします。 事務局:まずは直前での資料送付となったことについてお詫び申し上げます。今後はゆとりある日程で送付するよう心がけたいと思います。 お気付きの点を後日メモでいただけるということで必要に応じて委員の皆様と共有させていただきます。 他市の協力雇用主に対する支援等の情報をご提供いただき,ありがとうございます。入札資格の優遇につきましては所管課である契約課及び他課と調整の上,可能な範囲で計画に盛り込んでいければと思っております。 P17の記載内容につきましてもご指摘ありがとうございます。修正いたしますので,またご確認いただければと思います。 事務局:協力雇用主の件で補足させていただきます。他自治体では豊島区が総合評価方式で加点していると聞いております。 入札というと基本的には価格で決まるものですが総合評価方式では実績等も加味されます。調布市の場合,総合評価方式については試行実施の段階でございますが配点等の情報を契約課にも提供しつつ進めていければと思っております。 委員:よろしくお願いいたします。 委員:ほかにご質問・ご意見等ございますか。 委員:「再犯防止」という言葉をできるだけ使わないようにしていただきたいと要望します。P26にその思いを汲み取っていただいた文章がありますがP17やP26〜28で多用されています。 P23では対象が少年のためか「立ち直り」という言葉が使われていますのでP26〜28の「再犯防止に取り組む」を「更生を支援する」「立ち直りを支える」のような表現にできないか再度ご検討いただければと思います。 委員長:ありがとうございます。本質的で重要なご指摘かと思いますが事務局から何かございますか。 事務局:ご提案ありがとうございます。「再犯防止」という言葉が持つ意味を踏まえつつ無理のない範囲でそれに代わる言葉を探していきたいと思います。できるだけ市民が理解しやすい,また社会防衛的な意味にならないような文言を検討してまいります。 委員:P26で私も気になった箇所があります。1つ目の文章の「犯罪をした者等が社会に復帰するためには自ら努力することも必要」というのがそれで,自己責任を追及するニュアンスがにじみ出ています。細部に本質が宿るので,もう少し柔らかい文言をご検討ください。 P15(1)の「住居確保に向けた相談体制等の充実」に記載の「緊急連絡先となる人の確保」については関係課と調整中というお話でしたが非常に重要なことですのでご努力いただきたいと切に願います。 仮に今回の計画では見送らざるを得ない状況にあったとしても,そのことを計画の中に残せるよう工夫していただきたいと個人的には思います。 本計画の策定は調布市として初めてのもので,これがスタンダードになり順次見直して第2次,第3次となっていきます。 今回は盛り込めなくても中長期的な視点に立ち,こういったことを継続的な課題として取り組んでいく必要があると捉え今後に引き継いでいくという観点からこの表現を残していただきたいと思っております。 事務局からコメント等ございますか。 事務局:ご要望ありがとうございました。ヒアリング結果や現状,そして実現の可能性を踏まえて行うことが難しければ課題として認識するのか,もしくは中長期的な視点として捉えていくような緩やかな表現になるのか,その点について所管課と再度調整しながら記載の仕方を検討していきたいと思います。 委員:0か100かではなく100まではいかなくても0にならないよう工夫を繰り返していけば関係課の意識改革にもつながっていくかと思いますので,ご検討ください。 前回のご意見を受け「低学歴」という表記を見直すことになりました。そして言い換えたものがP23Aの「立ち直り・学び直し支援」の冒頭にある「中卒や高校退学となってしまった場合」だと思いますが,この言い換えに関してはいかがでしょうか。特に問題ございませんね。 委員:前回,小中学校になじめず不登校になり高校へ何とか行けても結局中途退学し犯罪に加担してしまうケースがあるので学校の様子を聞きたいというお話が出ていました。 そのときはご欠席でしたが今日は校長先生がおいでですので学校の様子をお話しいただければ有り難いと思っております。 本日の資料P22@に「非行の未然防止等」ということで施策の内容(1)として「児童・生徒の悩みを受け止める相談体制の充実」とあります。 この中の学校での取り組みとしてはスクールソーシャルワーカーによる相談支援だけになっていますが学校の先生方による最初の気付き,非行に走らせないように苦労されている姿があるのではないかと思います。 それをどのように計画に反映させるかは事務局でご検討いただくとして,まずは学校現場が非行防止に対してどのような取り組みをしているのかという辺りを校長先生からお聞かせいただければと思いますが,いかがでしょうか。 委員:かつての非行少年,反社会的な行動をとる児童生徒は減ってきており,むしろここに書かれているような不登校のお子さんや悩みを抱えている児童生徒,特別な支援が必要な子どもが多くなっている感じがします。 その意味でも学校としては関係機関と連携しながらの居場所づくりということで,訪問指導や別室登校,カウンセラーの配置等学校になじめないお子さんにとって居心地のよい空間をつくる取り組みを行っております。 中学校は全体的に落ち着いており前向きな生徒が多いのですが中には学校になじめない子も一定数いて不登校生徒は8校で150人ぐらいという現状があります。将来その子たちが犯罪に加担するかどうかについては読めないというのが正直な気持ちです。 中学校になじめなかった子は,やはり高校にも行きづらいというケースが比較的多いかと考えます。 委員:非常にためになるお話をいただきまして,ありがとうございます。 今のお話の中で居場所づくりということがあり市でもスクールソーシャルワーカーを配置しておりますが,人材確保の面や居場所について行政や地域にこんな関わり方をしてほしいといった要望があればお話しいただければと思います。いかがでしょうか。 委員:かつては保健室登校というものが各学校でありました。今は保健室ではなく特別支援教室の近くに個別学習できる部屋を多くの学校で設けております。そこで子どもと関わってくれる人材を地域の方にお願いできればと思います。 各学校にスクールサポーターが1名配置されていますが子どもの数の面からするともう少し増やしていただければ助かります。 放課後の学習教室でも教員が指導するという状況がありますが,地域の大学生等子どもに寄り添える方に入っていただき勉強だけでなく悩み相談に応じるような施策を打っていただけると学校としては非常に助かると思います。 委員:大変わかりやすくご説明いただき,ありがとうございました。 委員:今のお話を伺って我々も調布市内の中学校の状況をリアルに把握することができたのではないかと思います。この件に関してご質問等はよろしいですか。 では,ほかに何かあればご発言をお願いいたします。 委員:協力雇用主という言葉を計画のどこかに入れてもよいと思います。P14の図に「ハローワーク等関係機関」とありますがハローワークを通さなければ協力雇用主につながらず,かつハローワークを通さない協力雇用主には助成金が出ないと聞いておりますが本当でしょうか。 委員:その件に関しては別の委員ほうがご存じだと思います。助成金については法務省に登録すれば出ると思いますが,いかがでしょうか。 委員:ハローワークを管轄しているのが厚生労働省で保護観察所は法務省の下部組織ということで,なかなか連携が取れていなかったのですが10年前ぐらいからは連携するようになりました。 既にハローワークにある障害者の方等社会的ハンデを背負っている方のための専門援助部門で、犯罪や非行をした人も新たに対応していただけることになり、トライアル雇用等の支援が始まっています。 協力雇用主というのは元々経営者である保護司さんが自分の所で雇ってくださる,もしくは知り合いの事業主さんへお願いするプロセスから生まれた経過があり,そういうケースではハローワークを通さないため公的な援助がないこともあります。 トライアル雇用等は厚生労働省の制度ですが、犯罪や非行をした人については独特の難しさもあるため,そういう部分については法務省独自の予算を確保しハローワークを通さずとも使える制度も一部存在します。 これらの制度は非常に複雑ですので,説明はこの程度でとどめておきます。 委員:ありがとうございます。ハローワークというのは基本的には厚生労働省の管轄と受け止めてよろしいですか。 委員:はい。ハローワーク自体は厚生労働省の出先機関ということになります。 委員:登録した協力雇用主さんに払われる助成金は厚生労働省の予算から出ているという考え方でよろしいのでしょうか。 委員:協力雇用主だから助成金が出るわけではなく、例えばトライアル雇用の枠で雇った場合にはその事業主さんに対して幾らか出るような仕組みになっています。 それから先ほど申し上げたように犯罪や非行をした人に対して法務省独自の予算もありまして,就労奨励金というのですが、その枠組みの中で雇用主に支払われるものもあります。つまり厚生労働省の予算から全部出ているわけではありません。 委員:どうもありがとうございました。 員長:ありがとうございます。ほかのことで何かございますか。 P13とP18に地域福祉コーディネーターに関する記述があります。8名の配置ということですが年々その存在が地域の中で認知されるにつれ相談件数が増加している状況もあるかと思います。 1人あたりの負担がかなり増えていることも併せて現実的に考えていく必要があると思いますが調布市社協のお立場から何かあればお聞かせください。 委員:確かに地域福祉コーディネーターという存在が周知されてきたおかげで本当に相談が増えています。制度につながらないような相談もどんどん来ており対応が厳しい面があります。 地域福祉コーディネーターだけが対応しているわけではなく関係機関や行政とも連携を図っておりますが,解決までに時間がかかるので伴走者が複数あったほうがよいですし1人に対して長期化しているのが現状です。 地域の中での掘り起こしは積極的に行っていますが先が見えなくてどうにもならず相手の方と連絡が取れなくなり終わってしまったというケースもあり理想と現実の狭間で悩んでいます。 ここの文章はきれいにまとめられていて期待を持てるような感じですが実際は難しいというのが率直な気持ちです。 委員:ありがとうございます。私の知る限り地域福祉コーディネーターの皆さんは居場所をつくるだけでなく,その後も定期的に集いの場に加わって地域の課題を見つけ新たな保健医療・福祉サービスにつなげるという役割も担っていらっしゃいます。 P13とP18がほぼ同じ文言になっていますがP18に今言ったような文言を加えていただいてもよいかと個人的には思います。 先ほど1人あたりの負担が重くなっていると申したにもかかわらず結果として負担を重くすることになってしまうので矛盾が生じますが,そういった取り組みは実際にありますので加筆を検討していただいてもよいかと考えます。社協のお立場からはいかがでしょうか。 委員:実は地域の方たちに助けてもらうことも多く居場所がない方を導いてくれる場合もあります。住民の力が非常に大きいので,その掘り起こしやつながりづくりといった内容も計画の中に入ればよいと思います。 委員:居場所とは人間関係を維持・構築する単一の機能ではなく,そこを拠点としてニーズを掘り起こす,あるいはニーズに合ったサービスにつなぐという重要な機能を新たに持ち始めていると個人的には思っています。 このような現状を踏まえP18にその辺りのことも盛り込んでいただければと思いますが,事務局からコメント等ございますか。 事務局:地域福祉コーディネーターの方々には地域支援と個別支援を両輪とし循環するような形で取り組んでいただいています。その旨をうまく伝えられるような記載の仕方を検討させていただければと思います。 地域福祉コーディネーターが自ら支援することも当然ございますが委員のおっしゃったとおり他機関との連携の中で支援していくという役割がありますので,その点を我々としてもしっかり啓発していきたいと考えております。 P29にトータルケアのイメージ図がございます。地域福祉コーディネーターの負担感をいかに他機関との連携の中で軽減していけるかというところも併せて検討しながら進めていきたいと思います。 委員:ほかにご質問・ご意見等ございますか。 委員:今日も再犯防止という言葉の使い方についての議論がありましたし,第1回の委員会で副委員長から意味が伝わりづらいため計画の名称を変更することを考えてもよいのではないかとのご意見をいただいていたかと思います。 そのご意見に私も賛成で名称変更を検討してもよいかとそのときから考えておりました。とはいえ国が再犯防止推進計画と示しているため,この名称は残しつつ愛称を付けるのはどうかと提案します。 例えば市民公募で愛称を付ければそれが計画の紹介にもなり周知しやすくなりますのでご検討いただければと思っております。 委員:愛称を公募で募集することによってこの計画そのものの周知を図る意味合いもあるというお話で非常に斬新で面白いアイデアだと思いました。これに関しまして委員の皆様からご意見等ございますか。 委員:この計画は再犯防止推進法にのっとっていますので全くなくなってしまうのはいかがなものかという思いがあります。 ただ,当事者に寄り添うという意図を込めるためには再犯防止の言葉を残しつつ愛称や副題を付けるのもひとつの案かと思いました。 委員:再犯防止推進計画というものですので全くなくしてしまうのは難しいと思います。更生支援にしても立ち直りにしても,ある意味再犯防止と表裏の関係にあるような気がします。 もちろん法令に沿った言葉で再犯防止という言葉を使っていく必要はありますが例えばP28の「再犯防止に取り組む必要があります」は少なくとも違う言葉に置き換えられると思います。 きつい表現ですので本文の中ではできるだけ再犯防止という言葉を使わず,罪に問われた人々に市として寄り添っていく姿を見せていただきたいといった趣旨で発言させていただいた次第です。   先ほどご提案のあった公募ですが,それを通して一般市民の方々の認識を図ることもできる面白い取り組みではないかと思います。 委員:愛称の募集というのは簡単にできるものですか。 事務局:公募は可能ですしパブリックコメントを実施する際に募集することもできます。愛称の検討に関してはこの策定委員会をはじめ庁内の連絡会で検討を進めていきたいと思っております。 委員:前向きにご検討いただければと思います。ほかに何かございますか。 委員:以前,虞犯少年や保護観察中の少年に國領神社のお祭りにスタッフとして入ってもらい小さな子どもの面倒を見るという役割を担ってもらったことがあります。その結果,少年たちの行動が少し変わってきたので表に出してあげることが効果的ではないかと思いました。 こういう話を計画のどこに盛り込めるかはわかりませんが家に閉じ込めてしまうのではなく本人を人の輪の中に入れることがとても大事だと感じた次第です。 委員:示唆に富むエピソードをお話しいただき,ありがとうございます。 計画のどこに位置づけるかについては議論の余地がありますが個人的な見解を申し上げますと居場所づくりの辺りに盛り込むことも可能かと思います。 自分もコミュニティの一員だと思えるような機会をつくる,地域の中に居場所があることを感じてもらう,さらにはお客さんとしてではなく役割を担ってもらうというお話をいただきました。 役割を担ってもらうということは地域福祉の居場所づくりにおいても重要視されてきています。そういう状況からも居場所づくりの辺りに今のお話を入れることを検討できるのではないかと思いますが,事務局から何かございますか。 事務局:委員長のおっしゃるとおり居場所づくりのところにつながるご意見だと思います。P12にも「地域の中で居場所をつくり,地域社会の一員としての自覚や自己有用感を育める環境を提供することが重要」という記載がございます。 そういったところで先ほどの國領神社のお祭りに関するお話も事例紹介のような形での記載が考えられるかと思っております。 委員:その方向でご検討いただければと思います。ほかに何かございますか。 委員:次回の開催日程だけではなく今後の全体的なスケジュールも教えていただければ有り難く思います。 3 その他   事務局から連絡事項として今後のスケジュール,議事録について,人事異動等による委員の変更についてを説明した。