第4回 調布市障害者総合計画策定委員会 議事録 開 催 日:令和5年3月9日(木)18時30分~20時30分 場  所:調布市市民プラザあくろす3階 あくろすホール 出席委員:木下委員,青木委員,西田委員,乙黒委員,新津委員,大澤委員,朝香委員,前田委員,福田委員,大光委員,栗城委員,茅野委員,二宮委員,江口委員,秋吉委員,江頭委員,進藤委員,近藤委員,石島委員,秋元委員,雨下委員 (オンライン:青木委員,西田委員,大光委員,秋吉委員) 欠席委員:愛沢委員,伊地山委員 1.開 会 ■事務局 それでは,定刻になりましたので,これより第4回,今年度最後となります,調布市障害者総合計画策定委員会を開催させていただきます。よろしくお願いいたします。 今回も,前回に引き続き,オンラインとの併用での開催とさせていただきました。この会場にお集まりいただきました委員の皆さまと,あちらのスクリーンに映っております,オンラインで参加の委員の方がいらっしゃいます。 初めに,お手元の資料を確認させていただきたいと思います。事前に委員の皆さまに送付いたしました資料が,本日の次第と,資料1から6まで,そして参考資料の1となっております。会場にお越しで本日ご持参でない方には事務局で予備をご用意しておりますので,お近くの事務局スタッフに申しつけください。 また,当日配付資料として1~3,本日の議事にあります「中間報告書」の案の補足資料,A4で1ページのものと,それから「中間報告書」の概要版,わかりやすい版,というのを一部ずつ,合計3点,置かせていただいております。こちらについては,後ほど議事の中でご説明いたします。 委員の皆様,それぞれの資料,お手元にございますでしょうか。 なお,本日は,調布市視覚障害者福祉協会の愛沢委員,高次脳機能障害者支援機関連絡会の伊地山委員から,欠席のご連絡をいただいておりますので,ご報告させていただきます。 それでは,次第に沿って議事に入らせていただきます。ここからは,木下委員長に進行をお願いいたします。 2.議 事 ■木下委員長 本日もよろしくお願いいたします。私のあいさつで貴重な議論の時間を削りたくないので、早速ですが中身に入ります。本日の議事は5点あります。まずは前回から見ているニーズ調査結果と関係機関ヒアリング調査の結果。また、調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会から意見具申がございましたので、そちらの共有。障害者総合支援法の改正について、議論というよりも事務局からの共有と、最後に中間報告書について、議論をいただきたいと思います。今日が今年度最後の会議になりますので、気づいたこと、感想でも結構ですので言っていただければと思います。議事に入りたいと思いますが,「(1)令和4年度調布市民福祉ニーズ調査のクロス集計結果等について」と「(2)関係機関ヒアリング等結果の報告(追加分)について」はまとめて行いたいと思います。それでは事務局から資料の説明をお願いいたします。 【(1)令和4年度調布市民福祉ニーズ調査のクロス集計結果等について】 【(2)関係機関ヒアリング等結果の報告(追加分)について】 ■事務局 それでは,事務局より説明させていただきます。 お手元に資料1をご用意いただけますでしょうか。「令和4年度調布市民福祉ニーズ調査」につきましては,前回の第3回委員会で速報結果についてお知らせしたところです。今回は,ニーズ調査実施後のクロス集計の結果を抜粋してご報告させていただきます。 まず,クロス集計に至った経緯ですが,前回の委員会において,障害の程度によってもニーズは変わると思われるため,例えばグループホームの利用を希望されている方と障害程度をクロス集計することで分析ができるのではないかとのご意見をいただいたものについて,クロス集計結果を掲載しています。また,他自治体との比較についてもご意見をいただいたため,近隣である世田谷区や府中市の調査結果も掲載させていただいております。クロス集計については目次にある13項目について行いました。こちらについて,いくつかピックアップして説明させていただきます。 それでははじめに4ページ目をご覧ください。「障害等級×希望する暮らし方」についてです。知的障害者の希望が「グループホームで生活する」が高い水準となっておりますが,5ページ目の表の障害程度で見ると,知的で障害程度が高い方はグループホームを希望する割合が高くなっております。障害手帳2度,3度では3割を超えています。 8ページ目をご覧ください。「障害等級×医療の困り事」についてです。医療機関での困りごとについては「特にない」がどの程度別でも高くなっております。 12ページ目をご覧ください。「障害児に対する障害等級×医療の困り事」についても「特にない」が高くなっておりますが,「かかりつけ医がない,かかりつけ歯科医がない」を見ると,障害別では知的障害が最も高くなっています。 14ページ目をご覧ください。「どのような生活をしたい×どのような形で働きたい」についてです。15ページ目の表では「ひとり暮らしを希望する人」が「正社員を目指す」割合が高く,一方で「グループホームでの生活を希望する人」と「作業所などでの福祉就労を希望する人」の層が重複していることがわかります。 16ページ目をご覧ください。「地域活動・ボランティア活動の取組状況×心のバリアフリーに必要な取組」についてです。地域活動におけるどの項目も,心のバリアフリーにおいて「障害者などさまざまな人と触れ合う機会の充実」に対する希望が最も高くなっております。このことから日常的に人と触れ合う機会が少ないということが考えられ,このような機会の提供が,心のバリアフリーやさらに地域活動への参加にもつながるように思えます。 以上で,ニーズ調査のクロス集計結果の説明を終わらせていただきます。 このニーズ調査は,アンケート結果と住民懇談会の結果とを併せて,今年3月末に「ニーズ調査報告書」として取りまとめる予定でございます。 今回ご報告いたしました結果についての意見交換は,この後説明するヒアリング結果等の報告と併せて行いたいと思います。 続いてヒアリング結果等の報告について,ご説明いたします。 ■事務局 それでは,事務局よりご説明させていただきます。 資料2をご用意いただけますでしょうか。前回の第3回委員会で,ヒアリング結果について報告させていただきましたが,そのうち「ヒアリング6【スポーツ】スポーツクラブ」と「ヒアリング8【交通】鉄道事業者」についてはヒアリングが委員会の直前であったため未報告となっておりました。今回は,この2か所のヒアリング結果について追加で報告させていただきます。 資料2の2ページ目以降をご覧ください。2か所のヒアリング先でお伺いできた内容をまとめたものです。全体の概要について項目ごとに箇条書きでまとめております。2,3ページがスポーツクラブ,4,5ページが鉄道事業者と続いております。 では2ページ目に戻っていただき,ヒアリング先6のスポーツクラブへのヒアリング内容について記載しておりますが,ポイントのみ確認のためご説明させていただきます。(2)の2つ目の黒丸をご覧下さい。障害に関する知識を有している職員の確保における課題があるという点が挙げられています。このスポーツクラブでは,障害児者への専門的な対応が可能なスタッフが各店舗に常駐しているわけではないのが現状であるとのことです。そのため,障害に関する基礎知識を全体研修またはメールで情報共有するなどの形で経営的な努力がなされています。ただ,こちらのスポーツクラブでは,基本的に入会時に障害の有無を確認したり,そのことにより利用を断ったりすることはせず,まずは誰でも利用を体験していただき,利用を検討していただいているとのことで,これまでも障害のある方が利用されている事例があるところとなっております。 では次に4ページ目に移っていただくと,ヒアリング先8の鉄道事業者についての内容になります。5ページ目の(3)の1つ目の黒丸をご覧ください。鉄道事業者にとって障害のある利用者への対応はニーズが高く,視覚障害のある方への案内や,聴覚障害のある方への筆談による案内など,対応可能な職員の養成に努めているとのことです。その一方で,やはり全体の人数や規模も大きいので職員による対応に差が出てしまい,お客様からお声をいただく機会があり,そこが課題であるというお話がありました。 ここまでがヒアリング結果の報告となります。 6ページ目からは,ヒアリングとは別に,市の既存の協議体などを活用して課題抽出を行ったもので,「調布市障害者スポーツの振興における協議体」と「調布市居住支援協議会」の2か所について報告させていただきます。 「障害者スポーツの振興における協議体」では,市内の障害福祉分野やスポーツ分野の団体が集まり,意見交換や,障害のある方のスポーツ活動をさらに広げていくための検討を行っております。福祉分野では「学校卒業後に障害者が体を動かす場が少なくなる」,スポーツ分野では「障害者のニーズの把握,指導方法」などが課題としてあげられており,現在,作業所にスポーツの指導員を派遣したり,スポーツ施設に障害者を案内したりして,継続して通えるためのきっかけづくり等に取り組んでいるということです。 7ページ目の「居住支援協議会」においては,不動産関係団体も参加していることから,委員の方にアンケートをお願いしその結果をまとめています。不動産事業者や物件オーナーの立場から感じる課題が多く挙げられています。 説明は以上になります。委員長にお返しいたします。 ■木下委員長 ありがとうございました。ヒアリング結果とクロス集計結果のポイントをご説明いただきましたが,ご意見ご質問等はございませんか。 ■A委員 ニーズ調査の5ページの「希望する暮らし方」について,知的障害の方の愛の手帳の度数別に数字が載っていますが,思った以上に傾向が出たと感じています。普段就労支援をしていることから,自立に向けた話を利用者さんとはよくしますが,就労されている方のここ最近の傾向としては,自立イコールひとり暮らしというイメージを持たれており,グループホームという選択肢はないと伺っています。グループホームの中にはひとり暮らしに近い形のものも出てきており,就労される方はそういったグループホームに行かれるケースが増えてきています。一口にグループホームと言っても対象とする方のニーズ別によって設置していく必要性があるのではないかと感じています。 ■木下委員長 ありがとうございました。確かにグループホームも多様ですので,マンション型も戸建て型もあり,いろいろなニーズに対応できるグループホームが増えていくといいと思います。A委員の印象としては,グループホームを飛ばしてひとり暮らしを希望される方が多いということですね。 ■A委員 そうです。自立については,例えば特別支援学校を卒業される方々によく質問するのですが,ひとり暮らしを希望される方が多いです。ひとり暮らしとなるとさまざまな生活上のスキルがないと住むのは難しいため,我々としてはグループホームを1つの段階としてご提案しますが,共同生活のイメージが強くプライベートが守られないと嫌だというお答えをよく聞きます。そういう方にはひとり暮らしに近いタイプのものもあるという話をします。そこを目指される方もいますし,そういうグループホームが調布という地域周辺にできてくると提案しやすくなると思います。 ■B委員 アンケートと住まいに関しての協議についてのヒアリングの結果を見ますと,精神障害者の場合でも希望する生活としてひとり暮らしが多いのですが,本人の希望と家族の将来的な希望ということです。一方で,住宅業者さんへの協議の場の活用という形で居住支援協議会のアンケート結果を見ると,精神障害者の場合,疾患があるために入居可能な物件が限られてしまったり家族の協力が必要であったりするようです。ひとり暮らしをしたいという希望がある一方で,高齢の親に対しての協力の必要性は大きく,精神疾患により居住場所が見つけにくいという現状です。希望と課題が相反することが明白なので,ここに関しては具体的な施策を検討する場を是非つくっていただきたいと思います。 ■木下委員長 ありがとうございます。確かにおっしゃるとおり,なかなか物件を借りるところにハードルがあったりしますので,そういったことをクリアできるような施策があるといいと思います。これは調布市だけではなく国全体の問題ですが,ひとり暮らしの場を確保することができるような調布市独自のものができるといいと思います。 ■C委員 住居のことについてですが,発達障害の20代の青年がひとり暮らしをするために引っ越しをしたいということで「住まいぬくもり相談室」に行きました。インターネットではたくさん出てくる程度の条件を提示したところ,1軒しかありませんでした。さらに,その1軒も間取り図が実際とは異なっていたため,結局1軒もないということになりました。相談室ではそれ以上紹介はできないということでしたので,市内の不動産屋さんを一緒に巡ることになり,親切な不動産屋さんを紹介していただいたことで見つけることができました。一般の人が相談支援事業所の方などを連れずに住居を探すのは本当に大変で,不動産屋さんのほうも「調布市こころの健康支援センター」などの支援機関が一緒でないと貸すのに不安があるようです。やはり,何かあったら相談できるところがほしいということのようです。不動産屋さんから大家さんに伝えるときに,発達障害を説明しにくいそうですので,発達障害とは何かということを不動産屋さんに先にお伝えする必要があるようです。このように手を付けなければならないことがたくさんあり,何かいい方法を考えていただきたいと思います。 ■木下委員長 ありがとうございます。本当におっしゃるとおりで大家さんの問題なのです。時間はかかるかもしれませんが,啓発していくことが重要なのではないかと思います。説明する際に他の自治体のものでもいいので具体的な事例を持っていくと,より理解が促進されるのではないでしょうか。不動産屋さんを経営している方で社会福祉士の資格を持っていらっしゃる方が,障害のある方のアパートを見つけてくることが上手だったというケースがありました。雲をつかむような話ではありますが,福祉に精通した人が不動産関係に勤めたり,既に勤めている人にそのような知見を持っていただけたりすると広がっていくのではないでしょうか。即効性はありませんが,少しずつやっていくしかないと思います。 ■D委員 クロス集計の結果で,「医療の困り事」を世田谷区や府中市と比べていますが,調布市では「特にない」が多いため調布市はサービスがいいのでしょうか。何か特徴的なことがあるのでしょうか。 ■木下委員長 サービスがよくて「特にない」のか,つながりにくいとか言いにくいとかでそのような回答となったのかはアンケートからは見えてこないところかもしません。どなたか情報をお持ちではありませんか。 ■事務局 事務局としては,他市町村との明確な違いがあるかと言われると見当がついていません。市のケースワーカーの実感としては,サービスが充実しているから困り事がないということはないのではということです。「特にない」というのは本人が困っていないので丸を付けてはいるけれど,それで問題がないということにはならないと思います。 ■木下委員長 知的障害のある方に対する支援の研究をしているのですが,必ず課題として挙がってくるものの中に医療の問題があります。ですから,これだけ「特にない」が多いことには違和感があります。問題がないと数字で挙がってきているので注視していかないということではなく,これからも「ない理由」を何かしらの情報を得ながら検討していくといいと考えています。 スポーツのことも報告されていましたが,運動について当事者の方からご意見をいただきたいと思います。E委員は普段運動される機会はありますか。どうしたら当事者の方がスポーツに携わりやすくなるでしょうか。 ■E委員 私たちは,国立市の障害者スポーツセンターに通っています。少し遠いと思っていたので,いろいろなジムに行ってみましたが,金額が高く,武蔵野の森スポーツプラザにも行ってみましたが,障害者へのサポートがなくコースを決めてもらえませんでした。今は,どこのジムに行こうか検討しています。 ■木下委員長 運動したいと思っても,ジムが遠かったり金額が高かったり,サポートがなかったりということで,なかなか運動する機会がないということですね。そういった意思があるのになかなかつながらないという声を聞けたと思いますので,考えていかなければならないと思います。 ただ,ヒアリングの中で,入会時に障害の有無を聞いていないというジムが調布市にあるということでしたが,これはいい意味で珍しいことであると思います。障害のある方に特別なサポートをすることはないということなので,そういったことが進んでいくと,より参加しやすくなるのではないでしょうか。 F委員は,スポーツについてどう感じていらっしゃいますか。 ■F委員 支援学校に通っていた人たちは卒業すると運動する場がなくなるとよく言われています。ボッチャのようなサークルに来ることでスポーツができますが,それがなければ何もできません。選択肢がないのでみんなが集まっている所に来るしかなく,本当は自分のやりたいものをやれるのが一番いいと思います。私がボッチャを始めた頃は,車椅子で体育館を走ることはダメだと言われたりしました。ワックスがはがれるからダメという所はいまだにたくさんあり,どれだけ障害を持つ人たちに開放されている施設があるのかわかりません。調査した結果を,障害を持っている人にフィードバックしてもらえたらうれしいです。はなから使えないだろうと思い障害者スポーツセンターに行ったりすることもありますが,施設に行ってみるとわりと寛容的に受け入れてくれることもあるので,開かれた場所がどこにどれだけあるのかということを当事者にも教えていただけるといいと思いました。 ■木下委員長 そういったことであればすぐにでもできそうですね。調布市内にある運動施設の中で,どこがどれだけ障害のある方に開放されているのかという情報を集約し,資料の形にし,当事者やサポートする方々に対して情報として入ることがまず第一歩となります。事務局としてはいつ頃できそうですか。そういった資料はないのですか。 ■事務局 現時点ではありませんが,数年前にバリアフリーマップという市内の商店などのバリアフリー状況をまとめたものがありますので,そのような感じになるかと思われます。障害者スポーツ担当の部署ともお話ししていますので,スポーツ施設だけではなくスポーツ団体についてもまとめることができるのではないかと思います。 ■木下委員長 イベントで味の素スタジアムを使った時は,車椅子バスケットボールの日本代表選手の方たちが来て車椅子をバンバン使っていました。いずれにしても,そのような資料があったらいいと思います。 ■G委員 都立学校は施設開放事業というものをやっており,広く都民に施設を開放しています。夜間や土日,夏休みなどに体育館などの利用についてホームページを通じてご案内し,申し込めるシステムがあります。すべての都立学校がやっていると思います。府中けやきの森学園にもいたのですが,その時に車椅子バスケットボールができるようにラインを引いたかと思います。オリンピックパラリンピック関係で予算が付いたことで,(充実した)都立特別支援学校の資源を活用するようなシステムが市にあるといいと思います。ソフトの部分は一番難しいですが,ハードの部分については手立てがあるのではないかと思います。特別支援学校の高等部で部活動をやっていた方が,卒業するとまとめる所がなくなりできなくなってしまうようです。昔は教員がまとめていたこともあったようですが,今はそういうことが難しい時代に入ってきています。ハード部分の話になってしまいがちですが,ソフトの部分が大切で,大学と連携するとか,社会福祉協議会がそういった取り組みを地域の中につくるとかして,そういう形のものとセットしていくと恒常的にできていくのではないかと思います。 ■木下委員長 貴重な情報をありがとうございました。まずはハードの面に関しては特別支援学校のほうで貸し出しをしてくれるため,これから確保していける可能性があるということです。誰がどういうふうにサポートしていくのかということを同時に問題としていくということですが,こういったことが課題として具体的に挙がってくることにより一歩前進できると思います。ハードに対してどうしようという話からハードに対する情報をいただけたため少し前進したのではないかと思います。市内の利用可能な施設の情報を集約していっていただけるとありがたいと思います。 ■H委員 ヒアリングでスポーツクラブに行かせていただきましたが,18歳の息子が幼児のころからベビースイミングを始めていたため実際に利用していた施設でした。始めた当初,ダウン症や自閉症のお子さんがたくさんいてとても楽しんだ思い出がありました。今回施設でお話を聞き,障害の有無についての区別なく入会ができたのだとわかり,よかったと思いました。 クロス集計の資料の22ページに,世田谷区の運動習慣について,5歳以下と6歳~17歳では運動習慣があるけれども18歳以降には習慣がないというデータが出ています。おそらく調布市でも同じようなことが言えるのではないかと思いますが,調布市の資料は64歳以下という括りであるため,幼児や若い世代の部分がどうなっているのかわかりません。本来であれば運動を進んでやるような年代の時に障害があることでできていないのではないかと残念に思います。障害者スポーツというとパラスポーツという方向に行ってしまいますが,水泳やランニングなどは健常者と同じことを一人でやることができるため,そういったスポーツを幼児の頃から継続していけるように,是非,市でやっていただきたいと思います。 高速道路の下に信号機や横断歩道のある公園がありますが,そこで個人的に障害のある子どもたちが月に1回程度、自転車練習ができるように貸切で利用させていただいております。もともとは補助輪を外して自転車に乗れるようになることを目的にしたサークルですが、交通ルールを学ぶこともできるため大変ありがたく利用させていただいています。しかしそこで借りることのできる自転車は小さいものしかなく,体が140㎝を超えると体にあった貸し自転車なく、ダウン症のお子さんは筋力の問題なのかなかなか補助輪を外すことができず,とても小さな自転車で練習しています。そういった理由もあり成長とともに練習できる場所もなくなってきてしまい,高等部以降になると自転車に乗りたくても乗れないという状況です。一般道路では親が走って付いていかなければならないということになってしまうため,安全に自転車に乗れるような場所があればと思っています。 ■木下委員長 ありがとうございます。確かに高校を卒業した後が特に問題ですね。今,自転車の情報をいただきましたが,そういった情報が点在しているように思います。皆さん自身が使用していたり関わっていたりする情報を出していただき,集約し,資源マップのようなものにしていくのが一歩目としてはよろしいと思います。 それでは,予定の時間が押していますので,次にいってもよろしいでしょうか。次の議題ですが,調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会から意見具申がありましたので,紹介していただき共有したいと思います。それでは事務局のほうからお願いいたします。 【(3)調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会からの意見具申について】 ■事務局 事務局から報告させていただきます。 「調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会」は,平成30年度から精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進するための協議の場という機能を加えて,病院のソーシャルワーカー・作業所・グループホーム・放課後デイサービス・精神の訪問看護・社会福祉協議会の方たちなどの45団体が集い,情報共有や課題を出し合ったりしています。現在はグループ分けをして,「住まいの問題」「社会資源の見える化」「訪問看護ステーションの特色ごとのリストづくり」等を話し合っているネットワークであり,そこから2つの意見が出てきました。 まず,1「地域生活を続けるための社会資源の体制整備が必要です」のところです。 課題としては,「精神障害者の家族のフォローやメンタルサポートをできる支援機関が少ない」「若者支援は既存のサービスに当てはまりにくく,居場所や相談する場が少ない」「就労を希望するが,精神障害者保健福祉手帳がなく障害者雇用の対象にならない等,既存の枠組みの中では働くに至れない方がいる」等が挙げられています。 課題に対する具体的方向性としては,まず「家族支援の充実」として,家族とご本人にはそれぞれの気持ちがあり,家族のほうの支援も充実させていかないと課題は解決していきません。さらに「若者の多様な居場所の充実」として,精神障害者や発達障害者が地域生活を続けるための体制整備が必要であるということで,現在3つのグループで話し合ってはいますが,若者の居場所についてはいろいろなことが絡み合い,ネットワークの中だけでは限界があり,地域で考えていかなければならないといったこと等が挙げられています。 次に,2「切れ目のない支援のために分野を越えた連携が必要です」のところです。 ネットワーク連絡会は,45団体が集まり,子どもから高齢者までさまざまな年齢層を対象とした支援機関によって構成されていますので,年齢層の幅がとても広い方々を支援していきます。そこで,ライフステージによりいろいろな課にまたがったり,いろいろな所と連携しないと支援が難しかったりするケースが増えています。居住支援協議会にネットワーク連絡会の方が行き現状をお話ししたり,不動産屋さんとも連携して情報を共有したりするといった顔の見える関係づくりを行い始めているところです。 課題としては,「ライフステージごとに支援者側で情報を引きつぐことが必要だが難しい状況」として,高齢の人・障害の人というふうにその場だけで支援してもなかなか難しいケースが増えているため,連携するだけではなく,連携する際にライフステージごとの支援間の情報共有も重要であり,それができるようなネットワークが必要ですだということ等が挙げられています。 課題に対する具体的方向性としては,「相互理解を深めるための各分野の連絡会を活用した情報共有や事例検討等の機会づくり」として,各分野の連絡会で,お互いの今困っていることを情報共有できるようにしていかなければなりません。「横のつながりを活かした早期介入やとりこぼさない支援体制づくりとライフステージに合わせた連続性のある支援の提供」として,横のつながりをさらに活かして,訪問看護師どうしの情報を共有することで,空きのある看護師や男性看護師を把握でき,新規の受け入れをスムーズに行うことができると思われます。このような情報の見える化を,訪問看護師だけではなく他にもやっていけたらいいのではないでしょうか。以上のようなこと等が挙げられています。報告は以上になります。 ■木下委員長 ありがとうございました。資料にもあるように「地域生活を続けるための社会資源の体制整備が必要」であることと「切れ目のない支援のために分野を越えた連携が必要」であるという意見をいただいています。この会議でも,障害の種別に関わらずよく出ている内容ですのでとても共感するところではありますが,I委員は当事者としてご自身の経験から思うところなどはございませんか。 ■I委員 意見具申を読めば読むほど,どれも大事であると思ってしまい,どれかを選ぶことはできません。 私自身が身近で体験したこととしては,1ページ目の「家族のフォロー」について感じていることがあります。私自身は当事者ですが,通っているクッキングハウスでは,市民に開かれた学習プログラムが数多くあり,当事者と市民が互いに学び合います。SSTやメンタルヘルス市民講座などをメンバーと市民とで学び合うときに,市民の方も自分の話をして肩の荷を下ろしていかれたり,メンバーの話を聞くことでそういうことがあったのかと気づいてくださり,それではこうやっていこうと思ってくださったりしています。会にいらっしゃるときは表情が硬いのですが,なんとなく顔が穏やかになって帰られることが多く,私たちもいい学びだったと思いほっこりします。ご家族の方が楽になれる場所がもっとたくさんあったらいいと実感しています。 また,2ページ目の「情報の見える化」についてですが,私の家族の話でお恥ずかしいのですが,家族が思春期の頃に小児総合医療センターの精神科の思春期デイケアに通っていたのですが,思春期デイケアは21歳には卒業しなければなりません。しかし,独り立ちするには不安定で,どこかに居場所を見つけなければならないというときに,どのソーシャルワーカーさんも親身になって探してくださり,「ちょうふ若者サポートステーション」と「福祉センター『ここあ』」を見つけていただきました。「ちょうふ若者サポートステーション」はちょっと違うということで「ここあ」に行っていましたが,そこも本人にとっては違うらしくうつらうつらしていました。その後出会ったソーシャルワーカーさんが探してくださったのが「Color(カラー)」でした。どのソーシャルワーカーさんも一生懸命にやってくだったのですが,情報をどなたが見てもわかるようにすることが理想であると感じました。 どの項目もみんな大事ですので是非うまくいってほしいと思います。 ■木下委員長 貴重なご意見をありがとうございました。当事者のお話が聞けるのかと思いましたが,ご家族の話でした。ご本人に支援者の目が行きがちですが,ご家族のフォローは本当に大事ですので,今回の意見具申に入っていることがよかったということですね。 ■A委員 1ページの課題(3)の「就労」について,障害者雇用の対象にならない事があると記載されていますが,障害者雇用事態のハードルが高く設定されていると支援をしていて感じます。具体的方向性の中に「一般就労でもない人が働ける中間的就労の場等,新しい働き方の創設」とありますが,なんとか地域の中でできればいいと思います。今東京都が行っている事業の中に「ソーシャルファーム事業(社会的企業)」があり,これは就職において困難を抱えている方を雇用する企業に都が資金的援助をするというもので,府中市に1か所対象となっている会社があり見学してきましたが,引きこもりをしていた方を雇用していました。障害者雇用の枠ではなく一般的な雇用契約を結び,その方の生活スタイルに合わせた勤務体系を整えて働けるようにしていました。その中でしっかりと役割を担って働かれている方たちもいらっしゃり,そのような働き方がこの地域周辺でもっと広がっていくといいと感じています。まだ多摩地域では府中市と青梅市の2か所くらいしかないようですので,是非このような取り組みは広がっていってほしいと思います。 ■木下委員長 ありがとうございました。JAXAが食堂を一部開放したいということで,コミットしているのが江東区です。障害があり就労にチャレンジしようとしている方たちがその食堂に入って働くということを企画しています。既存の制度の中でやることも重要ですが,せっかくの新しい取り組みですので,皆さんのアイディアも拾っていく中間的な役割をしてきたいと思います。今は無いものをつくっていけたらいいのではないかと感じたので,また情報提供したいと思います。 ■B委員 ネットワーク連絡会は,情報共有が中心であると思っていたので,こういう形で具体的な意見具申をしていただき本当にありがたいです。さらに家族が課題として考えている地域移行が推進された結果,病院から地域に移ったために家族への負担が増えています。その家族に対してのフォローという形で意見具申の中に入れていただいたのは大変ありがたいです。先ほどメンタルサポートの話がありましたが,精神障害者の家族の場合,地域移行の結果生活支援に関する課題が非常に大きくなりました。発症してから当事者を抱えてきた家族の高齢化が問題となっています。今のところこちらの会には,「相談をして聞いてはもらえるが,自分の家族が抱えている課題の具体的な解決にはつながらなくて困っている」という相談が多く寄せられています。家族のフォローという点に関して,具体的な課題の解決およびそれに伴う施策の検討をお願いしたいと思います。ネットワーク連絡会からもこういう課題が出ている以上,より詳細な具体的な施策の検討につなげていただきたいと思います。 ■木下委員長 ありがとうございました。話は聞いてくれるが具体的に課題は解決しないということですが,以前は話も聞いてもらえなかったというところから一歩進んでいるので,是非次に行きたいということですね。 ■J委員 1ページの課題(4)の「小児分野で対応できるヘルパー不足」についてですが,私自身も子どものことでヘルパーの方々に生活を支えていただいたという経緯があります。ヘルパー事業所を見つけていただくことは大変でしたが,ヘルパーさんに入っていただかないと生活が成り立たないという状況でした。しかし自分自身がヘルパーの資格を取りに行ってみると,高齢者に対するプログラムばかりとなっていて,子どものことに対しては一切触れずにヘルパーの資格を取っている方々がほとんどで,「小児分野で対応できるヘルパー不足」は当然です。調布市のほうで人材育成をしていただけると本当にありがたいと思います。ヘルパーさんが子どもにどう接していいのかわからず,身体介助もどのようにしたらいいのかわからないということで,怖いから入れないということを聞きますので,人材育成に力を入れていただきたいです。また,ヘルパーだけではなく,児童が通う放課後等デイサービスには障害に興味を持って入ってくるスタッフは多いのですが,子どもへの接し方が間違ってしまい,怪我や危険なことにつながってしまったりするので,放課後等デイサービスのスタッフ向けにも取り組んでいただけると大変ありがたいと思います。 ■木下委員長 具体的に,例えば放課後等デイサービスの職員に研修会の機会を設けるといったイメージですか。 ■J委員 そうですね。集合研修でもいいので実施していただきたいです。私の働いている施設は重症心身障害児の施設ですので,歩行ができる児童はほとんどいません。自社では車椅子やバギーの乗り降りの際の身体の接触の仕方や,歩行が不安定のお子さんに対してのサポートの仕方といったところから教えていますが,専門のところをやっていただけると助かります。 ■木下委員長 おっしゃる通り,どうやって対応したらいいかわからないと思っている方が少なからずいると考えると,そこの情報のニーズはおそらく大きいのではないかと思います。そういった機会を是非つくっていけるように検討していきたいと思います。 ■K委員 どれも大事な課題であると思いながら皆さんのお話を伺っていました。 1つ忘れてはいけないのが,ハード面だけではなくソフト面です。なり手が少なかったり辞めてしまう人材が増えてきたりしています。せっかくいい仕組みを考えてもそれをやる人がいない状況です。考える人はいるけれどやる人がいないわけです。現場の切実感を持っているヘルパーさんなど最前線で頑張っている方たちの,社会的地位の向上や賃金体系といったところにもメスを入れていかないと,素晴らしい制度があってもやる人がいないという根本的な話になっていますので,そういったことも併せて考えていけるといいと思います。 ■木下委員長 本当にそうですね。高齢者の分野で一番人手が不足していますが,障害3分野のうちでは知的障害の領域の支援のなり手がとても少なくなっています。全国社会福祉協議会が出している人材センターの求人求職動向では,知的障害の領域は2014年から求職者数よりも求人数が多くなっています。全国的に人手不足の状況が深刻で,まずは国が何かしらの対策を打ってくれなければなりません。しかし,調布市の中で何ができるかと足元から考えていく必要もあると思います。一番は賃金の問題だと思いますが,社会的地位のことも含めずっと問題ではあります。すぐには改善できなかったとしても,認識しておいて何とかできないかと常々考えていく必要があると思います。コロナによりヘルパーをやっていただくこと自体を自粛してしまったりして,さらに人手が足りなくなったりしているのでしょうか。 それでは,意見具申についてのご意見ご感想はいったんここで終了させていただき,10分間の休憩を入れさせていただきたいと思います。開始は19時54分くらいとなります。 〈休 憩〉 ■木下委員長 それでは再開させていただきます。たくさんのご意見をいただき,予定の時間をまあまあ超過しています。残りの議案は2つあり,「障害者総合支援法等の一部改正について」のポイントを事務局からの説明を受けてそれを共有するということと,「『中間報告書』(案)について」のご意見を伺いたいと思います。事務局と検討し,「障害者総合支援法等の一部改正について」もご意見をいただく時間を取りたいと思っていたのですが,どちらかというとこの委員会としては「『中間報告書』(案)について」のご意見やご感想をいただくことを中心にしたいので,両方とも説明はしていただきますが,議論は主に「『中間報告書』(案)について」にしていただきたいと思います。 それでは,事務局から説明をお願いいたします。 【(4)障害者総合支援法等の一部改正について】 ■事務局 それでは,事務局よりご説明させていただきます。 資料の4をご用意いただけますでしょうか。ここまで,ニーズ調査やヒアリング等を通じて,障害のある方の地域生活におけるニーズ・課題について整理を進めてきているところですが,その一方で,国としては今後どのような取り組みや制度改正が進められていくのかということを整理しておきたいという趣旨で,今回,昨年末の臨時国会で成立しました「障害者総合支援法等の改正について」というテーマで事務局よりご説明させていただきます。 資料4は厚生労働省がまとめているものを使用させていただいております。この改正は,令和4年の臨時国会に法案が提出され,12月に成立し既に公布されていますが,多くの改正内容については,令和6年4月1日に施行され,この委員会で検討している次期「調布市障害者総合計画」の計画期間と同時に始まることとなっております。 では,実際にどのような改正内容があるのかという概要が,2ページ目に主に6点あります。この改正は,「障害者総合支援法」だけでなく「精神保健福祉法」「障害者雇用促進法」「難病法」「児童福祉法」など複数の法律を一括で改正するもので,いくつか抜粋してご説明いたします。 1.障害者等の地域生活の支援体制の充実 ①共同生活援助(グループホーム)の支援として,一人暮らし等を希望する者への支援を行うことを明確化するというものです。入所施設からグループホームへという地域移行の流れに加え,さらにその先のグループホームからアパート等での生活への移行についても,今後は力を入れていきましょうというものです。 2.障害者の多様な就労ニーズに対する支援及び障害者雇用の質の向上の推進 ①障害者の就労ニーズの把握や能力・適性の評価を行う新たなサービス「就労選択支援」を,新たに「障害者総合支援法」で創設しようというものです。 ②「障害者雇用促進法」において,企業が障害者雇用の雇用率にカウントできる障害者を,これまで週20時間以上が条件だったものを週10時間以上に拡大するものです。 3.精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備 「精神保健福祉法」の改正で,本人以外の同意による医療保護入院について,家族による意思表示がない場合でも市町村長の同意による入院を可能とすること,都道府県が精神科に入院中の患者を訪問する事業を行うこと,精神科病院での虐待防止の推進などが規定されています。 4.難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する適切な医療の充実及び療養生活支援の強化 難病患者に障害者手帳のような「登録者証」を発行して福祉サービスや就労支援につながりやすくすることが定められています。 5.障害福祉サービス等,指定難病及び小児慢性特定疾病についてのデータベース(DB)に関する規定の整備 難病や障害福祉サービス等のデータベースを全国的に整備し,今後の施策に活用していくことなどが定められています。 6.その他 次のページ以降は,今説明した内容をもう少し詳細にまとめたものです。 続きまして「中間報告書」(案)について事務局より説明させていただきます。 【(5)「中間報告書」(案)について】 ■事務局 それでは,今年度の本委員会の取りまとめとなる資料5「中間報告書(案)」についてご説明させていただきます。今年度,昨年7月から今回まで,合計4回にわたり計画策定委員会を開催し,皆さんから多くのご意見をいただき,各種調査を行う等,検討を進めてまいりました。そこで,今年度の検討の取りまとめとして,資料5のとおり中間報告書を作成いたしました。現時点で全部で100ページを少し超えるほどになっており,すべて最初から見ていくことは時間の都合でできませんが,ポイントについてのみお伝えさせていただきます。 2ページの目次をご覧ください。全体の構成については,既に前回の委員会で提示させていただいたものから変更はありません。第1章「計画策定の趣旨」,第2章「令和4年度の検討状況」,そして第3章「次期計画における課題の整理」が本報告書のメインとなります。第4章「次年度の検討へ向けて」では,先ほどの議事で取り上げました障害者総合支援法等の一部改正等の内容を整理しています。時間の都合もございますので,ここでは17ページからの第3章「次期計画における課題の整理」の部分について若干説明させていただきます。 19ページにお進みください。1の「(1)相談支援」の「現行計画における基本的方向性」は,現行計画の文章をそのまま持ってきています。「今の計画ではこういうことが書いてあります」というものです。20ページには現行計画に記載している各事業を記載しています。 20ページの下の部分からが,「現行計画期間の主な取組・進捗状況」として,市としてこのようなことに取り組んできているということをまとめたものです。21ページの下の部分に,「参考指標」として主な事業等の実績数値を抜粋して記載しています。 22ページからが今回のメインで大事なところになります。「今後の課題」として,1つ目の現行計画の方向性や2つ目の進捗状況を踏まえ,今年度の検討で見えてきた課題や,今調布市にある課題のうちで次期計画において取り組む必要がある課題をまとめております。細い四角で囲っておりますところは,「障害特性に応じた専門相談の充実」とタイトルをつけ,その下に「一人ひとりの特性やニーズに応じた,どのライフステージにも対応した・・・」と具体的内容が書いてあります。さらにその下に小さな文字で(参考)とあるところは,具体的にこれまでの検討経過での意見や調査結果などとして,委員会での皆さんのご発言や各種調査などから出てきた結果,自立支援協議会等からの意見具申などの内容があります。ご意見のポイントをまとめると,ぼやっとした抽象的な表現になってしまいがちなところがありますので,課題を抽出したもともとを見失わないように,このような課題を挙げた背景にはこのような意見や調査結果などがあったという意味で列記しております。(参考)にある内容を材料として,「障害特性に応じた専門相談の充実」というタイトルとそれに続く本文を「今後の課題」として事務局で整理したとお考えください。 このような形で,「現行計画における基本的方向性」「現行計画期間の主な取組・進捗状況」「今後の課題」の3部構成で各分野についてまとめております。「(2)健康づくり・医療的な支援」以下も同様の構成となっています。 ここに挙げた課題以外のものについては,考慮しないとか今後の検討では取り扱わないという訳ではもちろんございません。まずは,重点的に取り組む課題として整理したものとお考えいただきたいと思います。 また,本日,当日配布資料として配布しました「概要版」と「わかりやすい版」についても若干説明させていただきます。当日配布資料2,3をご用意ください。 当日配布資料2の「概要版」は,中間報告書の内容を16ページにまとめたものです。主に本編の第3章のうち「今後の課題」部分を抜粋して記載しております。こちらは,これまでも計画策定の都度,毎回調布市で作成しているものです。 当日配布資料3の「わかりやすい版」は,調布市障害者総合計画で作成するのは今回が初めてとなります。平易な文章や表現を使って,知的障害のある方などを含めた幅広い方に内容をご理解いただけるように,文字もなるべく大きくし,簡単な言葉を使い,イラストなども多めに入れております。 以上,「中間報告書」(案)について説明させていただきました。冊子についても皆さんからご意見をいただきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。委員長にお返しいたします。 ■L委員 「わかりやすい版」はとてもいいです。これからはこういったものをつくっていただきたいと思います。難しい言葉で書いてもわかりにくいです。わかりやすいのが一番です。 ■木下委員長 これは,打ち合わせの時に作ってみていただけないかと申し上げたら,すぐに事務局が動いてくださったのです。「わかりやすい版」は海外では「Easy Read版」と言います。初めての試みでL委員から大絶賛していただきましたが,本当に大きな一歩だと思います。せっかく当事者の方たちがいらっしゃっていますので,読んでわかりやすいかどうかご意見をいただけるとありがたいと思います。障害のある方や高齢者,外国人の方にもわかるものになっていくといいと思います。 できれば中間報告書にご意見いただきたいのですが,障害者総合支援法等の改正についてでもかまいません。中間報告書が3種類あるのがいいですね。しっかり読みたい方は100ページを超えるものもあり,要点をまとめた概要版もあります。今日初めて目を通される方はこの場でご意見を出されるのは難しいと思われますので,後日お気づきのことがありましたら事務局までお知らせください。 ■L委員 57歳で病気に倒れて右半身が不自由になり,社会福祉協議会に通うようになったことがきっかけで今日に至ります。ですから健常者の経験も障害者の経験もあり,さらには高齢者でもあるわけで,私はこの場にはぴったりです。こういう会合が発展してほしいと思います。抽象的なことよりも具体的にと身近な地域でも声掛けをしています。耳が遠いため声が大きくなり,威張っているように誤解されてしまいますが,よくしゃべることが大事で,またよく聞かなくてはなりません。そして悩みを共有し寄り添うことが重要です。一見して障害がわかる場合はいいですが,目立たない障害も多く,聞かなければわかりません。自分のほうから進んでしゃべって垣根を取り払い,いい施策をどんどん調布市でやってもらいたいと思います。 ■木下委員長 ありがとうございます。大事なことだと思います。やはり相手のことを知らないと差別や偏見につながっていきます。実際にコミュニケーションをとってみると差別や偏見がなくなっていくという調査結果が出ていますので,できるだけコミュニケーションを図っていくことが重要だと思います。当事者の立場から貴重なご意見をありがとうございました。 ■B委員 中間報告の概要版についてですが,前回の平成30年~令和5年版と比べて何が追加され何が変わったのかという点があったほうが,時代的に変わったのか,以前はなかったけれど必要なものが出てきたのかということがわかりやすいので,こういった形での説明の追加をお願いします。 ■事務局 ご指摘のように6年前にも中間報告書をまとめており,現行そのまま利用している課題もあります。前進はあったがまだ解決はしていないということも含め,今回も同じものを課題として挙げているものもありますし,デジタル化や医療的ケアの分野については記載が増えています。比較表は今持ち合わせていませんが,次回以降の委員会で提示するか,中間報告書の中に何らかの形で追加することも考えていきたいと思います。 ■F委員 62ページに工賃のことなどが記載されています。私は重度障害者で,現在,重度訪問介護を利用して生活しているのですが,これは就労していると使えません。市町村単位の地域生活支援事業の中で使ってもいいということになっていますが,調布市では使えません。やってもいいというものはなるべくやってほしいと思います。重度身体障害でほとんどの生活に介助が必要でも就労したいという意欲がある人もいますが,サービスが使えなくなってしまうので就労しないということもあるため,逆にサービスが使えるようになると働くという選択肢もできると思います。能力があっても就労すると生活基盤がなくなってしまうために諦めている人もいるため,サービスが受けられるようになるといいと思いました。 79ページのバリアフリーについてですが,ハード面やソフト面について記載されていますが,標識の部分でピクトグラムをもっと入れてほしいという意見が仲間内でありました。「現行計画事業」の中の「調布市公共サイン整備方針の策定」の中に入るのではないかと思います。障害を持っている方たちにわかりやすいということは,どなたにもわかりやすいということであるため,調布市は味の素スタジアムなどの大きな施設があり外国人の方もいらっしゃるので,そういった意味でもわかりやすい標識があるといいと思いました。 ■木下委員長 貴重なご意見をありがとうございました。重度訪問介護が就労のときに使えないのは制度の欠陥ですよね。問題を可視化することが重要であると思います。 標識については,どういうものがあるべきであるかは小委員会を立ち上げて話し合うといいですね。すぐにはできないかもしれませんが,課題として重要であると思います。 ■C委員 55ページに「特別支援教育・インクルーシブ教育の推進」の課題が10項目挙げられており,そのうちの7項目が医療的ケアに関する内容です。医療的ケア児が通常学校に入れるようになり,理解も進めていかなければならず,それについての課題が多いこともわかりますが,全体の中で70%が医療的ケアの課題であるということはバランスが悪いような気がします。医療的ケア児以外の人が困っておらず課題はないのかというとそういうわけではありません。この委員会は,教育分野で参加されているのは特別支援学校のG先生だけで,市立学校の先生などはいらっしゃいませんが,本来であれば市の教育委員会にヒアリングすべきではないかと思います。また,報告書に掲載するものがヒアリングの結果や委員の意見だけでは偏りが出てしまうのではないかと思います。 ■M委員 24ページの健康診断については,障害をお持ちの方の健康診断がうまく進んでいないという現状があり,それをどうするかということについてはもう少し具体的なことを考えていかなければならないと思います。知的の方も精神の方も,医療機関にとっては受け入れにくいポイントがいくつかあります。そういったことを行政がどのようにバックアップしていくかが大事で,今のところは医療機関任せになっているため全然進んでいきません。しかし,障害を持った方たちの健診や予防はとても大事ですので是非力を入れていただきたいと思います。 また,相談支援専門員がまだまだ不足しています。 「在宅医療相談室との連携」という文言が何か所も出てきますが,実際には在宅医療相談室は在宅医療・介護連携推進事業の枠組みの中の拠点で,どちらかというと高齢者の話に終始しています。在宅医療推進会議には,障害者支援の方は参加しておらず高齢者支援の方のみの参加です。在宅医療相談室を障害の在宅医療の拠点として考えているのであれば,障害の担当部署の方にも入っていただいて議論しなければならないと思います。地域包括ケアシステムということで,縦割りの解消と健診事業についての踏み込んだ対策を是非お願いしたいと思います。 ■木下委員長 ありがとうございました。予防などは重要なところです。縦割りも解消して協働・連携していく時代ですし,高齢者だけはなく,障害の中にも高齢化の問題は出てきていますので,ご提案いただいたように混合した委員会などが広げていくような検討をしていただきたいと思います。 ■I委員 夢みたいな話ですが,「わかりやすい版」は本当にわかりやすくやさしいのですが,子どもがわかるようなものはできないでしょうか。精神障害は18歳くらいから発症する率が高く,人生の途中からなるのです。私のよく行っている所はレストランがあり,0歳から幼稚園児くらいのお子さんがたくさんいらっしゃるし,「空と大地と」や「カフェ大好き」「ほっとれーる」など,市民の人が障害者と触れ合う所はありますが,障害者がいるのが当たり前であることは小さい頃からわかっていると垣根がなくなると思います。私の子どもは私を見てわかっているし,私も親が身体障害者でした。小さい頃から知っているのと知らないのとでは全然違うと思いますので,中間報告書についてもお子さんに向けたものができたらいいと思いつつ,そうなると学校の先生が忙しくなるのではないかと思いました。 ■木下委員長 おっしゃる通りなのですが,難しいのが,子どもに向けたものをつくればみんなにとってもわかりやすいということで子ども向けのものを大人に転用したら,当事者の方が手に取り,子どもっぽい表現に対しクレームが出たということが過去にあったそうです。「子ども版」というものがこの先できるといいですね。しかしこの一歩は大きいと思いますので,「わかりやすい版」の次は「子ども版」で,さらには小さい頃から自分の持っている権利を知っておくことはとても重要だと思いますので,小学校の授業で扱われるようになればいいと思います。 ■N委員 今年度の自立支援協議会の障害理解ワーキングが一昨日最終日を迎えましたが,そこでも普及啓発や理解促進について議論されました。既に調布市では市民活動支援センターの小島町コーナーにおいて,障害者の方が出前講座で学校を回っています。実際に出前講座に行っている方の意見では,教育現場の学校の先生がこういうことをもっと知っていたほうが子どもたちにも伝わるのではないかということでした。また,時間が余ったので呼んだ学校もあったり,よく呼ばれる学校と全然呼ばれない学校もあったりするそうです。難しいとは思いますが,教育委員会との連携があると,長い目で見て「パラハートちょうふ~つなげよう,ひろげよう,共に生きるまち~」の実現が早まるのではないかと感じ,このようなことが計画書に載ったらいいと思いました。 ■木下委員長 ありがとうございました。教育委員会というのは面白いですね。今,先生は大変忙しいので,例えばスクールソーシャルワーカーの方たちがポイントで授業をするなどしたらいいのではないかと思います。やり方はいくらでもあると思いますが,まずは子どもたちが障害のある方たちの権利を知り,そういった方たちをもっと身近に感じるようなことが教育の中に入ってくるべきだと思います。おそらく多くの福祉関係者も感じているところですので,是非調布市で実現していければいいと思いました。 それではちょうど時間となりましたので,あとお一人,D委員のご発言で終わりにさせていただきたいと思います。 ■D委員 健康づくりと医療的支援についての記載がたくさんあり感謝しています。気になるところで,精神障害の方はニコチン依存度が高いイメージがあるのですが,喫煙・受動喫煙の問題についての記述がありません。その辺の対策はどのようにお考えでしょうか。 ■事務局 確かに精神障害のある方は,具体的にデータが手元にあるわけではありませんが喫煙率が結構高いと認識しています。市では「受動喫煙防止条例」をつくって公共施設では原則禁煙としていますが,精神障害のある方たちが結構相談に通所する「こころの健康支援センター」では例外的に屋外に喫煙所を設けてあります。もちろん条例にのっとって設置してはいますが,一切吸えないとなると,そのせいで来なくなってしまう人がいるのが心配であるということで,支援員とも話し合った結果そういう対応を取っています。それに対してどうしていくかというとこれといった対策は今のところありませんが,そういうことがあるとは感じています。 ■K委員 データはないのですが,精神科医の先生から,喫煙をすることで薬の副作用の反応が鈍くなるというデータを取った先生がいるとお聞きしたことがあり,そういう効果もあるようです。また,スポーツなどいろんなことが制約されるので楽しみの一部にもなっているようです。しかし,高齢になると喫煙で肺がぼろぼろになる問題も顕著になっているため,医療的措置ができるグループホームがあると,精神障害の方はもっと地域で暮らせるのではないかという話がありました。 ■木下委員長 これは難しい問題ですね。健康によくないから無理やりやめなさいというのも違う感じもしますし,放っておくと肺がぼろぼろになって病気になる確率が高まるということで,調布市だけではなくおそらく業界全体の問題だと思います。ハームリダクション的な対応がまずは第一歩としてあるのかなと思います。ハームリダクションは薬物依存などに取り入れられている手法で,薬を無理やりやめるのではなく徐々にやめていくことを目標にしながら,薬による二次被害をまずは防いでいこうという考え方で,結構西洋で取り入れられています。 それでは時間が過ぎてしまいましたので,ご意見がある方は事務局のほうにお寄せいただきたいと思います。あくまでも,今回は中間報告で,本番はこれから1年かけてつくっていきますので皆さんよろしくお願いいたします。それでは,事務局にお返しします。 3.連絡事項 ■事務局 委員の皆さん,本日はありがとうございました。それでは,閉会の前に,事務局から連絡事項をお伝えさせていただきます。資料の「連絡事項」をご覧ください。 本日をもちまして,昨年7月の第1回より開催してまいりましたこの「調布市障害者総合計画策定委員会」は令和4年度の開催がいったん終了となります。限られた時間の中,活発なご議論とさまざまな意見を委員の皆さんからいただき,誠にありがとうございます。本日も時間の都合で十分にご発言いただけなかったご意見で,特に中間報告書の内容についてこれだけは言っておきたいことなどがありましたら,直接メールやFAX・電話等何でもかまいませんので,1週間後の3月16日(木)までに事務局へお寄せください。 今後は,本日の委員会の内容も踏まえ,追加や修正できる内容はできるだけ反映し,最終的な中間報告書の内容を確定し,4月以降に公表する予定となっております。その際,本日の議論を踏まえた報告書の修正等の最終調整について,委員会で皆さんに再度ご確認いただくという手続きが取れませんので,最終調整については,委員の皆さんより木下委員長に一任をいただくという形を取らせていただきたいと考えております。ご了承いただけますでしょうか。 (異議なし) ありがとうございます。それでは今後事務局と委員長で内容の調整を行わせていただきます。次回の委員会は,年度が明けまして5月25日に,会場は調布駅前の調布市総合福祉センターの開催を予定しております。また,配布した連絡事項の裏面に,少し回数が多くなりますが,次年度の合計8回の委員会の暫定のスケジュールを記載しておりますので,併せてご確認ください。 4.閉 会 ■事務局 以上をもちまして,第4回調布市障害者総合計画策定委員会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。