令和4年度 第1回 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会 議事録 要旨 日  時 場  所 令和4年10月20日(木) 11時45分~12時45分 各施設 出 席 者 1 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会委員15名 2 事務局(福祉健康部子ども発達センター) 議事次第 1 センター長あいさつ 2 変更のあった委員の紹介 3 議題 (1) 連絡会設置の目的及び調布市における医療的ケア児の状況 (2) 令和3年度連絡会での検討内容について (3) 令和4年度連絡会実務者会の報告について (4) リーフレットを用いた連携について 4 その他 【配付物】 資料1 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会設置要綱 資料2 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会委員名簿 資料3 調布市における医療的ケア児及びその家族に対する支援の課題 資料4 課題解決に向けて 資料5 医療的ケア児とその家族にむけたリーフレット(案) 資料6 リーフレットを使った連携や支援の流れ(案) 議事録 1 センター長あいさつ(省略) 2 委員の紹介(省略) 3 議題 (1)連絡会設置の目的及び調布市における医療的ケア児の状況 〈 事務局 〉  資料1,調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会設置要綱にあるように本連絡会の設置目的は,医療的ケア児の現状の把握や分析,支援に係る関係機関相互の課題や情報の共有,支援に係る連携の強化に関することとなっている。  調布市における医療的ケア児の状況は,令和4年9月7日の時点で把握できている18歳未満は32名。年齢は,未就学児18名,小学生11名,中学生3名。未就学児の方の1名は保育園利用。0歳や1歳を過ぎると多くは児童発達支援を利用している。また,小中学生は,1名が調布特別支援学校,そのほかの方は府中けやきの森学園に通学している状況。 (2) 令和3年度連絡会での検討内容について 〈 事務局 〉  医療的ケア児と家族を支援しているなかで,各関係機関が感じている課題を共有した。課題を大きく3点に分類。1点目は窓口が一本化されていないことによる保護者の負担が大きいこと。2点目は,関係機関が連携をより密にしていく必要があること。3点目は,体制整備に関することであった。その他,医療的ケア児のきょうだいへのサポートの充実や家庭内外へのサポートの必要性など,家族の負担軽減につながることを検討していくことが大切であることを共有した。これらの課題を基に,庁内委員による実務者会を設け,課題に関して,まず何をすべきかを検討した。  実務者会では,課題の中でも,相談窓口が複数に分かれている課題と,連携に関する課題について着目した。調布市では,医療的ケア児と家族に特化した相談先のサービスに関する情報を取りまとめたものがなく,保護者自身が,情報がどこにあるかを探して相談しなくてはいけない場合がある。また,子どもの成長に合わせて相談先やサービスが変わっていくため,新たな相談先に相談をする場合に,これまでの経過を保護者の方自身で伝えなくてはいけないという場面も多くある。これらの煩雑さや保護者の負担を軽減するために,医療機関や相談先などの関係機関が一目で分かるようなリーフレットを作成すること,また,リーフレットを使用してどのような連携体制が構築できるかを検討した。  第2回の連絡会では,実務者会の報告を基に,相談窓口の明確化や庁内委員の連携の充実などを図るための方法の1つとして,リーフレットの作成を提案し,具体的な内容については,庁内委員を中心に素案を考えることになった。 (3) 令和4年度連絡会実務者会の報告について 〈 委員(障害福祉課) 〉  令和4年6月9日に庁内の委員による実務者会を実施し,リーフレットの具体的な内容と情報共有をどのような体制で行っていくかということについて検討した。  リーフレットの内容は,児の成長に合わせた相談窓口の明確化,調布市は医療的ケア児とその家族をチームで支えていくということを医療的ケア児の家族や医療機関等の関係機関に周知していくこと,多方面からの支援や,成長や症状,状況に応じて迅速に支援をするために必要な情報の共有に関することの同意をどのようにしていくか等,検討した。  関係機関や庁内部署がスムーズな連携を図るために,このリーフレットをどのように使用していくのか。庁内部署において支援に必要な情報を,個人情報に留意しながらどのように共有し,連携を図っていくか等についても検討した。このほか,医療的ケアコーディネーターから,6月時点での医ケア児の状況を共有し,各部署から相談状況の報告を行った。 (4) リーフレットを用いた連携について 〈 事務局 〉  リーフレットはA4サイズの横二つ折りで,裏表を使用して印刷をする予定。表面は,調布市では,チームで医療的ケア児と家族を支援するということや,よりスムーズな連携のために,庁内チーム内で医療的ケア児の状況等を共有することを記載。情報共有への同意サイン欄及び担当者サイン欄を設けている。医療的ケア児の年齢や状況,家族によって必要なサービスの相違や変化を生じるため,当初に全ての担当部署や担当者を記入するわけではないが,必要に応じて追記をお願いしたい。  リーフレットの内側は,このリーフレットで全ての事業を詳細に周知するものではないが,見開きで児の年齢によって利用できるサービスが一目で分かるようにした。少し先までのサービスが分かるようにし,事業名や相談窓口を明記した。また,事業別や担当部署別ではなく,児や家族のニーズに沿った項目でサービスを表記した。以上がリーフレットに関する説明。  次にリーフレットを使った連携や支援の流れについて。今回リーフレットを作成した目的は,リーフレット作成のみが目的ではなく,リーフレットを使って,関係機関や庁内部署とスムーズに連携が図れるようになること,チームで支援をすることである。したがって,どのようにこのリーフレットを活用していくかが重要なポイントになる。  リーフレットの配架場所は,医療的ケア児や家族と出会う機会のある医療機関や訪問看護ステーション,福祉機関,学校,保健所,庁内関係部署を考えている。リーフレットを渡す際,「調布市はチームで支援をしていく」ということを説明し,コーディネーターや市の関連部署に相談することを勧めていただきたい。また,保護者の方の了承を得ることができたら,コーディネーターにその旨,連絡をお願いしたいと考えている。  次に,医療的ケア児と家族に最初に出会った庁内チームの部署が,チームで情報を共有しつつ連携することを伝え,情報の共有について同意を得,保護者と市の両者で保管したい。署名いただいたリーフレットは障害福祉課で保管するとともに,コーディネーターや,その時点でより強い連携を持ったほうがよい庁内部署と情報の共有を図っていく。また,実際のやり取り以外に庁内チームメンバーがそれぞれ得た情報やニーズ,支援内容を,情報共有シート(仮)というものを作って,それぞれが記入し,一元的に情報を管理したいと考えている。大事な個人情報になるため,誰でもオープンに見られるわけではなく,セキュリティには万全を期する予定である。  さらに,いつでも最新の情報が分かるだけでは連携とは言えない。情報共有のツールを構築した上で,年4回程度庁内メンバーで医療的ケア児の状況の情報交換や共有を図り,現在のニーズやこれから対応すべき支援内容などについて共有,検討を図っていきたい。  これまでの連携は,家族が中心となって,各部署や関係機関に相談をして,支援を得たり,連携をしていた。これからは,庁内チームの連携が整うことで,コーディネーターや庁内チームのメンバーが相談や支援の入口となり,家族が1か所の窓口に相談することで,児や家族の状況に応じた支援が受けられるとともに,庁内部署や関係部署が連携して支援をしていくというイメージを考えている。  情報共有に同意しない方には,今までどおり,その都度,関係部署や関係機関と連絡を図りながら進めていくことには変わりがない。  なお,同意いただいた方が医療的ケアが必要なくなった場合には情報共有を終了し,シートからも外すが,支援の輪,連携しての支援については必要に応じて継続をしていく。 〈 会長 〉  リーフレット(案)や情報共有,連携について御意見を頂戴したい。まずはリーフレット(案)に関して,どなたか御意見いかがか。 〈 委員(当事者団体) 〉  リーフレットの表のところで,様々な支援のことが書いてはあるが,やはり医療的ケアとなっているので,医療のことをもうちょっと入れてほしい。なかなか外出ができないので,いざ,整形外科や歯科に行きたいときに困ってしまう。表に書いてあるのであればそれをどこに相談するかというところも,明記してあれば安心かなと思う。 〈 委員(保健関係機関) 〉  調布担当の保健師5人に意見を聞いたところ,今のこのリーフレットは,割と市の情報ということで限定されているので,それを保健所の職員が説明して,署名をもらうというのはちょっと違和感がある。その後,この資料を医ケアコーディネーターに送るということにも煩雑さを感じる。現在は,その都度必要なところに,お母さんに許可を取りながら関係者に連絡しており特に不都合がない。ただ,この一覧表みたいな中の絵はすごく見やすいので,情報提供ということで,家族に,これが調布市の事業だと紹介できるのは良い。チームと聞くと主治医や,訪問看護師,ヘルパー等もっといろんなメンバーがチームのメンバーに入るのではないか 〈 事務局 〉  事務局より,説明が足りず,申し訳ない。同意に関しては関係機関の方にお願いするのではなく,役所に来たときのファーストコンタクトを取った部署がチームで支援することの同意を得るということを考えている。関係機関の各所ではこのリーフレットを渡して,リーフレットにあるように調布はチームで支えるということを伝えていただくことと,コーディネーターにリーフレットを渡したことを連絡していただきたい。家族の方のニーズに合わせて,担当部署に連絡をとることは今までどおり御協力いただきたいと考えている。  先ほどの連携に関して,リーフレットに庁内のメンバーの連携を示しているのは,現在庁内のメンバーがばらばらに動いていることも課題であるため,まず連携の手始めとして庁内チームを1つにまとめることを考えた。そこが機能し始めたあとに,さらに効果的に他機関と連携をする方法を順次考えていきたい。御意見ありがたい。 〈 委員(当事者団体) 〉  支援会議を庁内の部署,様々なところで年4回会議があり,情報共有をすると思うが,急に医療的ケアが重くなったりすることもあり,その大きな変化があったときには,そこに家族も一緒に入るということは,より連携を深められるのではないかなと思う。何かその支援会議みたいなものがあるといいのかなと思う。それを望まないこともあるかもしれないが,より情報を,お母さんの気持ちを直接聞く機会というようなことも含めて,機会を設けられると良いと思った。 〈 委員(障害福祉関係機関) 〉  このリーフレットを使った流れに関してもちょっとよく分からない。各機関において,そこで相談があったらコーディネーターにつなげるということになるのか。そうすると,コーディネーターはいろんな知識が必要で,それをまた調整役ということになるのか。現場の人が関わらない会議というのには疑問を感じる。  当事業所は,対象地域が広いので,今,訪問看護では,調布市も含めて,狛江,府中,三鷹,武蔵野まで回っている。各市の取組方はそれぞれなので,すごく勉強になっている状況。家族を含め,実際携わっている方の意見をもうちょっと取り入れるような会議や連絡会を密にすることが望ましいと思うがいかがか。 〈 事務局 〉  家族を交え,実際支援をされている関係機関との支援会議は別に設けていくことを考えている。この年4回の庁内の連絡会というのは突発的なことではなくて,定例的に実施し,まず,庁内メンバーが市内にどのような医療的ケア児がいて,今ある課題やこれから生じる課題について考え共有することをしていきたいと考えている。 〈 会長 〉  では次に,情報共有や連携体制についての御意見をいただきたい。 〈 委員(障害福祉関係機関) 〉  情報共有化というのは,1人の子どもに関しての関係者の情報共有化ではなくて,全体の委員会の中での情報共有ということなのか。課題に向けての情報共有なのか。 〈 事務局 〉  1人のお子さんの1つの課題を話し合う場というよりは,調布市にいる医療的ケア児の今の現状や,就学を控えた児の状況などを把握し,次の機関が準備をするために必要な時間が認識できるようになることを考えている。全体の状況の共有を図る場として年4回程度を考えている。そのほか一つ一つの細かな支援や,ケアなど,どの担当者が何をするのかについては今までどおりの支援会議のような場で対応していきたいと考えている。 〈 委員(障害福祉関係機関) 〉  現在,当事業所では,病院から,出生後2か月,3か月ぐらいから依頼がある。その子たちが保育園へ行く場合は,コーディネーターの方が入ってないので,リーフレットを使ってその方にお話しして,コーディネーターに持ちかけるということになるのか。どのような動きを私たちはすればいいのかと感じている。 〈 事務局 〉  具体的にはコーディネーターを中心とした庁内メンバーのところに持っていってほしい。その後,庁内メンバーが共有をして,各課ではどういうことができる,どういう支援が必要かといった支援体制を考えていきたいと思う。 乳児の方は障害福祉課につながる前に,いろんな問題から他機関と繋がっていることや,児と家族が孤立しがちなことも理解している。この庁内メンバーが有効にうまく活動,行動,連携ができるようになれば,もう少し関係機関の方も御家族にもどこに相談したらいいかというのが明確になっていくのかもしれない。 〈 委員(障害福祉関係機関) 〉  もう少し確認を取りたいのだが,今,調布市で0歳のお子様のところに何人か行っている。傾向として,在宅レスパイトだけでなく,本当に皆様,仕事をしながら出産して,産休育休を取っているような状況で,医療的ケア児が保育園に行けるのか,この後どうするのだろうということで困っている声を聴く。しかし,先ほどの報告では保育園児は1人。もっとニーズがあるのかもしれない。保育課に行ってないのかもしれないと思った。何かもう少し,私たちが情報を発信しなければいけないということになるのか。保育園に行きたい医療的ケア児の状況が把握できてないような気がしている。 〈 事務局 〉  おそらく,赤ちゃん訪問などで,最初にコンタクトをとるのが障害福祉課や健康推進課になると思うのだが,その辺りの状況を共有していかなくてはいけないと思う。 〈 委員(障害福祉関係機関) 〉  このチームの中に入ってない,情報が入ってないということになるのか。では,もっと発信しなければいけないということか。 〈 事務局 〉  発信と併せて,私どもがしっかり受け止めて,課題として捉えていく必要があると感じた。 〈 委員(教育関係機関) 〉  今まで子育て中の方,特に0歳児のお母さんたちは自力で各サービスを探されている。改めて,このように市で情報を集約しながら整理していくという段階に今あるのかなと思う。これが新たに0歳のお子さんたちに紹介していくこと,あとはまだ情報をつかみ切ってない人に情報が行くことがまずは望ましいと思っている。連携をして市が全体像をつかんでいることでの安心感というのがこれからは必要になってくるのではないか。 〈 委員(健康推進課) 〉  今後,保育園に行けるのか,行きたいなという希望をいただきながら,関係部署に相談して進めていくこともある。このリーフレットを使うことで今までやっていることががらりと変わるわけではなく,このリーフレットを使うことで支援が見える化になればいいと私自身は思っている。また,定期的に関係部署が集まることで,例えば今,保育園の課題があって相談中の場合,数年後は小学校等の課題につなぐことができる。支援の中心は児と家族であるから,必要なことは児や家族も交えての検討はまた別途必要かと思うし,あるべきだと思う。それは今までどおりだと思っている。 〈 委員(障害福祉関係機関) 〉  連携のところで先ほどお話があったが,割と個別性というよりかは方向性,全体のところを連携,庁内委員でやっていくというところ。日々現場で動いている中では,個別の連携というところもすごく課題に上がってくるので,それぞれの機関が計画を持って支援をしているが,そこの連携がなかなかされていないというところが1つ課題としてあると感じる。この年4回の全体の連携の中で個別連携をどうしていくかというところも一緒に併せて考えていけるとよい。御検討いただきたい。 〈 会長 〉  様々な御意見を頂戴しありがたい。今回このリーフレットの部分というのは,あくまでも市の中のいわゆる連携を強化の部分。実際問題,個別のいろいろな問題であったり,あるいは支援だったりということは,もちろんそれが大前提であり,その上でこのリーフレットがある意味ちょっと言葉は過ぎているかもしれないが,ひとり歩きしてしまって,その個別の部分が置き去りになるのは問題。しかし,市の中の機関の連携を強化するというのは非常に有効だと考えている。また皆様のいろいろな御意見を聞きながら,このリーフレットをよりよいものに活用できれば良い。活用の仕方によって全く方向性が変わってしまうと思うので,その辺りも御意見を頂戴したい。あくまでもこれは未完成ではあると思うので,事務局の方中心に,こちらをいいものに仕上げていければなと思っている。  では,本日の議題はこれで終了にしたい。 〈 事務局 〉  皆様,貴重な御意見を賜り,感謝。これから,いただいた意見を基にリーフレットを完成させ,情報共有をしながら,どのように連携していくかを再考していく。  今年度第2回は,委員の任期が終了する2月を予定している。 ――了――