4 全体会報告書 令和4年度 調布市障害者地域自立支援協議会 第1回全体会 報告書 1 開催日   令和4年7月15日(金) 午後2時から4時 2 開催場所  調布市教育会館 301~303 3 出席者   委員19名 事務局16名 傍聴5名 4 議題 (1) 開会の挨拶 (2) 自己紹介,事務局の紹介 (3) 会長,副会長の選出 (4) 調布市障害者地域自立支援協議会について (5) 調布市障害者総合計画について (6) 令和3年度相談支援事業所の報告 (7) 令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会の各ワーキング等の展開について (8) 障害者差別解消支援地域協議会 (9) 閉会の挨拶 5 議事録要旨 (1) 開会の挨拶 ◯事務局  令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会第1回全体会を開催いたします。本日はお忙しい中,お集まりいただきましてありがとうございます。開催にあたり事務局から注意事項などを説明させていただきます。 〇事務局(障害福祉課)  今日は雨の中,お集まりいただきまして,ありがとうございます。コロナの感染対策として窓を開けて,皆さまにアルコール消毒と検温をお願いしました。傍聴の方にも電話番号等,連絡先を聞かせていただきましたので,この後,体調不良が判明した場合には,皆さまにご連絡させていただきます。あとはマイクを消毒して回していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 〇事務局  続きまして野澤部長から,ご挨拶をお願いいたします。 〇福祉健康部野澤部長  本日は大変お忙しいところ,またお足元の悪い中,第1回,調布市障害者地域自立支援協議会全体会および調布市障害者差別解消支援地域協議会にご出席いただきまして,誠にありがとうございます。新型コロナウイルスは,既に報道されておりますが,新規感染者数が再び増加しております。調布市でも,過去最多の陽性者数になる見込みであります。このような状況が2年以上にわたり続いている中で,皆様の活動や事業運営,ご負担をお掛けしているところでございますが,改めまして皆さまには日頃から市の障害福祉行政にご尽力を賜り,この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。  市では平成18年度に自立支援協議会を立ち上げまして,今年で17年目を迎えました。当事者の方に加え学識経験のある方や障害者施設,医療,教育,就労支援,権利擁護等,さまざまな立場や職種の方々からご意見を頂ける大変貴重な場となっております。こうした皆さまの議論から市の施策形成につながり,事業化に至ったものも多く,これらは委員の皆様のご尽力のたまものと深く感謝を申し上げます。  今年度は現行の調布市障害者総合計画の計画期間が令和5年度末に終了となるため,策定に向けて検討を開始する年となっております。具体的な検討は,本協議会とは別の計画策定委員会にて行うこととなりますが,本協議会からも計画策定委員会に対する意見の提出などをお願いしたいと思っていますので,ぜひ忌憚のないご意見等を頂戴できましたら幸いに存じます。  また,今年度から本格的に取り組む大きな事業が2点あります。1点目は,重度重複障害の方向けの生活介護施設,仮称第2まなびやの整備であります。令和6年度中の開設を目指し準備を進めてまいります。2点目は,三鷹市や府中市と共同で整備を行う基地跡福祉施設です。重度心身障害者や重度知的障害者向けの生活介護,および短期入所事業を実施する予定であります。進捗状況につきましては,委員の皆さまに随時ご報告してまいります。  障害者差別の解消については,差別解消法や東京都の条例に基づき障害を理由とした差別の解消や共生社会の実現に向けて,相談事業や合理的配慮の法令について委員の皆さまと共有させていただき,それを広めていくことで市全体として差別解消に向けて前進していきたいと考えております。  最後になりますが,この自立支援協議会は私どもにとりまして,さまざまな立場の方の思いや考えを聞かせていただく場であり,普段の支援のあり方を改めて見つめ直し勉強させていただく大変貴重な場であると認識しております。今後も本協議会を通じ,当事者の方からのさまざまなニーズを受け止め,障害福祉施策を推進してまいりたいと考えておりますので,皆さまのお力添えを賜りますよう,どうぞよろしくお願いいたします。 (2) 自己紹介,事務局の紹介  (略) (3) 会長,副会長の選出 〇事務局  事務局の提案により会長を谷内先生,副会長を丸山先生と山本先生にお願いしてもよろしいでしょうか。皆さんの承認が得られましたので,令和4年度自立支援協議会と差別協議会は谷内会長と丸山副会長,山本副会長に決定しました。では,谷内会長のほうから,ご挨拶をお願いいたします。 ◯谷内会長  長年,調布市には関わらせていただきまして,今年度につきましては会長として1年間よろしくお願いいたします。  東京都内には,多くの自立支援協議会が設置されていると思いますが,我々大学教員はこういう形でそれぞれの市区町村に関わる機会が多いです。そうした教員同士が集まって話をすると,やはり地域の差が非常に大きいことが教員同士でよく話題に挙がります。取りあえず行政のために開かれているという会議も多々あるという話を聞く中で,調布市の関わりのお話をさせていただくと,どの教員からも非常にうらやましがられます。自立支援協議会をそんなやり方でできるのかと言われます。  先ほど部長のご挨拶にもありましたように,これまで本当に多くの自立支援協議会のアイデアが具体的な社会福祉事業という形に事業化されてきました。これは世間から見れば当たり前ではない,本当にすごいことだと思います。本年度は,来年度にかけて福祉計画の策定も控えておりますので,自立支援協議会の踏ん張りどころだと思います。私の個人的な希望では,グループワークやこの場を活用しながら皆さんから意見を吸い出せる仕組み作りをしたいと思います。では,1年間どうぞよろしくお願いいたします。 〇丸山副会長  調布の自立支援協議会には初めて関わる立場であります。これまで他の自治体で6つほど自立支援協議会の委員をしていますが,いろんな違いを比べながら,その地域の中の障害のある人と生きづらさを抱えている人たちの暮らしがより良くなるように,障害のある人とサービスを提供する人と一般の市民の方々が協議できる場として,会長をサポートしながら活動したいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 〇山本副会長  平成18年度にこの協議会ができた時から関わらせていただいております。そういう意味では,古巣に戻った妙な安心感があるなというふうに思っておりますけれども,今は立場が変わって社会福祉事業団で役員をやっている他,静岡福祉大学で教鞭を執らせていただいています。こういう協議会が障害当事者および家族,事業者,市民,それから行政の4者の共同作業で,この間,いろいろな成果を生んできたということは調布の誇れるところであると思っております。この1年間,闊達なご議論をさせていただければと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 (4) 調布市障害者地域自立支援協議会について 〇事務局 ※令和3年度の報告書参照  年間報告書の4ページをご覧ください。障害者自立支援協議会は,障害者総合支援法89条の3『地方公共団体は,単独で又は共同して,障害者等への支援の体制の整備を図るため,関係機関,関係団体並びに障害者等及びその家族並びに障害者等の福祉,医療,教育又は雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者により構成される協議会を設置するように努めなければならない』ということを基に,この協議会が設置されています。  2番にそこで何をするのかというところが書かれています。地域のネットワーク構築,社会資源の開発,改善,相談支援事業所の運営評価,困難な事例のあり方に関する協議,5番の障害理解の促進および障害を理由とする差別の解消に関することということが一緒に行っている差別解消協議会の基になっているものです。6番として,障害者計画および福祉計画の進行管理に関することとなっておりまして,計画を立てる際には皆さんのご意見を頂いたり,出来上がった計画についてもご報告させていただいております。  3番の自立支援協議会のイメージというのは,こちらの図に書いてあるとおり一人一人のニーズをくみ上げて自立支援協議会でお話をして,それを計画,もっと大きくいえば法律に反映していくものになります。  4番が,調布市の自立支援協議会の体制で,今,皆さんが参加しているのが一番上のところになります。その下には3つのワーキンググループがあり,自立支援協議会で毎年地域課題を挙げていき,話し合う機会を設けています。本年度は『福祉にフィットしない方たちの次の選択肢を考えるワーキング』『障害理解促進ワーキング』『医療と福祉の相互理解についてのワーキング』の3つのテーマで話し合っていきます。  さらに下の運営委員会というのは,全体会で皆さんからご意見を頂いて,もう少し細かいところを次の全体会の時までに話を詰めたり,ご意見を頂いた内容についてもう少し細かいところを話し合うような場になります。その下のサービスのあり方検討会は,相談支援事業所の方たちが集まって,調布市の相談支援の質の向上を目的に連絡会や勉強会などを行っております。 そして,年に1回,自立支援協議会の中で講演会を行っております。昨年度は「コロナ禍の今,障害のある人の医療を考える」ということで,西田先生に基調講演を頂き,こちらに参加していただいている委員さんのパネルディスカッションやテーマを話していただいたものを,オンデマンド配信しました。このお話は,今回の「医療と福祉の相互理解についてのワーキング」にもつながっているものになります。 〇谷内会長  障害者差別解消支援協議会とこちらの会は兼ねておりまして,昨年度までは形式的に別立ての扱いにはなっていましたが,両方を兼ねているということを,この場で確認しておいて頂きたいと思います。実は差別解消地域協議会を設置している所は,都内においてもまだまだ少数です。 (5) 調布市障害者総合計画について ※「調布市障害者総合計画」策定について参照 〇事務局(障害福祉課)  先ほど障害者総合計画の進捗,意見具申,提言なども自立支援協議会の大きな役割の一つとご説明させていただきましたが,今後2年間かけまして,次期「調布市障害者総合計画」を調布市で策定を開始いたします。後ほど説明に出てきますが,その中で協議会により検討を踏まえた意見具申というものを頂くことを予定しておりますので,まずこの計画の内容と過去の意見具申等について,説明をさせていただきます。  資料の1,計画の位置づけです。調布市障害者総合計画というものですが,障害者福祉の分野で法律上,市町村が作らなければいけない計画が3つございます。 (1)障害者計画,これは障害者基本法に基づくもので,最も広く市の障害者施策全般に関する計画となっています。(2)が障害福祉計画,(3)が障害児福祉計画。名前が似ていて非常にややこしいのですが,2番は障害者総合支援法,3番は児童福祉法に基づくもので,両方とも主に福祉サービスについて定める計画となっています。 それぞれ別々に定めてもいいのですが,調布市ではこの3つを一体として調布市障害者総合計画と名前を付けて策定しています。今後2年間かけてこの3計画を一体として策定する予定です。  計画の期間ですが,範囲の広い障害者施策全般に関する障害者計画は6か年計画で,これから2年間かけて策定するので始まりは令和6年度になります。障害福祉計画と障害児福祉計画は3年ごとに定めると国で基準が定まっております。今回は障害者計画の全面での改定になりますので,前回の一部改定より,より範囲の広い計画となります。  2ページ目の検討体制をご覧ください。こちらの自立支援協議会でも地域課題についてご検討いただきますが,障害者総合計画策定委員会を毎回設置して,そこを主な検討の場としています。市の関係部署,庁内の市職員による連絡会も設置して,検討内容の補佐を行っています。さらに今年度は,市民福祉ニーズ調査という3年に1回のアンケート調査も行いますので,そちらとも連携して調査内容を検討し,調査結果の分析なども含めて計画策定を進めていきます。 一番皆さんにご説明したいのは,次の4つ目のところです。計画策定委員会とは別に障害者地域自立支援協議会から次期計画についての意見具申を頂いておりまして,今回もそのようにお願いしたいと思っております。  4の検討スケジュールに関しては2年かけて進めていきますので,今年度は4回,来年度は8回の計画策定委員会を予定しております。令和5年初め頃の委員会で,正式な意見具申を頂くということになるかと思います。  過去に自立支援協議会から頂いた意見具申は,ご覧の通りです。今回は障害者計画を含めた全面改定となりますので,検討の範囲もかなり広いものとなります。そのため,意見具申をまとめていただく際には,ある程度,広く捉えていただいていいと思っております。過去にもこういう形で意見具申としてまとめられて,市の計画に反映されていることを,理解いただければと思います。事務局からの説明は以上です。 〇谷内会長  意見具申をこちらが出すのは大体いつ頃になりますでしょうか。 〇事務局(障害福祉課)  令和5年の計画策定委員会の第3回が1月頃になると思いますので,第2回の全体会くらいでまとめていただくような形になると思いますが,そちらは事務局と調整させていただければと思います。 (6) 令和3年度相談支援事業所の報告 ※年間報告書参照 (7) 令和4年度の調布市障害者地域自立支援協議会の各ワーキング等の展開について 〇事務局(ちょうふだぞう) 資料3-1参照  「福祉にフィットしない方たちの次の選択肢を考えるワーキング」について,ご報告いたします。本年度初めて立ち上がるワーキングで,就労面では課題が多いのですが,福祉サービスの利用を希望しない方を福祉にフィットしない方と表現させていただきました。発達障害や知的障害の方が主な対象になるかもしれません。通所先も働く場所もない方々がいるという現状が,日々の相談支援や就労支援の中で浮き上がっておりまして,今年度のワーキングのテーマに致しました。  新副会長の丸山先生を座長にお招きして,皆さまと一緒に考えていきたいと思っています。その様な狭間にいる方々の支援をされている関係機関の方々もメンバーとしてお招きしたので,ご報告を頂きながら課題を整理して,どのような社会支援が必要か,どのような支援体制や新しいサービスがあれば,フィットしない方々が生活しやすくなるのかを考えていきたいと思います。座長の丸山先生から,一言お願いします。 〇丸山副会長  座長を務めることになりました,丸山晃と申します。今,説明がありましたが,今までなかったテーマではあるのですが,障害のある人たちが地域で暮らしていく時に受けているサービス,例えば,介護の関係のサービスだったり,就労支援のサービスがあるけれど,本人の心と体の状態,もしくは将来の希望というものと合わないということが多々あります。そして,法律や制度上,障害の程度や障害の有無で利用できない人たちもいると思います。こういう人たちが,地域の中でどういう居場所を作れば生き生きとサービスを利用できるのかを検討できればと思っています。調布市の中で関わっておられる皆さんや当事者団体の皆さんの中でも,こういう事例があるよというご紹介やアイデアを頂ければと思っていますので,よろしくお願いいたします。 〇谷内会長  丸山先生,ありがとうございました。それでは,続いて「障害理解の促進ワーキング」について,私から報告させていただきます。今年度から当事者の方の委員が少し入れ替わりまして,新たにお2人をお招きしております。私も加えていただけるなら,全員で当事者5人で運営している障害理解ワーキングになっております。  こちらの自立支援協議会では,本当に長い期間,こちらのワーキングを進めさせていただいています。この間,コロナ禍でもオンライン等を使いながら,障害社会モデルをどのような形で社会に浸透させていくか,市民の方に参加していただきながら,議論を進めてまいりました。  今年度は最終年になり,来年度には調布市のほうで,この当事者養成研修プログラムの事業化を進める方向で動いていただけることになっており,実際には調布市福祉人材育成センターの方で実施していただけることになっており,今年度のワーキングの目標としては具体的なプログラム,設計図的なものを作り上げて,それを福祉人材育成センターにお渡しする形で継続的に事業を続けていただけると思っております。  つい先日,横浜市の社会福祉協議会の方とお話しする機会があったのですが,ちょうど横浜市も同じような発想で障害当事者が社会モデルをベースにしながら,障害当事者が講師になって行う研修を今年度の1月から実施するというお話を伺いました。横浜市が先行して下さるので,そちらとも情報交換していきたいとお伝えしまして,非常に心強く思っているところです。先日終了した第1回目のワーキングの状況については事務局から簡単にご説明いただけると思いますので,よろしくお願いします。 〇事務局(希望ヶ丘)  7月5日に第1回のワーキングを実施しました。来年度に向けた事業化を実際に進めていく上で,プログラムを具体化していくために委員の方たちからご意見を頂きました。実際に事業化に向けて運営のところで,まだまだ課題はありますが,委員の皆さまや,他市の方からご意見を頂きながら事業化に向けて進めていきたいと思っているところです。希望ヶ丘の障害理解ワーキングは以上になります。 〇谷内会長  ありがとうございますでは,続きまして,「医療と福祉の相互理解についてのワーキング」の説明をよろしくお願いいたします。 〇事務局(ドルチェ)  本ワーキングは今年度より新たに立ち上がったもので,その経緯と今後の展開についてご説明させていただきたいと思います。以前より,障害のある方の医療受診等については,必要な情報が届かなかったり特性に応じた配慮が不足していたり,さまざまな要因によって医療へのアクセスが困難という状況がございました。昨年度の自立支援協議会第2回全体会の中でも,医療と福祉の連携が地域課題として挙げられまして,参加された障害当事者の方や関係者の方々から,多くのご意見が出されました。そのような声を踏まえて,4月20日から5月31日において調布市障害者地域自立支援協議会の講演会がオンデマンド配信されました。調布市医師会の西田会長の基調講演や,当事者や家族の方によるパネルディスカッションが行われ,障害のある方を取りまく社会情勢や市が実施した調査結果の分析,医療機関の現状,そして今後の課題について提起されております。こうした動きを踏まえて,本ワーキングでは障害のある方の医療アクセスの改善を図る第一歩として,この医療と福祉の相互理解についてのワーキングを立ち上げて,皆さんと一緒に検討を進めてまいりたいと思います。  スケジュールについては2年間を予定しておりまして,今年度は会議を3回開催する予定です。第1回目は7月1日に開催されました。委員の皆さんから医療受診に関して課題や意見を多数,頂戴しております。医療側の障害理解を深める機会の創出や,在宅医療の拡大,病院同士の連携,障害に応じた特性への配慮,またそもそも医療につながらない方がいらっしゃる,そういった意見が出されました。今後,当事者および医療従事者双方からアンケートを取りまして,現状と課題を把握した上で具体的な取り組みや行動を起こすことを目指していきたいと思います。説明は以上ですが,山本座長から何かございましたらお願いします。 〇山本副会長  障害者の医療アクセスの問題というのは以前から水面下では,課題になっていたことであります。調子が悪いけれどもなかなか受診が難しく,放置していたら重篤な疾患が見つかった事例も聞かれておりますので,協議会を通しての現状を明らかにするとともに,お医者さん側のお声も聞き,それを統計的に明らかにする中で課題を見つけていきたいと思っています。  その中で大きなことばかりではなくて小さな工夫,自閉的な傾向のある方に車で待機をしてもらって順番が来たらドクターが足を運んで車の中で診察をするだとか,あるいはドクターとの人間関係をつくっていく,そういった小さな取り組みの中にもヒントがあると思いますので,実態を明らかにしながら何かの改善策が提言できればと考えております。 〇谷内会長  続いて「あり方検討会」からご報告お願いいたします。 〇事務局(障害福祉課)  サービスのあり方検討会は,市内の相談支援事業所による検討会になります。「相談支援専門員のケアマネジメント能力の向上と均質化,調布市におけるサービスの支給決定の考え方の共有,情報交換等を図り,ひとりひとりの尊厳のある暮らしが満たされる社会を構築することをめざし,障害者福祉の増進に資することを目的」としています。参加は,市内の相談支援事業所14か所となります。  実施計画ですが,今年度は全6回を予定しております。そのうち第2回と第6回では,地域生活支援拠点会議を併せて開催する予定です。検討会の中で事例検討会や勉強会を開催予定です。昨年度の相談支援事業所と居宅介護事業所の連携についての実態把握ワーキングでの検討の結果,双方の顔が見える関係性の構築ができる場として当検討会での事例検討にヘルパー事業所の方にも参加していただき,共に事例について考え支援でのお困りごとや不安を共有できる機会を設けたいと考えております。また昨年に引き続き医療的ケアについての知識を深めるため,勉強会を開催する予定です。 〇事務局(障害福祉課)  調布基地跡地福祉施設(仮称)整備に係る事業内容について説明いたします。調布市西町の調布基地跡地に福祉施設を整備していくと定められ,その跡地を活用して調布市の場合は入所施設のなごみや,通所施設のそよかぜ,すまいるを整備してきましたが,三鷹市が整備することとされている予定地がまだ空き地のままになっております。そこの活用方法を三鷹,府中,調布の3市で検討し,平成29年6月に一度プランをまとめて,ここに重症心身障害者,医療的ケアが必要な方の通所やショートステイ,そして知的障害者の方のショートステイの施設を設置する手続きを進めていくことになりました。  2番の施設の概要については,再公募にあたって若干,事業内容が変更になっております。重症心身障害者を対象として1法人に通所と生活介護20人の通所と短期通所6人,それから重度知的障害者を対象として生活介護20人,通所20人のショートステイ,短期入所9人という,2件のそれぞれ別法人での募集で今後進めていこうとしております。児童分野に関しては,前回は通所を入れましたが,今回は外しております。この辺りは,一定程度,民間法人等による整備が進んで事業所がこの間,増えてきていること,前回いろいろ必要なものをつめ込み過ぎた形で事業所が手を挙げにくくなっていたというところはあったので,範囲を狭めて公募をするという形を取りたいと思っております。  3番の今後のスケジュールに関しては,今年度は住民説明会を開催し,事業者の正式な公募,ここで本事業をやっていただける民間法人を募集する手続きを行います。事業者の決定後,施設の建設を進め,令和7年度中に竣工し開設する予定です。 〇谷内会長  では,事務局から運営委員の募集についてお願いします。 〇事務局(希望ヶ丘)  運営委員の立候補についてご説明させていただきます。運営委員を皆さまから立候補あるいは推薦を頂きたいと思っております。運営委員会では自立支援協議会の全体の運用を行っていき,主な役割としてはワーキングの提案の選定や,次年度のワーキングテーマについて,ご意見を頂き検討していただくものになります。今年度も全体会委員の所属団体から推薦,立候補の方がいましたら7月31日までに事務局にご連絡いただければと思います。推薦や立候補が不在の場合は,事務局に推薦を一任させていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。 (8) 障害者差別解消支援地域協議会 〇事務局(障害福祉課)  平成28年の障害者差別解消法の施行を受けて,調布市ではこの自立支援協議会の中に障害者差別解消協議会を設置しております。この中では,過去,グループワークや勉強会を開催したり,差別解消関連の相談件数などを毎回紹介させていただいています。好事例となる合理的配慮や障害理解の促進を皆さんと共有し,各団体に持ち帰っていただいて,その合理的配慮等々を広めていただきたいという思いがあります。この会に参加した方も守秘義務があることをご理解いただいた上で事例等を聞いていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。  今回,相談は1件ありました。聴覚障害の方が健康診断でバリウム検査を希望したけれども,受けさせていただけなかったという内容です。その時に手話通訳を付けても駄目かということも尋ねましたが,それでも難しいと言われたそうです。以前健康推進課にもご相談をした結果,もし病院の設備,人員配置などで,どうしても受け入れが難しい病院もありますが,健康推進課のほうに相談していただければ探せますとのことでした。バリウム検査の問題は,差別解消法の問題だけでは解決しない部分も多々あるので,市としても取り組んでいきたいと思います。 〇谷内会長  ありがとうございました。まさにワーキングと関連するテーマになっていますが,今のご報告で何か質問やご意見等ございますか。 〇A委員  健診は本当に重要なのでワーキングで深めてもらいたい。私は白内障の入り口で医療にかかり,高齢になれば誰でもなる病気で簡単な手術で終わると言われましたが首が動いたらアウトなので全身麻酔の必要があります。全身麻酔をして白内障の手術をしてくれる医療機関というのが難しいということでした。  2つ目は手術が終わった後の点眼が問題で,きちんとできないと失明に至ったり視力が大幅に落ちたりする場合もあると聞き,障害のある人は個々にいろいろなケースが生まれてくるので,どうしたら医療を受けられるかをワーキングで深めてもらいたいと思います。 〇山本副会長  健診のことに限らず,一般的にわれわれが普通に受けられる医療ということが難しい。その入り口で難しいということと同時に,その次のステップを踏んだ時に,その予後も難しいという話は,非常に今後の議論の一つの示唆を頂いたものとして受け止め,ワーキングで率直に話し合いたいと思います。 〇事務局(障害福祉課)  この差別解消協議会の中では,東京都や国から差別解消法のことや関連した通知があった時には,こちらで報告させていただいております。東京都手話言語条例の成立について6月30日に市に事務連絡で報告されました。  こちらに書いてある条例のあらましでは「手話が言語であるという認識の下,手話を必要とする者の意思疎通を行う権利が尊重され,安心して生活ができること,共生社会の実現に寄与するため,必要な事項を定めます」と記載されています。 〇谷内会長  ありがとうございます。非常にホットな話題ですね。ご意見ありますでしょうか。 〇B委員  手話言語条例は,東京都は最後になるのではと言われていましたが,今回,無事に制定され嬉しく思っています。  オリンピックやパラリンピックの影響で,東京都も手話言語条例がないのかというのを世界から非難され,慌てて作ったという流れもあります。調布市でも手話言語条例を作ろうということで,今年度の調布市聴覚障害者協会の大きなテーマになっています。  最近,全国の自治体で手話言語条例を成立している所が増えてきております。特に府中市や埼玉県の朝霞市とてもいい内容であると聞いております。そういう先進的な条例を参考にしながら,いい内容にできればいいと思っています。ぜひ皆さん,ご理解とご協力をお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。 〇C委員  これがなかったことでの不都合と,できたことによって良くなるところがどこなのかというのを教えていただきたいです。 〇B委員  私たちも勉強不足なのですが,例えば聞こえない子どもたちが手話で学べるようなところ,また,ろう者だけではなく手話啓蒙のために一般の小中学校へも手話教育を普及するところが,この条例制定によってつながっていくと考えています。 〇A委員  東京都で手話言語条例ができて,とても嬉しく思っています。こちらは都議会で多くの議員がワーキングチームをつくって初めて出来たものであるというところが画期的だと思います。そして,これに則ってコミュニケーション条例を作ろうという動きも出ていて,視覚障害者の方の点字はどうか,身体障害の方はどうか,失語症の方はというふうに,いろいろな方面に広がりを見せている議論が,また画期的であるというお話でした。 〇谷内会長  ありがとうございました。この条例の最初の所にも書かれていますけれども,手話が言語であるという認識が必要です。手話はどうしても日本語の音声言語を補う立ち位置にあったと思います。でも,そうではなくてあくまで言語の一つだという冒頭の1行をわれわれが理解しておかなければならない。ここを認めることによって,当然,手話通訳が必要だという発想になっていかないといけないかと思います。今後の展開を期待しつつ,また調布市でできることをこの協議会の中で意見交換ができればいいと思っております。 〇B委員  手話言語条例とは別のことに関する意見を提示したいと思います。先月,調布市の図書館主催の講演会があり,ろう者が参加したのですが,手話通訳は付いていましたが,講演会が始まる前の司会者のお話に手話通訳が付いていなかったということがありました。講師の先生が話を始めたところからは通訳が付いていました。その講演会が終わった後,司会が話すところから通訳してほしいと図書館の主催の人にお願いしたところ,司会者が話す内容は,事前に資料を配っているから,書いているから分かるだろうと言われました。そういうことと違うんですね。日本語の文章で理解する人もいると思いますが,資料にあったとしても,手話でその内容を理解したい人がいるということをお願いしました。読めない人は,この講演会には参加しないようにということも言われました。そういう日本語が理解できない人は,こういう講演会には最初から来ないですよねということを言われたんです。その障害者は当然,怒りました。そのような場合は,どうしたらいいのかということを伺いたいと思います。 〇事務局(障害福祉課)  まずダイレクトに図書館に言っていただいて構いません。担当課に言ってうまく伝わらなかった,もしくは対応について納得がいかなかったという場合には,今度は障害福祉課の窓口に来てください。障害福祉課が,担当課の方と差別解消のお話等々も踏まえて改善できるのか話し合いを持つことができます。ろう協の方に相談があった場合には本人からの連絡でなくても構いません。今回の件も障害福祉課から確認できます。 〇谷内会長  なかなかご本人が市役所等に差別事例として連絡するというのは敷居が高く感じる方もいらっしゃると思うので,皆さま方,ぜひ団体の方が,こちらでご報告いただいて解決の方向に導いていくという方法でもあると思います。今後もこういう形でお持ちいただければありがたいなと思います。 〇D委員  軽自動車の自動車税の減免に行った時に,書かれてあることがよく見えないので混乱したことがありました。身体障害者1級で視力障害者2級ということが初めて分かったのですが,そのことで減額をしていただく時に,受付してくださった方が紙を差して「これ,あなたですよね」と言われたんですね。これって誰のかわからず「すみません。私は白杖を持っているから見えないんですけれど,これはどこですか。何ですか」と聞いても,それが全然伝わらず,久々に市民課で混乱しました。  なぜ,この話をさせていただくかというと,私は障害福祉課から差別解消法についてビデオでお話しさせていただいて,これは役所の皆さんが見るということで私もやらせていただいたのですが,結局,見ていないと思いました。少なくとも行政の方は,合理的配慮を徹底してほしいと思います。その合理的配慮が一番よくできていたのが市役所の総合受付です。白杖を持った人が入ると,ぱっと立ってくださって「今日はどちらに行かれますか」と言ってくださるんですね。これは完璧に合理的配慮だなと思います。 〇谷内会長  ありがとうございます。昨年度,福祉健康部の研修をしていただきましたけれども,やはり市役所全体に対する研修のあり方と本当の意味での合理的配慮の伝え方ですよね。事務局の方にお持ち帰りいただいて,非常勤の方等も含めて質の向上をどう目指していくか,ご検討いただきたいと思います。 〇事務局(障害福祉課)  ありがとうございました。次回の全体会は11月10日(木),場所は調布市民プラザあくろすの3階ホールの予定です。会場の都合と先生方のご都合で,午前中9時半からの開催になりますので,お間違えのないようにお願いします。 (9)閉会の挨拶 〇事務局(希望ヶ丘)  これで第1回,調布市障害者地域自立支援協議会,全体会と障害者差別解消支援協議会を終了させていただきます。ありがとうございました。