令和4年度 調布市障害者地域自立支援協議会 第3回全体会 報告書 1 開催日   令和5年3月16日(木) 午後2時30分から4時30分 2 開催場所  調布市文化会館たづくり 大会議場 3 出席者   委員21名 事務局17名 傍聴4名 4 議題 (1) 開会の挨拶 (2) 調布市障害者総合計画の進捗状況報告 (3) 令和5年度の調布市の事業について (4) 調布市地域生活支援拠点の運営状況報告 (5) 令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会各ワーキング等の報告 (6) 地域課題と来年度のワーキングテーマについて (7) 障害者差別解消支援地域協議会 (8) 閉会の挨拶 5 議事録要旨 (1) 開会の挨拶 〇事務局(ちょうふだぞう) 令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会第3回全体会を開催いたします。本日はお忙しい中,お集まりいただきありがとうございます。  コロナウイルスの感染症対策は,国の方針が3月13日から緩和されています。ただ,会議の場ということもありますので,可能な範囲でマスクでの着用をお願いします。  年間報告書に関して2点訂正があります。第2回の全体会で東京都の報告書等に他の自治体は委員の名前を載せているため,調布市においても名前を載せてよいか確認した箇所が抜けておりましたので,追加しています。  もう一点,本日委員より発言内容が若干違うという指摘を受けましたので,改めて訂正のうえ年間報告書を皆さまにお送りします。  では,ここからの進行を会長の谷内先生にお願いします。 〇谷内会長 皆さん年度末のお忙しい中,お集まりいただきありがとうございます。では,次第に沿って進めます。調布市障害者総合計画の進捗状況報告について,事務局からお願いします。   (2) 調布市障害者総合計画の進捗状況報告 ○事務局(障害福祉課)  資料は各サービスの年度推移が一覧になっています。これは,調布市障害者総合計画のうち,第6期障害福祉計画,第2期障害児福祉計画について計画で見込んだサービス量に対して利用実績がどの程度あったかまとめたものです。  障害福祉サービス等の年度推移一覧の「令和4年度推計値」を御覧ください。現行の第6期と第2期障害児の計画は令和3年度から5年度までのものです。なお,令和4年度はまだ終了していないので,数値は令和5年1月提供分までの実績を基にした推計の値となっています。また,資料に訂正があります。令和3年度のところにも「推計値」との記載がありますが,こちらは実績となります。申し訳ありませんが,訂正をお願いします。  まず初めに,訪問系サービスは居宅介護,重度訪問介護,同行援護,行動援護等,ヘルパーを利用するサービスを総称しています。この訪問系サービスでは,新型コロナウイルスの影響で特に外出系の同行援護,行動援護は令和2年度は大きく減少しました。令和4年度実績では,視覚障害者向けの同行援護ではコロナ前を上回るまで回復していますが,主に知的障害者対象の行動援護は引き続き利用が低迷している状況です。  次に,作業所等の日中活動系のサービスでは生活介護,就労移行支援,就労継続支援B型等のサービス利用が計画値以上に伸びています。就労移行支援,就労継続支援においては,令和3年4月からの報酬改定において,在宅でのサービス提供(実際に事業所には通所せず,在宅でプログラム提供を受け,電話やメール等を通じて進捗確認や助言を行う利用形態)が恒常的なものとして認められたため,利用が増えていると感じています。  次に,居住系サービスは施設入所,グループホーム等です。施設入所は年度途中で入退所もあったことから年度合計としては計画値以上となっていますが,減少傾向にあります。グループホームを指す共同生活援助は,今年度6か所の新規開設があったことから,引き続き増加しています。  続いて,サービス等利用計画の作成等の相談支援です。これは,市内の事業所が不足していることにより,サービス利用者全員に計画を作成することを前提とした計画から大きく遅れている状況が続いています。今年度相談支援事業所の増減はありませんでしたが,令和5年3月末で1事業所が登録を更新しない予定です。それに伴い,来年度は1事業所減る形となりますが,利用実績はなかったため,利用者に影響は出ないものと考えています。簡易的なセルフプランを利用している方は,計画相談支援では約4割,1,915名の対象中699名,障害児相談支援では約6割,652名中407名となっています。 続いて児童通所サービスでは,利用の多い児童発達支援,放課後等デイサービス共にここ数年では伸びが鈍化する傾向にありますが,拡大は継続しています。  次に地域生活支援事業です。主要なサービスのみ抜粋しております。移動支援,日中一時支援については昨年度に続き,新型コロナの影響で利用実績が少なくなっています。  最後に令和4年度中の新規事業所の開設状況について報告します。今年度はグループホームの開設が6か所と,昨年に比べ3か所増設しています。令和3年度・4年度共に,成人対象の通所施設の開所はありませんでしたが,児童発達支援,放課後等デイサービスの児童通所施設が今年度2か所開設しています。 〇谷内会長  まだ昨年度はコロナの状況からサービス量も減っているところはありますが,全体的に回復傾向にあるという明るい状況が垣間見られる報告だったと思います。 (3) 令和5年度の調布市の事業について ○事務局(障害福祉課) 資料の前段は,パラハートちょうふの理念の下,共生社会の充実に取り組むという目的が書いてあります。  令和5年度の当初予算案は障害福祉課所管の一般会計の歳出予算ですが,前年比よりも9.3%増で約98億円です。市全体の予算が997億円余で,そのうちの9.8%つまり1割を占める予算規模になっています。子供や高齢・生活保護等,全て合わせた民生費の予算が市全体の半分以上で,その5分の1を障害の予算が占めており,とても大きな予算規模となっています。それは元々ではなく,伸びてきて今の大きさになっています。  個別の事業について説明いたします。主に5点です。  1点目は,今説明がありました障害者総合計画の策定です。令和4年度からスタートし,令和5年度も引き続き策定し,令和6年度からの計画を作っていきます。  2点目は,地域共生ふれあい商店等補助事業の延長で,こちらは市内の商店がバリアフリー化を実施するために必要なものを購入した際に補助する事業になっています。最後に令和4年度の実績を載せていますが,令和3年度から増えて52件で,令和3年度を上回る合計額が予想されています。 続いて3点目,パラハートちょうふの取り組みの推進です。パラハートちょうふは,市が東京2020大会を契機に作ったキャッチフレーズで,いろいろなイベントや冊子に入れることで,共生社会を推進することを市民に伝えて取り組んでいます。  4点目は,国領7丁目障害者施設の整備です。こちらはまだ仮称となりますが,「第2デイセンターまなびや」と「ワークライフカレッジちょうふ」を整備するものとなっています。こちらは,先月2月23日にNHKで話題として取り上げられて放送されています。  最後,5点目は障害者スポーツ振興への取り組みの推進です。こちらは大きく2点あり,1点目は,障害福祉課とスポーツ振興課合同の話し合いの場に福祉団体やスポーツ団体にも参加してもらい,障害者が日常的に運動する機会をどう確保するのかを検討しています。  2点目は,FC東京が行っている発達障害・軽度の知的障害者を対象とした「あおぞらサッカースクールin調布」です。こちらは大変人気があり,待機者が出る状態となりました。その対応としてFC東京と協議した結果,何とか1クラス増やすことができましたので,令和5年度は待機者が出ているクラスを増やして実施する予定です。  予算に関わるものとしては,障害福祉サービスが計画の中でも実績値が上回っているため,大きな要因として障害福祉課の予算が増えているという状況です。 〇谷内会長 ありがとうございました。報告に対して,何か御質問,御意見はありますか。 〇A委員 ここでお聞きすることではないかもしれませんが,総合福祉センターが建て替えになると聞きました。移転するかどうかの問題と同時に,中身の計画をどこから進めるのか,概要を伺いたいです。 ○事務局(障害福祉課) 総合福祉センターの移転については,市の委員にもセンターの移転に伴う検討会に出席してもらい,いろいろな御意見を頂いています。検討会の内容について細かくお話しすることは時間の都合上できませんが,障害福祉課も事務局側として参加しています。障害福祉課の職員にも伝えましたが,総合福祉センターの移転は福祉総務課が所管ですが,内容については主に障害者なので,予算はありませんが障害福祉課が大きく関わっていかなくてはならないと思います。中身の議論はまだ始まっていませんが,最低限,現状の事業が移転後も続けられるように障害福祉課から意見を発信したいと思います。  また,移転となれば調布駅前から京王多摩川駅前に変わるので,安定的な事業を継続するには難しいこともあると思います。それは調布市役所敷地内でフロント機能的な相談窓口を整備し,福祉総務課とも一緒に検討していきたいと思います。皆さまからの御意見も福祉総務課で聞く場を障害福祉課も同席の上予定していますのでよろしくお願いします。 〇A委員 1点目は,移転の検討委員会はまだできていないというとらえ方でいいでしょうか。2点目は,中身の検討をする際に障害者団体が参加する協議会は作るのでしょうか。最後は,2点目の協議会で話された内容を自立支援協議会でどう報告するのでしょうか。 ○事務局(障害福祉課) 今の事業や移転後については,最低限ですが具体的に話し合われています。先程の調布駅周辺もしくは調布市役所敷地内のフロント機能で行う事業についての整理はこれからです。  さらに,移転することにより調布市社協で事業のやり方等を工夫する必要もあるかもしれません。利用団体からの要望の場は今後設ける予定です。 〇A委員 新しい事業や建物等いくつか事業計画があると思います。その際に私たちの意見を聞きながら,全国に誇れる福祉計画をつくってほしいと思います。 ○事務局(障害福祉課) 当然,移転するからには今より後退することなく,メリットが感じられなければ利用者や関係団体,市民の納得も得られないと思うので,障害福祉課から強く言いたいと思います。 〇谷内会長  2番の補助事業は差別解消のためにも非常に注目していますが,この事業の評価をどのようにされているのか気になります。申請数は増えているということですが,この導入によりお店を利用する障害者側がどう変わったかという評価についてどのようにお考えですか。 ○事務局(障害福祉課) 市議会の中でも話し合われていますが難しいところです。商店の段差の解消や,和式トイレから洋式トイレに変わったという物理的なものは把握できますが,変更後利用者がどのように利用しやすくなったと思っているのか,今までと一緒だと思っているのかは評価しにくいので,障害者側にアンケートを取るという意見も出ていますが実行できていません。  また,多くの商店がバリアフリー化したのであれば,利用してもらうために情報を届ける必要があります。その手段として,Googleマップのようなインターネット上の地図に商店や障害者が利用するために必要な設備の情報が載っているアプリを作って発信する手段を今検討しています。アプリについては,無名のものでは周知に時間を取られてしまうので,ある程度使われているようなアプリに便乗する形にしたいと思っています。 〇B委員  今の件について,私が体験した感想をお伝えします。とても小さなお店で,和式トイレで盲導犬も入れませんでしたが,ある日トイレが洋式になっており「今度,犬を連れてきても良いですか」と聞いたら「大丈夫ですよ」と言ってくれたので,この事業で改善されたのかと思いました。それからまだ行く機会はないのですが,小さいところでも変わったことがとても嬉しく思いました。 〇谷内会長  それでは,調布市地域生活支援拠点の運営状況報告について,事務局よりお願いします。 (4) 調布市地域生活支援拠点の運営状況報告 ○事務局(障害福祉課)  まず,地域生活支援拠点について簡単に説明いたします。1番は,相談やグループホーム等の体験,緊急時の対応といった障害のある方の地域生活支援に必要な機能を集約した拠点を全国の区市町村で整備することを平成30年度から国において定められています。拠点というと一つの大きな建物というイメージを持ちやすいですが,面的整備という地域において複数の機関が分担して役割を担う形でも可能とされています。調布市は,平成31年4月から面的整備で拠点を運用しています。 また,以前より拠点に参加する相談支援事業所を中心に連絡会を開催しており,その中で相談支援事業所が拠点の一部として市に支援会議の報告を行い,地域課題を抽出することにより,報酬上の加算が取れるようになりました。 別紙にあるとおり,具体的な利用者のカンファレンス等で課題に挙がった,このような資源が調布市にあればより支援がしやすくなるという意見や,日々の相談の現場で感じた内容を報告してもらうことが加算算定要件の一つになっています。  それを自立支援協議会に報告することが要件の一つになっています。内容について簡単に説明すると,ヘルパー事業者の充実・連携,多様な居場所(いわゆる福祉作業所や通所施設でないものを含む)です。そして,グループホーム等の居住の場,人材育成,糖尿病やおやつの選び方の支援も含めた健康づくりの支援,それから医療体制へと続きます。さらに他機関との連携,介護保険や医療との連携や複合的な課題・家族全体への支援となっています。今お伝えした内容の一つひとつは各相談支援事業所が日々の個別支援で感じた課題となっています。細かい説明は時間の関係でできませんが,今後協議会での議論や課題設定等に活用してもらえればと思います。 〇谷内会長 ありがとうございました。多くの課題が挙がり,それぞれのワーキングにつながる課題もいくつか散見されますので,取り組めそうなところは参考にしてもらいたいと思いました。  続いて,令和4年度ワーキング報告を事務局からお願いします。 (5) 令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会各ワーキング等の報告 ○事務局(ちょうふだぞう)  このワーキングは市民活動支援センターやこころの健康支援センター,子ども・若者総合支援事業,保護司会,親の会の方をワーキングメンバーにお呼びし,副会長の丸山先生を座長に進めてきました。  福祉になかなかなじめない方や,既存の福祉サービス・作業所等,先ほど地域生活拠点の報告にもあった居場所がないような方が次にどのような選択肢が考えられるかという趣旨で行っています。  第1回目は前回報告しましたが,各委員から事例を提供してもらい,共通のキーワードを抜き出しました。主に,就労やボランティアの体験ができる場所がない,自身の障害について学習や自己理解できる場所がない,福祉サービスでは障害を意識させられる場も少なくないので誰でもない居場所や相談できる場所がないというものでした。そのような課題と現状を整理し,具体的な制度や新しい仕組み等を2回,3回のワーキングで学びました。  また,第3回目のワーキングではソーシャルファーム(ファーム:社会的な企業)という,東京都に限ると5年間に限り運営費や人件費等の補助が出る制度があり,その実例について東京しごと財団の担当の方を招いて研修形式で学びました。  現状,30時間以上働けないと障害者雇用は難しいですが,ソーシャルファームは障害を持っていなくても,子育て中でも幅広く勤務ができるような仕組みで,5年間は給料等,運営が保証されるので,新たな雇用先や就労体験の場として可能性があると感じました。  第4回目のワーキングは2月に仙川町にあるコミュニティカフェを見学しました。コンセプトとしては,カフェの形ですが注文しなくても何もしなくてもいい場所です。非常にゆったりとした空間の中で相互に助け合う仕組みもあり,これもソーシャルファームと併せて居場所としての可能性を感じました。  このワーキングでは,1年目は学習と課題整理を行い,来年度はそれを調布の現状や課題にどう落とし込めるか検討し,ソーシャルファームやコミュニティカフェをいかに実践につなげていくかを考えていきたいと思っています。 〇谷内会長 では,障害理解の促進ワーキング,お願いします。 ○事務局(希望ヶ丘)  「障害理解の促進ワーキング」の第3回目は1月30日に実施しました。障害理解の取り組み状況に関するヒアリング調査を小田急バスと電気通信大学で行い,その結果を共有しました。詳細は結果報告を御確認ください。今まで企業や教育機関とのつながりが少なく,今回調布市の取り組みを知ってもらう機会にできたことは,とても大きかったという意見が挙がりました。  また,今年度から横浜市でも障害当事者講師養成研修が始まるため,実際に携わっている谷内先生から運営状況等を聞きました。そして,養成研修の運営やプログラム内容について改めて最終確認を行い,今後は福祉人材育成センターを窓口に実施する予定です。  第4回目は3月7日に実施し,講師像や研修終了後の体制について,各委員から意見をもらいました。講師像については,ユーモアがある人や社会を変えていく人等,さまざまなワードが挙がりました。終了後の体制については,市民活動支援センターの出前講座や教育機関等との連携という意見もありました。また,今年度で最後のため,振り返りも行いました。 6年間続いたこのワーキングではたくさんの当事者に参加してもらうことができました。内容としては,障害理解・社会モデルの理解や,発信できる障害当事者の人材発掘・育成,普及啓発を中心にたくさんのイベントや研修を実施することができました。まだ検討する内容は多くありますが,来年度から福祉人材育成センターで研修が事業化されることは,大きな成果の一つと考えています。 〇谷内会長 それでは,医療と福祉の相互理解についてのワーキング,よろしくお願いいたします。 ○事務局(ドルチェ)  このワーキングは,障害のある方の身近な地域の医療アクセスの現状を把握すると共に,より一層医療と福祉の相互理解を深めて,アクセスをよりよくするための方策について考えるワーキングとなっています。  まず,医療側・当事者側の現状把握のためアンケートを取ることとなり,検討を進めました。2月に当事者と家族側のアンケートを1,000通送り,回答率は47.1%でアンケート用紙とGoogleフォームを活用した形の両方で行いました。今後,集計します。 また,医療側のアンケートについては第4回目のワーキングで検討を進めました。医師会の西田先生に素案を作ってもらい,委員からの意見も含め,よりブラッシュアップしたアンケートを作成し,医師会に依頼する予定です。アンケートはかかりつけ医の部分,身近な地域の医療の状況と健康診断の2つを大きな柱として,促進要因や阻害要因について意向を聞く内容となっています。 このワーキングは2年間行い,来年度で終了の予定です。来年度はアンケートの状況を踏まえ,問題点とできることを考えていきたいと思います。 〇谷内会長  それでは専門部会,サービスのあり方検討委員会の報告をお願いします。 ○事務局(障害福祉課)  サービスのあり方検討会は,市内の14か所の相談支援事業所の相談支援専門員が参加して開催しています。第4回の内容について報告します。 第4回目は11月21日に開催しました。内容は障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行の際の相談支援事業所の支援について考えるという内容で,地域包括支援センターの職員に出席を依頼し,実際の事例を通してスムーズな移行のための相談支援事業所の関わり方について検討しました。65歳を迎え,障害福祉サービスから介護保険サービスに円滑に移行するには,相談支援専門員も介護保険サービスについて知識を持ち,早めにサービスの違いを説明し,日単位,週単位の生活のイメージを当事者と共有できるとよいと全体で認識することができました。  今後は,医療的ケア児・者が利用できるサービスについて理解を深めること,居宅介護事業所と合同での意見交換と記載していますが,報告書の提出後に開催したので報告します。 医療的ケア児・者の対応については,当事者から在宅生活のこと,相談支援専門員に知ってほしいこと等を話してもらう内容を予定していましたが,諸事情により今年度の開催は中止になりました。日程を変更し,2月20日に障害福祉課より医療的ケア児・者が利用できるサービスについての研修と,児童と成人の事例を通して医療的ケアがある方の生活やサービスについてのグループワークを行いました。  次に,居宅介護事業所との意見交換は3月6日に行い,その内容と併せて第2回目の地域生活支援拠点会議も開催しました。居宅介護事業所との意見交換は,昨年度の相談支援事業所と居宅介護事業所の連携についての実態把握ワーキングで出た居宅介護事業所と相談支援事業所の関係性構築の場が重要であるとの結論から,検討会で実施することになりました。今回,1か所のヘルパー事業所のサービス提供責任者に参加してもらいました。その中で,ヘルパーがどのようなことを不安に感じているか,相談支援事業所に望むことはどのようなことかを共有することができました。介護保険サービスよりもサービス等利用計画はモニタリングの間隔が長く,支援者が一堂に会して担当者会議を行う機会も少ないことで横のつながりが見えにくいこと,状況を共有しにくいということが挙がりました。 今年度のサービスのあり方検討会ではケース検討を多く行い,地域包括支援センターやヘルパー事業所の方と顔を合わせた意見交換等も行うことができ,実りの多い検討会となりました。今年度の取り組みを土台に,次年度以降につなげていきたいと思います。 〇谷内会長 それでは,次の地域課題と来年度のワーキングテーマについて,事務局からお願いします。 (6) 地域課題と来年度のワーキングテーマについて ○事務局(障害福祉課)  第2回の全体会や事前のアンケートで皆さまから多くの地域課題や御要望をいただき,ありがとうございました。 先ほどの御報告のとおり,希望ヶ丘を中心とした「障害理解の促進ワーキング」が,今年度で終了となりますので,皆さまからの御意見を踏まえて来年度どのような地域課題に取り組んでいくとよいのか,2月に開催した運営委員会で検討しました。 ワーキンググループとして話し合う意義の大きいものとして検討した結果,地域課題の中から「学童期からの障害理解に向けて教育と福祉の連携について考えること」をテーマに取り組んでいきたいと考えています。委員の皆さまからの御意見として,子ども同士の遊びやスポーツによる交流,一緒に定期的に活動する等,自然に仲間として感じられるような体験や交流の場を持てないか,また,学童期から病気のことを学ぶ機会が持てないか等,さまざまな意見が挙がりました。具体的にどのようなことに取り組めるのかはこれから検討となりますが,まずは現状を把握しながら深めていけるとよいと考えています。教育分野の委員の皆さまの御意見や御協力をいただきながら,教育と福祉の一層の連携を図っていきたいと思っています。 ワーキンググループの中心となる希望ヶ丘からも,補足で説明したいと思います。 ○事務局(希望ヶ丘) 来年度からは教育と福祉の連携について深めていきたいと考えています。特に,学童期における取り組みがまだ分からないので,学校の福祉教育や障害理解の取り組みについて把握できるような実態調査をしたいと考えています。今後詳細を決めていくことになりますが,皆さまから御意見をいただきながら進めたいと思いますのでよろしくお願いします。 〇谷内会長 次年度の新たなワーキングは,6年間続いた障害理解ワーキングで検討した当事者養成研修を受けた人材等を生かすためには,小中学校を含めた児童に福祉から歩み寄り,住みやすい調布市を作りたいという思いで進めていきたいと思います。 校長会から参加のC委員から御意見をお願いできますか。 〇C委員 学童期からの障害理解教育を進めるということには,賛成したいと思います。国も都も市も,共生社会の実現を大きなテーマにしており,そのためには学童期から障害とはどういうことなのか肌で感じる必要があると思います。 私は小学校の校長なので,どのように進めるかは調布市教育委員会が窓口になりますが,本校には知的障害の障害児学級があり,甲州街道を挟んでかなり近い距離に都立調布特別支援学校もあるので,校内での交流学習や特別支援学校との交流も年間を通して行っており,相手を理解する機会がたくさんあると思います。幼少期から積み重ねることで,自分が中学生,高校生,大人になった際このような問題をどう捉えるかにつながると思うので,ぜひ進めてほしいと思います。ただ,学校によって地理的な条件も異なり,特別支援学級が設置されてない場合もあるので,ワーキングの中で検討してほしいと思います。 〇D委員 力強いお言葉,ありがとうございました。支援学級が併設されてない学校では,どうしても障害のある方と実際に触れ合う機会が少ないので,理解が他の学校と異なると思いますが,学区内に住む特別支援学校の生徒が副籍を持って交流するという副籍交流事業をほぼ全ての小学校で行っていると思います。 コロナもあり,けやきの森学園の重度心身障害の生徒は,直接交流しにくい時期が長かったと思いますが,その中でもZoomや子どもの障害について動画作成して見てもらう,形態食しか食べられない子どもにバナナが出てきたらどうしたらいいかというクイズを作る等して交流し,子どもたちもとても積極的に参加したそうです。自分や自分の友達だったらと考えることもとても大事なことで身近に感じると思うので,障害当事者の講師の養成と併せて,子ども同士の交流も考えてほしいと思います。 〇谷内会長 その他,何かテーマについて御意見はありますか。 〇E委員 先日の運営委員会では意見を述べましたが,高校の教科書には精神障害についての説明が載りましたが,中学ではまだ紹介されていない状況です。発病する年齢等を考えると,ぜひもう少し若い世代から,精神障害について学校で扱う機会を設けてほしいです。テーマからは外れてしまいますが,学校という広い範囲の中で検討してほしいと思います。 〇谷内会長 大切な視点だと思います。私も障害理解教育という言葉を口にしてもう20年以上経ちます。最近,私の知り合いの小中学校の先生と話をしていると,SDGsや多様性等表現が大きく変わってきていると感じます。障害理解の障害はどうしても狭い意味での機能障害と捉えがちなので,ワーキングで捉えてきた社会モデルともやや乖離している感じもします。障害理解というよりもっと広い枠組みで展開したほうが学校の先生からも関心を持ってもらえるのではないかと思います。 福祉の世界では障害理解がいまだに貴重なテーマになっていますが,少し古いと最近感じています。学校教育のほうが一歩先を進んでいるように思い,そのあたりも含めて次年度のワーキングで検討できるとよいと思います。 もう一点,現在のワーキングは10名中私も含め5名の当事者で構成されており,自分たちのことを自分たちが決めるということがとても大事だと思います。人数の制約はありますが,当事者同士が学ぶ場でもあると思うので,ぜひ次年度メンバーを選ぶ際に当事者を数多く入れることを検討してほしいと思います。 今回,6年間続ける中である委員からも学びの場だったという意見がありました。長い意味でこのワーキングの活動そのものが大事な蓄積になっていると思います。今度は教育分野との連携に橋を架けていくような役割が担えるワーキングを期待しています。 それでは,講演会についての報告を事務局からお願いいたします。 ○事務局(障害福祉課) 令和4年度の講演会について,報告いたします。 「罪を犯した障害のある方のその後の地域生活」をテーマに今回は講演会を行いました。市民に罪を犯してしまう障害のある方の状況を理解してもらい,地域で温かく見守る土壌を作っていきたいということを目的としています。 今回はYouTubeによるオンデマンド配信で行い,令和5年2月1日から28日の1か月間公開しました。 第1部は武蔵野大学の木下先生の基調講演で,第2部では実践として当事者のインタビューと「埼玉福興」という場所で実際に罪を犯した知的障害の当事者が働いて地域で生活している現状を紹介する動画と,第3部では木下先生と内閣官房内閣総務官室上席障害者雇用専門支援員の加藤公一先生のトークセッションという構成です。 1か月間の公開期間で229名の申し込があり,市内在住が83名,市外在住が69名,福祉関係者が115名,当事者が10名,当事者家族が15名の内訳で,アンケートの回収は現状で18名となっています。その中でも,司法というテーマが今まで多くなかったこともあり,新たなテーマで講演会を行ったことへの好評の声が多く聞かれました。 〇谷内会長  私も視聴しました。非常に濃密な内容で勉強させてもらいました。最近,知的障害者のグループホームで働いている卒業生から,利用者が警察に捕まった等々の対応についてのアドバイスが欲しいという相談が増えています。話を聞くと,警察側が障害のことを本当に理解していないと感じたので,今回の講演会は非常に貴重な経験であると思いました。 以上ですが,座長のお二人から次年度に向けて一言最後にお願いできればと思います。 ○山本副会長 医療と福祉の連携のワーキングでは,今回アンケート調査を行いました。このようなテーマで医師会と協力できるのは,調布ならではだと思います。それは,医療サイドと福祉サイドが一緒に考えていきたいという姿勢の現れであると思います。  アンケートの集計はまだですが,何件か見た限りでは障害のない方に比べるとかかりつけを持っている人が多いと感じました。ただ大事なのは,数の議論ではなく医療に安定的にかかれていない人がごく少数でもどう拾えるかであると思うので,さらなる調査の分析を行う必要があると思います。来年度,分析をした上で議論しながら,命を失うようなことがない,安心して医療にかかれる地域社会を作っていくことも,重要なテーマだと思うので,真摯な議論を頑張りたいと思います。 ○丸山副会長  この自立支援協議会は,障害者総合支援法に基づく協議会ですが,福祉サービスを使う人たちがいる一方で,使えない,もしくは使わない,知らない人たちの中に,地域で暮らしていくことに難しい課題を抱えている人たちがたくさんいるということが,このワーキングの中でも出てきました。  障害を持っている人もいれば,持っているだろうけれども手帳を取得しない人,また,持っているかどうかも分からない人もいます。引きこもっていたり,居場所がなくさまよっていたり,仕事が長続きしなかったり,罪を犯して出所して地域で暮らしている人たちのように,既存の福祉にフィットしない人たちの施策にどんなものがあるのかを今検討しています。来年度もう少し具体的な形を提示して,各委員から意見をもらいたいと考えています。  もう一点,先ほど来年度の新しいワーキングが学童期からの福祉と教育の連携についての検討がテーマになるという報告がありました。その際,精神障害や障害の理解という話がありましたが,昨年文部科学省が普通学級の8.8%の子供たちに学習や発達の課題があるという調査データを公表しています。従来6%程度でした。約1割が何らかの学習・発達に課題があるということは,障害とまでは言えないけれども,その子たちの発達と福祉に今後大きな課題を示していると思います。特に,中学や高校の卒業後,この移行期の部分で発達の障害なのか,そうではないのか見極めが必要です。また,8.8%に入らない子供たちの中にもさまざまな課題があるはずです。例えば,障害や病気の親,きょうだいを介護しているヤングケアラーと呼ばれる人たちも,その状態の中で学習をすることでさまざまな学習面や精神的な課題,また,友達や社会との関係性の課題が出てくることも懸念されています。子どもたちの部分は全て教育委員会や学校に任せ,ここは福祉の話をしていますが,この2つは分けることなく,地域の中ではつながっていると考えていきたいと思います。 そのため,福祉にフィットしない次の選択肢を考えるワーキングでも,このような課題も念頭に置きながら,新しいワーキングとも連携して議論ができたらと思います。 〇谷内会長  教育についても話題になっていたので,委員より発言をお願いできますか。 〇F委員  本日,不登校特例学校の「はしうち教室」の卒業式に参列してきました。今,教育委員会と調布特別支援学校,障害福祉課でトライアングルサポートネットワークを行っています。トラサポネットと呼ばれていますが,具体的には放課後等デイサービスと学校との連携事業です。今まで放課後等デイサービス事業所と学校の連絡調整に難しい部分がありました。  例えば利用している子どもが学校で何かあったとしても,その情報がなかなか事業所には伝わらず,知りたくても学校から許可が出ないことがありました。今,試行的に市内の学校で簡単な連携をして良いというマークを作り,連絡帳等にマークがある子どもは,学校と放課後等デイサービス事業所で同じ連絡帳等を使えるようにしています。それにより学校で何があったか,放課後何があったか分かるので,よりそれぞれの立場で教育活動や子どもの過ごしやすい環境を作れるという意味で進めています。  これは,調布市と三鷹市と狛江市の3市で一緒に進めています。ただ,いろいろな事業所の考えがあり,利用している保護者の考えもあるので,今年度と来年度かけて試行的に行っています。その検証が終わった段階で,改めて調布市として提示したいと考えて取り組んでいますので,今後とも御協力,御理解をお願いします。 (7) 障害者差別解消支援地域協議会 ○事務局(障害福祉課) それでは,これから差別解消地域協議会に移ります。  今回の議題としては2つ挙げています。毎回,差別解消法関連の相談等があった際はこちらで情報共有しており,前回から今回にかけてはB委員から1件相談がありました。  市内のチェーン店の飲食店に盲導犬と行こうとしたら断られたというものです。ただ,友人が補助犬可というステッカーに気付き,最終的には入店できたそうです。ですが,大きなチェーン店がステッカーについて知らず,本社にどこから配られたのか確認等を行いました。その結果,補助犬について説明の上配られているものではなく,出店の際に貼るものの一つとして配っていたという返答でした。補助犬は盲導犬だけではなく,パンフレットや周知については補助犬の協会にあるので説明してほしいとお願いし,必ず行うと回答がありました。ステッカーを貼ってあるどのお店でも同様のことが起こる可能性があり,周知の必要性を感じました。  また,他にもぜひ共有したいことがあるとのことで,B委員よりお願いします。 ○B委員 身体障害者補助犬法が制定されて20年。そして,私が盲導犬ユーザーになって15年,飲食店や病院等,いろいろなところに入れるようになったと思っていた時に,大きな落とし穴がありました。  今の報告とほぼ内容は一緒で場所が違うのですが,この夏に大きな会議があり,神奈川県藤沢市のホテルに予約を取る前に,盲導犬同伴でよいか電話で確認したところ,盲導犬は御遠慮願いますと言われました。  私は,身体障害者補助犬法という法律に義務付けられていても拒否されるのですかと強めに聞きましたが「はい,そうです」との返答でした。先日と同じ友人といたので,ホームページを見もらいました。すると,介助犬を除くペットは入室お断りと書いてありました。それで,改めてもう一度連絡しました。「折り返し連絡します」と言われて待っていたところ,支配人から「申し訳ございません。こちらの従業員の教育不足です」と謝られました。  この2件とも,大丈夫ですと返答したものの,実際の現場で断られるというこの流れがやはりおかしいと思います。そのため,従業員教育をきちんとしてほしいと思います。  また,ホテルは今,ネットで予約する方が安いです。3月に高田馬場で私が所属している大きな団体の会議がありました。その際に課題が挙がったのが,ホテルをネットで予約できない視覚障害者が電話での予約をお願いしたところ,何軒か断られ,どう宿泊予約をしたらいいのかというものでした。  私も一番近い東京からの参加でしたが,スケジュールに合わせて高田馬場の某ホテルに泊まりました。電話での予約をお願いしたら「高くなりますが,いいですか」と聞かれました。盲導犬は了承されましたが,ネットは1万円弱のところ,私は1万3,900円でした。  私はたまたまその時友達がおらず,家族にも協力してもらえない状況で1万3,900円でしたが,次回の大会は友人にネット予約を頼み,同じ系列のホテルに1万円弱で泊まれるようになりました。全ての人がネット等を使えるわけではないので,そういった部分の合理的配慮をしてもらえると嬉しいと思いました。 〇谷内会長  今,具体的な事例を出してもらいましたが,何か御意見等ありますか。 〇A委員 チェーン店の問題は東京都か国に改善してもらいたいと思いますので,今回の件を是非報告してほしいです。 ○事務局(障害福祉課) 東京都には,差別や虐待のことは権利擁護の担当があり,情報提供や調査の上報告をしているので,伝えていきたいと思います。 〇谷内会長  全てがスマホに変わる中で,私も視覚障害なので正直メールより電話のほうが楽だと感じますが,問い合わせはメールが基本という時代になってきており,使えない人への差別ではないのかと最近私も感じています。 ホテルの件では私からも話題提供です。私の盲学校時代の全盲の同級生は全盲で糖尿病もある男性と結婚をしているのですが,先月彼女がコロナに罹患しました。そのまま一つ屋根の下にいると危ないということで,本人はホテルでの療養を選択しました。 しかし,ホテルに着いてから目が見えない人を預かるわけにはいかないと拒否されてしまいました。数時間ホテル探しをしてもなかなか見つからず,結局酸素ステーションで数日過ごし,その後自宅に無事に戻れたそうです。  これも明らかに差別なので今後私も動き始めるところですが,日常生活はもちろん,災害も含めた緊急事態でも差別が当たり前のように行われると彼女の事例を通して感じました。A委員の話も聞いて,声を大きくして伝えていかなければいけないと思いました。  そこで難しいのは,国レベルになると窓口が非常に分かりづらいという点です。調布市の場合は,担当がワンストップで動いてくれるのですが,国の管轄になると今回の件でもたらい回しの状況です。差別解消法は,ワンストップを目指して改正したところもあると思うで,その点も含めて事務局から説明してもらい,全体で振り返りたいと思います。 ○事務局(障害福祉課) 以前会長から国会で差別解消法の一部,事業者の合理的配慮の努力義務が全て法的義務になり,これから3年間で詳細が決まるという説明がありました。今回,3月14日に内閣府から障害を理由とする差別の解消法の趣旨に関する基本方針の一部改正についての詳細が示されました。資料が膨大となり,今回配布したものは変更部分の大まかなものですが,一番は努力義務ではなく法的義務になることです。その他の説明を会長からお願いします。 〇谷内会長 改正された法律が,2021年6月4日からスタートしています。それから3年なので,2024年6月3日までの間に施行されるということです。ポイントだけ話をすると,この障害者差別解消法は非常に不思議な法律で,条文・法律の中に障害者や事業者についての説明はありますが,差別の定義がなされていません。それでは困るということで3月14日に国が基本指針を出します。法律の解説書やガイドラインというイメージを持ってもらえるといいと思います。これは17ページにわたり,インターネット上に非常に細かく掲載されています。その中に,差別とはという説明が書かれています。しかし,そもそもB委員の話にもあったように,日本の法律の差別の扱いがとても雑です。  差別はいろいろな分類の仕方がありますが,一番分かりやすいのは4つの分類だと思います。1つは直接差別,障害者だから店に入れないというものです。  2つめの間接差別は,例えば大学入試は音声言語のみで面接を行いますというものです。これは手話で行う入試はしませんと言うことになります。そうなると,手話を使う聴覚障害者は受験することができません。どこにも聴覚障害者を差別するとは書ありませんが,間接的な差別になります。  3つ目が関連差別で,これは盲導犬に関わってくるところで,どこにも視覚障害者を差別するとはなくても盲導犬はお断りとなると,当然ユーザーの視覚障害者もお店に入れませんので,結果的にお店に入ることができないというものです。  そして最後は,合理的配慮をしないことです。3月14日に出された国の基本方針の中には社会的障壁を解消するための手段,補助犬や盲導犬等の利用を理由として行われる不当な差別的扱いも障害を理由とする不当な差別取り扱いに該当すると具体的に書かれています。一見直接差別のことのみのようですが,国が出した指針の中には「補助犬」としっかり書かれています。関連差別も入るという広い捉え方を初めて国が出しており,一般商店の方たちはここまで読まないと思いますが,法律に記載があることは自信を持って今後展開できると思います。資料にも障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化とあります。地方公共団体,調布市は障害を理由とする差別およびその解消のための取り組みに関する情報や,事例等の収集・整理および提供に努めるとあります。当たり前のことですが,これまで主語は国でした。  今日も具体的な2つの事例を共有できましたが,ここだけではなく,具体的な店名は難しくても,ここにいない方たちにどう広報していくかで,先ほどの商店の補助事業の成果をどう伝えていくかと同じことだと思います。内々で理解するレベルからさらに一歩進めて,市民に事例をどう広げるかについても,この場で今後議論していければよいと感じています。 東京都や内閣府も事例を発表していますが,どうしても人ごとに思いがちです。それが調布市内で起こった具体的な事例を広報されると,読み手の気持ちが変わると思います。そのあたりも第16条が改正されたことにより取り組んでいくべき方向性だと感じます。 その他全体を通して,差別関連で何か情報共有や御意見はありますか。 ○G委員 私は57歳で身体障害となり,障害者手帳を勧められて身体障害者となりました。現在,ヘルプマークはとても認知されていると思いますが,今は障害者も幅が広くなり,一見どこに障害があるのか分からない人もいます。そのため,よく相手の話を聞き,自分のことも相手に知ってもらうことも必要です。そして,想像力も大事です。想像力を働かせればこの人はこれが不自由でこう困っているだろうと想像できます。 私は肢体不自由になってから「助けてください」「ありがとう」と必ず言うように自分で心がけています。親切にしたいと思う人が増えてほしいと思う一方で,困ったら「助けてくださいと言う」という障害者自身への教育も必要です。 〇谷内会長 合理的配慮は本当に想像力だと思います。そのためには本人たちと語り合うことが必要なので,そのきっかけもこの調布市で行えるとよいと感じています。 ○H委員 先ほど法的義務とありましたが,拒否した時の処罰等はあるのでしょうか。 〇谷内会長 罰則規定はありません。そのため,お互いが歩み寄り,差別をなくす努力をするということがこの法律の落としどころとなっています。 ○H委員 新たなワーキングテーマに関し,学校教育でマークが付いているところは補助犬を拒否してはいけない等具体的に教えていけると子どもから学べると思います。その話を家で保護者に話し,自然と社会が優しい気持ちになれる状況がつくれるとよいと思いました。 ○B委員 罰則はありませんが盲導犬ユーザーとして健康管理や行動管理を行う義務はあります。手帳は必ず持ち,毎月1回病院に通っています。行動面では盲導犬が勝手に歩かないように管理するといった義務をきちんと守った上でお店や病院に入れてくださいと言えます。中には毛の手入れができておらず本当に盲導犬なのかという犬もいると聞きますが,やはりユーザーもきちんと自分の義務を守ることが大事だと思います。 それから,今小学校4・5年生対象に点字を教える出前講座を行っています。その際に必ず盲導犬ユーザーに出会ったらという話と,優しい無視をしてください,触らないでください等いろいろ書かれている盲導犬の子どものシールをお配りしています。そのような機会があるたびに盲導犬のことは全部言わせていただいています。 〇谷内会長 具体的によくわかりました。ありがとうございます。 (8) 閉会の挨拶 ○事務局(ちょうふだぞう) それでは,以上をもちまして令和4年度の調布市障害者地域自立支援協議会第3回全体会を終了させていただきます。誠にありがとうございました。