陳情文書表 (令和5年6月8日受理) 受理番号 陳情第5号 件名 非核平和宣言都市調布市として「航空自衛隊府中基地の核攻撃に備えた強靭化工事の理由と内容の説明と工事の中止を国に求める意見書」提出に関する陳情 提出者の住所・氏名 (注)非公開情報 付託委員会 総務委員会 (注)原文のまま記載 (趣旨) 昨年閣議決定された「安保3文書」に基づき、いま日本は「戦争か、平和か」の岐路に立たされている。 2015年、「安保関連法」で集団的自衛権行使が容認され、「安保3文書」によって戦争への準備が着々と進められ、憲法施行75周年の今年、わが町調布にも、隣の府中市にある航空自衛隊府中基地の強靭化工事によって「新しい戦前」が現実に迫っています。この状況を憂慮する市民として、非核平和宣言都市・調布市の市議会から、政府、内閣総理大臣、防衛大臣等に工事の全容の説明と工事の中止を求める地方自治法99条に基づく意見書(下記のとおり)を提出することを求めます。 記 自衛隊府中基地の強靭化工事の全容の説明と工事の中止を求める意見書(案) 岸田政権は閣議決定した安保3文書に基づき、「ねばり強く戦い続ける」能力を持つため「核攻撃」に備えた自衛隊基地強靭化を進めている。敵基地攻撃能力の行使により日本が他国から反撃を受ければ、周辺住民に被害が及ぶのは避けられない。 昨年12月31日付「読売」によれば、防衛省は、高高度の核爆発などにより生じる強力な電磁波で、電子機器の誤作動や揖傷を引き起こす「電磁パルス攻撃」の対策を、航空自衛隊の新田原(宮崎県)、築城(福岡県)、千歳(北海道)、府中(東京都)、那覇(沖縄県)の5基地を対象に行うとしている。 「安保3文書」では「宇宙の安全保障分野での対応能力を強化」することが強化された。自衛隊「宇宙作戦群」は軍事を含む日本の人工衛星を監視し、宇宙ゴミや他国の脅威から人工衛星を守る役割を担う。「敵基地攻撃能力」行使に欠かせない「ミサイル誘導」などの任務は「想定していない」とされているが、人工衛星の監視・防衛そのものが日本のミサイル運用、宇宙軍事作戦に欠かせない役割であるため、有事の際に他国から脅威とみなされる危険は否定できない。仮に強靭化によって核攻撃から自衛隊基地は守られても、府中市のみならず約3キロしか離れていない調布市など近隣の市民の「安全を守れる」という根拠はない。 調布市は、歴史的に一貫して非核平和を願う強い意思表示を市民とともに行っている。1983年の「非核平和都市宣言」以来、数々の平和祈念事業を行い、調布在住の被爆者の方々から被爆の実相を聴く活動等をはじめ、2015年から「中学生広島平和派遣」を行っており、2018年には「核兵器禁止条約に日本政府が参加することを求める意見書」、2020年には「日本政府に核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加を求める意見書」を市議会で議決し政府に提出、2021年には「日本非核宣言自治体協議会(会員数 354自治体)」にも加入、2022年には「ロシアによるウクライナへの侵略を強く非難するとともに即時の攻撃停止と撤退を求める決議」を全会一致で可決している。隣国北朝鮮政府にも核実験が実施されるたびに抗議声明をその都度採択し、内外に「非核平和」の意思を示してきた。そういう調布市だからこそ、政府の自衛隊府中基地をはじめとした核攻撃に備えた強靭化計画の実施は、耐え難い。工事の全容の説明と、中止を強く求める。 以上、地方自治法99条の規定に基づいて意見書を提出する。 令和5年 月 日 調布市議会議長  提出先 内閣総理大臣 防衛大臣 衆議院議長 参議院議長