ともに生き ともに創る 彩りのまち調布 市報ちょうふ 【1】 No.1743 令和5年(2023年)7月20日号 ■発行:調布市(毎月5日・20日発行) ■所在地:〒182-8511東京都調布市小島町2丁目35番地1 ■編集:行政経営部広報課 ■市ホームページ:https://www.city.chofu.tokyo.jp/ 市役所代表:電話042-481-7111 CONTENTS(主な内容) 夏休みは楽しいイベントがもりだくさん…4 図書館へ行こう…5 自転車用ヘルメット購入補助事業を8月から開始…6 第38回調布花火2023…16 市報ちょうふの配布に関する問い合わせ 市報ちょうふ配布コールセンター(配布受託業者株式会社小平広告) 電話042-300-3131 ●みんなで食べるとおいしい!たのしい!子ども食堂に行ってみませんか?  「子ども食堂」は、地域の方が主体となって開催し、提供される食事をきっかけに、子どもたちが安心して自由に過ごせる場所になっています。  今回は、「こども食堂かくしょうじ」を取材してお届けします。 問い合わせ/子ども政策課電話481-7105 続きは2面・3面をご覧ください ●手をつなぐ樹(424) マドモアゼル・セスネイ  野見山暁治画伯が逝去された。享年102歳。東京芸術大学名誉教授にして文化勲章を受章された洋画界の大家。亡くなられた直後からマスメディアが一斉に斯界の権威の功績を報じ、その死を悼んだ。  私は美術に関しては門外漢であり、恐縮ながら野見山氏の美術界における輝かしい業績を詳らかにしない。しかし、文筆家(註)として発せられた珠玉のメッセージには感動を覚えた一人だ。  もう45年ほど前のことになる。当時購読していた文芸誌に氏が執筆された、私にとって生涯忘れ得ぬ衝撃のエッセイ「マドモアゼル・セスネイ」。  まだ外貨事情の極めて厳しい1950年代前半に苦労して果たされたパリ留学。生活苦に耐えながら必死に西洋美術を学ぶ彼のもとに、遅れてやっと辿り着いた愛妻陽子さん。待ち侘びた再会の大きな感激とその僅か1年後の陽子さんの夭折という絶望的な悲劇(享年29歳)。もう生涯独りだと慟哭する氏を「おまえはまだ生きているではないか」と叱咤し懸命に支えた彼の仏語の老家庭教師セスネイ嬢。  パリの比類なき華やかさは万人を魅了する。それゆえに、ひとたびその中で孤独感に苛まれたとき、ひとは果てしなく深い闇にどこまでも落ち込んでいく。この上ない残酷な運命に見舞われた異国の青年を慈愛で包み込む気丈な老嬢の気高い献身。  読後の余韻の中で、清らかな人間愛の尊さを強く認識するとともに、このエッセイを通じて、ときに人生観にも影響を与えかねないほどの言葉の持つ力を痛感させられた。これからも故人の著作を傍らに置き続けたい。 調布市長 長友 貴樹 (註)野見山氏は、1978年に「四百字のデッサン」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されたほどの名文家としても名高い。パリでの陽子夫人との暮らしおよび夫人の闘病を綴った著作としては、「愛と死はパリの果てに」や「パリ・キュリィ病院」がある。 ●市報7月20日号の掲載情報は7月11日時点のものです