陳情文書表(令和5年11月22日受理) 受理番号 陳情第15号 件名 再審法の改正(刑事訴訟法の一部改正)を求める意見書についての陳情 提出者の住所・氏名 (注)非公開情報 付託委員会 総務委員会 (注)原文のまま記載 (趣旨) 身に覚えのない罪で服役させられ、ひどい場合には命まで奪われる冤罪(えんざい)ほど怖いものはありません。再審制度はあってはならない事件に巻き込まれた人を救済するためのものです。ですが今の再審制度は様々な問題点を抱えています。 ①今年3月、東京高裁で再審開始が決定した袴田事件(静岡県)では、死刑判決の根拠とされた5点の衣類のカラー写真が初めて開示されたことが弁護団の新証拠の発見につながりました。現行法では捜査機関が集めた証拠は検察が持っていて「当事者主義」のもとでその全てを裁判の場に提出しなくてもよいとされています。全ての証拠品が裁判の場で明らかにならなければ公正な裁判は期待できません。 ②袴田事件では2014年3月に静岡地裁で再審の開始が決定されたにもかかわらず、検察がこれに不服申し立てを行なったことで、今年3月の再審の確定までにさらに9年間の歳月を費やしました(その結果死刑囚とされた袴田巌さんは87歳に、その弟を支え続けてきた姉の秀子さんは90歳になり貴重な人生が奪われました)。このように長い審理を重ねてようやく再審決定にたどり着いても、検察が不服申し立てを繰り返せばさらに膨大な年月が費やされ救済が遅れることになります。検察の不服申し立ては制限されるべきです。不服な点があれば再審裁判の場で主張されるべきです。 ③現在は再審請求をどのような手続きでおこなうのかの規定が無いにひとしい状態で、再審請求者の権利が保障されていません。裁判長個人の判断で裁判手続きが進められ、場合によっては証拠調べも行わずいきなり請求を棄却するということもあります。法手続きの規定が作られるべきです。 冤罪の可能性が高い場合には、社会的正義と高い人道的見地、基本的人権の面から出来るだけ速やかな救済の道が開かれるべきです。 よって、とりわけ問題になっている以上3点についての改正を求める意見書を、採択して関係機関に送付して頂くことを要望します。 (提出先) 衆議院議長  額賀福志郎 殿 参議院議長  尾辻 秀久 殿 内閣総理大臣 岸田 文雄 殿 法務大臣   小泉 龍司 殿