令和5年度 第1回 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会 議事録(要旨) 日  時 場  所 令和5年8月25日(金) 12時30分~13時20分 各施設(Zoom会議) 出 席 者 1 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会委員16名  (子ども生活部児童青少年課,調布市子ども発達センター通園事業は代理出席) 2 事務局(福祉健康部子ども発達センター) 議事次第 1 センター長あいさつ 2 委員自己紹介 3 会長・副会長の互選 4 議題 (1) 連絡会設置の目的及び調布市における医療的ケア児の状況 (2) 令和4年度連絡会での検討内容について (3) 令和5年度連絡会実務者会の報告について (4) 就学に向けた医療的ケア児の支援について 5 その他 【配付物】 資料1 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会設置要綱 資料2 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会委員名簿 資料3 「医療的ケアを必要とするお子さまと,ご家族の皆様へ」 資料4 就学相談の流れ 議事録 1 センター長あいさつ 2 委員自己紹介 3 会長・副会長の互選 4 議題 (1)連絡会設置の目的及び調布市における医療的ケア児の状況 < 事務局 >  資料1調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会設置要綱を参照し,本連絡会の設置目的「医療的ケア児の現状の把握や分析,支援に係る関係機関相互の課題や情報の共有,支援に係る連携の強化に関すること」を確認。  調布市における医療的ケア児の状況についての報告。令和5年8月10日時点で把握できている18歳未満の医療的ケア児は20人。年齢は未就学児8人,小学生11人,中学生1人。在宅人工呼吸器を使用している方は5人,その中で24時間呼吸器を使用されている方は3人。来年度就学予定の方は2人で,1人は胃ろうの方,もう1人は中心静脈栄養と胃ろうの方である。 (2)令和4年度連絡会での検討内容について < 事務局 >  昨年度の連絡会では,市がチームで保護者のニーズや課題に対応することを示すとともに,医療的ケア児の市役所の窓口を案内するためのリーフレットを作成した。また,保護者が医療的ケアの内容や状況などを窓口ごとに説明する負担を軽減させるため,保護者の同意のもと,庁内各課で医療的ケア児への支援に必要な情報を共有するためのデータベース事業を開始することとした。  以上が令和4年度の連絡会の報告になる。 < 会長 >  医療的ケア児の主な医療機関というのは,どこか。中核病院であるのか,在宅の医療機関なのか,それとも地域の開業医が診ていたりするのか。比率があればわかる範囲で教えていただきたい。 < 事務局 >  主治医がどこかというのは,把握しきれていない。障害福祉課とも情報共有して,把握していきたい。 < 会長 >  私のような地域の開業医が,在宅のお子さんに関わっていくということは,大事だと思っている。実際問題どういう状況か,簡単でいいのでわかれば教えていただきたい。 < 事務局 >  承知した。 (3)令和5年度連絡会実務者会の報告について < 委員(障害福祉課)>  実務者会は,資料1の要綱第7によって定められている会議であり,今年度は,令和5年6月6日に庁内委員による実務者会をZoomで開催した。  5月から運用を開始したリーフレットとデータベース事業について,運用開始後の各課の状況についての確認を行った。今後,市がチームとなって対応するために,リーフレットを用いて,時期を逃さずに周知していきたいこと,委員が不在であった場合でも,ほかの職員が対応できるように課内でも周知していくことを確認した。また,市内の医療的ケア児について,呼吸器が必要なお子さんや就学予定のお子さんなどの状況についての共有を行った。  本日の時点での状況で,データベースに関しては実務者会の後に3名の方の登録があり,庁内の関係部署で情報共有が開始され,連携を取り合いながら支援に当たっている状況である。以上が実務者会の報告。 (4)就学に向けた医療的ケア児の支援について < 会長 >  就学に向けた医療的ケア児の支援について,昨年度まで連絡会で課題の抽出,庁内の連携体制の構築などについて検討してきたが,本年度からはいよいよ各論に入る。様々ある課題の中から,本年度は就学に向けた医療的ケア児の支援について,まずは現状を把握し,その後課題の共有をしたい。 < 事務局 >  就学相談の通常の流れの説明(資料4参照)  保護者の方が電話で教育相談所に申込み。初回面接を行う。初回面接では,成育歴を伺い,就学相談票に記入。必要に応じて検査が行われたり,医師の記録の提出を保護者に依頼したりする。その後,就学体験をしながらお子さんの様子を見るが,医療的ケア児の場合はそれが難しいことが多いため,相談員が在籍園等に出向いて,お子さんの様子を見るという方法で行っている。その後,就学支援委員会で,審議が行われ,保護者への提案として結果が伝えられる。就学先の決定は学務課で行われ,都立の学校に決定した場合は,さらに東京都でも就学相談を受け,最終的な決定は東京都から出される。就学通知が発送された後は,それぞれの学校で就学に向けた調整が行われる。  以上が就学相談の流れになる。 < 委員(学務課)>  学務課からは,就学相談後の手続について説明する。通常,就学相談は,教育委員会の教育相談所で行い,就学支援委員会で,答申を出す。その後,保護者が答申の内容を聞き取り,具体的にどうするかという話をする。答申の内容と保護者の意向が合致していれば,就学通知ということで学校を決めて,具体的な手続を進めていく。答申の内容と保護者の意向が合わない場合は,そこから具体的な調整,入学後の想定を保護者と話し,調整を図る。最終的には保護者の意向を最大限尊重して決定していく。  通常,市立学校の通常級又は通級,それから知的固定と呼ばれている支援級があり,それぞれ入るときに医療的ケアの内容を確認したうえで,その段階から実施可能な対応を相談していく。学校のインフラ設備が大分古い状況もあり,その中でもどのような対応を取れるか,調整をしながら,入学に向けて準備をしていく。ただ,実際のところ,この流れで市立学校の通常級に入った子は,非常に数が少ないという状況にある。 < 委員(指導室)>  就学支援委員会において,医療的ケアの有無によって就学先を判断するのではなく,基本的に就学先と医療的ケアは分けて考えるようにしている。また指導室は,人的な支援や,職員への研修等の準備も行っている。受け入れるということになると,学校が協力すべきこと,見守りや衛生面に加え,教育課程上配慮しなければいけないこと,例えば「運動はどうするか」,「校外学習や宿泊行事をどうするか」「給食はどのようにやっていくか」など,決定の後に,指導室と学校と保護者とで話していくようになる。 < 委員(学校関係機関) >  学校では,従来の特定行為,吸引や経鼻経管栄養,それから呼吸器管理などのことに加えて,新たに栄養剤ではなく,初期食の胃ろうからの注入が始まった。付添い短縮化事業として,医療的ケアを学校で実施するまでに,保護者に対して手続や準備期間,医療的ケアのやり方を引き継ぐ付き添い期間をできるだけ短縮化しようという流れがある。秋口に就学先が決まれば,短縮化が望める。その場合,そこから就学前施設に伺いながら,お子さんの様子を引き継いでいくため,就学相談と医療的ケアの進め方など,ぜひ市と連携できる部分はしていきたい。  ほかにも都の事業として,医療的ケア児の付き添いでやむを得ず就労を中断する方がいるので,付き添いで学校待機をしながら仕事をしたい方の就労継続を補助するために,学校内でWi-Fiを使用できるような配慮も始まっている。本校は,調布市の医療的ケアが必要なお子さんも多く通学している。先ほど会長からの質問にあった主な医療機関,主治医は,成育医療研究センターや府中療育センターが多い。在宅で,授業を実施する訪問籍を持っているお子さんに関しては,地域の医師が主治医となっている場合もある。本校に通学籍を持っているお子さんは,調布市内ではなく,他市にある専門医にかかっている実態がある。 < 委員(学校関係機関)>  本校には,医療的ケアが必要なお子さんは,若干名在籍している。非常勤看護師がそのケアが必要な時間勤務し,ケアに当たっているが,それ以外の時間帯に関しては,通常の学習活動を続けている。宿泊行事や校外学習などにおいては,通常の学校の流れとは異なり,ケアが必要な時間だけ保護者に来ていただくことや,近くで過ごしていただくということを,保護者にお願いしている。また,本年度は,非常勤看護師が不測の事態で出勤ができない状況になった際,保護者の方に連絡をし,ケアのために来校していただくことがあった。 < 委員(児童青少年課)>  児童青少年課では,令和5年4月からゆずのき学童クラブで医療的ケア児を受け入れている。申請自体は昨年,令和4年11月頃。実際の相談は令和4年5月頃の早い段階からあった。入会の可能性が高く,実際に入ったときの医療的ケア(導尿)の様子などを,早い段階から話してきた。実際に入会を4月に決定し,保護者の付添いなしで通えるようになったのは6月以降になり,現在,週3程度の利用日数となる。  学童クラブとしては,ゆずのき学童クラブでのみ医療的ケア児を受け入れることができる。学校の場所によって,ゆずのき学童クラブまでの車両送迎パターンが変わるので,申請が決定する前から事前にシミュレーションをして,お話をしている状況である。  就学相談の先ほどのフローがあったと思うが,同時並行で,学童クラブの受付,相談もさせていただいている。学校がどの辺りに候補があるかというのを確認しながら,通い方や,医療的ケアの手技の確認も事前にできる範囲で行い,入会に向けて進めている状況である。現在,そのお子さんは学童クラブを通常どおり利用することができ,お母様も,一旦はお休みしていた仕事に復帰されて,且つ,お仕事を増やすとのことで,就労支援につなげていけていると思う。 < 委員(障害福祉関係機関)>  当社で今お預かりさせていただいている方は,調布市だけではなく,三鷹市,狛江市,川崎市(北部)の方もいらっしゃる。また,訪問級と,支援学校の方で,けやきの森学園の肢体不自由部門に通われるお子様をお預かりさせていただいている。医療ケアに関しては特に制限は設けてない。24時間CVからの栄養管理が必要な方でも,呼吸器の方でも,どんな方でも,医師の指示のもと安全にお預かりできる環境が整えば,制限なくお預かりさせていただいている。  来年就学予定の2名は,そのまま今申込みがある状況。今年度に関しては夏前ぐらいから,放課後等デイサービスを探されている中でお母様からお問い合わせいただいた。実際,急に,学校も放課後等デイサービスも替わることは,お子様の負担も大きい。未就学の時から少しずつ通っていただき,慣れながら就学に向かえると,保護者の負担が軽減するのではないかと思う。また,就学時期までに,お子様の状況をより深く把握するためにも,今まで通われていた子ども発達センターや,児童発達支援の事業所と連携を取っていきたい。  保護者からよくお話しいただくのが,就学に際してお母様,保護者の方の生活スタイルが変わること(就労を一旦諦めなくてはいけなかったり,医ケアの引継ぎなど)がネックになっているようだ。関係機関で連携を取りながら,スムーズな就学移行ができればいいと考えている。 < 委員(障害福祉関係機関)>  こちらでも重症心身障害の方を中心にしているため,医療的ケア児は基本的には受け入れている。対象の地域としては,調布,三鷹,狛江,府中の4市。府中けやきの森学園からいらっしゃる方が多い。未就学児の方だが,事業所の開所とともに最初から利用されている方が1人,そのまま継続の方がおられる。基本的には,放課後等デイサービスと学校に就学することによっての,親御さんも含め本人のストレス諸々もケアしていければと思っている。 < 委員(障害福祉関係機関)>  就学前のお子さんをお預かりしている。今,医療的ケアのお子さんは1名で,来年就学されるお子さんになるため,ぜひ連携をしていけたらと思う。こちらで支援していることは,就学相談の資料作成や,在園観察の対応を就学相談の中で行ったり,学校見学や,放課後等デイサービスなど,就学につながるための情報提供を行っていることである。入園してから関係性づくりをしたうえで,必要な情報を伝えることが,私たちの役目なのかなと思っている。  医療的ケアがある御家庭で,進学のことも頭にはある中だが,きょうだいのこともあり,ふだんのことで手いっぱいという家庭も多い。就学まで手が回らないというような状況がある中,就学先も放課後等デイサービスも決め,車椅子も作るなど,いろいろしなければならないことが増えていく。  また,医療的ケアのあるお子さんは,体調を崩しやすいところもあり,就学相談すらうまく進まない。在園観察の日程を決めたとしても,例えば入院してしまったり,体調を崩して日程が延びてしまったこともある。進めたくても,日程がうまく合わないこともあるため,難しいと感じている。  就学に向けての情報を整理しつつ,お母さんの気持ちや家族の状況を聞きながら,またお子さんの生活ぺースを保ちながらやっているところである。今後とも連携をよろしくお願いしたい。 < 医療的ケアコーディネーター(障害福祉課)>  来年,都立学校を希望されているお子さん2人とも,私が計画相談を本年度担当している。お母さんと関係機関と相談しながら進めているところである。今年行っていた支援については,就学相談に連絡ができたか,受診日との兼ね合いは大丈夫かといったことを確認していた。また,車椅子の準備についての相談では,PTと連絡をとっている。児童発達支援から放課後等デイサービスへの移行においては,きょうだい児への思いと合わせて相談にのっているところ。就学後の付き添い機関も含め,新生活のイメージが少しでも持てるよう,お話を傾聴しながら一緒に考えていけるよう調整中である。 < 会長 >  ほかに就学に向けた関わりがある機関で,共有したいことがあるか。  次の課題となっていることについて挙げてもらいたい。就学に向けての1年間,保護者の方も含めて支援する側もいろいろと調整することがあり,大変だと思う。ぜひ忌憚のない御意見をいただきたい。 < 委員(指導室)>  昨年あった事例を通して,市のそれぞれの機関がばらばらに医療的ケアの対応をしていることがあった。例えば主治医の指示書やその様式などを統一することや,学童とも調整を行うなど,基本的な部分でのガイドラインが市全体で作成されていると,各所での準備がスムーズにこなされるのではないかと思う。学校なら学校がやることをその上に乗せていくようなガイドラインがつくれればいいと考えている。その辺の統一をこれから進めていく必要があるということが課題である。 < 委員(障害福祉関係機関)>  医療的ケア児の考え方について,わかりやすく注入や吸引などがある方というのは,医ケア児というように認識されやすいと思うが,一般に重度のてんかん発作がある方というところに関しても医ケア児に入ってくると認識している。実際に医療ケアスコアには,てんかん発作の対応も入っているのだが,こういったお子様が就学するところはすごく整理されてきていると感じている。放課後等デイサービスを探される際に,やはり医療的ケアという認識が少し薄いような感じをうける。どこまでの方を“医療的ケア児”として認識しているのか今後共有しながら,進路相談であったり,どのような放課後等デイサービスに通えるかというところは整理をしたほうがいいと感じている。 < 会長 >  私から1点だけ確認したい。資料4の就学相談の流れを見せていただき,親御さんや御本人の意見というか,思いを尊重するというところはすごく強調されていたと聞いていて思った。在園の観察を行う以外で,例えば親御さん自身が,Aの小学校,Bの小学校,Cの小学校があり,それぞれ事前に見学に行ったり,施設の説明をいろいろ受けたり等,学校見学会のような,なかなか公立の小学校や一般の子でもやらない部分だと思うが,選択肢がいろいろある中で事前に見学をしたり,施設をいろいろ見たりという機会はあるのか。 < 委員(学務課)>  実は就学相談をしている中で,医療的ケアが必要な児童については共有するので,その段階で住んでいる場所を確認する。基本的には学区は決まっているため,そこの学校はどこになるか,例えば特別支援学級だったらどこに行くことになるというのが決まる。やはり医療的ケアの有無と就学相談に来るということは,基本的には切り離して考えられるべきものと言いながらも,これまでの例としては一体になっている部分が非常に多かったと思う。ほかの学校を,具体的に現地で見て確認してもらうというよりは,園でどういった生活をしているのかを確認することや,答申が出た以降に,学校で具体的にどういった対応ができるということについて,何が今からできるのかを考えていかざるを得ない部分がある。そのため,具体的に学校に直接行ってもらい,見てもらうということはあまり多くはないかなと思う。 < 会長 >  なかなか難しい部分も多々あると思うが,公立の小学校でも,例えば古かったり,逆に新しくできている学校だったり,それぞれ施設面も大分違う部分もあったりするのか,やはり見ないとわからないというところとか,感じないとわからないというところは結構あるのかと思う。なかなか決まりの部分が直せないところもあると思うが,特にこういうお子さんは,母親の思いを尊重するとか,家族の思いを尊重するとなると,事前の見学会のようなことがあれば,よりいいと思っていた。 < 委員(学校関係機関)>  本校は学校公開などを行っている。教育委員会の先生方が今この場にいらっしゃるので,ぜひお願いしたいことがある。どちらか迷われているとか,ひょっとしたらこのお子さんは市内の学校をすごく強く希望はしているけれども,特別支援学校のことは一度も見学に来てないとか,特別支援学校の可能性があるという方には,就学支援委員会の審議,結論で「適」と出すより前に情報提供がなされると,よりいいと思う。「適」と出されて,本当は市内の学校に行きたかったのに,特別支援学校と市で言われたから,学校に見学に来ましたというケースがよくある。でも,そうなると,まずお母様方は不本意なところも合意形成ができてないままに見学をされるという状態になるため,それよりは,あらゆる可能性を考えながら,一度見てみましょうということで十分な情報提供ができるといいと思う。特別支援学校側も見学をできる機会をきちんと保障できるといいと思う。 < 会長 >  様々な御意見ありがたい。就学に向けた庁内の連携については,なるべく縦割ではなくて,よりスムーズに支援を進められるためのガイドラインのようなものがあるとよいので,リーフレットの活用も含めて,また検討してほしい。  また,受入れがうまくいっている自治体があれば,担当の方を呼んで話を聞いてみることも検討してほしい。 < 事務局 >  第2回医療的ケア児支援関係機関連絡会は,令和6年2月上旬頃に開催を予定。   ――了――   1