38ページ  (A-5) 医療的ケアが必要な方への支援  医療的ケアが必要な方の地域生活に必要なサービス,社会資源の整備を推進します。   前計画期間の振返り  ● 平成30年度から基幹相談支援センター(障害福祉課)に医療的ケアコーディネーター(看護職)を配置し,医療的ケアの必要な方の相談に対応しています。  ● 令和2年度から,「医療的ケア児支援関係機関連絡会」として市内の関係機関を集め,医療的ケア児に対する情報の共有,体制支援の構築に向け,話し合いを行う場を設置しています。  ● 重症心身障害児(者)在宅レスパイト等事業では,令和4年度から就労を理由とする利用を可能としました。新型コロナウイルスの影響が限定的になってきたことから,利用者の登録,件数ともに伸びています。  ● 子ども発達センター通園事業においては,指導医の指示書をもとに,対象児に対し看護師が医療的ケアを実施する体制を整備しています。また,令和2年度途中から,看護師に加えて,特定の利用者に対する指定の研修(第三号研修)を修了した福祉職も加わり,医療的ケアを実施しています。(子ども発達センター)  ● デイセンターまなびやにおいて,令和3年度から呼吸状態が不安定な方のバス送迎には看護師添乗による送迎を実施しています。  ● 調布基地跡地福祉施設(仮称)整備については令和3年4月の開設を目指していましたが事業者公募が不調となった影響で,令和4年6月に基本プランを改定し,令和7年度の事業開始を目指しています。   今後の課題  ◆ 相談窓口の一本化と支援機関同士の連携促進  日常生活の様々な場面で手厚い支援を必要とする医療的ケア児・者は,医療,福祉,教育など関わる支援機関も多岐にわたるため,相談窓口が複数に分かれており,保護者の負担となっています。それらを一体としてコーディネートできる役割が必要です。就学等のライフステージを通じた相談窓口の一本化や相互の連携が求められています。 39ページ  ◆ 医療的ケアに対応できるサービス・施設の拡大  地域で生活する医療的ケア児・者の増加に伴い,医療的ケアに対応するサービスも拡大していますが,十分ではない現状があります。ヘルパー,通所施設,ショートステイ,医療など様々なサービス分野において,医療的ケアに対応できる人員,設備などの充実を一層進めていくことが必要です。   取組の方向性 <相談窓口の一本化と支援機関同士の連携促進> ○ 医療的ケア児の総合的な相談に対応できる医療的ケア児コーディネーターを引き続き配置するとともに,研修等を通じた能力向上を図ります。各種コーディネーターの役割や位置づけを分かりやすく発信していきます。 ○ 保健,医療,障害福祉,保育,教育等の関係機関が集まり,医療的ケア児とその家族を支援する体制の構築に向けた,医療的ケア児支援関係機関連絡会を通じて,関係機関の連携促進,情報共有の強化による相談支援体制の充実を図ります。 <医療的ケアに対応できるサービス・施設の拡大> ○ 医療的ケアの必要な障害児・者と家族が安心して地域で生活できるよう,相談支援,家族のレスパイト,日中活動,ショートステイなどの各種サービスや相談体制を整備します。 ○ 医療的ケアを含む重症心身障害者を対象とした新たな通所施設,ショートステイ施設の整備に取り組み,医療的ケアが必要な方の日中活動場所,家族のレスパイト等の充実を図ります。 40ページ    事業計画 【主要事業】 №A-5-01 障害児(者)医療的ケア体制支援事業 障害福祉課 事業概要  医療的ケアを要する障害児(者)への支援のため,看護職を配置し,医療と福祉の両面におけるコーディネートや,障害福祉サービス事業所側の受入れや対応に関する支援の調整や助言等を実施します。 今後の 方向性  平成30年度から事業を開始し,個別支援の他に,地域の障害・医療分野の関係機関による定期的な連絡会開催を通して,医療・福祉の連携強化を目指し,障害児(者)が安心して生活できるための支援体制を構築します。 №A-5-02 医療的ケア児支援関係機関連絡会 子ども発達センター 事業概要  医療的ケアを必要とする障害児とその家族への継続的な支援に関する保健,医療,障害福祉,保育,教育等の関係機関が連携し,連絡調整,情報交換を図ります。 今後の 方向性  引き続き,庁内外の関係機関で構成する連絡会と,その下部組織である庁内の実務者会を定期的に開催し,連携することで,医療的ケア児に係る課題の解決に努めます。 №A-5-03 医療的ケアを行う人材の育成 障害福祉課 事業概要  調布市福祉人材育成センターにおいて,医療的ケアを担う人材を育成します。 ○ 医療的ケア支援者養成研修(特定の者) ○ 医療的ケア児等支援技術向上研修(集合型・派遣型) 今後の 方向性  継続的に研修を実施し,人材の育成・確保と質の向上を推進します。 №A-5-04 重症心身障害児(者)在宅レスパイト事業 障害福祉課 事業概要  在宅の重症心身障害児(者),医療的ケアが必要な在宅の障害児に対し,訪問看護師が自宅へ出向いて一定時間ケアを代替し,家族の休養を図ることにより,重症心身障害児(者)の健康の保持とその家族の福祉の向上を図ります。 今後の 方向性  従来の施設(ショートステイ等)によるレスパイトでは,ベッド数に限りがあり利用者ニーズに追いつかない現状であったことを踏まえ,平成30年度から事業を開始し,在宅でのレスパイト事業を整備し,利用者の支援及び家族の負担軽減が図れるよう継続します。 41ページ №A-5-05 デイセンターまなびやにおける医療的ケア対応 障害福祉課 事業概要  デイセンターまなびやにおいて,医療的ケアが必要な重症心身障害者の通所を受け入れ,日中において必要な医療的ケアを含めた介護,日中活動の支援を行います。 今後の 方向性  近年の医療技術の進歩や在宅医療の普及を背景に,施設を利用される方においても医療的ケアを必要とする利用者が年々増加し,内容についてもより高度化,複雑化しています。現在実施している医療的ケア(吸引,吸入,経管栄養,非侵襲的陽圧換気法(NPPV)による人工呼吸器管理)の継続とともに,施設に設置する「医療的ケア検討委員会」において,より実態に即した医療的ケアの実施範囲や体制について,継続的に検討を行っていきます。 №A-5-06 調布基地跡地福祉施設(仮称)整備への参画 障害福祉課 事業概要  都有地である西町の調布基地跡地において三鷹市が行う福祉施設の整備に,府中市とともに参画します。  令和4年6月に三鷹市にて取りまとめられた「調布基地跡地福祉施設(仮称)整備に係る基本プラン」(改訂版)をもとに,以下のサービスを備えた「民設民営」方式による施設整備を行います。 〇 重症心身障害者(医療的ケアを含む)対象   生活介護 20人  短期入所 6人 〇 重度知的障害者(強度行動障害を含む)対象   生活介護 20人  短期入所 9人 今後の 方向性  令和5年度の事業者公募により,重症心身障害者向け施設と重度知的障害者施設の2施設の運営事業者が選定されました。  東京都,三鷹市,府中市,運営事業者と連携し,令和8年1月の開設,運営を目標に施設整備を進めるとともに,開設後も安定した運営のための補助を行います。