140ページ 2 地域生活支援事業の見込み量  「地域生活支援事業」は,「障害福祉サービス」と同様に「障害者総合支援法」に基づくサービスですが,こちらは全国統一の基準でなく,サービスの内容を都道府県,市町村などの自治体で定め,地域の実情に合わせて実施する事業です。実施する内容や形態(直営・委託・補助など)とそれに係る事業者の報酬,利用者負担額などの仕組みは自治体により異なります。  全ての自治体が原則実施するとされている「必須事業」と,市町村が独自に定めて実施する「任意事業」があります。  特に専門性の高い事業,広域的な対応が必要な事業については,都道府県が地域生活支援事業として実施します。  (参考例)都道府県地域生活支援事業の一部   ・発達障害者支援センター運営事業   ・高次脳機能障害支援普及事業   ・障害児等療育支援事業   ・専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成研修事業・派遣事業 など 【各サービスの実績及び見込み量の表記について】 ○ 調布市が支給決定の実施主体となっている利用者を対象としています。 ○ 各サービスにおける実績及び見込み量は,利用時間数及び利用日数については各年度の全ての利用者の利用量の年間合計の数値を,利用者数については年間の実利用者数を記載しています。 ○ 一部の事業については,事業の性格上,国の基本指針に沿って見込み量を数値ではなく「事業の実施の有無」で定めます。 ○ 令和5年度の実績については,本計画の策定中に数値が確定しないため,令和5年度の一部実績をもとに算定した推計値となります。  141ページ (1)必須事業   サービスの概要と第6期計画の振り返り ① 理解促進研修・啓発事業  障害者等の自立した日常生活及び社会生活に関する理解を深めるための研修及び啓発を行う事業です。   (該当・関連事業)   ・障害者を地域で支える体制づくり事業   ・精神保健福祉に関する普及啓発   ・地域活動支援センター事業   ・ヘルプカード・ヘルプマークの普及啓発 ● 東京2020大会開催を契機として,共生社会の重要性をこれまで以上に発信するため「パラハートちょうふ」のキャッチフレーズを掲げ,様々な分野で共生社会の充実に向けた取組を展開しました。 ● 障害者差別解消法やヘルプカード,ヘルプマークの普及啓発を継続的に実施しました。 ● 障害者地域自立支援協議会のワーキングで障害理解の促進について検討を重ね,令和5年度から障害当事者講師養成研修を開始しました。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 理解促進研修 ・啓発事業 有無 計画 有 有 有 実績 有 有 有 ② 自発的活動支援事業  障害者等,障害者等の家族,地域住民等により自発的に行われる障害者等が自立した日常生活及び社会生活を営むことができるようにするための活動に対する支援を行う事業です。   (該当・関連事業)   ・こころの健康支援センターの施設開放   ・当事者サロンの運営支援 142ページ ● 地域活動支援センター,こころの健康支援センターなどの事業,施設を活用し,当事者主体による活動の支援を行いました。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 自発的活動支援事業 有無 計画 有 有 有 実績 有 有 有 ③ 相談支援事業  障害福祉サービスの「相談支援」とは異なり,いわゆる一般的な相談や幅広いケアマネジメントを行います。障害者やその家族からの相談に応じ,地域における生活のために必要な情報の提供や,障害福祉サービス利用に関する支援等,必要な支援を行う事業です。   (該当・関連事業)   ・障害者相談支援事業   ・基幹相談支援センター ● 基幹相談支援センター(障害福祉課)を中心に,ドルチェ,ちょうふだぞう,希望ヶ丘の3事業所で障害者相談支援事業を実施し,連携を強化しつつ,相談支援体制の充実を図っています。 ● 「相談支援包括化推進会議」を中心として,関係機関との連携による分野を超えた相談支援の包括化に取り組むとともに,令和5年度から「重層的支援体制整備事業」としての実施に移行し,高齢・子ども・生活困窮等の分野との一層の連携充実に取り組んでいます。 ● 住宅入居等支援事業は,地域の体制整備等広域的な取組を中心として,障害者相談支援事業の一環として継続して実施しています。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 障害者相談支援事業 箇所 計画 3 3 3 実績 3 3 3 基幹相談支援センター 有無 計画 有 有 有 実績 有 有 有 基幹相談支援センター等 機能強化事業 有無 計画 有 有 有 実績 有 有 有 住宅入居等支援事業 有無 計画 有 有 有 実績 有 有 有 143ページ ④ 成年後見制度利用支援事業  障害福祉サービスの利用の観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められる方で,成年後見制度の利用に要する費用(申立費用,後見等報酬)の支払いが困難な方にその費用を支給する事業です。   (該当・関連事業)   ・成年後見制度利用支援事業 ● 申立する親族がいない障害者の申立費用を助成する事業としての利用実績はありませんでした。相談支援を通じて,必要に応じた成年後見制度の利用支援に取り組んでいます。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 成年後見制度 利用支援事業 件 計画 4 5 5 実績 (計画比) 0 (0%) 0 (0%) 0 (0%) ⑤ 成年後見制度法人後見支援事業  障害者に係る民法に規定する後見,保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るための研修を行う事業です。   (該当・関連事業)   ・多摩南部成年後見センターの運営 ● 近隣4市と共同で設立・運営している一般社団法人多摩南部成年後見センターにおいて,福祉面に配慮した法人による後見事務等を実施しています。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 成年後見制度 法人後見支援事業 有無 計画 有 有 有 実績 有 有 有 ⑥ 意思疎通支援事業  聴覚,言語機能,音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者などに対し,手話通訳・要約筆記などの方法により意思疎通支援を行う者の派遣を行う事業です。 144ページ   (該当・関連事業)   ・聴覚障害者等コミュニケーション支援事業   ・手話通訳者設置事業   ・手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例の検討 ● 利用実績は見込み量に達していませんが,より多くの方が必要時に手話通訳等を利用できる環境を確保するため,通訳者を今後も養成,確保していくことが必要です。 ● 要約筆記者派遣の利用実績は計画に比して少なくなっていますが,利用希望があった場合にはサービスを提供できる体制を維持しています。 ● 障害福祉課に手話通訳者を配置し,市役所に来庁する聴覚障害者等の手続きの支援を行っています。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 手話通訳者派遣 延べ利用件数 (件) 計画 650 650 650 実績 (計画比) 639 (98.3%) 608 (93.5%) 606 (93.2%) 要約筆記者派遣 延べ利用件数 (件) 計画 20 20 20 実績 (計画比) 16 (80.0%) 4 (20.0%) 4 (20.0%) 手話通訳者設置 設置者数 (人) 計画 1 1 1 実績 1 1 1 ⑦ 日常生活用具給付等事業  障害者等に対し,特殊ベッド,各種信号装置,ストーマ装具,住宅改修などの日常生活用具を給付する事業です。  ■介護・訓練支援用具   特殊寝台,特殊マット,移動用リフト など  ■自立生活支援用具   入浴補助用具,視覚障害者用支援具,聴覚障害者用屋内信号装置 など  ■在宅療養等支援用具   たん吸引器,パルスオキシメーター など  ■情報・意思疎通支援用具   点字ディスプレイ,音声コード読み上げ装置,拡大読書器 など  ■排泄管理支援用具   ストーマ装具,紙おむつ など 145ページ  ■居宅生活動作補助用具(住宅改修)   小規模改修,中規模改修,屋内移動設備   (該当・関連事業)   ・日常生活用具費の支給   ・住宅改修費の支給 ● サービスの特性上,各年度で実績の差異があります。利用者からの個別の相談に応じ給付を行っています。 ● 市民からの要望,近隣自治体の対応を見ながら,日常生活用具の種目の追加,対象要件の変更などの改正を行いました。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 介護・訓練 支援用具 延べ利用件数 (件) 計画 18 18 18 実績 (計画比) 21 (116.7%) 19 (105.6%) 20 (111.1%) 自立生活 支援用具 延べ利用件数 (件) 計画 35 35 35 実績 (計画比) 35 (100.0%) 29 (82.9%) 36 (102.9%) 在宅療養等 支援用具 延べ利用件数 (件) 計画 35 35 35 実績 (計画比) 26 (74.3%) 27 (77.1%) 24 (68.6%) 情報・意思疎通 支援用具 延べ利用件数 (件) 計画 45 45 45 実績 (計画比) 69 (153.3%) 82 (182.2%)  72 (160.0%) 排泄管理 支援用具 延べ利用件数 (件) 計画 3,800 3,800 3,800 実績 (計画比) 4,219 (111.0%) 4,017 (105.7%) 4,404 (115.9%) 居宅生活動作 補助用具 (住宅改修) 延べ利用件数 (件) 計画 10 10 10 実績 (計画比) 8 (80.0%) 16 (160.0%) 6 (60.0%)   146ページ ⑧ 手話奉仕員養成研修事業   意思疎通支援を行う者(手話奉仕員)を養成する事業です。   (該当・関連事業)   ・手話講習会事業 ※ 専門性の高い手話通訳者,要約筆記者,盲ろう者向け通訳・介助員の養成は都道府県事業として実施されます。 ● 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が中止となった年度もありましたが,調布市社会福祉協議会が実施する手話通訳者養成事業に補助を行い,引き続き必要な手話通訳者の確保を図りました。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 基礎コース (手話奉仕員) 修了者数 (人) 計画 50 50 50 実績 (計画比) 25 (50.0%) 29 (58.0%) 38 (76.0%) 養成コース (手話通訳者) 修了者数 (人) 計画 10 10 10 実績 (計画比) 0 (0%) 5 (50.0%) 8 (80.0%) ⑨ 移動支援事業  一人では外出できない知的障害者,精神障害者(発達障害者,高次脳機能障害者を含む。),全身性障害者,難病患者等について,ガイドヘルパーを派遣し,外出の支援を行う事業です。   (該当・関連事業)   ・移動支援事業 ● 新型コロナウイルス感染症の影響で実績が低くなっていますが,外出支援のニーズは高く,ニーズに応えられるだけの従事者の確保が課題となっています。 ● 令和4年度から支援費の引き上げを行いました。   147ページ 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 移動支援事業 延べ利用時間数 (時間) 計画 15,500 16,300 17,100 実績 (計画比) 8,255 (53.3%) 9,535.5 (58.5%) 10,402 (60.8%) 実利用者数 (人) 計画 175 180 185 実績 (計画比) 133 (76.0%) 145 (80.6%) 133 (71.9%) ⑩ 地域活動支援センター事業  基本事業としての居場所機能,創作活動,生産活動の機会を提供するほか,相談支援事業や社会資源との連携,地域ボランティアの育成助言,障害者に対する理解促進のための普及啓発事業を行います。   (該当・関連事業)   ・地域活動支援センター ● ドルチェ,ちょうふだぞう,希望ヶ丘の3か所の相談支援事業所で事業を実施しています。相談支援事業の利用者数の増加とともに本事業の利用者数も計画値を上回るペースで増加しています。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 地域活動支援 センター事業 設置箇所数 (箇所) 計画 3 3 3 実績 (計画比) 3 (100.0%) 3 (100.0%) 3 (100.0%) 実利用者数 (人) 計画 1,080 1,100 1,120 実績 (計画比) 1,135 (105.1%) 1,237 (112.5%) 1,177 (105.1%)   148ページ   第7期計画における事業実施の方向性 ○ 「パラハートちょうふ」のキャッチフレーズのもと,様々な機会を通じて障害理解の促進と普及啓発を図ります。 ○ 引き続き基幹相談支援センター(障害福祉課)と,3か所の相談支援事業所を中心とした相談支援体制を継続し,発達障害,高次脳機能障害,重症心身障害,医療的ケアが必要な方などの専門相談の充実を含め各相談機関のスキルアップを図ります。 ○ 意思疎通支援事業については,これまでの実績をもとに見込み量を設定しますが,手話通訳,要約筆記は聴覚障害,音声機能障害または言語機能障害によりコミュニケーションに支援の必要な方の地域生活及び社会参加のために必須のものであり,今後も充実を図ります。 ○ 手話及び様々な意思疎通支援手段への理解促進と支援の一層の充実を図るため,調布市における手話言語条例及び意思疎通支援条例の制定へ向けて検討を進めます。 ○ 調布市社会福祉協議会が実施する手話講習会への補助により,引き続き必要な手話奉仕員・手話通訳者の確保を図ります。 ○ 日常生活用具等給付事業では,製品の多様化に伴う利用者のニーズに的確に対応できるよう,対象用具や対象者の要件について必要に応じて検討します。 ○ 調布市福祉人材育成センターでの移動支援従業者養成研修の実施により,移動支援従事者(ヘルパー)の育成を通じて量的な確保と質の向上による提供体制の整備を推進します。併せて,研修による資格取得者の就職へのマッチング強化を図っていきます。   149ページ 【サービス見込み量】 サービス種別 単位 R5年度 (参考) R6年度 R7年度 R8年度 理解促進研修・啓発事業 有無 有 有 有 有 自発的活動支援事業 有無 有 有 有 有 相談支援事業 障害者相談支援事業 箇所 3 3 3 3 基幹相談支援センター 有無 有 有 有 有 基幹相談支援センター機能強化事業 有無 有 有 有 有 住宅入居等支援事業 有無 有 有 有 有 成年後見制度利用支援事業 人 0 3 3 3 成年後見制度法人後見支援事業 有無 有 有 有 有 意思疎通支援事業 手話通訳者派遣 人 606 650 650 650 要約筆記者派遣 人 4 20 20 20 手話通訳者設置 人 1 1 1 1 日常生活用具等給付事業 介護・訓練支援用具 件 20 20 20 20 自立生活支援用具 件 36 35 35 35 在宅療養等支援用具 件 24 25 25 25 情報・意思疎通支援用具 件 72 70 70 70 排泄管理支援用具 件 4,404 4,000 4,000 4,000 居宅生活動作補助用具(住宅改修) 件 6 10 10 10 手話奉仕員養成研修事業 基礎コース(手話奉仕員) 人 38 50 50 50 養成コース(手話通訳者) 人 8 10 10 10 移動支援事業 時間 10,402 15,500 16,300 17,100 人 133 175 180 185 地域活動支援センター 箇所 3 3 3 3 人 1,177 1,150 1,170 1,190   150ページ (2)任意事業   サービスの概要と第6期計画の振り返り ① 訪問入浴サービス事業  自宅において一人で入浴できない,常に介護を要する障害者に入浴車を派遣して室内で入浴サービスを行う事業です。   (該当・関連事業)   ・訪問入浴サービス事業 ● 利用回数,利用者数ともに計画値を下回っていますが,重症心身障害児・者,医療的ケア児・者を中心にニーズは引き続き大きくなっています。 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 訪問入浴 サービス事業 延べ利用回数 (回) 計画 1,000 1,050 1,100 実績 (計画比) 746 (74.6%) 664 (63.2%) 786 (71.5%) 実利用者数 (人) 計画 20 21 22 実績 (計画比) 18 (90.0%) 21 (100.0%) 20 (90.9%)  ② 日中一時支援事業 障害者を一時的に預かって,見守りや社会的適応するための日常的な訓練などを行う事業です。   (該当・関連事業)   ・日中一時支援事業 ● 新型コロナウイルス感染症の影響が続き実績が低くなっています。他の日中活動系サービスや放課後等デイサービスとともに,障害児・者の日中や平日夕方以降の居場所としてニーズは高いものの,事業所の不足が課題となっています。   151ページ 事業種別 単位 区分 R3年度 (2021年度) R4年度 (2022年度) R5年度 (2023年度) 日中一時支援 事業 延べ利用日数 (日) 計画 4,800 5,000 5,200 実績 (計画比) 2,989 (62.3%) 3,044 (60.9%) 3,412 (65.6%) 実利用者数 (人) 計画 150 160 170 実績 (計画比) 119 (79.3%) 116 (72.5%) 116 (51.2%)   第7期計画における事業実施の方向性 ○ 訪問入浴サービス事業では,事業の周知を図り,潜在的な利用希望者の掘り起しを図るとともに,今後も利用者に必要なサービスが提供できるよう事業を継続します。 ○ 日中一時支援事業では,平日夕方以降の障害児・者通所施設における延長支援,休日の過ごし方などの活用を想定し,引き続き民間事業所での実施拡大へ向けて事業者との協議を進めます。 ○ 本計画に定める事業以外にも,地域生活支援事業に係る国要綱の見直し等に対応し,必要に応じて新たな事業を位置づけて実施する等,取組の充実と必要な財源確保に努めます。 サービス種別 単位 R5年度 (参考) R6年度 R7年度 R8年度 訪問入浴サービス事業 回 786 900 950 1,000 人 20 20 21 22 日中一時支援事業 日 3,412 4,800 5,000 5,200 人 116 150 160 170