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掲載開始日:2024年3月29日更新日:2024年12月3日
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市の管理する防災井戸等におけるPFAS水質検査の結果と今後の対応
有機フッ素化合物「PFAS」のうち、PFOSやPFOAは、幅広い用途で使用されていましたが、現在は国内での使用・製造が原則禁止されています。
これまでに国や東京都が行った地下水の調査により、都内においても国の定める指針値(暫定)を超過する地点があることが分かっております。
市は、市民の不安に寄り添い、透明性を確保しながら、環境省が令和5年7月に公表した「PFASに関する今後の対応の方向性」に基づいて、調査の実施や情報発信など、適切な対応を行っています。
引き続き、国や東京都、環境分野における専門家と相談・連携し、対策を検討するなどにより、市民生活への影響と不安の解消に努めて参ります。
令和5年度における市の防災井戸等の水質検査結果
環境省が公表した「PFASに関する今後の対応の方向性」(令和5年7月)に基づき、国・東京都と連携するとともに、環境分野の専門家からの助言を受け、市内における環境モニタリングの強化の一環として、市が管理する防災井戸等の水質検査を実施しました。
検査結果による市内の地下水の状況についてお知らせします。
測定地点
市の管理する防災井戸29か所と湧水1か所の計30地点
防災井戸等について、いずれも飲用には使っておりません。
検査期間
令和5年11月から令和6年3月まで
検査項目
PFOS、PFOA、PFHxSの3項目
指針値等
現在、国による規制値はありません。地下水における暫定指針値(飲用水においては暫定目標値)として、PFOSとPFOAを合わせて、0.00005mg/L(50ng/L)が設定されています。
この「暫定指針値」は、人(平均体重50kg)が生涯にわたり、毎日2L飲用したとしても健康に影響がない値として設定されています(環境省「PFOS,PFOAに関するQ&A集」)。
水質調査結果
各地点の測定値は下記のファイルのとおりです。
30地点のうち、3地点で国の定める暫定指針値50ng/Lを超える測定値を検出しました。
検査結果に対する専門家からのコメント
今回の水質検査結果について、市民の皆様に向けて、環境分野の専門家である調布市環境保全審議会会長・副会長からコメントをいただきました。
東京農工大学高田秀重教授(専門:有機化合物(化学)・調布市環境保全審議会会長)
防災井戸は飲用に供していないことを前提にすると、現状、人の健康には影響がないものと考えられる。しかし、暫定指針値を超過していることを踏まえると、今後も継続して経過を観察する必要がある。
東京都立大学奥真美教授(専門:環境規制(法学)・調布市環境保全審議会副会長)
暫定指針値の超過箇所については、これまでのところ飲用に供していないため、これを引き続き徹底すれば、健康影響は想定しづらい。今後も、施設管理者はもとより、国や東京都との連携・情報共有を密にしながら、リスク管理を徹底していくとともに、継続的な検査の実施と市民への正確でタイムリーな情報提供に取り組んでいく必要がある。
あわせて、市民の不安や懸念に真摯に向き合い、応えていっていただきたい。
水道水は安全です
市内の水道水は、東京都水道局が定期的に検査を行い、国の定める暫定目標値を超えるおそれがあれば直ちに井戸からの取水を停止し、暫定目標値を大幅に下回るよう安全性を確保した管理を行っておりますので、安心してお飲みいただけます。
市以外が管理する井戸の水質検査
市以外が管理する市内85か所の井戸(防災協力井戸と揚水井戸)を対象に、PFASの水質検査の実施を募集し、計58か所の井戸において実施しています。
検査結果については、井戸の管理者へ個別に通知し、お知らせしています。
畑などでの井戸水の利用について
現在、内閣府の食品安全委員会有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループにおいて、食品の摂取を通じて人の健康に及ぼす影響についての評価(食品健康影響評価)を検討しています。
令和6年1月に公表した評価書(案)の中で、「農林水産省では、2012(平成24)年から2014(平成26)年に調査を実施し、食品を通じたPFOS・PFOAの摂取量を推定した結果、平均的な食生活において健康への懸念は低いとしています。」と紹介されています。
市の今後の対応について
市では、環境省が公表した「PFASに関する今後の対応の方向性」(令和5年7月)及び「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」(令和2年6月)に基づき、今後も専門家からの助言を受けながら適切な対応をとって参ります。
- 市内における環境モニタリングの強化の一環として、令和6年度においても、引き続き、市の管理する防災井戸等30地点について水質検査を実施します。
- 国の定める暫定指針値の超過が検出された地点については、引き続き経過を注視していくことが必要であり、国、東京都、専門家からの科学的知見を得て、低減措置等(効果が期待される活性炭による浄水など)の対策を実施して参ります。
- 関係部署による庁内連絡会を新たに設置し、全庁横断的な連携を図りながら、引き続き、市民の不安に寄り添った対応に努めて参ります。
参考:国、東京都の指針等
- 環境省「PFASに関する今後の対応の方向性」(外部リンク)
- 環境省「PFOS、PFOAに関するQ&A集」(外部リンク)
- 環境省「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」(外部リンク)
- 食品安全委員会「有機フッ素化合物(PFAS)に関するQ&A」(外部リンク)
- 食品安全委員会「PFOA及びPFOSに対する国際がん研究機関(IARC)の評価結果に関するQ&A」(外部リンク)
- 東京都「有機フッ素化合物に関する東京都の取組」(外部リンク)
- 東京都「PFASに関する電話相談窓口Q&A」(外部リンク)