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掲載開始日:2024年12月19日更新日:2024年12月19日
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東京2025デフリンピック開催1年前イベント「デフ×スポーツ講演会」が開催される
デフスポーツや聴覚障害について知ることができる機会
12月7日(土曜日)に東京2025デフリンピック開催1年前イベント「デフ×スポーツ講演会」を調布市教育会館で開催しました。
デフリンピックとは、耳がきこえない、きこえにくいアスリートのための国際スポーツ大会で、2025年11月に東京で開催されることが決まっており、調布市では武蔵野の森総合スポーツプラザがバドミントンに競技会場になります。
今回の講演会では、東京でデフリンピックが開催されることはもちろん、デフスポーツやデフアスリート、聴覚障害、手話について、市民のみなさまに知っていただける機会となるよう企画しました。
講師として、亜細亜大学経営学部経営学科特任准教授で手話通訳士の橋本一郎(はしもと いちろう)先生と3名のデフリンピアンの方にお越しいただきました。「デフリンピアン」とは、「オリンピアン」や「パラリンピアン」のように、デフリンピックに出場した選手の呼称で、今回はデフ陸上の岡田 海緒(おかだ みお)選手、デフビーチバレーボールの瀬井 達也(せい たつや)選手、デフテニスの親松 直人(おやまつ なおと)選手をお招きしました。
第1部の「手話言語講座」では、簡単な手話を教えていただきながら、手の動きだけではなく表情や姿勢も大切だというお話がありました。例えば、「好き」と伝えるときには笑顔、「ありがとう」や「お願いします」のときには背中を丸めて少し頭を下げた姿勢のほうが伝わりやすそうですね。アスリートのみなさんが参加者の座席の間を回って、手の動かし方をレクチャーしてくれました。
また、聴覚障害の方とのコミュニケーションは手話以外にも口語や筆談、音声認識アプリなど複数の手段があることも紹介があり、実際に口語(いわゆる口パク)で隣の方に単語を伝えるワークを参加者の方にやっていただきましたが、「たまご」と「なまこ」など母音が同じ言葉を口の動きで読み取るのは至難の業でした。口の動きは口語でのコミュニケーション時だけでなく、手話を使うときも重要で、口を動かしながら表情や姿勢も意識して手話を使うほうがよいそうです。
第2部の「講演会」では、「きこえないってどういうこと?」「デフスポーツについて」「デフリンピックとは?」の3つのテーマについてお話いただきました。きこえない(聴覚障害)の方の日常生活について、クイズを交えて教えていただきました。聴覚障害の方が生活する家は静かなのか、うるさいのかというクイズがありましたが、答えは(比較的)うるさい。自分の出している音に気付かないので、足音や扉を閉める音などの生活音がきこえないため大きくなってしまったり、アラームなどがつきっぱなしでも気づけないからだそうです。
各競技についても教えていただきました。デフ陸上では、スタートがピストルではきこえないので代わりにスタートランプという信号のようなライトを使います。デフビーチバレーボール、デフテニスの基本ルールは健常者の試合と変わりませんが、ダブルスの際に声かけによる連携ができないため、相方との連携に難しさがあるようです。デフビーチバレーボールで相方選手を呼ぶときに、砂を相手の足元などに向かって投げると聞いて、会場中が驚いていました。そのほかにも、音による合図に代わり、ランプが光る、フラッグが上がるなど視覚情報での合図を用いる工夫がされているそうです。
そのほか、各選手のデフリンピックでのエピソードや応援しているデフスポーツ選手、プライベートの過ごし方など幅広くお話いただき、選手のみなさんの人柄も伝わってくる楽しい時間でした。今回の講演会に参加された方々は、3選手が東京2025デフリンピックに出場した際は、応援に一層熱が入りそうですね。
今回の講演会を機に、デフリンピックやデフスポーツ、デフアスリートを知り、親しみを持っていただき、大会の際には、ぜひ大勢の方が競技会場でアスリートへ声援を送ってくださるとうれしいです。東京都では大会の運営をお手伝いしてくださるボランティアも募集しています。
調布市では、令和7(2025)年11月の東京2025デフリンピックに向けて引き続き大会の気運醸成、聴覚障害への理解促進に取り組んでまいります。