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ページ番号:3527

掲載開始日:2004年3月5日更新日:2004年3月5日

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平成15年度 市長コラム「手をつなぐ樹」(第11号から第31号まで)

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コラム一覧

第31号 「映画のまち」と呼ばれて

 布田駅から多摩川に向かう道沿いにある飲食店では、今でも時折、往年の日本映画華やかなりしころを懐かしむ声が聞かれる。「裕ちゃんが食べに来てくれてねえ」、「小百合ちゃんはほんとに可愛(かわい)かった」。
 昭和30年代、映画産業は国民的娯楽の主役の座を占めていた。私も怪獣映画や若大将シリーズなどよく見に行ったものだ。当時、調布は「東洋のハリウッド」と呼ばれ、まさに日本の映画制作の中心的役割を担っていた。
 そのころに比べて規模が縮小したとはいえ、現在でも調布市内には大手撮影所、プロダクションを始めとして数十の映像関連企業が存在する。依然として映像文化の一大集積地と言えよう。
 そのような環境が調布映画祭の開催を可能としている。3月5日(金曜日)から7日(日曜日)までの3日間、文化会館たづくりの映像シアターほかで古今東西の名作が一挙に40本近く上映される。入場無料なので気軽に足を運んでいただきたい。
 今後とも「映画のまち調布」というイメージをいつまでも大切にしていきたいと思う。それとともに、この貴重な財産をもっと有効に生かして産業振興を図りたい。そのために、関係者のご意見をさらに拝聴していく。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成16年3月5日号掲載)

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第30号 あっと驚く...

 1月からスタートした大河ドラマ「新選組!」。ご覧いただいているだろうか。幸いなことに初回から20パーセントを超える高視聴率が続いている。ドラマ後の新選組ゆかりの地を訪ねるコーナーでは、有り難いことに二度(1月18日および2月8日)も調布が取り上げられた。
 全国的に新選組ブームが巻き起こる中で、いよいよ2月28日(土曜日)に、「ちょうふ新選組フェスタ」の中心となる二つのテーマ館、「大河ドラマ館」と「新選組からくり屋敷」が都立神代植物公園内にオープンする。
 「大河ドラマ館」では、小道具や衣装が展示されるほか、キャスト紹介をはじめ、脚本家三谷幸喜氏からのオリジナルメッセージもお楽しみに。また、細部にまでこだわった「池田屋」セットは必見。
 一方、「新選組からくり屋敷」の売り物はズバリ池田屋騒動。エントランスから近藤勇の生家を抜けるとそこはもう幕末の京都のまち並みへ。最新機器と“あっと驚く”からくりで近藤勇の活躍を体験いただきたい。そのあとは、隣接する「幕末茶屋」で抹茶を楽しまれるのも一興だろう。
 11月28日(日曜日)までの9か月間、咲き誇る花々を愛(め)でながら、ぜひこのイベントをお楽しみいただきたい。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成16年2月20日号掲載)

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第29号 頑張れ受験生

 今年も受験の季節が到来した。
 その昔、ある地方に「15の春を泣かせはしない」と言った知事がいたことを思い出す。高校間格差をなくすことにより、どの公立高校にも同様に入りやすくして、中学生の受験戦争をなくしていこうという考えだった。
 それに対し、「競争を教えるのも教育」、「学力が低下して18の春に泣くのでは同じこと」といった反論も寄せられたという。
 人生においてつまずきを経験することの大切さも理解するが、立ち直るのは決して容易ではない。恥をさらけだすようだが、わが身の中学時代を思い出す。
 地元の高校に、中学のクラスメイトたちと肩を組みつつ進学するつもりが、自分の受験番号だけ見つからなかった合格発表。悔しさと恥ずかしさ。本当に辛かったなあ。三十数年前の記憶はかなり薄れたとはいえ、あの時の苦しさを忘れたことはない。
 その後の人生でも数多くの挫折があったが、人間がずうずうしくなってしまい、その時ほどのショックは受けなくなった。
 受験生諸君、どうか悔いの残らないように最後まで全力でチャレンジしてほしい。そして、残念ながら今回うまくいかなかった人にこれだけは言いたい。
 「人生には、まだまだいっぱいチャンスがあるよ」。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成16年2月5日号掲載)

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第28号 輝く新成人

 今年は元旦から本当に穏やかな天候が続いた。そのことに平成16年の吉兆を感じられた方も多かったのではないだろうか。年末には、その予感を現実のものとして、一年を楽しく振り返りたいものだとつくづく思う。
 新たな年を迎えて、12日には成人式を開催した。式の内容については、昨年から二十歳前後の若者たちによる実行委員会が主だった企画を担当している。半年以上の長い時間をかけて取り組んでもらっており、有り難く思う。心から感謝したい。
 当日の新成人の主張は、すがすがしさを感じさせるもので感動を覚えた。中国からの留学生、湯 志遠(とうしえん)君は、日本で高水準の技術を習得して、母国の発展に貢献したいという気概に満ちていた。また、小暮智美(こぐれともみ)さんは、将来舞台に立つという大きな目標に向けた諸レッスンのために、現在一日が24時間では足りない多忙な日々を過ごしているという。
 充実した毎日を送る彼らの言葉を聞いて頼もしさを感じるとともに、一瞬、帰らぬ青春を思い、うらやましくもあった。
 5分と静寂が保てない一部の出席者の心無い私語はとても残念であり、発表者に誠に気の毒だった。今後改善を考えていきたい。しかし、2人の熱い思いは会場全体に十分伝わったことと思う。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成16年1月20日号掲載)

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第27号 新鮮屋

 数か月前に冷夏だと言っていたら、今度はどうやら暖冬模様。まったく今年は1年を通して異常気象である。季節感のあるご商売は、さぞかし苦労されていることだろう。
 姉妹都市の木島平村(註1)でも、昨年に比べて積雪が遅れているという。冬に木島平を訪れる大きな楽しみの一つはスキーである。1日も早く一面が銀世界になることを心から祈りたい。現在、木島平へはスキーバスが運行されている。ご家族あるいはお友だちと、「木島平の冬」を楽しまれてはいかがだろうか。
 また、木島平といえば10月28日、調布駅の西に位置する調布銀座商栄会の線路側角に「新鮮屋」(月曜日から土曜日午前10時から午後7時営業(註2))がオープンした。これは、木島平村が、四季を通して新鮮な農産物などを現地直送で調布市民に提供するために設けた、アンテナショップである。
 開店から1か月以上経過したが、売れ行きは好調とのことだ。近くに足を運ばれた際に、ぜひ一度、気楽に店を訪ねていただきたい。
 木島平村から派遣されている山嵜裕之店長を始めとするスタッフのにこやかな笑顔が皆様をお迎えするはずである。
 調布市長 長友貴樹

(註1)昭和60年、教育・文化・スポーツ・産業など広く交流を図り、住民相互のふれあいと信頼を深めながら両市村の発展を図るため、長野県木島平村と姉妹都市盟約を結び、以来交流を深めている
 (註2)12月31日から1月6日休業

(市報ちょうふ 平成15年12月20日号掲載)

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第26号 あのころ...。

 10月の若葉小学校40周年記念式典に続いて、11月は滝坂小学校と深大寺小学校のそれぞれ130周年記念式典が挙行された。いずれも、厳粛な中にも独自の楽しい趣向を凝らした、記憶に残る素晴らしい式典であった。
 3校を訪れてそれぞれの歴史を振り返りながら、ふと豊中(註)で過ごした小学校時代を思い起こしていた。
 入学したのは昭和34年。高度経済成長がまさに始まろうとしていたころだから、日本はまだまだ貧しかったわけだが、社会全体に居心地の良いのどかさが残っていたように記憶する。
 木造校舎で、なぜか床が異様に黒光りしていた。給食はコッペパンに脱脂粉乳。毎日真っ暗になるまで校庭で遊んでいた。
 雨が降れば、ずぶぬれになりながら、水たまりの間に水路を渡す土木工事(?)に時を忘れた。鋪装した道が少なかったんだな。休みの日には、たこ糸1本だけ持って池に行く。枝を折って釣りざお代わりに使い、糸の先にかみ終わったガムをくくりつけるとザリガニがはさみでつかみにくる。えさを身に付け替えるとバケツ1杯ぐらいすぐに釣れたものだ。そして、帰り道にセスナ機が広告のチラシを空からまけば、夕焼け空を見上げながらどこまでも追いかけていった。
 あのころがただただ懐かしい。

調布市長 長友貴樹

(註)大阪府豊中市。大阪市の北に位置するベッドタウン

(市報ちょうふ 平成15年12月5日号掲載)

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第25号 人の輪が広がって

 関東村で行われた市立小学校PTA対抗のソフトボール大会(註)決勝トーナメントに参加した。
 これは、市長としての公務の一環であるが、それと同時に、実は私も出場選手の一人であり、朝からの曇り空に不安を抱きつつ、心はずませてグランドに赴いたわけだ。
 ただ、残念なことに、我がチームはすでに予選で敗退しており、当日は敗者同士の練習試合に参加しただけであったが。現在、20の市立小学校があるが、全チームが4ブロックに分かれた予選を戦い、8校のみが決勝トーナメントに進出できる。勝ち残るのは容易ではない。
 考えてみれば、9年前に調布に移り住み、誰一人知人もいない環境における生活のスタートであったが、このソフトボールチームに(気まぐれで?)入ったことにより、だんだん人の輪が広がっていったといえる。
 チームメイトと、職業や年齢を越えて楽しく交流しているうちに、10年近い月日があっという間に過ぎ去ったというのが実感だ。もっとも、ソフトボール以上にミーティングが楽しい、という人もいるようだが。(私ではありません。念のため)
 飛田給小学校PTAの皆さん、優勝おめでとうございます。来年は負けませんよ。

調布市長 長友貴樹

(註)11月9日に調布基地跡地運動広場で行われた第10回小学校親善ソフトボール大会

(市報ちょうふ 平成15年11月20日号掲載)

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第24号 「調布」を全国に発信

 10月26日に「歩き・み・ふれる歴史の道」イベント(註)に参加した。
 調布市では、来年の大河ドラマ「新選組!」を意識して、「近藤勇ウォーク」のタイトルで府中市の大國魂神社から深大寺に至るコースを設けたところ大変な人気を集め、参加者は255人にも達した。
 これを見ても、いよいよドラマの放映が近づき、新選組への関心が高まってきたことを実感する。また今年に入り、調布市内のさまざまな催しにおいて、新選組ののぼり旗を立てた中で、多くの市民の皆さんにそろいの宣伝衣装を身に付けていただいたり、最近では新選組関連グッズを販売させていただいている。広範な応援態勢に心から感謝申し上げたい。
 考えてみれば、近年調布市はPRの機会に恵まれている。大河ドラマにおいて何十、何百という候補作の中から新選組が選ばれた。また昨年は、サッカー・ワールドカップのキャンプ地に決定したほか、今夏の都市対抗野球では、全国307チーム中、シダックス社が見事栄えある準優勝に輝いた。
 このような「ツキ」も大切にしながら、あらゆる機会をとらえて、調布の素晴らしさを全国に力強く発信していきたい。

調布市長 長友貴樹

(註)地域の歴史・文化に対する理解を深めるとともに、文化財保護の促進を目的に全国で展開されている。今年は、都内の16市が協力して、多摩地域の史跡等をめぐる10ルートの散策コースを設定。

(市報ちょうふ 平成15年11月5日号掲載)

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第23号 鬼太郎茶屋オープン

 10月4日、さわやかな秋晴れのもと、深大寺門前に「鬼太郎茶屋」がオープンした。
 当日は、「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者である水木しげるさんを始め、熱心な鬼太郎ファンなど500人を超える方々が集い、調布の新名所の誕生を祝った。水木さんの故郷(ふるさと)鳥取県からも、平井副知事など多くの方が駆けつけてくださった。
 場所は、深大寺をご存知の方には、「時雨(しぐれ)茶屋」と言えばお分かりいただけるかと思う。経営者であった山口さんが、閉店に際して「深大寺が子どもにとってより楽しめる場所になれば」と、水木さんなどに相談され、今回の企画が実現したものだ。
 茶屋のまわりには、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男などおなじみのキャラクター人形が置かれ、建物内では、飲食以外にもからくり趣向の「妖(よう)怪ギャラリー」などが楽しめる。ぜひ、お子様連れでお訪ねいただきたい。
 深大寺の美しい四季の中で愛されるスポットとなることを心から期待している。
 さて四季と言えば、毎年、故関野凖一郎氏の版画で季節の移り変わりを感じさせてくれる「調布カレンダー」(註)が20日から発行される。今年は「日本の屋根」がテーマだそうだ。楽しみである。

調布市長 長友貴樹

(註)国際的に高い評価を受けている版画家の故関野凖一郎氏の「日本の美シリーズ」12点と、表紙には詩人・大岡 信氏の揮(き)ごうを掲げた品格あるカレンダーです。

頒布価格 1部1000円
頒布場所 アカデミー愛とぴあ(文化会館たづくり10階図書館読書推進室内)、真光書店、かもしだ書店、八洲書房、神代書店、そばごちそう門前、深大寺、グリーントピア、市役所1階売店
問い合わせ 図書館読書推進室内アカデミー愛とぴあ電話 441-4328

(市報ちょうふ 平成15年10月20日号掲載)

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第22号 紫煙のゆくえ

 10月1日から市役所内を全面禁煙とした。春以来の議論の末の決定である。
 たばこを吸う人の権利だって考えなければならない。当然のことだ。しかし、煙害防止の対策を望む方が多数おられる限り、健康面への配慮から喫煙を一部制限することはやむを得ない。米国などではいち早くオフィス内禁煙(または分煙)が徹底されたが、日本では10年ぐらい前まで通常自席で喫煙が可能だったのだから、あまりにも寛容すぎたと言えるだろう。
 正直に言って、私自身は嫌煙家ではない。大仕事を終えたあとの何ともいえぬ開放感の中での一服。また、山海の珍味に舌鼓を打ったあとに味わう充足の一本など、たばこの効用を全面的に否定するものではない。
 ただ、3年前に禁煙した。時折、その理由を問われる。3年前の定期検診で食道の再検査となった。たまたまその前年、妻が手術を伴う大病をしていたのでとても嫌な気がしたものだ。当時、末っ子はまだ小学校低学年。自分まで倒れるわけにはいかない。「せめて、たばこはやめよう」そう決心した。
 いろいろなご意見があろうことと思われるが、今後とも、継続して喫煙のあり方を皆さんと一緒に考えていきたい。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年10月5日号掲載)

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第21号 来年こそ黒獅子旗を

 「フレー、フレー調布」の掛け声が東京ドームに高らかにこだました。
 皆さんすでにご存知の通り、第74回都市対抗野球大会に東京都第一代表として出場した調布市シダックス野球部が、出場32代表チーム中、見事準優勝に輝いたのだ。
 決勝戦は、惜しい試合だった。シダックスが先手をとりながら、7回に一気に逆転され、最後まで粘ったものの残念ながら4対5で一歩及ばなかった。しかし、決勝戦にふさわしい好試合であり、観戦者全員に大きな感動を与えた。
 言うまでもなく全国第2位の成績は大変素晴らしいことであるが、それと共に都市対抗大会のもう一つの売り物である応援合戦において、シダックス応援団が敢闘賞を受賞したこともうれしかった。その応援の中で、来年の「新選組!」と「近藤勇のふるさと調布」を大いに宣伝させていただけたことは調布市にとって誠に有り難い限りだ。
 今後も、志太オーナーのチーム作りにかける情熱、そして野村監督の名采(さい)配により、シダックス野球部の前進は続いていく。
 栄誉を祝して手渡された旗に描かれる獅子の色が、準優勝の白から来年は優勝の黒に変わることを確信している。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年9月20日号掲載)

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第20号 大学との協働

 残暑厳しき中、第6回調布市内中学校対抗軟式野球大会が、明治大学島岡球場で開催された。
 最終試合の途中からではあったが、私も試合を観戦した。手に汗握る熱戦で、大変珍しいことに、上位3校が勝ち数ばかりか得失点差までまったく同じとなり、神代中、三中、五中が同率優勝となった。素晴らしい大会を準備いただいた中学校関係者および保護者の皆様に心からお礼申し上げたい。
 また本大会は、明治大学総長杯争奪と銘打っているように、グラウンドの貸与や審判員としての野球部員の貢献など明治大学野球部の全面的支援をいただいている。試合と並行して、野球部員による中学生への実技指導も行われた。別府野球部総監督および川口コーチのご理解に深く感謝申し上げる。
 そのほか、明治大学からは卓球においても、調布市内のスポーツ振興に今後一層協力したいという申し出が児玉(こだま)卓球部総監督から寄せられている。誠に有り難く存じる次第で、市としても逆に大学のお役にたてることを考えていくつもりだ。
 調和SHC(註)の活動など、地域におけるスポーツ振興の重要性がますます高まる中で、このような連帯をますます大事にしていきたい。

調布市長 長友貴樹

(註)市立調和小学校を拠点にスポーツや文化的な活動を展開する調布市内初の「総合型地域スポーツクラブ」。地域住民のコミュニティの拡大を目的に設立。

(市報ちょうふ 平成15年9月5日号掲載)

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第19号 一本の傘

 本当に今年の梅雨は長かった。梅雨明け後も台風の影響などで、例年に比べて夏場の日照時間の少なさが気にかかる。農作物の生育に大きな支障が無いことを切に願いたい。
 雨の時期は、ともすると鬱陶(うっとう)しさに気が滅入りがちになるものだが、その中で先日、私自身は心暖まる体験をさせていただいた。
 都内で公務があり、調布駅に降り立ったのは午後8時過ぎだった。南口で路線バスの停留所の方を見ると、運悪くバスはちょうど発車したところ。雨なので、「しょうがない、タクシーを利用しよう」と乗り場に並んだら、折悪しく雨足が急速に強まってきた。「まいったなあ、傘を持ってない」。上着を脱いで頭にかざそうとしたその瞬間、前に並んでおられた私より年配らしき上品な女性が、「一緒にどうぞ」と傘を差し出してくださった。そのご好意に甘えることにより、幸運にも濡(ぬ)れねずみをまぬがれた。そればかりか、ご自分が一台前に乗り込まれる際に、「安いものですから」と、ビニール傘をいただいてしまった。
 人情いまだ地に堕(お)ちず、との思いを深くした次第だ。名前も伺わずに誠に恐縮に存じており、もしこの拙文がお目にとまれば心からお礼申し上げたい。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年8月20日号掲載)

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第18号 「癒しの灯」よ永遠に

 本年も無事に調布市花火大会を終えることができた。多くの方のご尽力に心からお礼を申し上げたい。
 まだ梅雨も明けきらぬ中での開催だったというのに、1万発をすべて打ち上げたあとは、一瞬まるでもう夏が終わってしまったかのようなわびしさを感じたものだ。これは、私一人だけの感傷だろうか。
 夜空に咲く大輪の花を無心で見つめていると、本当に心が洗われる思いがする。単なる夏の夜の風物詩としてだけではなく、毎年の生活の区切りとして調布の花火を心待ちにしておられる熱心なファンが多いことは有難い限りだ。
 「来年から花火が見られなくなるというのは本当ですか」という質問を近ごろ時々耳にする。この機会にはっきり申し上げたいが、調布市としては、まちのシンボルである花火をやめるつもりはまったく無い。
 ただ、30万人を超える観客をどのように輸送し、かつ終了時まで暗闇の中でいかに安全を確保するかについては、電鉄およびバス会社のご配慮、警察署、消防署のご指導、市民の皆様のご協力などが必要となる。
 今後とも関係者各位のご理解を心からお願いしつつ、「癒しの灯」をともし続けたい。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年8月5日号掲載)

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第17号 名付け親、大募集

 調布市メールマガジンの配信を8月1日(金曜日)から開始することとなった。調布市ホームページの新着・更新情報などを掲載することになる。
 メールマガジン(略称メルマガ)は便利なものだ。メールアドレスを登録すれば、その後は自動的に特定情報が送られてくる。イベント情報から政治、経済など、あらゆる分野の情報収集に有効な手段となりつつある。「小泉内閣メールマガジン」には、現在180万人を超える登録者がいるそうだ。情報の受け手と送り手の距離が急速に縮まろうとしている。
 このたび、私がメルマガの導入を決めたのは、市民の声に基づく。市に寄せられたある日のメールの中に、「忙しい日常生活において、自動的に市の情報が得られれば有り難い」という要望があったからだ。
 首長が発信するメルマガは他の自治体でも存在するが、市政全般にわたる内容で情報発信するのは都内で初めてだそうだ。
 今回号2面にてご案内の通り、7月25日(金曜日)から利用者の登録を開始する。多くの方の参加を心から期待する次第だ。
 それと同時に、このメルマガを市民の身近な存在にするために、どうかあなたに名付け親になっていただきたい。(註)

調布市長 長友貴樹

(註)メルマガ愛称募集中
はがき・ファクス・Eメールで愛称、住所、氏名、年齢、電話番号(あればファクス番号、Eメールアドレス)を明記し、7月25日(金曜日)(必着)までに市役所政策室広報担当へ (注)1人何点でも応募可

(市報ちょうふ 平成15年7月20日号掲載)

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第16号 身近なオアシスづくり

 現在、調布市には38の商店会がある。それぞれの商店会は、景気が冷え込む中で、少しでも売上げを伸ばそうと、さまざまな工夫をこらして懸命の努力を続けておられる。しかし残念ながら、後継者難などの理由により廃業される店があることも事実である。
 ただ、それはもったいない。多くの方が行き交う通りで、空き店舗を利用して、何かできないものか、という声が以前から聞かれるようになっていた。うまくいけば、商店会の活性化に役立つとともに、新しいまちづくりのヒントを得ることもできるという皮算用である。
 市の呼びかけに、2つの商店会がまず名乗りをあげてくださった。
 中央商店会は、若手商人塾(註)に委託して、環境に優しい日本古来の伝統を活かしたオリジナル風呂敷店を旧甲州街道沿いにオープンさせた。将来的には「子どもが集まる駄菓子屋風の施設や、いろいろな業種との連携を考えていきたい」とのことだ。
 一方、調布ケ丘商店会の「情報の館」は、ホームページの閲覧や展示会および健康セミナーの開催、パソコン教室の開設など商店会の中のカルチャーセンターといった趣だ。
 新しい試みを暖かく見守り、応援していただければ有り難い。

調布市長 長友貴樹

(註)若手商人塾 平成11年2月に、まちづくりや地域の活性化に積極的にかかわり研究・実践しようと集まった調布・布田・国領地域の商店会の若手有志のグループ。

(市報ちょうふ 平成15年7月5日号掲載)

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第15号 新選組 いざ本番

(仮称)調布市「大河ドラマ新選組」まちおこし実行委員会が公募した新選組のロゴマークとマスコットキャラクターの応募作品を拝見した。ロゴ74作品、キャラクター70作品の質の高さに驚かされた。選考結果は次号の市報でお知らせするので、楽しみにお待ちいただきたい。
 大河ドラマ「新選組!」の撮影は9月初旬にも開始されるそうである。三谷幸喜さんの脚本、SMAPの香取慎吾君が主役の近藤勇ということで、これまでのいわゆる新選組物とはかなり傾向の異なる作品になるとの見方もあるが、さてどうなるだろうか。明るい時代の到来を信じて懸命に生き抜いた若者たちの青春群像が描かれるものと期待している。
 いずれにしても、ドラマの進行に伴い、近藤勇のふるさと調布を多くの方が訪れることは間違いない。来訪者の皆様には、四季折々の調布の自然を楽しんでいただきたい。そして、新選組をより理解していただくために、都立神代植物公園に新選組関連の展示などを行う歴史アミューズメントスポットを設営する予定だ。
 また、今後も、歴史講座、映画祭、剣道大会などの関連行事が目白押しだ。観光ルートも再整備し、勇のふるさと調布を複合的に力強くPRしていきたい。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年6月20日号掲載)

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第14号 短期に全力投球

 小雨の降る朝、武蔵境通りを自転車で駆け抜ける若いお母さんを見掛けた。前と後ろに2人の幼児を乗せてかなりのスピードだった。ご自身はスーツ姿なので、出勤途中の保育園行きなのだろう。
 本当に子育ては大変だと思う。そして改めて、保育園待機児解消を含めた子育て支援策の充実の必要性を痛感した。
 より良い形の男女共同参画社会の実現に向けた取り組みに異論を持つ方はおられないのではないか。看護婦、保母の呼称が、看護師、保育士となり、大型車両を女性が運転するように、現在男女いずれかでなければならない職業はほとんど見当たらない。
 しかし、男女が等しく貢献しうる社会を作り上げるためには、女性の社会進出を永続的に可能にする仕組み、政策の充実が何よりも大切となる。
 保育園の定員増による待機児の解消、乳幼児医療費の助成、学童クラブおよびユーフォー(註)の拡充による児童の居場所確保、少人数学習や中学校における昼食のあり方の検討など諸施策を一気に前進させたいと考えている。無論、財政的制約はあるが、市としてできることに短期集中的に全力で取り組んでいく。
 継続してご意見をお寄せいただければ有り難い。

調布市長 長友貴樹

(註)教育委員会で実施する学校施設を利用した放課後遊び場対策事業。市立小学校6校で実施中、4つの「ゆう」(遊・友・優・夕)でユーフォー。

(市報ちょうふ 平成15年6月5日号掲載)

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第13号 協働を求めて

 市民の皆さんと共に市政をつくりあげていくために、その前提として情報公開の度合いを高めていくことは、すでにお約束した通りである。
 市報5月5日号の6面で、平成14年度における情報公開の進捗(ちょく)状況と15年度の取組についてお知らせした。地味な扱いであったがお目にとまっただろうか。
 昨年7月以降、市長交際費や各種審議会会議録を始めとし、すでに約100件の市政情報に関する公開度を高めた(全容はホームページに掲載)。更に今年度中に、メールマガジン的な市からの自発的情報発信を実施するとともに市議会でもホームページでの議事録公開の準備を進めている。
 逆に、市政に対する皆さんからのご意見も積極的にお寄せいただきたい。国領に設置する市民活動支援センター(今回号2面参照)については、今年の初めから市報などで紹介し、センターのあり方に関して、これまでも市民の皆さんにご意見をいただいてきた。
 今後とも引き続き市民の皆さんの主体的なご意見を取り入れていきたい。センター内の基本的スペースの割り振りは、工期の関係で6月中旬ごろには決めなければならないが、運営のあり方は、年内いっぱいじっくり検討していくつもりだ。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年5月20日号掲載)

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第12号 自転車二題

 風薫る季節になった。満開時を思い起こしながら桜並木を自転車で駆け抜ける時、自然と軽やかなメロディーなぞ口ずさみたくもなる。
 近場に出向く際にはなんと言っても自転車を利用することが多い。日常生活の中で欠かすことのできない足となっている自転車については、今後とも取り巻く環境の整備に努めていきたい。
 先日、電動自転車に試乗する機会があった。予想していた以上に快適なものだ。上り坂における発進などに特に威力を発揮する。調布市の南北高低差は、深大寺と染地の両地域間でなんと32メートルもある。南から北に重い荷物を載せて移動する時などは、ペダルのあまりの重さに自転車を降りたくなるほどだ。私も将来的には、電動自転車の使用を考えてもいいかなと思った。
 自転車に関わる話題をもう一つ。今、わが市から画期的な発明が世に出ようとしている。深大寺南町の「あき電器(株式会社)」が開発した「マジ軽ライト」だ。白色LEDを用いた発電でタイヤと非接触なため、点灯してもペダルが重くならない。
 現在、コストダウンと光量の調整段階とのことだが、無灯火自転車を減らすためにもこれからの普及が楽しみだ。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年4月20日号掲載)

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第11号 スタートに臨んで

 先月末から急に気温が上昇して一気に春めいてきた。桜が咲き誇る中、4月はスタートのシーズンだ。体よりも大きそうなランドセルを背負って登校する新1年生の姿などは、本当に微笑(ほほえ)ましい。
 調布市も、3月議会で承認いただいた15年度予算に基づき、市民生活の向上を目指したさまざまな事業に積極的に取り組んでいく。
 10月からではあるが、就学前までの乳幼児医療費の助成に関し、所得制限を撤廃する。また、保育園待機児の解消に向けた取り組みを強化するとともに、小学校低学年を対象とした少人数学級への対応に着手する。小・中学校への扇風機設置も3年計画で完了したい。
 京王線連続立体交差事業も先月28日に認可された。中心市街地の整備や産業振興策をあわせ、夢のあるまちづくりへの対策を一層強化していく。
 また、生活環境の整備については、ごみ減量を推進し、シックハウス症候群対策の充実も図る。
 そのほか、福祉、文化、防災、交通ネットワークの整備などを含めて15年度の事業実施体制は整った。
 さあ、このあとは待ったなしで16年度に向けた議論を始めよう。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 平成15年4月5日号掲載)

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調布市行政経営部広報課 

電話番号:042-481-7301・7302

ファクス番号:042-489-6411

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